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模倣の殺意(新人賞殺人事件)
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模倣の殺意(新人賞殺人事件)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 81~95 5/5ページ
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構成やトリックは今となってはそう珍しいものではありません。 読み始めてぼんやりとトリックが頭に浮かぶ人も少なくないと思います。しかしそれでも面白い。 トリックだけ楽しむなら箇条書きの要約でいいのですが、当然そんなものは面白くない。 トリックを考える力と小説を作り上げる力は別のものだと改めて思いました。 読み終わったあとじんわりと広がる感動があります。あああれも伏線だったと思い当たるとまた嬉しい。 ただ結論ありきで多少急いでしまったように感じる描写が少々あったように思います。 キャラクターが察しが良すぎるのではと思うこともいくつかあり、無駄がないことが逆に違和感を持つことも。 その点で-1にしましたが、総合的には良作だと思います。面白かったです。 | ||||
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ぼくがさいきん読んだミステリのなかでいちばんおもしろかったです。 ちなみにぼくはミステリはよく読みますが(特に本格、変格)、そこまで詳しいわけではないです。そのため、ほかのレビュアーのかたがおっしゃっている「最近のミステリにもよく見られるトリック」というのはよく知りませんでした。だからこそ、とてもたのしめたのではなかろうか、ともおもいます。 比較文学者で作家の小谷野敦さんが『小谷野敦のカスタマーレビュー』という本のなかで褒めていたので知りました。ミステリの系のムックに載っているとはまったく知りませんでした。もうしわけないです。 こんなにすばらしいものは復刊すべきではないでしょうか。ちなみに、『新人賞殺人事件』の名でこれは出版され、それから何度も名前を変えて復刊され、本書のタイトルに落ち着いた、と解説にあります。 トリックについてはネタバレになるので書けませんが、「アレがアレで」、「え、アレはアレで?」、「えええ、アレはアレなのぉ?!」と幾重にも楽しめること請け合いです。 以上です。 | ||||
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1973年に発表された本作品は、現代の日本ミステリでは、ひとつの分野として定着した観のある「叙述トリック」の先駆的作品――という情報を得て読んでみました。 本来は、その作品に「叙述トリック」が使われていることを記述すること自体、ネタバレのような気がするのですが、本書の著者紹介に「叙述トリックを得意とし」と明記されているので、その前提で、読み進めました。 しかし、そこがこのトリックの弱さか、予断を持っていると、容易に仕掛けに気付いてしまうのです。 冒頭、坂井正夫と言う人物が青酸カリで死亡。 以後、自殺と言う処理に疑問を抱いた中田秋子と津久見伸助のふたりの視点の章が交互に綴られ、事件の真相に迫っていく…という展開なのですが、最初の二章の辺り(40頁くらい)で、気付いてしまいました。 しかし、それも止むを得ないと思われます。 このトリック、1980年代後半から、多くの作家が使い出しており、初めて接すると衝撃度は高いのですが、その代わり、耐性力の身に付くのも早いのです。 とは言え、トリックに早々に気付きながらも、本作品を高く評価したいのは、仕掛けを隠すために、文章が不自然になることが避けられていること、ラストに明かされる意外な犯人像が違和感なく、物語に溶け込んでいることが要因です。 本作品は、第17回(1971年)江戸川乱歩賞の最終候補となりながらも、受賞には至らなかったそうです。 そのため、ミステリマニアのみが知る幻の傑作となっていたとか。 本書の裏表紙で、鮎川哲也が「クリスティの初期のある傑作を思いうかべ…呆然とした」と述べています。 あくまで私見ですが、1970年代当時はそのクリスティの作品について、「フェアかアンフェアか」評価が分かれており、「叙述トリック」への抵抗感が強かったことが、本作品が埋もれてしまった一要因だったのでないか、と推測しています。 | ||||
