汚名

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評判

汚名の評価:

4.61/5点 レビュー 28件。 A ランク

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平均点4.61pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 21〜28 2/2ページ
No.8
(5pt)

マニアックなところだが

主要な登場人物がだんだんと年齢を重ねていくにつれて、ハリーとマッズとの距離感が微妙に変わっていくところに今作の非常にリアリティを感じた。
作中でハリーが汚名を着せられ新聞に載せられたとき以前のマッズであればハリーを疑わなかったのではないか。
記事に対しての激昂はあっても、ハリーを疑う心はなかったのではないか。
しかし今作では彼女は泣いている。悲しんでいる。
なんかこの辺の見せ方、信頼感の微妙なはがれ方 この見せ方が非常に巧みでリアリティを感じた。
逆に過去の段階では心から信じきれなかった元相棒 ジェリーエドガーとは以前よりもつながりを見せているように思える。

これはハリー自身の行動が起こした変化だと思われる。前作でハリーが刑事としての職を失いかけたことによる変化だと思われる。人が立場を失ったとき、人間関係というものは思いもよらぬ変化をもたらすと思う。

ハリーはこれからどんどん孤独を深めていき事件に没頭するようになるのではないか。
でも、仮にハリーの近くに人がいたとしても、だんだん人は独りに戻っていく、
その中で自分の使命があり、それを果たせる環境があることは素晴らしいことだ。
人とのつながり これが自分にとっての本作のテーマであり、非常に素晴らしく描かれているように感じた。
ミッキーのやくざな感じも最高である。
汚名(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(下) (講談社文庫)より
4065206294
No.7
(5pt)

ボッシュの集大成のようなエポック的力作!

この一作でボッシュは、三つ、いや四つの事件に絡む。そうボッシュ大多忙の巻である。邦題の『汚名』は、ボッシュが巻き込まれる過去の事件での捜査ミス及びこれに関するマスコミ・スキャンダルから取られたものと思われるが、作中では次のように語られている。

 <この世には、二種類の真実がある、とボッシュは知っていた(上巻 P202)>絶対の真実と、ペテン師たちによって創作される偽の真実が。

 一方で、薬局の父と子が無慈悲に殺害された事件を機に、薬物密売組織に囮として潜入するボッシュの活劇ぶりが描かれる。この部分はAMAZON PRIMEで既にドラマ化されたため、ぼくは視聴しており、設定その他に異なる部分はあるものの、主筋はドラマと原作は同じ展開を見せるので、実のところ小説を後にすることで興が削がれた。原作を映像化したものなら抵抗はあまりないが、映像→原作は、さすがに残念な順番だった。

 しかし、本書には、ボッシュへの思い入れをこの一冊で総括してやるんだ、くらいの原作者の熱気が感じられる。それが、定年を過ぎゆくボッシュに対しての、入魂のペン捌きとなって結実しているので、シリーズ屈指の熱い作品となっていることが素晴らしい。

 ボッシュは昔牢屋として使われていた黴臭い資料庫から古い事件の調書を引っ張り出しては、自分の天性の仕事勘を働かせ、潜入捜査中に気にかけた薬中の女性を徹底して再生させようと主筋とは別のところでも力を尽くす。

 腹違いの従弟ミッキー・ハラーは、今回の大団円を取り持つ法廷シーンで期待に違わぬ活躍ぶりを見せ、その調査員であるシスコはボッシュとの臨時協力体制を請け合う本書のサービスぶりである。

 もう一つ、サービス・シーンをご紹介。
 <「あんたはカウンターにいるタイプだ。ホッパーのあの絵でひとりですわっているやつみたいに」>とハラーがボッシュに言うシーン。<ボッシュは自分をホッパーの『夜更かしする人々(ナイトホークス)』のなかに描かれたカウンターにいる男のようだといつも思っていた(上巻 P297)>
 
 無論、ボッシュ・シリーズの一作目『ナイトホークス』を想起させるシーンである。作者はボッシュというキャラクターを創り出した当時と、ボッシュともども実績と経験を重ねてきた今とを重ね合わせて、充実した二人のそれぞれの人生を重たく振り返ってみせたのではないだろうか。
汚名(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(下) (講談社文庫)より
4065206294
No.6
(5pt)

ボッシュの集大成のようなエポック的力作!

