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アルジャーノンに花束を
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アルジャーノンに花束をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全504件 361~380 19/26ページ
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『 先天的の脳障害により、30才を過ぎても幼児並みの知能しか持たない主人公。 亡き叔父の親友が経営するパン屋で雑用の毎日を過ごす彼の元に 「新療法の被験者になってみませんか」 と脳障害を研究する医科大学から思いがけない提案が舞い込む・・・ 』 本作品は、脳障害を持つ主人公が ”被験者として綴った、8ヶ月あまりの手術後 【経過報告】 ” を通して描かれる物語です。 数十年もの間、活動停止していた脳細胞が、脳手術によって爆発的な活性化をしたことで あらゆる知識を吸収し、20ヶ国語を操り、数々の専門分野を極める天才にまで成長した主人公。 これまでの友人達との関係、 人間の行動原理と損得勘定、男女や性の概念、 幼少期に自分を捨てた家族との再会、・・・恋人、 知識を得たことで生じる様々な問題や葛藤を交えつつ、物語は駆け足で進行します。 本作品は数多のレビューで ・脳障害者の視点で見た世界を的確に捉えた名作 ・自身を主人公へ投影することで余す所なく感受できる感動作 と賞賛される作品です。 概ねその評価は正しいと思います。しかし、私個人が諸手を挙げて賛同できなかった要因は、 一般市民らの障害者に対する態度があまりに陰湿や粗暴で、 「社会では、おかしい人間に対し、おかしい人間として冷ややかに応対するのが当たり前」 であるかのような描写が各所に見られ、目を背けたくなってしまった事が一つ。 (単にそれは奇麗事を好む私が社会に過度の期待や幻想を抱いていることに起因する反発であって、 本書序文にて明言される通り、作者は無慈悲な現実を有り体に表現することで 住み良い世界を築く一助となるよう願いを込めて描写(反面教師の意)しています) もう一つは、原文を尊重した結果なのか翻訳の柔軟性に疑問符が付き 特に人物の台詞回しが淡白や古典的に感じ、リアリティの面で物語に入り込めなかったことです。 しかしながら、物語の構成や整合性はしっかりと作られており、演出面も練られていることから 本作品の特徴である ”主人公が変化していく様の描写” には引き込まれるものがあり、 特に物語終盤の主人公の変化とその過程には・・・目頭に熱いものを感じさせます。 最後に タイトルに掲げられている [アルジャーノン] は人名ではありません。 人ではありませんが主人公と同様の境遇に置かれ 主人公の行く末を暗示する存在としてアルジャーノンは描かれます。 タイトルの【アルジャーノンに花束を】とは、物語を締めくくる最終経過報告書において 『先生(脳外科医)、願わくば僕の代わりに 』 から続く主人公最後の言葉として用いられます。 このような書き方をすると悲壮な言葉として受け取られる方もいらっしゃると思われますが、 これは主人公の死を暗示した言葉ではありません。 最終報告を書いた時点の主人公は、”もはや” 全てに前向きな心情だったのかも知れません。 HappyEndを好む人には本作品は不向きかも知れませんが、物語のラストに用いられるタイトルの意味や アルジャーノンと主人公に興味を持たれましたら本書を手に取られてはいかがでしょうか? | ||||
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久しぶりにずっしりと心に響く本に出会った。 随分昔に描かれた小説なのになぜ今まで気付かなかったのか非常に後悔している。 海外小説は決して苦手なジャンルでは無いはずなのに。 SF小説とジャンル分けされているが、決してSF等という小さなジャンルに縛られる小説では無い。 これは非常に大きなテーマを抱えたヒューマン小説だ。 しかもフィクションとは思えないようなリアリティがある。 知的障害のある主人公チャーリーはある手術と治療によって人並み以上の知能を得ることになるのだが、その結果知ることになる社会の矛盾、自己矛盾に苦悩し続ける。 だが、その手術によって得た高度な知能も、自分自身の研究によって永遠には続かなことに気付き、更に彼は苦悩することになる。 