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死の接吻
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死の接吻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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普通の推理小説だと思っていたけど、違った。途中から思わぬ方向に話が進んでいくので驚いた。なかなか凄かった。 | ||||
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初読は文庫で復刊されたときで、大学生時代だった。傑作という評判を聞いていたので、どんな作品なのかとワクワクしながら読み、ダマされたような感じだった。そう、当時の私には、ちっとも面白くなかったのだ。 その理由は、多分犯人がみえみえで、ストーリーの先がほとんど読めてしまったせいだろう。そう複雑なプロットではないから。つまり当時の私は、前評判から本作をガチガチの本格ミステリだと思っていたのである。 改めて今読み直すと、著者は本作を、ちっとも本格ミステリとして意識してはいなかったことが分かる。一応それなりに、犯人の正体をあからさまにはしていないが、それはすぐに気づかれたって問題ない、ということだ。つまり、本作のテーマは、謎とその論理的解決ではなく、一人の青年の成功と失敗、つまりアメリカン・ドリームのダークサイドを描くことにあるのだ。本作のスタイルは高く評価されているが、そのダークサイドを描くために、著者が最も適当だと考えたのが、このスタイルだったのである。 だから本作は、本格に分類するのではなく、ロマン・ノワールというか、高木「白昼の死角」のようなピカレスクとして評価すれば、正当な評価ができるのではないかと思う。第一印象が悪かったため、私の中では評価は低めだが、何度も映画化もされているとおり、不思議な魅力のある作品だということは、間違いのないことだろう。 ただ、今の私には少々甘すぎる。恋愛もいかにもアメリカン。 | ||||
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半世紀以上も前の作品で、初めて読んだのは30年程前だったが、今回再読してみても全然色褪せてはいなかった。 やはりプロットに非凡なものがある。犯人(恋人でもある)は妊娠した同じ大学の女子大生ドロシーを殺害し、自殺に見せかけるのに成功する。 本は犯人の固有名詞を出さずに「彼」という表現をするだけなので、この時点で彼の正体は判らない。到叙小説でありながら、犯人は誰か?というプロットが面白い。 映画なら固有名詞は判らずとも、少なくとも彼の顔と声は鑑賞していたら判るのでチョンバレだ。映画化しにくいのはこのような難点があるからなのだが、それでも2回映画化されている。 それはさておき、第2章で別の大学にいるドロシーの姉エレインが、妹の自殺に疑問を投げかけ、探偵ばりの活躍をするのであるが、この過程で犯人と遭遇するのだ。以前読んでいたにもかかわらず、ここで驚愕した。 更に第3章があり、長女マリオンも絡んでくるのだ。ラストあたり、久しぶりに頁を繰るのももどかしかった。(ミステリマガジン 読者が選ぶ海外ミステリベスト100の内 7位) | ||||
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アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の最優秀処女作賞を受賞した、アイラ・レヴィン23歳の作品。 書かれたのが1953年(昭和28年)ですから、半世紀以上前の作品になります。 己の容姿を武器に実業家の資産目当てに三姉妹へ次々と取り入ろうとする青年の末路。 末娘を自殺に見せかけ殺害し、真相究明に乗り出した次女や長女の運命は如何に…。 ザックリとしたストーリーは以上の通りですが、犯人である青年が明かされぬまま物語が 前半まで展開します。この犯人が意外な人物であるところが、秀逸です。スリラー、 サスペンスの秀作です。 但し、作者が丁寧に書き込んでいるため心理や状況の描写が長ったらしいです。 私はポイントを押さえ、読み飛ばしました。 現在のクライムノベルの語りや構成からすると、やや時代を感じさせます。 良質なサスペンスとはこのようなものだったのでしょう。 コーネル・ウールリッチやウィリアム・アイリッシュがお好きな人にはお勧めできます。 | ||||
