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模倣の殺意(新人賞殺人事件)
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模倣の殺意(新人賞殺人事件)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 21~40 2/5ページ
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昨今は売れっ子のミステリ作家でも競って**トリックを使うようになったけれど、この作品(の原型)が書かれた1971年という時代は、いまだ社会派ミステリが主流であったし、本格愛好家でさえあの「アクロイド」を反則技、禁じ手破りとして批判する人が多かった。 だから、あの時代にあえて**トリックに手を出す作家はごく少なかったし、逆にだからこそ、中町信という作家は一部のマニアの間では密かに一目置かれる作家だった。特に、本作の**トリックと禁断の○○○○トリックの合わせ技は、(当時としては)マニアを満足させるに充分な衝撃を持っていた。 でも批評家やコアな読者からは、トリック云々は別として、文体が稚拙すぎて読むにたえないという辛辣な批判が絶えなかった(ように記憶する)。 それで、おそらく編集者も一緒になってなんとかまともな読み物にしようと何度もリフォームを重ねたのだろう。けれど、この最終版を読んでも、起伏のない朴訥な文体は素人臭さが抜けきらず、小説家としての資質の限界を感じてしまう。 それから、せっかく大胆なトリックを使ったのだから、もっと大胆にどんでん返しをやってほしかった。 「真相」ばらしが、後半ゆっくりちんたらと続くので、驚きが薄まって、最後はげんなりして終わってしまう。 もっとネタばらしを引っ張って、最後の1ページでドカンとやっていれば、驚愕と余韻が残っただろう。 とはいえ、この分野の嚆矢としての古典的価値は充分あるはずなので、4つ星を献上する。 本に騙されるにせよ、帯に騙されるにせよ、まあ、騙されたと思って読んでみい・・・ | ||||
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フレンドシップとかオリンピアって言われて、昔飛んでいたプロペラの旅客機のこととわかるのは40代後半以上ではないでしょうか。本書には何の注記もなく、そんな単語が出てきます。 2004年に出た文庫本だと思って購入しましたが、初出は1982年ということで、読み始めてすぐに違和感を覚えました。今読み終えて感じているのは、トリックとしては古い手法で、読み終えても「やられた」といったものが湧いてきませんでした。 帯に記載された「30万部突破」という文言には嘘はありませんが、「32年間に」と書かれていたらなと感じた次第です。 | ||||
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全体的によくできた◯◯トリックものだとは思うが、その後の◯◯トリックの発展と隆盛を経た今、ミステリを読み慣れた方にとっては、少なくとも半分ぐらいのトリックは途中で分かってしまうだろうし、分からないまま真相を読んだとしても、ふーん、てな具合でまず驚きはしないだろう。 それよりも巻末の題名と改稿の変遷についてよくまとめられていたのが面白く、考えさせられた。 本作は71年の江戸川乱歩賞応募作で、そのときの題名は「そして死が訪れる」、 72年に雑誌「推理」で短期連載されたときは「模倣の殺意」、 73年に双葉社から単行本となった際は「新人賞殺人事件」、 87年に徳間から文庫化されたときはそのまま「新人賞殺人事件」、 そして04年創元推理文庫で再び「模倣の殺意」となります。 そのあいだに大幅な加筆修正も施されているようですが、特に驚いたのは、双葉社版では坂井が◯◯であったことを冒頭ですでに提示しているということです。これって現在ならもう最初からネタバレしてるといっても過言ではありませんが、当時の読者はこれでも気づかずに読み進め、読み終わったあとに、そうかあれがヒントだったんだぁっということで逆に驚きを大きくする効果があったとのことですから、おもしろいものです。また、日記の日付に曜日まで書かれていたようですよ。 そのようなわけで、どの程度のヒントを残すのか、全くなければ面白くないし、あり過ぎたら真相が分かっちゃうのでこれまた面白くない、そのときの読者のレベルに合わせた適度なヒントと伏線が物語を面白くするのだなあと、感心したしだいです。 以上のことから、ミステリ初心者にはわりとおすすめ、ミステリ好きにはその歴史を知るという意味で読んでおいていいかもです。なお、日本初の◯◯トリックという話もあるようですが、トリックのレベルがやや下がるとはいえ、63年の弁護側の証人の方が古いと思います。 | ||||
