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死の接吻
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死の接吻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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オールタイムベストに名前を連ねる言わずもがなの名作スリラーで著者のデビュー作!でもある。(1954年発表) 在学中でありながら、妊娠したカノジョ(ドロシイ)に結婚を迫られる青年。青年は、富豪の娘であることを知りつつも、野望が絶たれるリスクを察知し、甘言を弄した上で、カノジョを自殺に見せかけ殺害してしまう。本作品の悪党の悪辣さは、半世紀以上を経過しても色褪せない。カノジョの少々、面倒な性格を上手く操り、自殺を装う計画性に戦慄を覚えるだろう。 続く二部は、ドロシイの姉エレンが主役である。ドロシイの死に不審を抱き、ひとり捜査を行うエレン。一部では青年の名前が明かされないため、読者はエレンと共に犯人探しを行うこととなる。対象を絞り遂に真相究明か!となったところで、何とエレンも毒牙にかかるという始末…。 そして三部は、長女マリオン登場と続く。事件の真相が判明しているここにきては、どう決着を付けてくれるかが興味の中心である。非道とも言える苛烈なラストは、快哉を叫ぶというより、そら恐ろしくなる残酷さをはらんでいる。 一部は倒叙小説、二部は謎解きミステリ、三部はスリラーか。なるほど一読に値する作品である。 映画化されているが、原作の良さを出すのは難しいのよなぁ。 | ||||
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初めて読んだのは25年ほど前です。当時、ある頁にさしかかった時に本当に頭を殴られたような衝撃を受けました。ところが5、6年経って何に衝撃を受けたのかすっかり忘れたため、もう一度読みました。すると、その時も同じように衝撃を受けました。さすがに現在は内容を覚えてしまったために驚くことはありませんが、今もって本を読んでこれほどのショックを受けた経験はありません。 貫井徳郎さんや折原一さんの倒叙トリックは、読んでも「それがどうした」「だからどうした」という感想しか出ないのですが、本作はシンプルでありながらレベルがちがいました。映像表現よりも文字表現の方が優れていることを実感できる傑作です。 | ||||
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初めて読んだ時は、とても面白かった。 【ネタバレあり】 中盤、アイリッシュ風に、スリリングな展開となった。 ただ、アイリッシュは、土壇場で助かることが多いが、こちらは、逆に、殺害されたのが残念。 話は面白い。 1人目は高所からの転落死だったので、高所のある工場が出てきた時点で、結末を予想した人は多いと思う。 | ||||
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第一章で殺人を犯したのが誰だかわからないという構成が面白い。確かに終盤に向けて失速する感じはあるが、それでも読んでおいて損はない傑作。 | ||||
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ローズマリーの赤ちゃんよりも、こちらの処女作の方が出来がいい。この種のベストセラー本では永遠の必読書だと思います。 | ||||
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クズ野郎の物語です(笑) 子供の頃に読んだ記憶がありましたが、すっかり忘れていたので再読です。 面白いです。 ありとあらゆる推理小説を読破した私が言うのだから、間違いありません。 ただ思うのは、登場する女の子が素直すぎて、「こんなに騙されやすいか? 」 と感じてしまう点でした。 それにしても、映像ではなく、紙の上だからこそ出来るトリックの妙……。 この後、紙の上ならではのトリック物は沢山出てきますが、この作品に勝るものは、ほとんどないですね。 映像化なんかすんなよなぁ〜。 そりぁ、無理だって(笑) | ||||
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アイラレヴィンのデビュー作である。 最初に犯人の犯行が描かれる倒叙形式とも言えるが、いわゆる本格ミステリーではない。 犯人が彼という名称で描写され、中盤まで誰が犯人なのか分からないという構成になっているが、叙述トリックということではない。 ミステリーとしてはかなりシンプルな構成だが、抜群のリーダビリティがあり、読みだすと止められない。 映画化作は2本あるが、95年のマットディロン主演の作品が一番有名だが、最初から犯人がマットディロンと分かっているという本書の肝のプロットを全く無視した噴飯ものの出来であった。 やはり本作は小説媒体という特性を最も活かしたプロットである。 | ||||
