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ユージニア
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ユージニアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全119件 41~60 3/6ページ
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個人的には 恩田陸さんの小説の中ではかなり好きな作品です。 ある一家で毒物大量殺人が起き 目の見えない少女だけは生き残った。 犯人は?そして目的は? あらすじだけ読むと、少し猟奇的な推理小説に思えます。 確かに推理小説ですが、曖昧な部分が多いストーリーです。 なので ・白黒はっきりつけたい人 ・犯罪の理由をはっきりさせたい人 ・犯人が誰か名指してほしい人 には向いていません。 たぶん、そういう方にはおもしろくないか 「どういうこと?」って思い悩んで 周囲の読破した人に聞き回ることになると思います。 | ||||
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恩田さんの作品を読んでから3年以上が経ち、久しぶりにと旅行先で読んでみました。 しゃべってる主人公はだれなのか、犯人は誰なのか、証言の食い違いはなぜ起こっている?とどんどん疑問が湧き一気に読み進めてしまいました。面白かったです。 ただ、最近謎をきれいに解決してカタルシスを感じられる本を読むことが多かったので、読了後はもやもやしました。2回読んでも謎は解けず。 その時、恩田さんの作品はそういう謎解きをメインにしている訳じゃないし、もっと感覚的に読むべきだったと思い直しました。確かに「麦の海」の時は、登場人物の不安定な心に酔いながら読んでいたし、「ライオンハート」の時は二人の切ない思いに胸を締め付けられながら読んでいました。そう、恩田さんの心情表現に酔いしれていたのでした。 本当この感覚忘れてた!って感じでした。 また文章、特に登場人物の会話が上品で素敵ですね。ほかの方の作品にはあまりない特徴かもしれません。 そんなこんなで魅了された部分が多かったので、2度目の恩田作品ブームが到来したようです。笑 他作品もどんどん読みたいです。 | ||||
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個人的に恩田作品はテンポ良く読めるものとそうでないものの差が大きく、 本作品は後者でした。 続きが気になって仕方ないという感じはならず、結局3日に分けて読みました。 読み進めていくうちにすべてがキレイに繋がるかと思いきや、そうでもない。 最後のページをめくった時には「おいおいおい、もしかして、これで終わるんかい!」と 思わず突っ込みを入れたくなるようなグレーな終わり方。 ただ本を閉じた瞬間気がついた。 完全に作者の掌の上で転がされていたことに。 グレーなのに、あまりにも鮮やかすぎるラスト。 夢の中で見た夢。 恩田陸天才。 | ||||
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ある時は,物に憑かれたように.またある時は淡々と・・・ 犯人の自殺で解決したはずの殺人事件を掘り起こす中での証言を中心に進む物語. ストーリーを楽しむミステリーじゃないから読んでいて時々辛くなる. けれども読み進んですっきりしたいと言う気持ちが流行り先を急ぐ. 「恩田陸って好きな作家なんだけど,これは不思議な気持ち悪さがあるんだよね」 最後まで読んでいない本の事を人に話してしまう. そして,ちょっとこじつけっぽいんじゃないのぁ? ユージニアってそんな意味だったんだ. そんなラストなんだ〜って思うような結末. 万人にはお薦めではないが,人間の心の不条理さや,機微をなぞるのが好きな人にはお薦めです. | ||||
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一回読んで面白くない本は駄作でしよ。難解イコール傑作なんて思ってはダメよ!時間の無駄。この作品に立派な賞をあげた選者の猛省を促す。 | ||||
