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3000年の密室
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3000年の密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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これはミステリー小説として読むとひどくガッカリする。まず、登場人物が多い割に感情移入ができず、出てくるキャラクターの性別さえもどっちだったが忘れてしまうことが多々あった。 そして、白川の失踪が起きるのは物語の後半以降であり、それまでは肝心の「縄文人の密室」さえも置き去りにして、縄文談義がひたすら続く。 司馬遼太郎の「余談だが〜」が可愛いものに見えるくらい、ガッツリとやる。中盤までのほとんどのページがカギカッコがついただけの縄文時代の解説となっている。 なのでミステリを期待して開くと、延々とお預けをくらってしまう。また、トリックには期待しない方がいい。 ただ、縄文時代を知るということだけなら面白かったし、とてもタメになったと思う。もうミステリなんかにせずに、よくわかる縄文時代という題名でやれば良かったのではないか。 | ||||
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完全無比の本格推理とまではいかないものの、構成の妙、うんちくの楽しさ、おしまいあたりの作家的想像力の展開など、全体としての完成度は高く、途中、退屈を覚えることなく通読できた。 3000年前の密室状態だった洞窟内での殺人事件と、現在の事件をつなぐところもギリギリのところでバランスが保たれ、それほどの無理を感じなかった。 | ||||
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柄刀氏の鮎川哲也賞最終候補まで残っていた作品を別の出版社から出したデビュー作。 選考委員の有栖川有栖氏の評価が高ったようだ。 縄文時代のミイラが謎の密室で殺害されたような状況で発見されて、それの真相を巡るメインパートと現代での発掘に絡む不可能殺人がサブとして進行する。 考古学に関する蘊蓄が圧倒的だが、中盤はそれだけで持っている感じで、正直ミステリー的なサスペンスは途切れ途切れになってしまっている雰囲気である。 後、柄刀氏の初期作に顕著な、壮大なテーマながら密室トリックは結構肩透かし的な感じである。 デビュー作としては力作だが、鮎川賞に落選したのも納得できる作品である。 | ||||
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古代の密室は魅力的だが、ページの大半は現代の事件に費やされ、 しかもそれが非常につまらないもので読んでいて退屈さを感じた 被害者の設定も何だか唐突で犯人を悪人にしたくなかったからかの設定なだけに思えていまいち 最初と終盤の密室の部分だけ読むのがちょうどいいかもしれない作品 | ||||
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1997年の第8回鮎川哲也賞に応募され、最終候補作となった本書は、翌年には単行本として発行され、著者のデビュー作となった作品です。 新潟の私立大学に勤める館川理学部管財課長と白川講師は、ヒスイ峡の発見を目指して、長野県の山岳地帯へ。 探索を行った洞窟で、偶然にも人間のミイラを発見する。 それは、3000年前の縄文時代後期の男性であり、洞窟は、内側から石積みで閉ざされていたことが分かる。 しかも、死後に切断されたはずの右腕は残っておらず、石器の殴打による死亡であったことが判明。 それは、世界最古の「密室殺人事件」であった…。 歴史ミステリで、密室殺人事件を扱ったものと言えば、若き日の森鴎外が主人公の江戸川乱歩賞受賞作、「伯林−1888年」が思い出されます。 しかし、これは舞台が「古城」であり、堅牢な建物が造られた時代より後の設定です。 本作品のように、有史以前を舞台に「密室殺人事件」を扱うとは、その着想の豊かさに脱帽してしまいます。 なるほど、こんな設定もあったのか、と納得させれらてしまいます。 サイモンと命名されたミイラは、果たして何者だったのか−−最新の考古学の知見を元に、学者達が推理していく点は、「古代史」を入念に取材した後が窺われ、「歴史ミステリ」と呼ぶにふさわしい出来映えです。 そして、作者が狙ったと思われる「本格ミステリ」との融合の要素である、「密室殺人」の真相は、これまた「歴史」と密接に関連した大胆な仕掛けが施されていますし、何とラストには、サイモンが「なぜ殺されたのか」という「動機」についても明らかになります。 傑作ミステリと感じさせるに十分な内容であったと思います。 著者の作品は、三月宇佐見博士の連作短編を読んだだけでしたが、「長編」でも見事にミステリ作家としての才気が感じられました。 | ||||
