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暗闇坂の人喰いの木



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暗闇坂の人喰いの木の評価: 3.91/5点 レビュー 43件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 21~28 2/2ページ
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No.8:
(5pt)

大樹がそびえ立つ

 『アトポス』以降、全く、島田荘司氏からは、遠のいている自分ですが、『占星術』〜『アトポス』までの初期御手洗モノのなかでは、これが一押しです。
 作品の中心にそびえ立つ「人喰いの木」のイメージが圧倒的です。トリックよりも犯人よりもこの圧倒的なイメージがいい・・・島田荘司氏の脳内妄想が炸裂しています。
 島田氏の「本格ミステリ論」(なによりも幻想的な謎が重要)には、同調すべき点が多いのですが、実作を読むと不満が多い。謎を解体していく過程に必然性が弱い。古くさい言い方をするなら「人間」が描けていない。別に純文学的な「人間」を期待してはいない。ただ、謎が解明された際「犯人」の人間性が浮かび上がってくるのは重要ではないか?とは考えています。ようするに「トリック」と「犯人」が密接に結びついているいるかという点・・・・「こんな大掛かりことを普通は、しませんよ・・・いや、こういう人なら、こういう状況ならやっても不思議ではない。いや、やるのでは!!」と読者に思わせる事が重要ではないかという事。そうした視点で見ると『暗闇坂の人喰いの木 』も不満は多い。ご多分に漏れず、犯人の印象が薄い。御手洗や今後のシリーズで何度もでてくるかの人が大いにキャラ立ちしているのをみるにつけ、なんで犯人の印象が薄いが不思議なくらい。犯人の印象が薄いということは、裏を返せば、ミステリに重要な「意外な犯人」というファクターも弱いということにも繋がる訳です。読者に強烈なイメージがあるからこそ、その人が犯人だったと知ったとき「意外性」が浮かび上がってくる筈で、自分はこうした小説上の構成をミステリで「人間」を描くと考えるからです。多くのファンを敵に回すこと承知でいうなら、パズラーを書く才能が「島田荘司」には欠けているのでは・・・と思いたくもなる。
 では、「暗闇坂の人喰いの木」は、つまらないのか?いや、とんでもない。つまらないどころか恐るべき作品なのです。パズラーとしては、不満があっても、『人喰いの木』に翻弄された人々の話とみれば、これほど面白いお話も早々あるものではない。木に食べられたとしか思えない事件の数々、イングランドの巨人の家の謎、そして最後に明かされる恐るべき真実・・・本格ミステリ風「冒険怪奇談」とみるなら、最高の出来でしょう。トリックよりも犯人よりも「人喰いの木」がそびえたつ・・・このイメージ。「人喰いの木」は、「島田荘司」の何かしらを象徴しているのでは・・と思いたくもなる傑作です。
暗闇坂の人喰いの木 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社ノベルス)より
4061816624
No.7:
(5pt)

ブレーズの『月に憑かれたピエロ』を聴きながら

日本が誇るべきNo.1のミステリー・キャラクター、『御手洗潔』とその相棒石岡君の第3作。後の重要なキャラクターにして島田氏の理想の女性像?((●^o^●))、レオナが登場する重要な作品だ。並列して発動するストーリーが最後に一つに連環し、ちりばめられた恐怖が一挙にリンクする素晴らしいプロットだ。そのストーリー構成の斬新さが光っている。『異邦の騎士』はチック・コリアの『浪漫の騎士』をiPodに入れて読了したが、本作にぴったりなのはピェール・ブレーズ指揮、H・ピラルツィク(朗唱)、ドメーヌ・ミュジカール・アンサンブルのシェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』だ。こいつをiPodに入れて読了したがホントに怖かった・・。もうひとつ特筆したいのは全作品の中で最も御手洗が口走るセリフが光っている。特に御手洗の女性観は作者の女性観でもあるのだろうが本質をついていて実に鋭い。『異邦の騎士』と並んで氏の作品で最も好きな作品の一つだ。
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)より
4061856944
No.6:
(5pt)

松崎レオナ登場

90年代に入ると、島田荘司氏は年1作のペースで御手洗潔シリーズの長編作品を発表していくことになりますが、これはその「新シリーズ」の一発目に当たる作品。「人を食べる木」という一種の都市伝説。幻想的で不可思議な「童話」。スコットランドと日本を結ぶ、時空を超えた謎。そして驚愕のトリックと、強烈な読後感。当代随一のストーリーテラー、島田荘司の真骨頂がここに炸裂!90年代の、一連の御手洗シリーズでは最もクラシカルな本格ミステリの味わいながら、物語作家としての島田荘司の本領が最もよく発揮された作品の一つとして、心置きなくお奨めできる傑作です。 御手洗はこの時点ではあまり有名ではないですね。石岡君も元気ですよ。若い。
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)より
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No.5:
(5pt)

思わずゾッとする話

樹齢二千年といわれる大楠にまつわる怪話し目を背けたくなるかその場に立ち竦んでしまう程の死に方にゾッとしました。所々に見られる大掛かりなトリックはこの作家ならではかもしれません。ページを捲る事にハラハラ、ドキドキさせられますが現実離れした事件だけにそれが面白いですね。
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)より
4061856944
No.4:
(5pt)

後期御手洗ものの最高傑作でしょう

本格ものに回帰すると宣言した後書き始められた現時点での後期御手洗ものの最高傑作“人を喰う大樹”を題材におどろおどろしく禍々しく仰々しく大規模なトリックを何個も詰め込んだ作品ですこの時期の島田荘司氏の特徴である大風呂敷を広げまくった話の展開も今作品では絶好調(好みは人を選ぶとは思いますけどね)
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)より
4061856944
No.3:
(4pt)

奇想天外の一言です

もっとシンプルに死ぬ奴はいないのかーと叫びたくなるような殺人事件を強引に謎を解いてくれちゃう御手洗さん主演探偵小説です。厚みに負けないくらい面白いんだけどね。あまりにも奇想天外だから。
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)より
4061856944
No.2:
(5pt)

神秘的

霊能力を信じる私にとって、大きな楠にかんするこの本は長いのにも関わらずすぐに読んでしまいたくなるものであった。 しかし御手洗さんときたらその神秘性までも覆してしまう・・・なんというかロマンチックじゃない!! でも私の愛する御手洗さんが沢山めに出てくるこの本は私の読み返す本のうちの最も多い内に入る
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)より
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No.1:
(5pt)

横溝正史に近いです。

江戸川乱歩や横溝正史のような、怪しげな雰囲気の本格ミステリーです。ミステリ好きな人ならタイトルだけでもそそられるでしょう。推理小説が嫌いな人でも、話が良く作られているので楽しめます。キャラも結構面白いです。
暗闇坂の人喰いの木 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:暗闇坂の人喰いの木 (講談社ノベルス)より
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