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作中の忘れられた祝祭のように、ずっと持っていたのにようやく読んだ。この人の凄さがわかる話だった。とにかく続きがきになる恩田さんの小説。その体験はここでも健在で。 個人的にQ&Aの結末は頂けなかったが、本書は良かった。レビューをみていたら、Q&Aの流れと同じくスッキリしないという意見ーそうじゃない人もいるよ 後、ミステリーとして…という意見が多いのが意外だった。何ていうか、はっきりさせないと駄目/はっきりした結末がなければみたいな、そーゆー話は駄目なんだと思った。Q&Aや不安な童話のような路線の恩田作品じゃないのに。 ユージニアが駄目なら傑作、中庭の出来事も駄目なんだろうなー、物語にさまよった時間を返せというんだろうな。 | ||||
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つまりこれが何の話かと訊かれたら答えに詰まります。 刑事が毒殺事件に挑む話なのか、 それをテーマにした小説の作者に焦点を当てたのか、 あるいは真実を知りたい訊き手側のお話なのか。 ただいずれにせよ共通しているのは 本文にも書いてある通りのこと。 他人のことなど理解できない。 ミステリかどうかは疑わしい限りですが、 最後の鮮烈さに衝撃を受けました。 | ||||
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「日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー」ということで手にしたのですが、 何が面白いのかさっぱり・・・・ 読みすすめるのが苦痛でした。 | ||||
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構成がとてもユニークです。 物語のベースは、ある地方の名士宅で起こった大量毒殺事件。誕生パーティーに招かれた来賓までも多数が殺され、唯一、その家の盲目の娘のみが生き残ったという凄惨な事件。 この作品がおもしろいのは、その殺人事件の筋を追いかけるのではなく、それに関わった人間へのインタビューを並べることで、事件を第3者の視点で再構成しながら暴いていく、という点です。 ただ、当然その発言にはそれぞれの人間の立場や感情が反映されるので、そこには完全な信憑性があるわけではなく、読む側はその「事実のようなもの」のかけらを集めながら、はたして真相はどうなんだろうと右往左往させられます。 また、インタビューによって、事件の真相だけではなく、事件がそれぞれの関係者に与えた影響があぶり出されていくのもおもしろいです。 ただ、事実を語らないというスタイルは、クライマックスにおいても徹底されるので、読んでいる側としては若干カタルシスに欠けるかもしれませんね。 あと、事件の凄惨さに比して、感情表現が極力抑えて描かれているので、何となく薄いベールに包まれた白昼夢を見ていたかのような印象です。それが心地よくもあり、少し物足りなくもある感じでした。 | ||||
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2005年の作品で、2008年に文庫化されたものですが、タイトルの語感に惹かれて手に取った次第です。 かなり独特な雰囲気のある作品です。 良家で起きた大量毒殺事件、唯一の生存者である美少女は目が見えない、実行犯らしき若い男が自殺し被疑者死亡のまま幕引きされるも動機が不明、というミステリ的には面白さが詰まった舞台設定でありながら、ミステリとしての体裁を外して全体が構成されています。 章ごとに主体も客体も表現方法も変わるので、理解するのに時間を要しました。外堀から埋めていくというスタイルは、湊かなえの作品に似た表現手法ではありますが、彼女がきっちりと同じ形式の繰り返しの妙で読ませるのに対して、本作はあえて章ごとに全く異なるスタイルをとることで読者を世界観の中に引きずり込むことを狙ったように思います。 正直、ミステリとしては、結末も藪の中ではぐらかされますし、その独特の読み味によって純粋に推理小説を楽しむということが阻害されているので、期待して読んだ分、私には残念でした。こういう小説はそれはそれで有りだとは思いますが・・・。 | ||||
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本格推理小説が、探偵が出てきて事件を綺麗に解決してくれる小説であるといわれるが、 同時に本格とは雰囲気であるとも言われる。 奇怪な事件がもたらす異様さと中盤の不穏な空気、真相がもたらすカタルシス…。 これらがもたらす"雰囲気"がミステリには重要だということだ。 「ユージニア」はそういった点で、紛れもなく「本格」推理小説であると思う。 名家の一家毒殺事件とその家でたった一人生き残った美少女、 その事件の関係者によって語られていく事件の様相 特に挿話で語られる小話は、終盤、ピースがはまるように意味を成す。 並の作家であれば、つまらない話になるだろうが、そこは恩田陸のこと、用いる小道具や風景描写で実にうまく 不穏な雰囲気を作り上げている。 事件の真相はすべて語られることのないままに、この物語は幕を閉じるのだが、 それですら、不穏な空気を表現する一助となっていると思う。個人的には終盤のS字ベンチの場面が素晴らしかった。 さすが推理作家協会賞受賞作!本作は恩田陸作品中でもトップクラスで面白いです。 | ||||