この一作でボッシュは、三つ、いや四つの事件に絡む。そうボッシュ大多忙の巻である。邦題の『汚名』は、ボッシュが巻き込まれる過去の事件での捜査ミス及びこれに関するマスコミ・スキャンダルから取られたものと思われるが、作中では次のように語られている。

 <この世には、二種類の真実がある、とボッシュは知っていた(上巻 P202)>絶対の真実と、ペテン師たちによって創作される偽の真実が。

 一方で、薬局の父と子が無慈悲に殺害された事件を機に、薬物密売組織に囮として潜入するボッシュの活劇ぶりが描かれる。この部分はAMAZON PRIMEで既にドラマ化されたため、ぼくは視聴しており、設定その他に異なる部分はあるものの、主筋はドラマと原作は同じ展開を見せるので、実のところ小説を後にすることで興が削がれた。原作を映像化したものなら抵抗はあまりないが、映像→原作は、さすがに残念な順番だった。

 しかし、本書には、ボッシュへの思い入れをこの一冊で総括してやるんだ、くらいの原作者の熱気が感じられる。それが、定年を過ぎゆくボッシュに対しての、入魂のペン捌きとなって結実しているので、シリーズ屈指の熱い作品となっていることが素晴らしい。

 ボッシュは昔牢屋として使われていた黴臭い資料庫から古い事件の調書を引っ張り出しては、自分の天性の仕事勘を働かせ、潜入捜査中に気にかけた薬中の女性を徹底して再生させようと主筋とは別のところでも力を尽くす。

 腹違いの従弟ミッキー・ハラーは、今回の大団円を取り持つ法廷シーンで期待に違わぬ活躍ぶりを見せ、その調査員であるシスコはボッシュとの臨時協力体制を請け合う本書のサービスぶりである。

 もう一つ、サービス・シーンをご紹介。
 <「あんたはカウンターにいるタイプだ。ホッパーのあの絵でひとりですわっているやつみたいに」>とハラーがボッシュに言うシーン。<ボッシュは自分をホッパーの『夜更かしする人々(ナイトホークス)』のなかに描かれたカウンターにいる男のようだといつも思っていた(上巻 P297)>
 
 無論、ボッシュ・シリーズの一作目『ナイトホークス』を想起させるシーンである。作者はボッシュというキャラクターを創り出した当時と、ボッシュともども実績と経験を重ねてきた今とを重ね合わせて、充実した二人のそれぞれの人生を重たく振り返ってみせたのではないだろうか。
汚名(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(上) (講談社文庫)より
4065169526
No.5
(5pt)

ホッとした

最後の最後に、また新たな事件が始まったような描写があり、次も読めるぞとホッとしました。一時期のような、スリリングな展開ではないし、アマゾンプライムで観た「ボッシュ」最新作の原作でもあるようで、既視感もありましたが、でも、コナリーは無視出来ません。良かった!!!!!
汚名(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(下) (講談社文庫)より
4065206294
No.4
(5pt)

真実は二つある

読み初めてすぐにこのストーリー読んだことある?と思ったら、アマゾンプレミアムの『BOSCH』のシーズン5
でした。今はシーズン6で2019年にすでに見ています。アマゾンプレミアムのボッシユシリーズはコナリーのいろんな本を寄せ集めてるシーズンもあり、シーズン5は読んだことないなー、このビデオのため別に脚本が書かれたのかな~と思ってました。翻訳の方が遅かっただけなんだと理解しました。少々騙されたような、損したような気になりましたが、やはり本で読む方が断然良いですね。早く次回の翻訳を待ってます。(未訳のペーパーバックはしんどいです)
汚名(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(下) (講談社文庫)より
4065206294
No.3
(5pt)

不満!

古沢さんのあとがきがない!!
なんでだ~。

次作からは絶対に復活してほしい。
汚名(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(上) (講談社文庫)より
4065169526
No.2
(5pt)

ハリーが歳をとって、ますますハリーに!

おもしろさが一定の水準を漂っていた近年のボッシュもの。
それはやっぱり、「人って歳をとると変わっちゃうよね・・・」という、
諦め感を差し引いたうえで、
「うん、おもしろかった。・・・次の翻訳は2年後かなあ・・・」
という感じでした。

「ハリーは、歳とともに、なんかすごい無茶してて、
(体力的に、というより、もう誰の言うことを聞かないわがまま老人になっちゃうのか?
 傍若無人にもほどがあるんじゃないか?ダーティーハリーか?というほど)
ついていけない感じがあり、
でもがんばってついていかなきゃ、」って思っていたのです。

でも。

この作品は、良い!手放しで、良い!!