本当の自分は何処に居る? 愛情とは? 友情とは? そして性への目覚め(この部分に目を背けなかった作者のおかげで、主人公はより人間らしく生きてくる)。 さまざまな問題が主人公チャーリーを苦しめる。 もう、これ以上はネタばれに成るので書けません。 最後のページは涙無しに読む事は出来ないでしあろう、これを書きこんでいる今も思い出すと涙がにじんでくる。 だが、これは決して悲しい結末では無く、チャーリー自身は苦悩の無い世界に行ったのだと私は思いたい。 憎しみも悲しみも無い世界へ。 さようなら、ありがとうチャーリー。 そして知的障害者や、認知症の方々の社会的扱いに大きく考えさせられる作品でもあった。 未読の方は自身が歳を重ね認知症に成らないうちに是非読まれることをお勧めします。 | ||||
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ダニエル・キイスは、あまり文章がうまくない。 しかし、アルジャーノンは名作だった。 主人公の日記形式であるため、文章力はあまり気にならないのだ。 とにかく、最後の締めは、美しい。 | ||||
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「キニアン先生があのひとたちわぼくのあたまをよくしてくれるかもしれないといった」。 サイエンス・フィクション(SF)『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス著、小尾芙佐訳、早川書房、ダニエル・キイス文庫)の主人公、32歳のチャーリイ・ゴードンは、幼児レベルの知能しかなかったが、脳外科手術を受けることによって超天才へと劇的な変貌を遂げる。チャーリイが指導を受けた知的障害者成人センターの教師アリス・キニアンが「このごろ、あなたとは話ができないのよ。あたしにできるのは、耳をかたむけて、うなずいて、文化的変異でもブール数字でも記号論理学でも、みんなわかったようなふりをすること」だけと嘆くほどの進歩ぶりだ。しかし、先行して同じ手術を受けたアルジャーノンという名のマウスが驚異的な知能を得たのち、短期間のうちにその知能を失っていくのを見て、チャーリイは自分の行く末を知ってしまう。今では、チャーリイとアリスは互いに深く愛し合っているというのに――あなたなら、どうする? この作品のSF要素は知能指数を高めるための手術という発想だけで、その他は現代の通常の生活が描かれているので、私はSFというより、哀切さが心に染みる心理小説と受け止めている。 | ||||
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物語は終始チャーリイ・ゴードンの一人称で書き進められていく。 IQが高まっていくにつれて間違いだらけの文章が次第に高度になっていく文体は知的好奇心を十二分に刺激してくれる。 知恵遅れだったチャーリィ・ゴードンはやがて学者連中を喝破し、彼らの知性が十分でないことに憐みすら感じるようになるが、徐々に洗練されていく文体を通して、この知恵者の逆転現象を読み手自身も感じとることになるからだ。 チャーリィが知性を獲得すればするほど、愛情の不足を感じ、孤独感を募らせていくのは人生の皮肉かつ真理である。 いかに賢くなろうが、情感が伴わなければ人間は不幸せである。 現実の世界においても、飛び級をして大学に入学した早熟の天才がぶつかる問題は情操教育だ。 急速に知性を獲得していくチャーリィの前に立ちはだかるのも、愛情という名の人生の壁だ。 幸福は得てして凡庸である。 我々は、どれだけお金があっても、どれだけ知性があっても、それだけでは幸せになれないことを知っている。 どのような境遇であれ、大事なのは幸福を感じ取れる自分の心、その在り様なのだと知っている。 手に入れ続ける幸福が危うく脆いことを知っている。 失ってもなお残る安らぎこそが真の幸せであると知っている。 だが、人は失うことを良しとはしない。 月並みな言い回しになるが、『アルジャーノンに花束を』は「幸福とは何か」を痛切に教えてくれる。 チャーリィは32歳にして人生を歩み始める。 急峻な人生の奪還と喪失を経巡るその様は、儚くも短い泡沫の夢のようだ。 されど、煌々と輝くその軌跡はあまりにも眩しい。 最後の最後、我々はチャーリィと一緒に幸福の何たるかを噛みしめるだろう。 幸福とは触れ合いの記憶に他ならないのだと。 | ||||
