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燕は戻ってこない
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燕は戻ってこないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 41~60 3/4ページ
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面白くて、一気に読んでしまいました。 桐野ワールド全開です。 少子化問題、不妊治療、地方と中央の格差、非正規雇用の貧困‥等、現代社会が抱える課題を複雑に絡ませて折り上げた、壮大な作品だと思います。 富裕層が、財力にあかせて最新医療を駆使し、若さ、健康、美、そして、自分の子供まで手に入れようとするところは、箒木蓬生氏の「エンブリオ」を思い出しました。 草桶夫妻、リキ、どちらの気持ちも分かります。 が‥勝手過ぎませんか? 私はどうしても、リキの最後の行動は許せません。 基も、最初から、子供の人生を支配しようとしているような‥。 読み終えた後は、何かモヤモヤと、後味が悪かったです。 | ||||
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大好きな作家さんです。 しかしながら途中経過や最後こうなるのでは…と予想したんですけど、正にそうなってしまったのが私には残念です。 | ||||
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「OUT」から桐野さんのファンでしたが、最近の「とめどなく囁く」、「日没」と読書する面白さが無くなったと思ったので、「砂に埋もれる犬」は購入しなかったのです。 しかし今作が毎日芸術賞を受賞したと聞いて手に取らせて頂きました。 桐野さんはするどい視点、聡明さに加え、「猿の見る夢」に展開されるような壮大なユーモアのセンスの持ち主です。 この作品ではこれら3点全て見受けられます。 主人公リキの生活の困窮は絶望的です。 以前私が尊敬する方が、「人間の頭の良い悪いは、最後は判断力があるか、ないかだ」とおっしゃっていましたが、この事がリキにあてはまるのかどうかは、分かりませんでした。 | ||||
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久しぶりの桐野さん、あっという間に読みきりました。 自分が日ごろ草桶さん側の世界に隣接しているので、そのリアリティーから引き込まれたところもありますが、いそうでいないけど平均点をついている地方の現状とありそうで誰も見たことない代理母の身辺をしっかり読ませます。 OUTから25年、と帯にありましたが、ぶれない姿勢を長く続ける力、脇目も触れず最後まで読ませる力にあらためて敬服します。 | ||||
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代理母出産の話。不妊治療、女性の貧困といった社会課題も盛り込まれていて、女性はハマって読めるんじゃないでしょうか。 主人公は代理出産する母体側。29歳地方出身非正規労働で健康な体を持つが困窮を極める。 話の中で、この代理出産サービスを受ける側の妻・悠子の友人であるりりこが、しきりに「女が搾取される」と言うが、確かに男性は精子提供なら精子を出すだけだが、女性の卵子提供はというと、卵子は勝手に体内から出てこない。ましてや代理出産は、命をかけることもある。 帝王切開にもなると更なる傷と痛みを負うことになる。 フェアじゃない。それでも、そのアンフェアネスを凌駕する何かが出産にはある。 「お腹を痛めて生んだ赤ちゃんが愛おしい」とか、母性を簡単な言葉で表すことは一切出ない。それでも、リキは感情の上でもこの子らの母親になったのだということが分かる。 “リキは痛みに耐えている。なぜか、涙が出たが、それは傷の痛みのせいではなかった。安堵と寂しさと。生まれて初めて経験する感情が、リキを揺さぶっている。” リキは、自分のいる場所から追われるように逃げる描写が多く、弱い立場にいることを感じさせられる。 安アパートから逃げ、結局地元にも居づらくなる。最後も(ネタバレになるから詳しく言えないが)逃げのシーンで終わる。でもその時はもう一人ではない。そこに希望の可能性が感じられたのが良かった。 | ||||
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どのキャラも個性的でおもしろい。 そして、代理母ということについても考えさせられました。 そして、どのキャラも際立っているようで とても迷っていて、話も行き来するし、自分勝手とも思うけれど それが人間ぽくていいなと。 人間だから迷うし、道を間違えたりするし、やっぱりって飛び込んだりするし。 何が正解か、幸せかわからない。 でもラストはびっくりした。笑っちゃいました。 | ||||