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と、思って読んでいたのですが、そんなオチでした。 まだ読んでいない方へは読んで損はないけど、絶対読んでほしいと思う程ではないかなという感じです。 以降ネタバレになります。 良かった点と感心できない点をあげます。 まず感心できない点。 そう、この本を読んでいて2人の視点で物語が進むことから1番最初に疑うのが「実は同姓同名の別人なんじゃ…いやいやまさかそんなわけない」と思って読んでいたらそんなオチでした。 それはない!と思い推理から除外してしまったため、結果的には騙された形になりますが、同姓同名で作家志望、殺人トリックなど強引さが目立つなぁと思いました。その場でソーダ飲まれたらどうすんの?買い物行くだけだからと鍵を開けっ放しにしてたらどうすんの?と思うところも多々。 そして良い点。 まず数十年前の作品とは思えないほど読みやすい。2人の物語の共通点や交わり方が非常に綺麗だった。トリックも強引ではあるが、読んでいて違和感がなかった点は良いと思います。 同姓同名オチは当時の作品では新鮮なトリックだったのかもしれませんね。 | ||||
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時を経て蘇る傑作、超絶トリックなどと派手に宣伝されていたので、興味をひかれ購入しました。が、帯にあまりに思わせぶりなことが書かれていたため、身構えて読み過ぎて、割とあっさり真相に行きついてしまいました。それでも疑問が残ったので、自分の予想は外れていてもっとすごい結末が待っているのでは、と期待して「真相」を読んだのですが、だいたい私が予想した通りの結末でした。 40年も前に書かれたものですから、平成生まれの私には理解しにくい部分もありました。親子電話のくだりなんかが特に。 しかし、40年前と言えど、指紋採取の技術はあったはずです。秋子はグラスの指紋は拭き取っているようですが、ブザーやドアノブ、テーブルなどには明らかに指紋が付いていそうなのにそれに関するフォローは一切ありませんでした。 それから、同じ都内でちょうど1年前、同日同時刻に同姓同名の人物がこれまた同じ服毒死を遂げていることに警察が気が付かなかったというのは不自然です。私が自分の予想が外れているのではないかと思ったのはそのためです。 同姓同名の別人というのはちょっと安易な気もしますが、実はまる1年ずれているという叙述トリック自体は面白かったです。ですが、それを可能にする端々の設定や筋書きが雑なように思えました。 | ||||
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なんだか知らないけれど、とっても話題の本のようなので、手にしたときはわくわくしました。 「このずいぶん時代がかった設定は、何かすごい意味があるのだろう」、と勘ぐって読み始めたら、 書かれたのが40年も前だそうで、いきなりガクッと来ました。 それでも内容が松本清張ばりならよかったのですが、そうでもなく。 時計、電話、電車等、どれもこれも悲しいかな、今の時代に読むには余りにも 陳腐で擦り切れたトリックです。小学生の頃に読んだ、子供向け推理クイズを思い出しました。 文章も魅力に欠ける上にわかりづらく、結局最後まで引き込まれることもなく、何とか読み終えました。 感想は、「なぜ今この本が話題になっているのか、理解できない。」です。 | ||||
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ふたつの「謎解き」が錯綜し最後につながる展開で、推理小説としてのプロットは面白いと思います。 ただそのそれぞれの謎解きそのものは、説明不足だったり、やや唐突だったり、探偵でもないのにいきなり犯人扱いしたり、とかシチュエーションとしてありえない不自然さを感じました。 「真相」のところでそれまでのもやもやしたものが一気に晴れるのですが、そこにたどりつくのに文章のせいなのか、時代背景が現代と掛け離れているからなのか、一気に読ませるという感じではありませんでした。 | ||||