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初めて読んだのは30年ほど前の高校生のころ。改訂される前の版です。その時はとにかく感動しました。 数年前に読みなおしたとき、今度は文体に感心しました。 知恵遅れの純心な青年の、たどたどしい1人称で物語は始まります。 そして脳の手術の後、その文体がどんどん普通の大人のものへ、そして天才のものへと変化していきます。 やがて冴えた文体が少しづつ元に戻っていくその過程を読んでいるだけで、主人公の心境に入り込むことができるのです。 なんというテーマ。そしてそれを最も効果的に書いたテクニック。 14歳になった娘にプレゼントしたら、夢中になって読みました。読書家の彼女の最も好きな本ベスト5に入るそうです。 今私がもう一度読み直しても、なお面白い。名作というのは、年齢も時代も超えていくものなのでしょう。 | ||||
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初見は「心の鏡」の短編の方。 長編があるって知ってこの本を手にとりました。 当時高校生でしたが 最後の方が読んでいて気持ちがたまらなくなり、 ぼろぼろ涙をこぼしました。 特に主人公が教室へ返ってきて教科書を無くした事を伝える場面が あまりにもその描写が残酷で鮮烈で心を激しく揺さぶりました。 本を読んでいて泣いたのは初めてでした。 この本に出会えて本当に良かった。 そう思います。 | ||||
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チャーリィと同じような経験は誰にでもあると思います。 それを経験したときは物事を全く理解できずに、ある程度成長してからふとその経験を思い出すとその物事の本質に近いものを理解できてしまう 当時何のことかわからなかったがその事で本当は自分は馬鹿にされていたのだとか、周りから呆れられていたのだとか、疎まれていたのだとか、そういうことを十数年も後に思い出して、どうしようもなく参ってしまう。 やり場のない怒り、悲しみ、ほとんど意味のない苦悩。 物語終盤よりも僕はチャーリィが天才として目覚めていく過程で苦しむ描写にいつもやられてしまいます。 今でも僕のバイブルです。 | ||||
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「本当の幸せ」がこの本の中に書いてありました。 | ||||
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この本を読んで一番に思ったのは、母親に無償の愛があったら良かったのに、ということだ。息子チャーリィに知的障害があることを納得せず、なんとか「普通」にしようと怪しげな療法を試みる母。その母の期待に応えようとし、30歳になっても障害者対象の成人学級に通うチャーリィ。そんな向上心のあるチャーリィは知的障害者に行う外科治療の人体実験第一号となる。「ありのままのチャーリィで良い。そのままで良い」と母が認めてくれたら、チャーリィの人生も変わったのではないかと思った。 また、天才になった後、再び元の知的障害者に戻るのではないかという不安を抱えるチャーリィの気持ちは、認知症患者が抱える不安と似たところがあるのではないかとも思った。以前できたことができなくなる焦燥感、居ても立ってもいられなくて徘徊する日々。 「呆けても感情はある」という言葉を思い出して切ない気持になりながら、最後まで一気に読みました。 | ||||
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高校の時に課題図書で読みました。はじまりがへたくそな字の、こどもみたいな文章。何じゃこりゃ、幼稚園児の日記?事情がわかるにつれ、「“障害児のかわいそうなお話”か。高校の先生がお薦めしそうだよな。ふん。」とか冷めた気持ちで読んでいたのですが。そんな浅慮で軽薄な私の思考をはるかに超えたものすごい本でした。人の優劣の基準について、愛情と同情について、自分の存在価値について、根底からひっくり返されてしまいます。計算されつくした文章にもうならされます。もちろん、初めて読んだ時にはわからなかったことや感じ取れなかったこともたくさんあります。何かの折に目に入るたびに読み返してしまいます。一生の宝物です。 | ||||
