素人がいっぱい
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私、中年男性、がこの本を受け取ったのは、若くてそこそこ美しい女性からでした。彼女の瞳に軽蔑の影が宿っているように見えたのは、気にし過ぎのせいでしょうか。 「あのホームレス乱歩賞作家のミステリー作品に興味があるだけで、決してやましい心で読もうとしているのではないのです」、と心の中で言い訳しながら受け取りました。 現在は、文庫化され改題改装されて出版されています。さわやかな題名と表紙になっており、こちらの方が手に取りやすいです。内容的にもふさわしいと思います。 内容は、連作短編集で読みやすく、面白いです。著者の他の作品も読んでみたくなりました。 ただ、デリヘルの事務所が舞台になっておりそこの事情はいろいろと分かるようになりますが、デリバリーされたところでの描写はほとんどありませんので、そこは謎として残ります。どうなっているのでしょうか。 | ||||
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会社を辞め、今はデリヘルの店長をしてる主人公とインド放浪後暇さえあればヨガにいそしむ親友の短編連作集です。でもこれ、主人公の職業をデリヘルの店長にする必要があったのかなあ・・・。そこで働く女の子たちはそれなりに魅力的でしたが、好みの話は少なかったです。主人公の屈折の理由、居候を決め込む親友君の心の傷という2本の糸の活かし方が悪いのでラストもいま一つすっきりしなかった。というわけで☆3つです。 | ||||
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探偵が安全圏にいて頭脳で事件を解く、というタイプの安楽椅子探偵ものではありません。 語り手の「僕」勇吾はわけありで会社をやめたデリヘル店の雇われ店長、その部屋に居候している学生時代の友人、宗介は二年ほどインドにヨガ修行に行き、帰ってきたばかり。しょっちゅう奇怪なヨガポーズをとり、瞑想しています。この宗介が、勇吾の事件に手を貸す、というのが大筋です。 事件は当然ながら、勇吾の働く渋谷のデリヘル店(素人の風俗営業店だそうです)の女の子たち経由のものが多く、たとえば、雇ってくれとやってきた女の子が後日、殺人事件の被害者として名前が出て、そのあと当人がまた出勤してくる、というのが第一話です。その他、客らしく入ってきた男が事件に巻き込まれてゆく、店の女の子の父親が北海道からどなりこんでくる、など発端は市井の小さな事件であるのですが、決してこの業界がらみの色っぽいネタを売りにするものではなく、ひじょうに細やかに謎解きが進んでゆき、広がってゆく関係者も、「僕」の目から見てですが、複雑な人生を背後に感じさせ、小説としての味わいが深いです。 ふたつ感じたことがあります。ひとつはどの話も、宗介が謎を解いてすっきり、という終わり方をしないことです。ヨガで鍛えた俊敏な頭脳で事件を読み解くかに見える宗介ですが、犯人を断罪する方向ではなく、自分が体を張って意外な行動をしてみせることによって、犯罪を阻止したりします。それは、悟りすましたかに見える彼も実は、家族の事件の暗い闇を背負っているからなのですが・・ 安全圏で推理を働かせる探偵ではない宗介の悩みと、勇吾への少しクールな友情が、なんともいい味です。 もうひとつは、ここに出てくるナナコやチアキ、アザミなど店で働く女の子たちがみなけなげで、勇吾や宗介を裏でしっかりサポートする大人であること。最後の第五話は、宗介がついに殺人者になるかもしれない、という不安に背を押されて奔走する勇吾の物語ですが、ややわりきれない解決の後味をすくうのは彼女たちです。きれいに謎が解ければ、人生が精算されるわけではないというハードボイルドな味もにじませつつ、異色の(安楽椅子)探偵ものとして、また相棒どうしのふたりのバランスも絶妙で、充実した読後感が残りました。 超人でない名探偵宗介の端正なキャラクターがよく立っていますし、これはぜひともシリーズ化してもらいたいと思います。 | ||||
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探偵が安全圏にいて頭脳で事件を解く、というタイプの安楽椅子探偵ものではありません。 そこが魅力のひとつです。 語り手の「僕」勇吾はわけありで会社をやめたデリヘル店の雇われ店長、その部屋に居候しにきた学生時代の友人、宗介は二年ほどインドにヨガ修行に行き、帰ってきたばかり。しょっちゅう奇怪なヨガポーズをとり、瞑想しています。この宗介が、勇吾の事件に手を貸す、というのが大筋です。 事件は当然ながら、勇吾の働く渋谷のデリヘル店の女の子がらみのものが多く、たとえば、雇ってくれとやってきた女の子が後日、殺人事件の被害者として名前が出て、そのあとまた出勤してくる、という謎が第一話。客らしく入ってきた男が事件に巻き込まれてゆく、店の女の子の父親が北海道からどなりこんでくる、など発端は市井の小さな事件であるのですが、決してこの業界がらみの色っぽいネタを売りにするものではなく、ひじょうに細やかに謎解きが進んでゆき、広がってゆく関係者も、「僕」の目から見てですが、複雑な人生を背後に感じさせ、小説としての味わいが深いです。トリッキーではありませんが、心理として腑に落ちるミステリです。 どの話も、宗介が謎を解いてすっきり、という終わり方をしないことが、このシリーズの大きな特徴かと思います。ヨガで鍛えた俊敏な頭脳で事件を読み解くかに見える宗介ですが、犯人を断罪する方向ではなく、自分が体を張って意外な行動をしてみせることによって、犯罪を阻止したりします。それは、悟りすましたかに見える彼も実は、家族の事件の暗い闇を背負っているからで・・・・このあたり篠田真由美の「建築探偵」の桜井京介を彷彿とさせます。 安全圏で推理を働かせるだけではいられない宗介の人間としての悩みと、勇吾とのすこしクールな友情が、とてもいい味です。 もうひとつの読みどころは、ここに出てくる店の女の子たちが、勇吾や宗介を裏でしっかりサポートしてくれる大人であること。最後の話は、宗介がついに殺人者になるかもしれない、という不安に背を押されて奔走する勇吾の物語ですが、少しわりきれない解決の後味をすくうのは彼女たちの存在です。きれいに謎が解ければ、人生が精算されるわけではない、というハードボイルドな味もにじませつつ、異色の(安楽椅子)探偵ものとして、また相棒どうしのふたりのバランスも絶妙で、充実した読後感でした。 超人でない名探偵宗介の端正なキャラクターが心地よく、これはぜひともシリーズ化してもらいたいと思います。 | ||||
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