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八月のマルクス
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八月のマルクスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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本書を読んで思い出したのは、藤原伊織氏の「テロリストのパラソル」です。ストーリーや登場人物の設定に明確な共通点はありませんが、雰囲気が似ていると思います。 スキャンダルで引退した元お笑い芸人で今は世捨て人のように生活する主人公の元に、元相方が訪れたことがきっかけで、過去を振り返るうちに、それが現在の事件に結びついていくというプロットや、登場人物のキャラクター設定や並べ方が、読んでいて似た雰囲気だなと思いました。 真相として明かされる事柄が込み入りすぎて作り物めいた印象を与えること、語り手が最終的にたどり着く心境が唐突過ぎて違和感がある、といったマイナス面がありましたが、雰囲気は良いので読んでも損は無いと思います。 | ||||
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前半は、やや、平板だった。著者が巻頭にて語っているとおり、「格好いい」小説を書こうと気負いこんでいるのがありありと感じられる、ハードボイルドのお決まりのようなシーンの連続に、馴染むことができなかったのだ。やたらと不要な登場人物が多かったり、お笑いをネタにしているわりには肝心の著者の筆に笑いのセンスが見てとれなかったのにも、まだ熟しきっていない印象を覚えた。後半で挽回してくれたのは、だから、安堵の限りだった。犯人が一番怪しい人物その人だったのには唖然となったが、更に読み進めると、この小説の本質が見えてきて、新鮮な感動が沸き立ってきた。「八月のマルクス」の真の意味が明かされた、まさにその瞬間のことである。物語の終末に到達したときには、著者の意図したハードボイルドとは百八十度異なるものだが、読者冥利に尽きるといってもいい充足感が味わえた。本書を読み終え、著者はこのラストの一行の為にこの小説を執筆したのだと、私はそう実感している。 | ||||
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ミステリーとしてのできはお粗末だと思う。 重要な小道具であるヴィデオにたどり着くきっかけは、安直すぎて不自然だし、犯行の動機もあまりにゆるくて説得力がない。謎解きも延々と続く説明文会話で処理されてるだけ。首輪のエピソードもひどいと思う。駄作と言っても過言じゃない。 なのに、なんか心に残ると言うか、つい読み返してしまうのはなぜ!!! エピソードがいいから?登場人物たちが魅力的だから?文章が冴えてるから?テーマに共感できるから?・・・いや、どれもちがうんだけどな・・・。 しいて言えば、さめた主人公のキャラと語り口は好き。190ページの3行目はすごくリアルだと思う。変な比喩も好き。シュールなお笑いのネタも悪くない。 折り返しにある、著者略歴がすごく興味深い。もしかしたら、「彼が作品を執筆してた時の暮らし、その時の想い」を主人公の向こうに想像しながら読んだから、おもしろく読めたのかもしれない。 | ||||
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色々なところで、酷評を目にしたのであまり期待しないで読んだのだが・・・そこまで酷いとも思わなかった。まぁ、最初の想定が低かったためかもしれないが・・・。弱点が無いわけではない。どうもテーマとなるマスメディアの捉え方などは表面的な部分だけ、という印象が拭えないし、犯人の行動に関しても、(主に動機面で)弱いという気がしてならない。そういう部分が気になった場合、特に評価が下がるかもしれない。ただ、全体的に見ればテンポの良さ、様々な伏線の料理方法などは全く無理無くまとめられているし、そういう点での不満は感じなかった。大きくお勧め、とは行かないが、それなりには楽しめた。 | ||||
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