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新人賞受賞後2作目を出して貰えない作家、という被害者の存在が泣かせるが、トリックがしょぼすぎるではないか。 ・同姓同名はないやろ、というのが正直の感想だ。同じくミステリー作家を目指している人間が、新人賞を1年前に取った同姓同名の作家のことを知らないわけがない。 ・ホテルの女将は撮影した時間が6時ごろだったと証言しているのに、そうでなかったということは、女将もグルだったということになるが、そのあたりのフォローもない。 ・宇都宮支局の担当記者は、縦書きで原稿を書いたのだろうか。でも、小此木という変わった名前なら、誤連絡しないように振り仮名をつけるのが記者の基本だろう。「おこのぎ」か「こひのき」か「ここのぎ」か、人名は一筋縄ではいかない。その記者が地方に転任になっていて詳細不明というのも、物語にとって都合がよすぎるではないか。 ・その他、無理矢理の辻褄あわせ満載である。 ・時間のズレも、もっとヒントをばら撒いておかねば叙述ミステリの効果が半減だ。 40年前の乱歩賞候補らしいが、こんな古めかしい作品を、なぜいま、こんなに過大に宣伝するのだろう。 | ||||
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『模倣の殺意』(中町信著、創元推理文庫)は、ごつごつとした手触りの本格推理小説である。 「7月7日 午後7時――。坂井正夫は、死んだ。青酸カリによる中毒死である。自室のドアの鍵は、内側から施錠されていた。アパートの室内に、遺書らしいものはなにも発見されなかった。坂井正夫の死は、アパートの一部の住人たちを驚かせはしたものの、世間の注目を集めることもなく、厭世自殺として処理された。だが、その幾日かあとに・・・」というプロローグで始まる。 坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行き合わせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を開始する。一方、ルポ・ライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進めるうちに、坂井が漸くの思いで発表に漕ぎ着けた受賞後第一作が、さる有名作家の短篇の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者・柳沢邦夫を追及していく。 「事件」「追及」「展開」と進み、「真相」に至るが、その扉には、「あなたは、このあと待ち受ける意外な結末の予想がつきますか。ここで一度、本を閉じて、結末を予想してみてください」という、著者が敬愛するエラリー・クウィーン張りの読者への挑戦状が記されている。 この作品は、一部のファンに熱烈に歓迎された一方で、推理小説界の大家たちからは評価されなかったという。プロットもトリックも確かに器用とは言えないが、読者があっと驚く本格推理小説を書きたいという著者の熱意が伝わってくる。海外、国内を問わず、著名な推理小説作家の本格推理物に籠もっている熱意と同種のものである。 | ||||
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最後にぞわぞわ、ぞわぞわとさせる本格派叙述ミステリー。肌がざらざらになるぐらいに鳥肌が立ちました。 漫画家が描く漫画家マンガに外れなしというように、推理小説家が描く、推理小説家が主人公の物語にあまり外れはないのだろう。 『そして、誰もいなくなった』が歴史上、一番好きなミステリーである自分にとってはお好みの内容と文体・トリックでした。元々はかなり昔の作品のようで、この手の文体トリックの走りとのこと。 もちろん、トリックの内容は書きませんが、ヒントは「名前」。時代背景は少し前で、郊外のアパートの家賃が月2万円の時代。まだまだ携帯電話を使ったトリックも使えない時代のお話。 今だったら使える道具が増えてこうなるだろうなぁ、と思うこともあるけど、この内容であれば時代背景が変わっても生きる内容で、今でも見かけるやり方。 「そして、誰もいなくなった」のぞわぞわ感には負けますが、同じような「ぞわぞわ感」を味わいたい方には文句なく、おすすめします。 【手に入れたきっかけ】 Kindleのセールで気になり購入! | ||||
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中町氏のデビュー作にして代表作。 ミステリーとしては密室トリックもアリバイも社会派的趣向もない、所謂叙述トリック系の作品で、今から読むとよくある構成をとっているのだが、これはやはり発表年度を考慮して評価するべきだろう。70年代初期にこれを出したのはやはり凄いというしかない。 叙述トリックと言えば折原一だが、氏の初期作の倒錯のロンドや死角なども基本的に本作のプロットの発展系という印象を本作と読んでからは感じた。 叙述トリックの名手と言われた中町氏だが、純粋な叙述トリック系作品は本作のみ。他はアリバイ崩しや密室にエピローグでちょこっと叙述トリックを仕掛けるといった程度なので、叙述トリックを堪能したいならまずは本作からだろう。 | ||||
