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影の告発
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【この小説が収録されている参考書籍】
影の告発の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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表題作がとてつもなくいい作品です。 長編向けの作家さんなんだろうな、と感じましたね。 この作品はある男がエレベーターの中で毒殺されます。 ところがこの被害者、なぜかある種の時代が抹消されているのです。 それはなぜかと言いますと… ただし、とてつもなく読んでいて暗く、きつい作品です。 それはある事実(実質人を駒に使った、しかも…)が突きつけられるからです。 本当この部分は胸糞なのでご注意あれ。 短編に関しては本当あっけなく終わります。 うへ、やっちまったと思うこと請け合いです。 長編がすべてと思っていただければ。 | ||||
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もはや末期的と思われるテレビの刑事犯罪ものの、視聴者の誤誘導を狙ったクローズアップと、アンフェアな手がかりの秘匿といった安直な手は一切使わない堂々たるミステリー。筋と犯人が分かっていても何度でも読みたくなる。文章で読ませる本格推理小説の見本である。 | ||||
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「危険な童話」出所後すぐの男が殺され・・・というお話。 作中作の童話が挿入されながら、殺人事件の捜査が進む構成の作品。最初に犯人の目星がつくけど、決定的証拠に欠け、その人物の犯行は無理そうに見え・・・という展開はなかなか読ませるミステリ。公衆電話を利用した所等はかなり巧みに構築されていて、合理的な解決がなされる所はカタルシスを感じさせてうまいと思いました。ただ、今スマホが普及してあまり公衆電話を使った事がない世代の方は少し理解し難いかも。☆4・5くらいで。 「影の告発」ある学校の校長先生がエレベーターで刺殺され・・・というお話。 松本清張風のアリバイ崩し物ですが、容疑者のアリバイが鉄壁でなかなか崩れない所は緊張感があります。ほんの少しの誤謬で主人公の検察官が真相に到達する所も合理的でカタルシスがありました。アリバイ崩し物だと最初から犯人の目星がつくので、最後に真犯人が指摘されるカタルシスはないですが、それを補って余りあるリアリズムがあると思いました。こちらも☆4・5くらい。 両方の作品とも、童話や詩を挿入して幻想的な効果を挙げているのが印象に残りました。著者が日本のミステリ界で独自の地位を持っているのも納得の作品だと思いました。 著者の代表作を2作読めるお得な文庫。是非ご一読を。 | ||||
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61年の日本推理作家協会賞受賞のアリバイ崩しもののミステリーの名作である。 戦争の後遺症まだ冷めやらぬ時代背景とアリバイ崩しものの要素がうまく融合して一級の推理作品に仕上がっている。 本作のアリバイトリックは時刻表ではなく、写真によるアリバイトリックとなっている。 この5年後に書かれた鮎川哲也の準急ながらで捨てトリックとして可能性を検討しながらも否定されてしまう写真トリックが本作ではメインに使われている。 その意味ではこの写真トリック自体はあまり出来が良いとは言えないのであるが、それだけではなくきっちりと犯人と過去の事件の真相などが印象的に描きこまれており、名作と呼ぶに値するだろう。 | ||||
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濃密な不可能犯罪興味と素晴らしい叙述技巧で読者を翻弄する『危険な童話』(1961年) シリーズ探偵千草検事初登場作品でもある、推理作家協会賞を得た『影の告発』(1963年)は巧妙なアリバイトリックを駆使した名作。いずれも細部まで精緻に練られたプロットと論理展開の面白さ、陰影深い人物描写を兼ね備えた力作。 常に豊かな物語性と遊戯としての探偵小説の完成度の両立を目指し続けた著者の高度な達成点を示している。 | ||||