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主人公の限られた時間で、人を愛し、憎み、悲しむ姿は実にリアルで心に突き刺さる。 読者はきっと彼に自分を当てはめると思う。 誰だって人間関係で悩んだり、自分にコンプレックスを持ったり、小さい時の嫌なことを覚えている。 主人公はそれらの問題に苦しみもがいて、ある答えにたどり着く。 この本は展開が面白く読みやすい。本を読まない人にもお勧めできるの。 ぜひ読んで欲しい。 | ||||
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昔ドラマでやっていて、それがよかったので読んでみた。 チャーリィが賢くなって世の中のことが見えてくればくるほどこの世の中は汚く、差別に満ちていて、今まで自分が差別の対象であったということに気づいてしまう。 皆のように賢くなれば、明るい世界が広がって来ると信じて必死に頑張ったチャーリィだったが、見えてくるのは人、社会の汚れたところばかり。 いっそ何もわからず笑いものにされ、一緒に笑っているだけだった頃のほうがどれほど楽しく生きられていたことか。 現代の聖書という文句はダテじゃない。とても感動する物語だった。 エンディングはドラマと違ったが、これもよかった。 人は知恵をつけると、純粋に心で感じたままではなく、自分の考えを挟んでしまう。 それはとてももったいないことだなぁとおもった。 最初とても読みにくいけど頑張って読む価値ありです。 | ||||
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それは過去の自分であり、現在の自分であり、未来の自分の姿である。 また、それは過去のだれかであり、現在のだれかであり、未来のだれかの姿なのだとおもう。 現代の「知識」を置き忘れた時代の皮肉でもあり 万能という言葉を疑うには充分の内容である。 | ||||
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このほんの ぼうとうに びっくりするとともに ふかくかんどうしました。 ぜひ 最後まで読んでください。 | ||||
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氷室京介の曲で知りました。 高校生のときに読みましたが、 ふかくふかく感動しました。 | ||||
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非常に良かった。 分類すればSFなのかもしれない。 日本語訳が非常によくできていて、本来の味を損ねていないのが良かった。 読み始めて、気づいたら読み終わっているような本。 軽い読み物というのではなく、非常に引き込まれる本。 ただ、主人公の超知能っぷりの表現がすこしクサいような気もした。 | ||||
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先日、久しぶりに読んでみました。 まあ、これで4回目ですが。 いつ読んでも、何回読んでも、ジーンと来ますね。 これを読んだ人間の使命としては、もちろんこの本が伝えようとする命への向き合い方などをしっかりと考えることもあるでしょうが、 この本を後世に伝えていくという使命も担っていると思います。 活字や物語が持つ力、本の偉大さなどを、この本は象徴していると思います。 | ||||
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一度だけ、図書館で借りて、何度も読み返しました。 だけど、あまりにも残酷で、二度と読めない本となりました。 「純朴な障害者」「頭がよくなる、という名の下の、恐ろしい手術」・・・他の読者の方々も書いておられますが、複雑な思いが強すぎる物語です。 二度と読めないけど、良い意味でも悪い意味でも心を深く抉ってくれた本でした。 今でも、この本の題名を観ただけで、心がひどく痛みます。 | ||||
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斬新な視点と心理描写を有する小説。 純朴な障害者と孤高の天才 それが一人の人物に時を置いてあらわれたときの 心の変遷や心理描写を上手く表現している。 純真な心を持ち周囲から愛される人 鼻にかけた天才っぷりで嫌われる人 障害児を持つ家族 研究成果を発表し評価を望む教授 誰もが持つ人間的な感情やそれぞれの心の動きを的確に捉え 考えるきっかけを与えてくれる。 | ||||
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