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ナイーブな女子大生とつきあっている男。間違って妊娠させてしまった。彼女の父親はアメリカ有数の大会社の社長だが厳格で、できちゃった結婚など認めるどころか、娘との縁を切るだろう。そうすれば、財産は自分の下へは落ちてこない。 用済みとなった女は殺さなければならない。 1950年の疑いを知らない女子学生のひたむきな愛を逆手にとって、殺しを企む最低なヤツ。 ところが殺人はそれだけでは終わらない。死んだ女子学生の姉が犯人を暴こうとやってくる。読んでる方も犯人の名前が一切出てこないので、姉の立場になってヒヤヒヤしてしまう。 女を口説き落とす巧みな犯人のアプローチに嫌悪感を持ちながらもどんどん作品にひきこまれます。チャプター毎に語り手の視点が変わるのも新鮮です。 作者の処女作ながら、アメリカで絶賛された作品なだけはあります。 | ||||
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「陽のあたる坂道」や、「青春の蹉跌」みたいな話が好き。 底辺から這い上がるために、遊びでつきあっていた女を妊娠させたあげく、困って殺す……という設定には、何か、古典の香りを感じてしまうのです。 冷静に考えれば、妊娠が発覚したにしても、素直に結婚して貧乏に耐えながら向上していく、という選択もある訳であり、殺人を犯してバレるリスクより、そっちのほうがよっぽど、人生上のリスクは低いと思う。 しかし彼は殺してしまう。そこまでやってしまう条件としては、まず若いこと(リスクを天秤にかけて考えているヒマがない。血気ばやい)、子供のころから貧乏していて、もうこれ以上貧乏するのは絶対やだというトラウマがあること。このふたつが絶対条件。 でも、ふたつだけでは足りない。そこでもう一丁! というわけで、作家はそこからオリジナリティを発揮させる。 「青春の蹉跌」は、とにかく「妊娠=生活=一生しばられる」という恐怖にさいなまされる。その恐怖から逃れるために、彼女を殺さねばならならなかった。 では、この「死の接吻」で作家が規定した条件は何か。 戦争帰りであったことです。基本、人を殺すことをうしろめたく思わない獣性がある。 解説にもありましたが、ある意味、戦争が産んだ奇形児であり、犠牲者でもある。 そうした社会背景ともっと色濃く結びついていたほうがもっと説得力があったと思うけど、とにかくプロットの練りこみが素晴らしいので星4つ。 | ||||
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複数の語り手と曖昧な人称を使った、小説ならではの巧みな運びが魅力の1冊です。訳も、原文のトリックに忠実な感を持ちました。あとは、瑣末なことですが、私が2013年に受け取った文庫版は、こちらのページに表示されているものとは違った表紙でした(赤い薔薇がついていました)。いずれにせよ、語りで楽しませるミステリー好きな読者に文句無くおすすめの1冊です。 | ||||
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この小説は倒叙物です。 倒叙物というのは犯人の側から犯罪を描くので、最初から犯人が割れています。 ・・・ですが、犯人が誰だか分からないのです。 もう一度言います。 犯人が分かっているのに誰が犯人か分からないのです。 矛盾していますがそれがこの小説の面白さ、突出して優れている点です。 そしてサスペンスも半端じゃないです。 ストーリーの最初では犯人に肩入れしてしまい、なかなか死なない被害者、 迫り来る期限に心臓が飛び出しそうになるくらいドキドキして読み進めました。 海外ミステリーオールタイムベストをやると必ず上位に来るこの作品、 絶対に読んで損はしません。 私は「そして誰もいなくなった」の次にこの作品が好きです。 | ||||
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普通の推理小説だと思っていたけど、違った。途中から思わぬ方向に話が進んでいくので驚いた。なかなか凄かった。 | ||||
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初読は文庫で復刊されたときで、大学生時代だった。傑作という評判を聞いていたので、どんな作品なのかとワクワクしながら読み、ダマされたような感じだった。そう、当時の私には、ちっとも面白くなかったのだ。 その理由は、多分犯人がみえみえで、ストーリーの先がほとんど読めてしまったせいだろう。そう複雑なプロットではないから。つまり当時の私は、前評判から本作をガチガチの本格ミステリだと思っていたのである。 改めて今読み直すと、著者は本作を、ちっとも本格ミステリとして意識してはいなかったことが分かる。一応それなりに、犯人の正体をあからさまにはしていないが、それはすぐに気づかれたって問題ない、ということだ。つまり、本作のテーマは、謎とその論理的解決ではなく、一人の青年の成功と失敗、つまりアメリカン・ドリームのダークサイドを描くことにあるのだ。本作のスタイルは高く評価されているが、そのダークサイドを描くために、著者が最も適当だと考えたのが、このスタイルだったのである。 だから本作は、本格に分類するのではなく、ロマン・ノワールというか、高木「白昼の死角」のようなピカレスクとして評価すれば、正当な評価ができるのではないかと思う。第一印象が悪かったため、私の中では評価は低めだが、何度も映画化もされているとおり、不思議な魅力のある作品だということは、間違いのないことだろう。 ただ、今の私には少々甘すぎる。恋愛もいかにもアメリカン。 | ||||
