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月の裏側
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月の裏側の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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恩田陸氏の初期の作品。モダンホラー。 とある町で人が失踪するも、無事帰ってくるという事件が多発。彼らは『盗まれて』しまったのか。 ・・・ 本作、失踪後に当人が帰ってきます。その時の意識だけないのですが、あとは普通なのです。 こうした筋から、自然と洗脳とか、死とかを考えました。 意識や記憶の連続性を自認できる場合、周囲から『お前洗脳されたんだ』と言われても『はあ?』って思うでしょう。もし死後の世界があるとして意識や記憶があり『あ、俺死んだんだ』ってわかったら、死への恐怖は薄いのではないでしょうか。 本作の『盗まれる』というのは言わばこのような状態。ただし『盗まれている』間は記憶がない。だったら別に恐怖とかは余りないんでないの?と感じました。 で、思いました。 意識・記憶の一体性・連続性こそがアイデンティティなのであり、これが保持されない(というか確証できない)のが死であり、だからこそ、死は怖いのではないでしょうか。 まあその意味では本作は余り怖くはなかったかな。 ・・・ いつも書きますが、恩田さんは作風の広さが半端ないです。創造意欲はどこから湧くのでしょうか?感心してしまいます。 青春小説やエンタメ小説としての恩田さんしか知らない方はこうしたモダンホラー系も読んでみていただきたいです。 | ||||
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最後まで読んだけど解らない | ||||
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盗まれた系、どこかからやってきたモノが支配する系は、 ブラッドベリなどの印象があまりに強く、なかなか超えるのが 難しいのかもしれませんが、日本の情緒あふれる街という シチュエーションがそれを補ってくれました。 若い作家に言えることですが、三島などは紅葉の一枚、 波の一波まで丁寧に言葉で表現し、その有様が目に浮かびました。 もう少し街の様子は詳しくても良かったような気がします。 あと、不思議なのはコンビニの客全員が盗まれているぐらい 大勢の人が盗まれているのに、全く街に人がいなくなった時に、 なぜ「既に盗まれた大勢の人たち」の存在が全く消えてなく なったのか?そこは疑問でした。 | ||||
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視点が次々と変わってゆくので、最初はついていくのが大変でした。 中盤からは映像が目に浮かぶようでスムーズに読み進めることが出来ました。 ラストは、、、どうなんでしょう。 | ||||
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九州の水郷の町、柳川(本書ではヤノクラ)を舞台にしたホラー?小説。坂東眞砂子風の伝奇ものに似ています。失踪事件からかえってきた人間は意識を一体化された改造された人類であるという発想は、アメリカでのUFOによるアブダクション体験に近い感じがしました。すべてのひどが連れ去られ、作り替えられるとき残された物の恐怖。また、改造が終了し、外部から人々が流れ込んできたときの疎外感、差別に対する恐怖にたいするそれぞれの登場人物の反応が面白いです。ただ、主人公の多門のキャラクタがふわふわとしてつかみづらく、こういう感覚だけの人物はイライラします。「月の裏側」というタイトルもストーリに全く関係ない違和感のある物でした。 | ||||
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九州の箭納倉という地方都市に現れる穏やかな恐怖。失踪した人物がある日戻ってくる……ところが、その人物はどうもおかしい。 「人間もどき」が知らない内に増えているらしいということに気づいた元大学教授の協一郎とその娘の藍子、そして協一郎に招かれた音楽プロデューサーの多聞は次第に真相に近づいていくが…… 恩田陸さんの初期作品ですが、恩田さんの作品らしい小説だけで完結しない「怖さ」を現実世界に持ち込んでしまう怖い作品です。 怖い小説はいくらでもあるのですが、月の裏側を想像するように現実世界に潜む恐怖を植え付けられる作品はなかなかあるものじゃありません。恩田陸さんの作品はそういう所を含めて感じることができるので……正直、怖いです。 | ||||
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相変わらず魅力的なタイトルです。 思わず読みたくなりました。 しかし、なんと言うじっとりと湿った息苦しさ。 私の大好きな「砂の女/安部公房」をチラっと 思い出しました。(設定・内容は違いますが) 月の裏側とは、 表の裏が裏側だけど、実際には見えないし 本当に裏側はあるのか確信はできない、 裏側なんでどうでもいいことだし。 って感覚でいいのででしょうか。 叙情的な字面だけおって読み終えてしまった。 読みきれてないのかもしれない。 くやしいけど仕方がないですね。 所詮「盗まれた」人間もどきかもしれないし。 | ||||
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叙景詩としては全く素晴らしい。このような空気感を持つ作品は滅多に無い。ただ、その素晴らしい叙景にストーリーが上質に絡み合ってるとは言えず、通俗的に例えると「麺が全くダメな素晴らしいスープのラーメン」。一読の損はないが。 | ||||
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おもしろいが、設定はありがちかな?読むのが遅かったかな? 人間てなんだろう、自分ってなんだろう、存在って何? ホラーというより、いやホラーなんですけど深い問いかけがあります。 みんなもこんな事考えた事ないですか、青色とか赤色とか言ってるけど自分の認識している青色は他人が認識している青色とは違っていて本当の色って何なんだ?って考えた事とかないですか? うまく言えないけど、そんなこととか書いてあります。 あと、少し宗教的、一神教的です。 | ||||
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どこかで読んだと思ったら、「屍鬼」と似てるんですね。(どちらが先か知りませんが)そこに踏み留まるか、いっそのこと、それになってしまうか。自分が自分であることの意義について、自分だったらどう選択するだろうと、考えさせられますが、「月の裏側」に象徴されるように、そちらに行ってしまった方が案外楽なのかも。ただ、ホラー小説としては、恐怖感を感じませんでした。 | ||||
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ある共同体が何かに巻き込まれたとき、しかもそれが避けがたいものであるとき、その中の人々はどういった行動をとるだろうか? 恐れおののき、惑い、そして…?小野不由美の『屍鬼』では、その共同体を崩壊させることによってカタルシスを得た。対して箭納倉の人々は、受容することによって平穏を得ることを選択した。このふたつは、両極であり、しかしよく似ている。なぜなら、共同体としてされる選択は「ひとつ」でしかなく、「ひとつ」の運命をたどるほかないからだ。その選択は、あるものにとっては意志的だが、またあるものにとっては気がつかないうちにそうなっていたというだけのものであったりする。しかし、その選択の結果は平等に、均一に確実に各人に配分される。白か黒か、グレーゾーンのない過酷さは、結局のところ共同体に属している人間の逃れられない重しであると、喉元に突きつけられるような気がした。 | ||||
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人類はもとも水の中で生活していた。しかし「何か」から逃げるように地上に上がって、個別の個体として生きてきた。だが、今また「何か」によって、ひとつにさせられようとしている。奇妙な話だけれども、読んでいて惹きつけられる。失踪した人たちは「盗まれる」のだろうか?いや、もしかしたら本来の姿にもどされるだけなのかもしれない。人は人に対し、どこまでその本質をとらえていけばいいのだろう?大きなうねりのような生命の流れの中では、その問いさえも無意味なのかもしれない。 | ||||
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恩田さんの物語では「謎を謎のままで残す」ということが結構あると思います。「謎にドキドキして解きほぐされていく過程に夢中になってラストの真相でぐぐっと来たい」私にはちょっと物足りないかな?感がありましたが…。九州の片田舎で起こった非現実的な出来事。出来事自体にも、『ひとつになる』という誰しもが持っているような考えにもどきっとします。文の間の取り方やテンポで、作品の世界がとてもリアルに感じられました。キャラクターもそれぞれ立っていて魅力的でした。 | ||||
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