3000年の密室
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これはミステリー小説として読むとひどくガッカリする。まず、登場人物が多い割に感情移入ができず、出てくるキャラクターの性別さえもどっちだったが忘れてしまうことが多々あった。 そして、白川の失踪が起きるのは物語の後半以降であり、それまでは肝心の「縄文人の密室」さえも置き去りにして、縄文談義がひたすら続く。 司馬遼太郎の「余談だが〜」が可愛いものに見えるくらい、ガッツリとやる。中盤までのほとんどのページがカギカッコがついただけの縄文時代の解説となっている。 なのでミステリを期待して開くと、延々とお預けをくらってしまう。また、トリックには期待しない方がいい。 ただ、縄文時代を知るということだけなら面白かったし、とてもタメになったと思う。もうミステリなんかにせずに、よくわかる縄文時代という題名でやれば良かったのではないか。 | ||||
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完全無比の本格推理とまではいかないものの、構成の妙、うんちくの楽しさ、おしまいあたりの作家的想像力の展開など、全体としての完成度は高く、途中、退屈を覚えることなく通読できた。 3000年前の密室状態だった洞窟内での殺人事件と、現在の事件をつなぐところもギリギリのところでバランスが保たれ、それほどの無理を感じなかった。 | ||||
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柄刀氏の鮎川哲也賞最終候補まで残っていた作品を別の出版社から出したデビュー作。 選考委員の有栖川有栖氏の評価が高ったようだ。 縄文時代のミイラが謎の密室で殺害されたような状況で発見されて、それの真相を巡るメインパートと現代での発掘に絡む不可能殺人がサブとして進行する。 考古学に関する蘊蓄が圧倒的だが、中盤はそれだけで持っている感じで、正直ミステリー的なサスペンスは途切れ途切れになってしまっている雰囲気である。 後、柄刀氏の初期作に顕著な、壮大なテーマながら密室トリックは結構肩透かし的な感じである。 デビュー作としては力作だが、鮎川賞に落選したのも納得できる作品である。 | ||||
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古代の密室は魅力的だが、ページの大半は現代の事件に費やされ、 しかもそれが非常につまらないもので読んでいて退屈さを感じた 被害者の設定も何だか唐突で犯人を悪人にしたくなかったからかの設定なだけに思えていまいち 最初と終盤の密室の部分だけ読むのがちょうどいいかもしれない作品 | ||||
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1997年の第8回鮎川哲也賞に応募され、最終候補作となった本書は、翌年には単行本として発行され、著者のデビュー作となった作品です。 新潟の私立大学に勤める館川理学部管財課長と白川講師は、ヒスイ峡の発見を目指して、長野県の山岳地帯へ。 探索を行った洞窟で、偶然にも人間のミイラを発見する。 それは、3000年前の縄文時代後期の男性であり、洞窟は、内側から石積みで閉ざされていたことが分かる。 しかも、死後に切断されたはずの右腕は残っておらず、石器の殴打による死亡であったことが判明。 それは、世界最古の「密室殺人事件」であった…。 歴史ミステリで、密室殺人事件を扱ったものと言えば、若き日の森鴎外が主人公の江戸川乱歩賞受賞作、「伯林−1888年」が思い出されます。 しかし、これは舞台が「古城」であり、堅牢な建物が造られた時代より後の設定です。 本作品のように、有史以前を舞台に「密室殺人事件」を扱うとは、その着想の豊かさに脱帽してしまいます。 なるほど、こんな設定もあったのか、と納得させれらてしまいます。 サイモンと命名されたミイラは、果たして何者だったのか−−最新の考古学の知見を元に、学者達が推理していく点は、「古代史」を入念に取材した後が窺われ、「歴史ミステリ」と呼ぶにふさわしい出来映えです。 そして、作者が狙ったと思われる「本格ミステリ」との融合の要素である、「密室殺人」の真相は、これまた「歴史」と密接に関連した大胆な仕掛けが施されていますし、何とラストには、サイモンが「なぜ殺されたのか」という「動機」についても明らかになります。 傑作ミステリと感じさせるに十分な内容であったと思います。 著者の作品は、三月宇佐見博士の連作短編を読んだだけでしたが、「長編」でも見事にミステリ作家としての才気が感じられました。 | ||||
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