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ネタバレが大いにあります。読まれる方は気を付けてお読みください。 ではまず、あらすじと個人的な感想をちょびっと(苦笑 物語の舞台は北陸地方の都市、K市。この地に起きたある「集団毒殺事件」が物語全体の鍵です。そしてその鍵を握っているのが、この事件によって親類が全員死亡し天涯孤独になってしまった盲目の美少女。一見愛する家族を一瞬にして失ってしまった可哀そうな少女、だが彼女はある秘密を抱えていたのだった。 この文章だけで『六番目の小夜子』『蛇行する川のほとり』『麦の海に沈む果実』などといった「美少女こそが謎の鍵を握る存在」となるような作品を書いてきた恩田さんの得意分野だというのが分かると思います。また、数ある恩田作品の中でも、個人的に一番惹かれる世界観です。 しかし、他の方々も仰られているように、この作品を普通の「ミステリー小説」として読んでは「欠陥品扱い」になると思います。何故なら、この作品はシャーロック・ホームズやポアロなどのように、探偵役が物語の最後で完璧な推理を披露してくれ、読後にスッキリした心持になれるような作品では決してありません。むしろ「謎」はやはり「謎」として有り続ける事になる作品になるので「ミステリーといえば「物語終盤の謎解き」これがあるからミステリー小説は読むのを止められない」という人には不向きの作品だと思います。 ですから、私はこの作品は「謎の鍵を握る神秘的な雰囲気を持つ美少女」。彼女の魅力を最大限にまで引き出すことを目的に書かれた作品なのだと思うようにしました。彼女は犯人であってはいけない。けれど完璧な白色を纏っていてもいけない。彼女が纏って一番神々しく、美しい色はやはり「黒に限りなく近い灰色」だったのだと私は思います。 | ||||
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名家のお祝いの席で起こった大量殺人事件! しかし、ただ一人生き残った者がいた。それは、盲目の美少女だった。 みんなは彼女に同情したが・・・実は・・・ 最後まで読んで、もう一度、読み返してしまいました。 様々な箇所に伏線が張り巡らされ、 様々な人が実はこの事件に間接的に関与していたことになる。 そこが、よかった。 | ||||
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恩田陸のファンには、垂涎物の作品でしょう。 独特の雰囲気と煙にまいたような結末。。。 たまりません。 色彩感覚の冴えと小説内の「ゆらぎ」感は、 何物にも代えがたく、 この味わい、なかなか抜けられません。 よい作家と作品に感謝! | ||||
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うーん。 残念ながらまったく楽しめなかった。 多分、頭のいい人ならわかるのかもしれないなぁ。 別の恩田作品にもあったけれど、ほぼ独白だけで進むので、きちんと読まないと、 指示語などがナニを指すのかわからず、残念なことに最後のオチがわからないのだ。 いやいやそこは、書いてくださいよ。 もう少しあたしには、整理が必要。 東野圭吾の「彼女か彼が‥」などのシリーズにもその手の話はあるけれど、 そっちは好きなんだけどなぁ。 単に相性なのかもしれないけど、あたしにはこの作品、なーんかキレがなくてだるかった。 | ||||
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インタビュー形式の記憶の部分と記録断片を示しながら物語が進んでいき 普通に読み進めていくと、矛盾が生じて真相だと思っていたことに疑問符が浮かんできます。 誰かが、ミスリードしているのか、もしくは、すべてが真実なのか それは作品中で語られるように『もうひとつの忘れられた祝祭』は決してかかれることはなく、それぞれの心のなかにあるということなのでしょうか。 個人的には、ミステリーの完成度うんぬんよりも 恩田陸特有の豊富なレトリックとノスタルジックな匂いを醸しだす文章が、美しさと甘い毒を含んでいて物語にゆっくりと引き込まれていきます。 ご注意を。 | ||||