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中町作品で最高傑作と思うのは『田沢湖殺人事件』ですが、本作品も素晴らしい出来です。叙述トリックが見事で、結末はびっくりさせられます。中町作品にもっと触れたい方はマイナーながら『田沢湖殺人事件』も是非どうぞ。絶対に犯人を当てられません。 | ||||
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昭和後期の幻の傑作と呼ばれている作品。確かに、1970年代に発表された作品としては意欲作と言える。ただし、冒頭2頁を読んだ瞬間、ある古典が頭に浮かぶ辺りに難があると思う。更に、普通に読んで行くと、何が謎の焦点なのかという点で求心力を欠く点もミステリ構成上の脆弱さを感じる。トリックの中心となるある物の偶然性が異様に高過ぎる点も苦しい。 それでいて、作者がミステリに賭ける情熱が伝わって来て中々楽しめる。2人の主要登場人物の一人称で綴られる章を交互に持って来る構成、本線以外の小刻みなトリック、剽窃という業界内の問題をトピックスにしている点など意欲満々である。最終部の前に、「読者への挑戦状」を挟んでいる稚気も嬉しい。文章も簡潔でテンポ良く読み進められる。 ここ2,3年の間に評判を呼んだ幾つかの叙述形式ミステリより余程出来が良い。昭和後期のミステリを再評価する上で貴重な作品だと思う。 | ||||
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マニア的なフアンは多いが、一般読者にあまり知られていなかった中町作品を、新装出版したもの。このシリーズで、改めて本格ミステリー作家・中町氏が再評価されたといえます。 いわゆる、読者を、欺く「叙述ミステリー」の傑作。 小説の叙述形式そのなかにトリックがしかけられているというのが叙述ミステリーですが、この作品は、ある一つのトリックが効果的に使われ、最後のほうで、あっと驚かせます。 中町氏のデビュー作なので、叙述に、まだぎこちないところがありますが、素敵な作品です。 中町作品はもっともっと読まれていいと思います。 小説家が出てくるミステリーとしては、中町氏の「天啓の殺意」、折原一氏の傑作「倒錯のロンド」などもあります。 また、叙述ミステリーとしては、セバスチャン・ジャプリンの「シンデレラの罠」なども傑作で、この作品がよかったら、そちらもぜひどうぞ。 | ||||
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著者のデビュー作にして最高傑作とされる作品。 かなりタイトルと内容の変遷がある。タイトルは、乱歩賞応募作品『そして死が訪れる』→雑誌『推理』連載の『模倣の殺意』(1972年)→『新人賞殺人事件』(双葉社,1973年)→『新人文学賞殺人事件』(徳間文庫,1987年)→『模倣の殺意』(本書)と変わっている。内容もどんどん進化したようで、本書の刊行に当たっても大きな修正が行われているという。その意味ではこれが決定版と言えるだろう。 ものすごいトリックが使われていることで有名。真相が分かったときにはギョッとさせられる。ミステリファンとしては必読の一冊だろう。 登場人物に魅力がなく、文章に味わいがないのが欠点。読みにくくはないのだが。 | ||||
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清張のような小気味良い文体、複雑に絡みあったプロット、意外なトリックと意外な犯人・・・、著者の作品に全くふれていなかった小生にとって、この作品は新鮮な驚きだった。 最終章で犯人がわかった末に再び本書を読み返すと、ところどころに粗がありそうで、実は全く見当たらない完璧さにまたまた驚愕させられる。 前述したように、文体の小気味良さは時間を忘れさせ、ぐいぐいと引き込まれていく。 何度読み返しても面白い魅力たっぷりのミステリーを堪能あれ。埋もれた名作ここにあり!! | ||||
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僕は推理するのが面倒なタチなので、あくまでラストの意外性重視でサスペンス映画をよく見るのですが、そんな僕が推理小説に手を伸ばしてみたのは、中町作品だからこそです。多分、この作者の作品の中でナンバー1なんじゃないかと思うのですが、なにせほとんどの作品が絶版になっているので、何とも言えません。もっと多くの再販を望みます。 | ||||