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富豪の女子大生が自殺に見せかけて殺害される。 姉は妹の自殺に疑問を感じ、独自で調べることに。 スリリングな展開に ページがどんどん進みました。 映像にしたら面白いだろうなと思います。 野望を抱く男の狂気・・・・。怖いです。 | ||||
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背表紙のあらすじに、「戦慄すべき完全犯罪を行おうとするアプレゲールの青年の冷酷非情な行動と野心」と書いてありましたが、まさにその通り。読みながら、何度も心の中で「げす野郎!」と叫んだことか。野心ゆえに、妊娠した恋人が邪魔になり完全犯罪を行う青年の心境が恐ろしい程に伝わってきました。切迫感に押しつぶされそうになりながら一気に読みました。冷や汗ものです。まだ読んでない人に是非味わって欲しい一冊です。 | ||||
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I.レヴィンは日本では映画「ローズマリーの赤ちゃん」の原作者として有名かもしれない。本作は作者のデビュー作なのだが、2作目の「ローズマリーの赤ちゃん」まで何と10年程の期間があるのだ。羨ましい執筆環境である。本作の主人公はベトナム戦争帰りの野望溢れる青年。個人的には、この戦争帰りという設定が非情な殺人を平気で犯す人物像に結びついていると思う。 本作の特徴は3部に別れた物語の構成にある。1部は財産目当てで青年が付き合っていた資産家の三人姉妹の長女が妊娠してしまい、止む無く殺す部分で、青年から見た倒叙形式で書かれている。2部、3部は三人姉妹の次女、三女を各々ヒロインにしたもので3人称で書かれているという凝ったもの。勿論、2,3部にも青年は登場するのだが、それが誰かは分からない。即ち、倒叙物と本格物とを組み合わせた斬新的作品なのだ。当然、長女を殺した青年がその一家の回りに居続けるなんて不自然だという批判もあろう。私もそう思った。しかし、同時にこの新趣向は買えるなとも思った。 最後に青年は正体を暴かれ、惨めな姿を晒すのだが、このスヴィドリガイロフ的青年の怯え・精神的崩壊が戦争体験に起因するように思え、印象的だった。 | ||||
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『ローズマリーの赤ちゃん』もいいが、やはりこちらのほうが一押し。しかしこれほど映画化しにくい小説も少ないだろう。それぐらいに小説自体が、スリリングな魅力に溢れているのである。何度読み返しても新鮮さは褪せない。 | ||||
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この本は悪魔的作品です。何度アイラ・レヴィンの写真を見たことか。悪魔のような主人公が天使のように振舞ったらどうなるか、そんなことを考えました。いたいけな読者なら読んでいる最中に何度か「エッ」と絶句することでしょう。何しろ作者のデビュー作なので、海千山千のミステリ読みには、「ちょっとな」と思うところがあるかもしれませんが、私は大変面白く読みました。そして3回程「エッ」と絶句しました。多分に私がいたいけなのかもしれませんが。 | ||||
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容姿端麗、頭脳明晰な野心家の「彼」は、大富豪の令嬢ドロシイとの結婚での一攫千金の夢が破れると、自殺を装って彼女を殺す。ドロシイが「彼」に殺されたのではないかとの疑惑を抱いた姉のエレンは、「彼」を割り出すべく、ドロシイの学友の男達に、危険な接触を敢行する。誰が「彼」なのか、そして、エレンの運命は…と、ここまでは、ミステリとサスペンスに溢れ、「弱冠二十三歳の天才作家」のキャッチ・コピーにたがわぬ、なかなかの作品と思わせる。しかし、ここからがいけない。レヴィンは、中盤過ぎで早くも犯人を明かすことによって、ミステリとしてまとめていくことを放棄し、完全犯罪の成立を信じて疑わない犯人を、いかに追い詰めていくかに焦点を合わせていくのだ。それはそれで一つの行き方であり、否定する気はないのだが、そうした方向を取るのなら、そこからの長い展開に、よほどのサスペンスか、ストーリーの一ひねりがないと、読者は満足できない。残念ながら、それがないのだ。特に、結末に向けて、緊迫した展開の到来を今か今かと待ち受ける読者の気持ちに水を差すように、さしてストーリー展開に必要とも思えない情景描写に十数ページも費やす冗長な筆致には閉口させられ、引っ張るだけ引っ張った結末も、ありきたりのものに終わっている。二十三歳の若書きの作品といってしまえばそれまでなのだが、私には、ストーリー構成の配分を誤った作者が、中盤過ぎからの展開を持て余し、失速したまま終わってしまった感が否めないのである。 | ||||