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それぞれの登場人物が操り人形のように、恩田陸の世界に繰り広げられる。登場人物ごとにまったく異なる語り口調、それぞれがとても人間味あふれる思考を持っていて吸い込まれるようにのめり込みました。まさに天才作家だと感じました。 | ||||
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最初に読み始めたときから 体のまわりを小説のなかの空気がとりまいた様に ぐっと引き込まれる感じがした。 夏の暑い日にすこし熱中症気味で住宅街の小道を歩きながら 水分を欲している状態で 人の話を効いているような 良い意味で かなりうやむやな作品だった。 夏の作品なので夏に読むのはおススメ、そして物語全体が 読み手に 気温や湿度を伝えるので すこし熱中症気味にぐらりとした印象を与えてくれる作品。私の中で優れた小説というのは、空気や感情を読み始めたときからダイレクトに脳が受け取れる作品。この小説はまさにそれだった気がする。「黒と茶」もそういう意味ですごく良かった。屋久島を体全体で脳で味わうような楽しさだった。 ただ話全体がやはり暗い話題なのと、ぐっとこらえるような忍耐力が必要な話で、しかも読み始めて途中では最後まできっとこの謎はのこされたままになると思うほど爽快感は無かった。 でも読み終わっても心に残る作品で、終わらないからこそ 歩いているときにふと思い出したり小説の空気を体にまだかんじていたり、小説とはあまりない空気の 一体感を楽しめる点が良いと思う。 たしかに読み手に苦痛を強いる部分もあるかもしれないけれど作者もそれはおなじだったのではと思う。 誰が主役で 誰のことを語り手が話していて どこにつながるのかが全く読めずに 一回読むだけではあれ?あれ?という間に暑さの中で頭がぼーっとしてて読み終わったのに気づかなかったのかな? というかんじ。 一回全部読み終わってからもう一度読むといろいろな物がつながって納得する気がする。日常にふと読むのにお勧めです。 | ||||
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オビ通りですね。評価が分かれるのも、「文学」をどう捉えるかも、この一言に尽きます。 1.結末を楽しむもの。 2.過程を楽しむもの。 簡単に言ってしまえば、文学にはこの二種類+二つの融合系が存在するのだと、私個人は考えています。そしてこの本は、間違いなく「2.」のタイプです。 作者の描写の的確さ、美しさ、そしてそこから立ちこめる、ひんやりとしているのに、どこか粘ついた汗を想像させる幻想空間、K市。この雰囲気作りのうまさは、やはり恩田先生の凄まじい部分だと思います。 しっかりした結末を求めるのは、読者だけではなく、世の中全体の傾向のようです。しかし、本当の「答え」を知っている、作り出すのは、いつだって自分自身じゃないでしょうか? 受け止めるだけではない。投げかけられた疑問に応える、それも、一つの読者の形だと思います。 | ||||
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レヴューをみればわかるように、たしかにミステリーとしてよめば、いまいちかもしれない。 純粋な推理や論理パズルを楽しみたいのであれば、それこそエラリイ・クイーンでも読んだ方がいい 自分の場合は、本屋で表紙デザインと題名にひかれて手に取った(筆者すら見ず) この本は、ミステリーという一般化されたカテゴリーに対するアンチテーゼとさえ位置づけうるのかもしれない 特筆すべきは語り方です 様々に語りの対象をかえ、心理を明らかにし、真実へ至ろうとする ある評論でこんな主張がありました 「文学者は既存の象徴性を忌避することに骨を折る。徹底的に言葉から象徴性を排除するか、あるいは言葉を過剰気味につかって象徴性が無意味に接するところまで膨張させる。しかし、象徴性といのは言葉に生命、本質であるので、その通俗性を嫌い象徴性を忌避する営みは、根本的背理を生む。象徴性なしには文学は成立しえないから。結局象徴性に立ち戻らざるをえないのかと嫌悪や苦悩、自己否定にいたる。そこで発奮してまた、象徴性を忌避する。こうした反復した悲壮な努力によって、かろうじて真実に近いものを語りえる」 (記憶の中のものなので、自説半分、要約半分かと) この小説はこの文学のあり方を地でいくものではないか、と思うのです。 具体的な内容に関しては、すでに有用なレヴューがあるのでそちらを参照してください◎ | ||||
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