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著者のデビュー作 3000年前のミイラから仮想現実の話まで 壮大な展開をみせる本格ミステリ 弥生時代が約500年なのに対し 縄文時代は一万年も続いた 縄文人というと野蛮であるという偏見をもっていましたが ゆったりとしたライフスタイルであったとのこと 情報量が豊富で面白かった 比較的淡々とした文章で綴られており 壮大な時を巡る話にぴったりだった その反面、 登場人物に若干、感情移入しづらいかも | ||||
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長野県中部山岳地帯の洞窟で発見された 3000年前の縄文人男性のミイラ“サイモン”。 彼の身体や持ち物が分析されることによって、従来の定説 を覆す、縄文後期の稲作文化の存在が浮かび上がってくる。 学界は色めき立ち、利権を求める有象無象が蠢き始めるが、 “サイモン”がその身に帯びた謎は、それだけではなかった。 “サイモン”は背中に石斧を突きたてられ、死後に右腕を切断されていたのだが、 現場の洞窟の中には切り落とされた部位が見あたらなかった。しかも、洞窟は、 入口が内側から石を積んで塞がれ、奥は行き止まりになっていたのだ。 犯人はいかにして密室に出入りし、被害者の右腕を切断して持ち去ったのか? やがて“サイモン”の発見者が失踪し、現場 近くで、死体となって発見される事件が起き……。 “サイモン”がどのような人生を過ごしてきたのかについて学問的に 跡付けながら、人為を超えた密室の真相を解き明かしていく本作。 右腕が切断されていた理由も、ミステリ的なホワイダニット ではなく、物語のドラマチックな演出として非常に秀逸です。 処女長編である本作から、知的刺激と詩的イメージが横溢する柄刀ワールドは全開。 一見、安易に思える現代の事件のほうも、時代性の反映と捉えれば、納得できます。 | ||||
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1998年に原書房から出た単行本の文庫化。 1997年の第8回鮎川哲也賞に投じられ、受賞は逃したものの、翌年、原書房から出版された、著者の処女長編。 ミステリとしてはガッカリな部分が少なくない。メイン・トリックは、短編なら感心しただろうが、400頁以上も引っ張られてのオチとしては物足りない。謎解きの部分の迫力不足も残念。伏線を回収しきれなかったのか? しかし、本書の読みどころは、ミステリとしての部分ではなく、縄文時代についての蘊蓄にある。多くの学説が盛り込まれ、読んでいて勉強になる。 縄文人のミイラが発見されたら、こんなに色々分かるのにという、夢のある物語であった。 | ||||
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縄文人他殺死体ミイラの発見現場は、密室! 科学捜査の存在しない縄文時代に密室は意味無かろうと、読み進めるうちに・・・ まさに3000年を有効に使った密室トリックっ! 納得できます。 本格ミステリー好きは読んで損のない1冊です。 ただ、現代の殺人事件も起きるのですが、これは要らないかなぁ。無理有りです。推理の価値ありません。ただし、この現代の事件を通して、内容の深さを演出しています。 | ||||
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発見された3000年前の洞窟は密室で、その中には片腕がないミイラが。 縄文時代と現代を結び、様々な説が飛び、そして新たなる殺人事件が起きる。 古代と科学を上手く融合させ、そして読み手にも違和感がないように進む物語は秀一と言うべきか。 ただ専門的な用語が多く、しばしば分からなくなるのも多々あり、評価は二通りに分かれるかもしれない。 最後まで読むか、途中で投げ出すか、である。一言の忠告を添えるとすれば、是非とも最後まで読んでいただきたい。 | ||||
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