美しい家
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1980年頃に世間を騒がせた「イエスの方舟(作中では「花畑ハーレム」)」事件をモデルとしたノワール風小説。ただし、「イエスの方舟」の実態を暴くという意図はなく、「イエスの方舟=擬似家族」という見立ての下で"家族問題"を考察した作品である。子供の頃に「スパイ学校」に通っていたという曖昧な記憶を持つ娘と偶然出会った作家の中谷の視点の章と、「花畑ハーレム」出身の友幸の視点の章とのカットバックで構成される。 前半は、中谷に関しては、(「スパイ学校」問題は別として)"4年も書けない"作家としての悩み、離婚を初めとする家族問題(特に元妻に引き取られた娘との関係)、夜の闇に溶けて行ってしまった姉への追慕の念などが綴られているだけ。一方、友幸に関しては、(背景が未だ分らない読者にとっては)意味不明の言動のみが綴られているだけで作者の意匠がサッパリ分らなかった。ようやく中盤辺りで、友幸が「花畑ハーレム」出身で、かつての首謀者(作中では教授、友幸が洗脳されている事が良く窺える)を誘って、元のハーレム仲間で「黄金の国」を目指した旅を計画している事が分かる。成程、中谷も友幸も"社会・家族から隔絶"した人間であって、"本物の家族"を求めているという訳だ。そして、中谷は自身の作風を、「ミステリに分類されるが、書いているのは人間ドラマ」、と述べる。一方、作中の登場人物達は中谷の代表作を、「もっと人が死ぬかと思った」、と評する。噴飯ものである。本作がこの両評の通りの創りになっているからである。本作が、作者が中谷に仮託して、日頃の自身の悩み・思惟・疑問などを試行錯誤・紆余曲折しながら書き散らした一種の思考実験である事が良く分かる。作者は本作を、"家族問題"をテーマとした濃密な人間ドラマと考えているらしいが、作者の思考実験を押し付けられても読者は困惑するだけ。特に、後半のストーリー展開は幼稚過ぎて、大人の読書には耐えない。 そして、結局は、「人生で一番大切なのは(戸籍を問わない)家族」、という至極当り前の事を言っているだけという長い物語の割にはお粗末な内容。作者の手前勝手だけが目立つ駄作だと思った。 | ||||
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ジャンルはミステリだが、本格ものではなく、読者にあえて問題を突きつけて考えさせるように仕向ける作品。 似たようなことをする作家に村上春樹や伊坂幸太郎らがいる。結局作者の意図が読み取れるかどうかで作品の評価が分かれるのではないだろうか(好き嫌いも多少あるだろうが・・・)。 読後感はあまりよろしくない(これは作者の意図)。 気になる点もちらほら(以下、ネタバレ注意)。 ・主人公が物語の中盤で殺されるが、その理由がいまいち分からない。 ・「家族」がテーマであるのは分かるが、現実離れしすぎていて登場人物に感情移入はほぼできない。 ・主人公の姉が行方不明だったり、その姉の同僚が殺されていたり、偶然出会った女性と昔かかわった事件が関係していたりと設定にやや無理がある。 しかし、楽しく「物語」として読めば気にならないし、むしろ先が気になりページをめくる手が止まらない。 主人公の中谷は作家である(あまり売れてはいないが)。これは恐らく作者が自分自身を重ねたのではないか? そう考えると1つ気になるセリフが出てくる。 「家族の愛情や絆というものを現代では当たり前のように語るが、それらは文学が作り出した産物だと。近代以前の家族は生活のための機能的集団であることが普通だったと」 東日本大震災以来、「家族の絆」という言葉が念仏のように唱えられてきたが、その中で非常に考えさせられるセリフだ。 現代は「機能的なこと」は家族ではなく機械や企業サービスに取って代わった。そのことは悪いことではなくむしろ良いことだろう。 「しかし何か大事なものを失った感がある。」的なものを考えないだろうか・・・?それが文学やマスコミにより作られた幻想であるとしたら・・・。 この作品で作者が言いたかったセリフはこれなのではないかと私は思う。 とにかく秀作です・・・読んで色々考えてみて下さい。 | ||||
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話の結末を予想させない展開。 視点がたびたび入れ替わるが、不自然さはなくストーリーに吸いこまれていく感じ。 最後まで読者を飽きさせない。 | ||||
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正直言って救いがある話ではありません。読んでいる途中で「イエスの方舟」事件を思い出しました。登場人物のほとんどが幸せにならずに終わるので、ハッピーエンドがお好きな方は読まないほうが賢明です。 | ||||
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とにかく凄かった! 間違いなく、映画化されるだろうと思われる作品です。 ミステリーであり、サスペンスであり、ホームドラマであり… そして、現代社会の抱える問題に真っ向からぶつかっています。 精神疾患、十代の女の子の葛藤…あっという間に読んでしまいました。 救われない部分も多々ありましたが、間違いなく傑作です☆ | ||||
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