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半世紀以上も前の作品で、初めて読んだのは30年程前だったが、今回再読してみても全然色褪せてはいなかった。 やはりプロットに非凡なものがある。犯人(恋人でもある)は妊娠した同じ大学の女子大生ドロシーを殺害し、自殺に見せかけるのに成功する。 本は犯人の固有名詞を出さずに「彼」という表現をするだけなので、この時点で彼の正体は判らない。到叙小説でありながら、犯人は誰か?というプロットが面白い。 映画なら固有名詞は判らずとも、少なくとも彼の顔と声は鑑賞していたら判るのでチョンバレだ。映画化しにくいのはこのような難点があるからなのだが、それでも2回映画化されている。 それはさておき、第2章で別の大学にいるドロシーの姉エレインが、妹の自殺に疑問を投げかけ、探偵ばりの活躍をするのであるが、この過程で犯人と遭遇するのだ。以前読んでいたにもかかわらず、ここで驚愕した。 更に第3章があり、長女マリオンも絡んでくるのだ。ラストあたり、久しぶりに頁を繰るのももどかしかった。(ミステリマガジン 読者が選ぶ海外ミステリベスト100の内 7位) | ||||
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アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の最優秀処女作賞を受賞した、アイラ・レヴィン23歳の作品。 書かれたのが1953年(昭和28年)ですから、半世紀以上前の作品になります。 己の容姿を武器に実業家の資産目当てに三姉妹へ次々と取り入ろうとする青年の末路。 末娘を自殺に見せかけ殺害し、真相究明に乗り出した次女や長女の運命は如何に…。 ザックリとしたストーリーは以上の通りですが、犯人である青年が明かされぬまま物語が 前半まで展開します。この犯人が意外な人物であるところが、秀逸です。スリラー、 サスペンスの秀作です。 但し、作者が丁寧に書き込んでいるため心理や状況の描写が長ったらしいです。 私はポイントを押さえ、読み飛ばしました。 現在のクライムノベルの語りや構成からすると、やや時代を感じさせます。 良質なサスペンスとはこのようなものだったのでしょう。 コーネル・ウールリッチやウィリアム・アイリッシュがお好きな人にはお勧めできます。 | ||||
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富豪の女子大生が自殺に見せかけて殺害される。 姉は妹の自殺に疑問を感じ、独自で調べることに。 スリリングな展開に ページがどんどん進みました。 映像にしたら面白いだろうなと思います。 野望を抱く男の狂気・・・・。怖いです。 | ||||
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背表紙のあらすじに、「戦慄すべき完全犯罪を行おうとするアプレゲールの青年の冷酷非情な行動と野心」と書いてありましたが、まさにその通り。読みながら、何度も心の中で「げす野郎!」と叫んだことか。野心ゆえに、妊娠した恋人が邪魔になり完全犯罪を行う青年の心境が恐ろしい程に伝わってきました。切迫感に押しつぶされそうになりながら一気に読みました。冷や汗ものです。まだ読んでない人に是非味わって欲しい一冊です。 | ||||
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I.レヴィンは日本では映画「ローズマリーの赤ちゃん」の原作者として有名かもしれない。本作は作者のデビュー作なのだが、2作目の「ローズマリーの赤ちゃん」まで何と10年程の期間があるのだ。羨ましい執筆環境である。本作の主人公はベトナム戦争帰りの野望溢れる青年。個人的には、この戦争帰りという設定が非情な殺人を平気で犯す人物像に結びついていると思う。 本作の特徴は3部に別れた物語の構成にある。1部は財産目当てで青年が付き合っていた資産家の三人姉妹の長女が妊娠してしまい、止む無く殺す部分で、青年から見た倒叙形式で書かれている。2部、3部は三人姉妹の次女、三女を各々ヒロインにしたもので3人称で書かれているという凝ったもの。勿論、2,3部にも青年は登場するのだが、それが誰かは分からない。即ち、倒叙物と本格物とを組み合わせた斬新的作品なのだ。当然、長女を殺した青年がその一家の回りに居続けるなんて不自然だという批判もあろう。私もそう思った。しかし、同時にこの新趣向は買えるなとも思った。 最後に青年は正体を暴かれ、惨めな姿を晒すのだが、このスヴィドリガイロフ的青年の怯え・精神的崩壊が戦争体験に起因するように思え、印象的だった。 | ||||
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『ローズマリーの赤ちゃん』もいいが、やはりこちらのほうが一押し。しかしこれほど映画化しにくい小説も少ないだろう。それぐらいに小説自体が、スリリングな魅力に溢れているのである。何度読み返しても新鮮さは褪せない。 | ||||
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この本は悪魔的作品です。何度アイラ・レヴィンの写真を見たことか。悪魔のような主人公が天使のように振舞ったらどうなるか、そんなことを考えました。いたいけな読者なら読んでいる最中に何度か「エッ」と絶句することでしょう。何しろ作者のデビュー作なので、海千山千のミステリ読みには、「ちょっとな」と思うところがあるかもしれませんが、私は大変面白く読みました。そして3回程「エッ」と絶句しました。多分に私がいたいけなのかもしれませんが。 | ||||
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