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丁寧に伏線が張られている。 プロットのよくできたミステリだ。 満員のエレベータ内で起きる殺人事件の開巻から、 読者を巧みに惹きつける。 名刺の謎から容疑者を割り出していく手際の良さ、 一難去ってまた一難のアリバイ崩しの妙。 ミステリの醍醐味を存分に味わわせてくれる。 タイトルの『影の告発』とは…… おっと、ネタバレになってしまうので、 ぜひ本書をお読みいただきたい。 種を明かされてみると、 「なるほど、そういうことか!」と合点する。 読んでいる最中は、本当に分からなくて、 魅力的な謎だった。 | ||||
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丁寧に伏線が張られている。 プロットのよくできたミステリだ。 満員のエレベータ内で起きる殺人事件の開巻から、 読者を巧みに惹きつける。 名刺の謎から容疑者を割り出していく手際の良さ、 一難去ってまた一難のアリバイ崩しの妙。 ミステリの醍醐味を存分に味わわせてくれる。 タイトルの『影の告発』とは…… おっと、ネタバレになってしまうので、 ぜひ本書をお読みいただきたい。 種を明かされてみると、 「なるほど、そういうことか!」と合点する。 読んでいる最中は、本当に分からなくて、 魅力的な謎だった。 | ||||
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1963年 第16回日本推理作家協会賞受賞作。 満員のエレベータの中で、光陽学園校長 城崎が殺害された。混雑にまぎれて、何者かが毒物を注射したのだ。手掛かりは、一枚の名刺と、被害者が最後に残した「あの女がいた」の一言。千草検事は、一人の男に焦点を絞るが、完璧なアリバイに捜査は難航する ・・・ 昨年物故された土屋隆夫さんの千草検事シリーズ。千草検事と、刑事たちが地道な捜査で、アリバイを崩していくという本格ミステリ。都内で事件が発生した時刻、容疑者が遠く長野県小諸にいることを、観光地のスナップ写真や第三者の証言、そして現地での落し物が裏付けてしまう。カメラを使ったトリックは分かりやすいのだが、それ以外は見破ることが難しかしい。 千草検事が、容疑者の悲しい過去に迫るとき、第2の殺人事件が発生してしまう。ここにおいても、容疑者のアリバイは完璧なのだ。千草検事は、日常の様々な出来事から、事件解決のヒントを得て、自身でそれを検証していく。シリーズの真骨頂というところか。 トリックに強引なところはないし、納得のいく種明かしをしてくれる。 ここまでは、端的にいうと、2時間サスペンスドラマ。いわゆる土曜ワイド的な作品。 本書では、各章の冒頭に、正体不明の少女のモノローグが綴られる。事件に深い関わりを持っているのだが、ここも一つの謎を形成している。このモノローグの意味がわかるとき、単なる謎解きに終わらせない味わいを感じることができるだろう。 地方の中高生の描写があんまりなのと、千草検事がそれほど魅力的ではないのが、難点ではあるかな。幼い子を殺人事件に絡ませているのも、ちょっといただけない。 | ||||
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1963年 第16回日本推理作家協会賞受賞作。 満員のエレベータの中で、光陽学園校長 城崎が殺害された。混雑にまぎれて、何者かが毒物を注射したのだ。手掛かりは、一枚の名刺と、被害者が最後に残した「あの女がいた」の一言。千草検事は、一人の男に焦点を絞るが、完璧なアリバイに捜査は難航する ・・・ 昨年物故された土屋隆夫さんの千草検事シリーズ。千草検事と、刑事たちが地道な捜査で、アリバイを崩していくという本格ミステリ。都内で事件が発生した時刻、容疑者が遠く長野県小諸にいることを、観光地のスナップ写真や第三者の証言、そして現地での落し物が裏付けてしまう。カメラを使ったトリックは分かりやすいのだが、それ以外は見破ることが難しかしい。 千草検事が、容疑者の悲しい過去に迫るとき、第2の殺人事件が発生してしまう。ここにおいても、容疑者のアリバイは完璧なのだ。千草検事は、日常の様々な出来事から、事件解決のヒントを得て、自身でそれを検証していく。シリーズの真骨頂というところか。 トリックに強引なところはないし、納得のいく種明かしをしてくれる。 ここまでは、端的にいうと、2時間サスペンスドラマ。いわゆる土曜ワイド的な作品。 本書では、各章の冒頭に、正体不明の少女のモノローグが綴られる。事件に深い関わりを持っているのだが、ここも一つの謎を形成している。このモノローグの意味がわかるとき、単なる謎解きに終わらせない味わいを感じることができるだろう。 地方の中高生の描写があんまりなのと、千草検事がそれほど魅力的ではないのが、難点ではあるかな。幼い子を殺人事件に絡ませているのも、ちょっといただけない。 | ||||
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