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ミステリーの種明かしになってしまうため、中身に触れることはできないが、数十年前の作品にもかかわらず新鮮さがほとんど失われておらず、トリックに若干むかつくところがある点を除けば良作だと思う。 | ||||
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~もしもミステリが好きだと自負する癖に、この作者の名前も作品名も知らなかつた(私のやうな)人がゐたら、これは急いで読まないとイカンし、大いに遺憾だね。鮎川哲也の「黒いトランク」、土屋隆夫の「影の告発」と並べて、強引なベスト3を選ぶとしたら、これを入れてもいいかな、と思ふくらゐ気に入りました。読み易い文章で、さらさらと読める。ただ、ちよ~~つと迷ふのはオレ自身が納得出来てない疑問がまだあつて、それがなにかを言つてしまふと、恐らくネタバレになるのでせう。兎に角もうちよつとしてから、ゆつくり読み直さう思ひます。紆余曲折があつたみたいですが、題名についてはこのはうがいいと思ひます。~ | ||||
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今を遡ること33年前、「新人賞殺人事件」として発表された作品を改題してリバイバル刊行された珍しい作品です。(タイトルに関しては複雑な事情がありますので、本書の解説をお読み下さい。)はっきり申し上げておきますが、これは今読んでも通用する作品です。類似の手法を用いた作品も今ではいくつかありますが、本作が最も洗練されているのではないでしょうか。最も大胆とも言えます。読み終わってみれば仕掛けは意外と単純。それでいてサプライズも十分。読みやすく肩の凝らない本格推理です。 | ||||
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毎年数十冊ミステリー物を読む昨今だが、正直こんな作家がいるとはと、びっくりでした。推理小説好きにはたまらない本格物で、物語が進むほどに犯人探しの布石を打ちつ、登場人物の人物造形、クイーンばりの最終章の読者への挑戦という一幕当りはまさに、近年にはないこんな小説をまっていたとまさに涎もんでした。しかしながら一部訂正された本作ながら、既に20年以上前の作品であり、かなりのキャリアを積んだ作家であり、読んで即次の作品を買おうと本屋にいったが他は絶版のようで、つくづくながら唖然としてしまいました。あとがきにあるように、恐縮ながら結構なキャリアのわりには超マイナーな存在であったようで、正直こんな作家がいたとはいままでわかりませんでした。但し、本作風、作品ともに第一級のレベルを維持しており、多分遅ればせながら大ブレークを予感させます。とにかく、再度市場にいままでの作品をプレスしてほしいかぎりです。 | ||||
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まず、本作は『新人賞殺人事件』または『新人文学賞殺人事件』と同じ内容です。解説にも書かれていますが、元々はこのタイトルで書かれたそうですが、後に上記のつのタイトルに改題され、この度、一番最初のタイトルに戻されたという経緯があります。各ミステリムックなどで言及されているのは『新人賞殺人事件』であることが多いので(しばらく絶版状態とはいえ、そのタイトルで出版されたのだから当然ですが)、中町信のファンや、ムック等で中町作品を読んでみようと思う人は、『新人…』を読んだことがあるかどうかチェックしてみてください。内容ですが、初出時には充分驚きのトリックだった筈ですが、現在では『○○』や『○○の○○』など、類似作品が多数存在するので、それらに当たっていなければ、必ずや満足できる内容だと思います。 | ||||
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清張のような小気味良い文体、複雑に絡みあったプロット、意外なトリックと意外な犯人・・・、著者の作品に全くふれていなかった小生にとって、この作品は新鮮な驚きだった。 最終章で犯人がわかった末に再び本書を読み返すと、ところどころに粗がありそうで、実は全く見当たらない完璧さにまたまた驚愕させられる。 前述したように、文体の小気味良さは時間を忘れさせ、ぐいぐいと引き込まれていく。 何度読み返しても面白い魅力たっぷりのミステリーを堪能あれ。埋もれた名作ここにあり!! | ||||
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