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知人の推薦で読みました。あっとびっくりの顛末と最終章とびらにもあるし、知人も言っていたが、なんのことはなく、がっかり。(途中で簡単に分かってしまった。) | ||||
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推理ものは門外漢の自分でも楽しめる作品でした。物語のプロットだけでなく、人物描写も秀逸である。登場人物同士の関係性はやや都会の香りを漂わせており、やはり70年代という時代の空気を感じさせる。この作家の他の作品もぜひ読んでみたい。 | ||||
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テレビでベストスリーに入るとどなたかがおっしゃっていましたので、興味しんしんで読みました。 すごい!とまではいかないけれど、読んで良かったです! | ||||
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途中までおもしろく読ませてもらったが終盤に差し掛かる頃に結末が見えてきた。中町さんの本ははじめてだが興味深く読ませてもらった。 | ||||
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普段推理小説はあまり読まないのですが,口コミに誘われて購入.面白いとは思いましたが,作者のミスリードに見事に引っかかり,悔しい思いをしました.そんなのあり?というトリックなのではないかと思いますが,だまされる自分が悪いという事で. | ||||
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大衆小説とミステリーとの結合です。 この組み合わせは、著者自身による表現の中にもあります。 「非」存在については語りやすいですけれども、「不」存在については難しいものです。 このことに尽きます。 | ||||
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ミステリを読みなれている人ならば簡単にネタに気づいてしまう 今では類似ネタも多い作品で、ネタを成立させる為の前提もかなり強引 まあ話自体はそこまでつまらないというわけではないので読めなくは無いが、 もう少し上手く設定を作って欲しかった 傑作だと思って買うと肩透かしを食らう可能性も高いので注意した方がいいだろう | ||||
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売り文句ってのは重要ですね。いつもいつも帯びの文句に 騙されてしまいます。 本格ミステリの新人さんの力作かしらって、思わず購入。 意気込んで1ページ。そして2ページ。 あれっと思うのは私だけではないはずです。 文体が、松本清張そっくりなのです。しかも。新潟までの 急行?何だコリャ? 思わずさがした著者紹介。 ええーーーーー???? これが最初のびっくりでした。 読んでいくと、津久井さんと中田さんの交互に物語が進み、 徐々に核心に迫るその時に。 あああーーーー?やっぱり。 ヒントは韓国映画でアメリカでリメイクされた作品。 基本的にはお見事でした。舞台は明らかに札幌オリンピック の時代かな。という感じ。しかし、ストーリーも伏線もしっかり。 底辺に流れる人間模様もうなづける。 最近では、この作品類似の騙しがいくつか見られますが、現在に いたっても新鮮に感じました。 あっという間に引き込まれ、あっという間に終わっちゃいました。 90点。 ちなみに小説で出てくる新潟県立中央病院は、新潟市にはありま せん。富山市には、造船工場はありません。その点、当時としても 明らかに取材不足。 また、最後に納得しちゃいましたし、小説ですし、ご逝去された 方に文句を言うのもなんですが、このプロットは結構目にしますが、 やっぱり無理があります。 それで減点。でも面白かった。基本的にはお勧めします。 レトロな響きです。 | ||||
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久しく忘れられていた40年も前の作品が突如ベストセラーに?書籍販売店の仕掛けかなんか知らないけれど不思議です。このパターンが定着すればゾロゾロ出てくるのかな。それでなくてもアニメ以外の書籍が売れない時代、アイデアとしては面白いけれども…本自体はそこそこ面白かったです。でも世間で騒ぐほどでもないかな。 | ||||
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