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読書家の友人に薦められて読もうと思い、図書館に行くと7冊の蔵書は全て借りられていて予約が100人以上でした。そのためAmazonで購入しました。読んだ後多くの人に薦めています。 | ||||
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ネタばれになるので伏せますが、それから二十年後にどうなっているのか・・・どうしても読んでみたいと思わせる結末を迎える小説です。有能な編集者なら一緒に構想を練り始めていることと思いますが。 | ||||
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究極の貧困女子小説。ラストは作者(母親)の作品(子供)に対する母性に溢れている。リーダビリティは第三章から加速。「燕」(希望?)が戻ってこないなら、探しに行くしかないか。ここからどうするかは読者次第。主人公が「OUT」より若い分救いもあるような。良い意味で、後味の悪さは「日没」の方が上かな。 ともかく女と男のエゴを書かせたら天下一品ですね。 身体、卵子、精子(睾丸?)、子宮とくると次は、命しかないか… | ||||
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妊娠、出産、不妊、代理母に関してはすごくよく書けてると思った。ただ、貧困女子の有様がリアルすぎて救いがない。片田舎の貧しい家庭に育ち、貧困は嫌だと思っているのに、抜け出す方法があってさえ、その場の感情だけで行動する。行き当たりばったりでけっきょく自分の子供までまた貧困の連鎖に引き込んでしまうのはきっとリアルなんだろうけど。金も戸籍もない子供(というより母親によって奪われた子供)は将来どうやって生きていけばいいのか。この本は是非産まれてきた子供達を主人公にした続編が読みたいと思った。 | ||||
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林真理子サンのYouTubeで、この本を知りました。本の厚みや文字数は気にならず、読み切ることができました。基と悠子が、新たな命を授かり後戻り出来ないリキを振り回していたのが残念というか。。草桶夫婦が望んだ赤ちゃんなのだから、リキにもっと穏やかな妊婦生活を送らせて欲しかった。このような事を、リアリティーを感じさせる文章で伝えて下さった桐野サンって凄いなと思いました。 | ||||
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桐野夏生さんの本はいつも楽しみに、絶対本屋さんで買います。が、最近本屋さんが潰れてしまい、Amazonを利用しました。 いつもの文章、不思議と頭にすすすーっと入ってきて、夢中になれるような読みやすい本でありながら、テーマは凄くセンシティブ。 どの登場人物も人間臭くて、え、ちょっとどうなの?って思うような行動をする所が、リアリティを感じて私は好きです。 完全な正義や完璧な人間、超素敵な主人公が飛び出してこない物語にいつも励まされています。 | ||||
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よく取材されている。もしくは、著者が不妊治療や卵子提供を検討していたのか?と思わせるほど、当事者の心の揺れに迫っていた。 貧乏で自信がなくて不満しかなかった主人公が、途中から自分の意見を言うようになる姿が印象的。 特に、ラストに彼女がとった行動は女性の本能的な力強さというか、底力を見せられた気がした。 | ||||
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辛いニュースが多い昨今、わざわざ救いのないノワールを読むのはしんどい。 でも、何らかの形で現代社会と繋がっていないと、新刊を読む醍醐味がなくなってしまう。 作家は、そこに脳みそを振り絞っていると思う。この複雑な社会を、いかに読みやすい 小説として形にするか。 例えば時代設定を未来にする、過去にする、ファンタジーやミステリーやホラーのジャンル を採用する等考えられるけど、この作品は真っ向勝負の現代劇だ。 テーマがテーマだけに、序盤は貧困と搾取の構図が痛々しい。しかし主要なキャラが出揃って くると、誰もが切実な思いを抱えていることがわかる。そこに悪意は認められない。 ヒロインの身体を中心に置き、登場人物たちは自分のエゴと他者への共感の板挟みになるが、 内省するシーンは比較的少なく、会話が活発だ。 