ハリーもいいけど、登場人物も良い!
ミッキーもシスコも、昔のパートナーたちも、
それぞれの持ち味が出ていて、
とても良い!

個人的には、女性版フロスト警部みたいな(でももっと勤勉)
ルルデス刑事が、
もっと全開で走り回ってほしかったけれど。

でもそれは、次作に期待できそうなので。
お楽しみが倍増しました。

65歳になったハリーに、こんな活躍のさせ方があるとは。
コナリー氏をあらためて尊敬しました。

おすすめします。
汚名(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(上) (講談社文庫)より
4065169526
No.1
(5pt)

少年の希望に満ちあふれた表情は、どこに消えてしまったのだろう

ある小説の上巻を読み終えたところで、私自身が「深夜勤」に入りましたが、コナリーの新しい翻訳が出ていることに気づき、夜勤明け後、2020/2月に読んだ「レイト・ショー」(笑)に続く「汚名(上・下) "Two Kinds of Truth"」(マイクル・コナリー 講談社文庫)を一気に読むことになりました。少し眠くとも、いつものように巻を置く能わず。
 のっけから、特に大きな前フリもなく事件が始まります。
 サンフェルナンド市警の予備刑事であるハリー・ボッシュの元へ、昔のパートナー、ロス市警刑事のルシア・ソトが現在のバディ・タプスコットとロス検事局のケネディと共に訪れます。ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯・ボーダーズに関して、再審が開かれる見込みであり、(事件発生当時、DNAは犯罪捜査の証拠として認められていませんでしたが)既に死亡している別の死刑囚オルマーのDNAが被害者の着衣に精液の形で付着していたことが科学的に立証されたと聞かされます。
 一方、ある薬局を経営する父親と息子が銃殺される事件が発生し、サンフェルナンド市警の一員としてボッシュもその捜査に加わることになります。二本立てのメイン・ストーリー。いつものようにストーリーの要約はこの程度にしたいと思います。

 第一の事件は、ボッシュの刑事としての実績と名誉を剥奪するような事件であり、邦題どおりその「汚名」を雪ぐべく異母弟、ミッキー・ハラー、その恩師リーガル・シーゲル、調査員・シスコの力を借りて、ボッシュは「事件の解決人」として、その真相を探り出そうとします。焦点はDNAにありますが、物語後半のリーガル・シーンは、リンカーン弁護士の面目躍如と言ってもいい、何ともやくざで巧みな展開を見せつけてくれます。
 物語の中盤を占める第二の事件は、ヒルビリー・ヘロインと呼ばれる半合成麻薬を巡ってある犯罪者集団が炙り出されて行くわけですが、ボッシュがその身を挺して"Undercover"に乗り出すその<動機>こそが、ボッシュらしい。不正に気づき、それを正そうとして殺害された若者へと心を向ける時、ヒロエニムス・ボッシュSAGAが常に内包している正義に対するそのアドレナリンと決意からくる熱量と今回も少しだけ言及されている"ホッパー"の絵の中で佇む男の絶望的哀しみを垣間見せて、まあ、いつものことながら絶品だと思います。
 そして、第二の事件から派生する「希望」の物語を辿る終盤は、息を呑むほどの感動を伴いながら、ひとりの男のこの世界への「埋め合わせ」を差し出し、でもそのことを決して誇ることがないその<潔さ>は、次のような表現によく表れているような気がします。
 「いまは必要はないし、そのときになっても必要ない」

 コナリー・ファンにとっては、挙げた以外にも、元のバディ・エドガーも登場し、ボッシュの「過去」の女性の名前がそっと語られ、少しだけ唇が震えました(笑) 
 「汚名」という邦題は的確だとは思いますが、「この世には二種類の真実がある」と言ってのける原題もまた、麗しい。変わらぬ基盤となる真実と可塑性のある真実のあわいの中に、多くの苦悩と苦難があって、読者は、8歳だった自分と母親が写るたった一枚の写真の中に見出される<嘆き>に共にため息をつくことになるのだと思います。
 少年の顔に浮かぶ希望に満ちあふれた表情は、どこに消えてしまったのだろう。
汚名(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 汚名(上) (講談社文庫)より
4065169526