破滅のループ
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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ジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレント・シリーズの第9作(巻末解説による)。女性が主役となる暴力事件を描き続けているカリン・スローターが本領を発揮した、全編凄まじい暴力のアクションサスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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解説者も書いている通り、カリン・スローターの作品を読むのは「痛い」のだよな。個人的には潜入捜査物って好きじゃない^^; いつ、ばれるのかって思ってドキドキするのが嫌ってだけなんだが^^; とまれ、白人至上主義は楽な道です。白人の見た目だけあれば、他の民族も同じ白人の女性も下に見ることが許されているのだから。日本のように同質化している社会では見た目ではわからない、根深い差別意識があって、それが滓のようにまとわりついてくる。 白人至上主義の起こすテロに対してトレントは阻止できたけど、日本じゃ現実にサリンテロの事件が起きている。 サラとウィルの恋愛を描くにしては舞台設定が悲惨過ぎないかと思うのはおいらだけだろうか? | ||||
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レビュー評価がどうしてこんなに高いのでしょう・・・好きな人がいるんですね・・・しかし・・・ほとんど効果のない無駄な繰り返し・・・恰好だけの陳腐な会話・・・うんざりするほど針小棒大な表現・・・感情移入したくてもできないを稚拙な人物造詣・・・作者がこぶしを振り回して力むほど逆にこちらはどんどん興が醒めていく・・・初めての著者だったので頑張って最後まで読みました・・・口直しにタルコフスキーが観たくなりました・・・残念です。 | ||||
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この作家は初読。冒頭に11歳の子のリップグロスがどうのこうのと出てくるので、間違った本を買ったのかと思ったが、白人・男性優位主義を厳しく批判するメッセージが軸になっている、しっかりしたアクション物で、ページターナーだった。 392ページにジョージ・リンカン・ロックウエルが「第二次大戦と朝鮮戦争で海軍の司令官でした」と言う訳文があるが、ロックウエルは1950年にlieutenant commander(海軍少佐)、1952年にcommander(海軍中佐)だったから、commanderを司令官と訳したのは間違いでしょう。 | ||||
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圧倒的スケール感とスピード感で一気に読める小説ですが、背景の人種差別や性差の問題がざらりとした違和感を確実に残します。勧善懲悪ではあるのですが、人間の心の奥底に潜む心理を誰もが完全に全否定できる可能性に頼ることが本当に正しいのか?それとも常に他人には疑いを持って自衛すべきなのか? 狂信者に導かれたあまりに卑劣な2重3重のテロ行為を防ぐと同時に人質と化した2名の女性を救出するためにカルト集団に潜入する捜査官の運命やいかに?文庫本ながら700ページはあっという間でした。 | ||||
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カリン・スローターの作品はぐつぐつと煮詰めたシチューのようだ。濃縮された様々な食材が、混在し、溶けて、一体となった混合物。作品中でいう食材は、主に人間である。様々な毛色の人間たちが、煮え滾るスープの中で、煮詰まって、ぶつかり合う鍋の底のような世界だ。 ウィル・トレント・シリーズ。そのコアなヒーロー&ヒロイン=ウィルとサラとが主役を務める、実に王道の作品。本シリーズの未だ初心者のぼくにとって、ウィル・シリーズなのに、毎度、他のキャラクターが主役を務める感の強いのがこの作家の特徴。つまり、キャラの立った人物像が、予め考え抜かれ、設計された凝ったシリーズなのだと言える。 本書はシリーズ中、最もシンプルな作品と言っていい。通常の殺人事件に始まるミステリーとは言えない。最初にとある人物の誘拐シーンで幕を開ける。そのほぼ一か月後、いきなり病院で爆弾テロ勃発。逃走現場での撃ち合いの中にウィルとサラの姿、そして誘拐された女性の姿。そんな、ど派手な幕開けである。 700ページ弱の長大なページをほぼ全編緊張の状況が埋める。凶器のテロ集団。感染症に苦しむ子供たちでいっぱいのキャンプ。渦中のサラ。ウィルの潜入。ジョージア州警察のバックアップ。男性作家にさえ書けないほどの度はずれた暴力描写や、緊張感の緩まない心理描写。ウィル、サラ、ウィルの相棒である女性刑事フェイスの三つのシーンで構成される複数多面描写による、時空間的厚みと、それを支えるストーリーテリング。 この物語の題材は、差別とヘイトが人種間に産みつける憎悪、その発火点、そして際限のないほどのテロリストたちの冷血性と、悪魔性である。この種の徹底した悪と闘うのが我らがヒーロー&ヒロインたちなのだが、彼らの世界のディテールが読者の枯渇しようとするヒューマニズムを救いあげる。 その断面は、男女の恋愛、家族の愛情などをもって細密画のように丁寧に描かれる。悪に対する善なるものとして。今回、テロ組織が用意する悪魔の兵器とその準備段階でかなり疲弊してしまう神経を、善なる側の愛情や友情が救ってくれる。無論救われない魂の数と平衡を取っているとは言えないまでも。全体が残虐さに満ちたという意味ではシリーズ屈指の一作であるにしても。 個人的には、面白さはあってもどうも好きになり切れない作家である。パトリシア・コーンウェルを継ぐ、時代の売れっ子女流作家であるが、同じ感じで面白さだけが読む原動力であるけれど、内容の残酷さ、容赦なさは二人とも同じような側面を感じる。でも、コーンウェルを結局は全作読んでしまっているように、このままキャラクターたちに引きずられてしまいそうな自分を、ぼくは自分でよく知っている。不思議なことに。 | ||||
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