捜査線上の夕映え

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捜査線上の夕映えの評価:

3.61/5点 レビュー 36件。 B ランク

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平均点3.61pt

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全21件 21〜21 2/2ページ
No.1
(4pt)

犯人に手錠がかけられる瞬間に哀愁が漂う

『狩人の悪夢』以来、5年ぶりの長編。

マンションの一室で男が鈍器で殴り殺され、スーツケースの中に詰め込まれた状態で発見される。男は元ホストで、容疑者として浮上したのは、ホスト時代の客で現在も関わりがある女性2人と男から金を借りていた男1人の3人。ただ、マンションの監視カメラに残された映像やそれぞれが主張するアリバイなどから、絞り込めない。事件が難航するなか、助力を要請された火村英生と有栖川有栖も捜査に乗り出すが…。

殺害方法、遺留品などに、トリッキーな部分がほとんどなく、事件全体は凡庸と言われてもおかしくない。それもあってか、大阪府警から火村らへの助力の要請は、死体が発見されてから一週間が経過してから。長編ということもあって、火村と有栖川の聞き込み、大阪府警の森下、茅野、高柳、繁岡らの行動や心情が丁寧に綴られている。これまでの作品の多くが、一気に事件の核心に迫る部分があったような感じだったのに比べると、ゆったりと事件に迫っているような感覚になる。
事件が大きく動くのは、茅野の粘り強い聞き込みがきっかけだが、さらに、火村がある一人の行動を目にしてから、彼の推理が大きく動き出す。

10年近く前に刊行された『菩提樹荘の殺人』では、火村や有栖の若き日の姿が描かれ、そこに「苦さ」「若さ」を読み取ることができた。本作では、二人のものではないがやはり「若さ」と「苦さ」が迫ってくる。しかも、その先には「哀しさ」が漂う。だからだろうか、事件そのものにさほど特色はないが、かなり好きな方に入る。

カバーに使われた夕映えの写真と同じものが本体の表紙にも使われているので、カバーを外して読んだものの、その美しさを楽しめた。
そして、犯人に手錠がかけられる瞬間に哀愁の漂う作品である。
捜査線上の夕映え Amazon書評・レビュー: 捜査線上の夕映えより
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