この流れがいい。個人としての疎外感、孤独感を抱えつつも、それぞれの登場人物たちは、 自分も、相手も尊重しながら、誠実な話し合いを積み重ねていく。 そこに生まれるのは他者への共感である。 作者が最も描きたかったのは、この、他者への共感が育まれていく過程なのではないか。 連載期間を見ると、ほぼ、2020年コロナ元年と重なっている。それが作品にどのような 影響を与えたのかはわからないが、終盤になるにつれ、前向きで明るい希望が感じられる ような気がした。 その分、あのラストの恐ろしい切れ味には驚かされた。何か、まるで歴史を巻き戻した かのような、古典的な女性の自立の描き方だとは思った。 小説の中で、主人公が作者の手を離れて自発的に動き出したようには感じなかったので、 ちょっと作為的だとは思った。登場人物は誰のものだろう、とふと考えてしまった。 | ||||
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沢山のウクライナの女性が、ヨーロッパの代理母になっています。 自分の人生を賭けての妊娠と出産、その価値は、?子育て終わった私には、 「なんだったんだろう、あの長い歳月は」桐野夏生さん、今を書く | ||||
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日本では認められていないサロゲートマザーという代理母出産を巡る、子どもがいない夫婦と、地方から出てきた貧困の非正規労働者の悲しい現実を描いた物語だった。 毎日の生活だけで手一杯で貯金をする余裕もなく貧困に苦しむリキ。その貧困から抜け出すため、軽い気持ちで生殖医療専門クリニックのエージェントが勧めるエッグドナーという卵子提供を考えるが、サロゲートマザーという代理母出産を提案される。 元バレリーナで夫の草踊基は母が資産家で、妻の悠子と裕福な暮らしを送っているが、子どもがおらず犬を飼っている。どうしても子どもがほしいなら養子を取ればよいのだが、やはり自分の遺伝子を残したいという夫に対して、子どもができなくても夫婦で楽しく過ごせばよいと考える妻。 代理母を巡る、夫、妻のそれぞれの立場からの葛藤や身勝手さ、傲慢さが分かりやすく描かれていた。 特に妻の悠子はビジネスとして子宮を提供するという考え方や、排卵誘発剤を使ったり、注射をしたりとリキの体に負担を強いることに強い違和感を持つとともに、自分だけ蚊帳の外、部外者扱いされることに憤りを感じる気持ちもよく分かる。 悠子の友人で、結婚やセックスに一切興味がないにも関わらず春画作家をしているりりこの極端な考え方がアクセントになっていてよかった。 妊娠、出産したあとにリキや悠子がどんな心境になるのか、興味深かった。 | ||||
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桐野夏生には外れがない。何を読んでも面白い。 特に女を描かせたら唯一無二のものがあって、林真理子にも篠田節子にも譲らない何かがある。 個人的にはそれは女の中に潜むアウトなもの、いつ突拍子もなく生まれて来るか分からないアウトサイダーとかアウトロー的なアナーキズムといえばいいでしょうか。 最後にそれが出て来る。 そして、それは女の真の自立と言う重いテーマにキラリと小さな希望を光らせて終わる。 最後にアウトサイダー的な選択をする主人公が、その先に「何にも誰にも頼らない」という決心で強くなり成熟する。この作品も最終章にそれが出て来ます。 読み始めはバカ女にして見えない主人公が、話が進むにつれてどんどんと知的(別に学問には頼らない)なり、大人に成熟していく過程が読みどころ。ある種のビルドゥングス・ロマンでもあります。 一気読み必須!! | ||||
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大好きな作家、林真理子さんお薦めとYouTubeで見てAmazonで購入しました 私には期待が大きかっただけに、外れ本となりました | ||||
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ここ10年の桐野夏生さんの著作で一番面白かった。装丁もサイコーです! | ||||
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少子化や不妊治療の保険適用、女性の貧困など 言われている中大変興味深いテーマであった 持つ者持たざる者さまざまな視点が語られているが作者が一貫して弱者の味方である事が わかり感情移入がしやすく気持ち良く読めた。 結末は昨今の女性問題、毒親問題など考えたら 大変含みがある終わりだなあと思った。 | ||||
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