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財産目当てに資産家の娘に近づく男の野望。ストーリーは確かに今となっては古臭い。しかしこの作品が世に出た当時でもさほど斬新なものではなかったはずです。この作品よりも20年以上も前に「チャンスは平等の国=アメリカ」がすでに幻想となったことを示したドライサーの『アメリカの悲劇』が資産家令嬢との結婚話が持ち上がったため邪魔になった恋人を殺害する男の物語だったからです。ではどこが傑作たるゆえんか、といえばやはりそのエンターテインメント性にあふれた構成でしょう。犯人を主人公にして犯罪を描くいわゆる倒叙もの(別名刑事コロンボ方式)でありながら、章ごとに視点を変えることによって誰が犯人(主人公?)であるか、かなり読み進んでからでないと読者にもわからないようになっています。小説ならではの技法と言えるでしょう。ちなみに映画化もされていますが、映像にしてしまうとこの構成の妙を生かせないため、陳腐なサスペンスものになってしまいました。とにかく一読してみることをお勧めします。社会を鋭くえぐった、ということではなく、エンターテインメントとして(もちろんほめ言葉です)すばらしい作品です。 | ||||
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貧しい美貌の青年が大富豪の三人姉妹を財産目当てに次々に手玉にとって殺し、最後は破滅するというストーリー。 こうまとめてしまうといかにものありきたりなストーリーですが、人物描写も見事で一気に読ませます。姉妹間の葛藤や父娘間の葛藤、青年が獲物を狙う肉食動物のように周到に娘たちを死に至らしめる様子など、これが著者23歳のしかも処女作とはとても思えない。恐るべしアイラ・レビン。 | ||||
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これを23歳で書いたというのがまず最初の驚きだ。確かに動機の面とかで若さゆえの粗さは感じるが、それを補ってあまりある見事なプロット構成。既に主人公の気持ちになってかなりどきどきして読んでしまった。二章に突入すると必ずもう一度「アレ?」と思って一章をパラパラめくるだろう。この凄さは派手で小難しい設定だけが良いミステリーだと思ってる読者には解らないだろう。 | ||||
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先日掲載したクーンツの『ベストセラー小説の書き方』でも優れた本として紹介されていたもの。一気に読了した。が、それは「どこで面白くなるのだろう」という期待が大きかったため。期待を持ちつづけたまま、いつの間にか解説に突入してしまった。本書がかつて高い評価を得て、そして今なかなか評価できないのは時代背景ということもあるのだろう。そもそも文庫の後ろにある短い解説に「アプレゲールの青年の冷酷非常な行動と野心」とある。何かの冗談かパロディーでなければ今ごろ「アプレゲール」などという言葉は出てこないだろう。本書が記された時期は「アプレゲール」が「真摯に」受け取られた時期。時代を超えて生き残るのが「古典」の定義であるとすれば、本書は高い評価を得たものの「古典」!たる資格を持っていなかったということか。「読者を喜ばせるミステリ」たるためのプロット構成は成されているが、それがすなわち名作というわけではない。 | ||||
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彼は金持ちになりたかった。そして大金持ちの娘と知り合ったが、彼女に子供ができてしまった。生みたいと望む彼女だが、お互い学生で、このままだと彼女は親から勘当されるだろう。それでは彼の計画が狂ってしまう。そして、彼は彼女を殺した。だが、まだ彼女には2人の姉がいる。彼は次女に狙いを定めた。途中で犯人は顔を現し、前半の推理小説からサスペンスへと移る。アイラ・レヴィンの処女作にして最高傑作。50年ぐらい昔の作品だが、今も色あせない、未だにミステリの人気ランキングの上位に上がる作品。 | ||||
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