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石の猿



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
石の猿
石の猿〈上〉 (文春文庫)
石の猿〈下〉 (文春文庫)

石の猿の評価: 4.13/5点 レビュー 54件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全44件 21~40 2/3ページ
No.24:
(4pt)

一気読み

もう色んな人疑ってしまいます。
ライムとアメリアそれぞれが持つ悩みの行方や、
息を詰まらせる緊迫の証拠収集シーン、
最後まで気の抜けない展開は長編でも
一気読みさせる面白さ。

石の猿〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:石の猿〈上〉 (文春文庫)より
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No.23:
(5pt)

蛇頭

さすがジェフリー・ディーヴァの作品で最後まで一気読みでした。
今回の敵は大量殺人者として国際的に指名手配されてる蛇頭の殺し屋ゴースト。
中国の不法移民をのせた貨物船が爆発し沈没する。実はアメリカの沿岸警備艇に追尾されてると気付いたゴーストが自分の正体を守るために移民と乗組員もろとも貨物船を爆破し海の底に沈めました。そして命からがら船から脱出した移民たちの命をゴーストが狙います。
オープニングからゴーストの非道さが伝わってきます。
上陸し逃げてる移民達を見つけるのはリンカーンのチームか、それともゴーストか。
手に汗握る展開が最初から最後までジェットコースターのように展開されます。
四肢麻痺のリンカーンの手足となって事件現場に赴くのはアメリア・サックス。
【ボーン・コレクター】の時は、リンカーンの言いなりって感じやったけど、今では経験を積んで周りからも一目置かれる鑑識捜査官に成長しています。
表には出さないけどリンカーンもサックスには絶大な信頼をよせてますよね。
さらにFBI捜査官のデルレイや市警の警部補セリットー、そしてリンカーンの介護士トムなどの人間模様も描かれてるのでシリーズを通してキャラクターに感情移入出来ます。
リンカーンの頭脳と彼らの行動力と情熱が犯人を追いつめていくんでしょうね。
ジェフリー・ディーヴァーといえば、予想も出来ないサプライズを用意してるのですが、この作品でも読者を見事に騙すような仕掛けがありました。
思わず「やられた〜」って唸らされる仕掛けです。
次の【魔術師】も楽しみです。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.22:
(5pt)

リンカーンとアメリアの関係

中国からの密入国に絡む話。リンカーンとアメリアの関係の進展もあり、一気に読ませるストーリー展開。このシリーズは本当に面白い。彼の作品はほかにもいくつか読んだが、やっぱりこのシリーズが一番面白い。
どうしても映画のアンジョリーナ・ジョリーが浮かんでしまうが、アメリアも魅力的な登場人物だ。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.21:
(4pt)

ターニングポイント?

これまでの作品に比べられると、敵役=ゴーストが弱いのが一番の難点。ライムとサックスのチームが、いままでになく先行気味で、一枚上手だった。本シリーズは、ピンチ、ピンチ、またピンチの連続っていうじれったさが気に入っているのだが。 
本作品は、家族だったり、生き方だったりが、ずいぶん強調されているので、シリーズのターニングポイントになっているんでしょうか。これ以降の作品は読んでいないのだが、このあたりの楽しみは増えた。
石の猿〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:石の猿〈下〉 (文春文庫)より
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No.20:
(5pt)

道の常は為すこと無くして、而も為さざるは無し

本シリーズはいつも深遠なタイトルがつけられており、読んでいていつもそれ
に気付かされます。今回の『石の猿』とは、蛇頭に殺された中国人密航者の生き
残りが首から提げていた孫悟空のお守りを指しています。日本人にはなじみの深
い孫悟空が異文化東洋の象徴となっている様に思われます。もうひとつ密航者の
命を狙う蛇頭の捜査に加わった中国人捜査官が、危険を承知で麻痺回復への手術
を望むライムに対して「あんたは孫悟空だ」と指摘します。孫悟空は妖術が使え
て頭がよくて強い、おまけに怒りっぽい。そしてありのままの自分を無視すると
説明します。

 サスペンスのストーリーと関係が比較的薄いこのような場面が私のお気に入り
です。ほかの中国についてのディテールは情報の少ないアメリカ人にはエキゾ
チックでありながら、日本人が読んでも矛盾を感じない作者の取材と筆力が窺わ
れます。

 各章の冒頭には西洋人の書いた『囲碁』の解説が引用されていますが、こちら
も本作品の全体を象徴しており無駄がありません。このように細部にこだわりな
がら全体を調和させるのは本作品を単なるシリーズもののサスペンスと言う枠を
飛び越えたものにしているといえましょう。
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No.19:
(4pt)

先読みするのもまた楽しい

リンカーン・ライムシリーズにハマって4作目。今回は「事件の真相を推理」しながらライムシリーズ特有のいわゆる「どんでん返し」を当ててやるぞっと、最初からとても楽しめた。ストーリーの展開としては2作目の『コフィン・ダンサー」系統なのかなぁ…どこまでも執拗に獲物を狙う犯人。でも今回はそれぞれ魅力的な中国人キャラ&中国の社会情勢、アメリカの中の中華移民、風水、漢方、歴史、政治、ジンクス、迷信?などなど中国ワールド満載で、とても新鮮な気持ちで読めた。そういう意味では最後のどんでん返しは他作よりパンチが弱かったかな??最初からあいつが怪しい、この人か?それとも??と予測を立ててみたものの、いつの間にかストーリーに夢中になって最後に驚かされるっていういつものパターン。笑 でも、ちょっと登場人物が多すぎた感があるのと、中国の風俗的ないろいろは日本人の自分にとってもなじみが深く、描写に物足りなさがあった(アメリカ映画に出てくるへんてこ日本の中国版?)そしてある程度、どんでん返しを先読みできてしまったことが難点かなぁ。
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No.18:
(4pt)

今度の敵はひと味違う

 全身麻痺の捜査官、リンカーン・ライムが活躍するミステリの第四弾です。
 第一作の「ボーン・コレクター」が映画化されているのでご存知の方も多いシリーズです(続編が出ないのは映画は不評だったのかな?)。
 さて、本作でのリンカーン・ライムとその助手でありパートナーのアメリア・サックスが対決するのは中国から不法移民を運んでくる蛇頭のボスの一人、ゴーストです。彼は、極めて猜疑心と警戒心が強く、いまだかつて中国本国はもちろんどんな国際的な警察組織にも顔が割れていない人物です。そして、執念深く、残虐で、同じ中国人移民を人と思っておらず、金のためには平気で売り買いするし、場合によっては本作の冒頭でのシーンのように自分の為ならば全員殺すことも辞さないかなりの悪党です。
 その彼が福竜丸という船でアメリカに移民を連れてこようとして失敗。
 船を爆破することでなんとか水際での逮捕を免れた彼が、無事にアメリカに逃げ込んだ移民達を追いつめて殺そうとする中で、リンカーン・ライムたちと戦うというのが本書です。上巻ではまだ直接対決にはいたっていませんが、今迄の敵と違って前述のような性格と残虐性、そして金の力で強力なコネを武器にライムたちと戦うゴーストとの戦いは、今迄のシリーズにもひけをとらない激しい戦いになる模様。手に汗握るサスペンスミステリに本書は仕上がっています。
 まだ上巻を読んだところですが、ここからどんどん面白くなっていく予感がありです。
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No.17:
(4pt)

どんでん返しが少ない

目の覚めるようなどんでん返し職人ぶりは、今回お休みのようです。前半1回、後半1回くらい。後半のはうすうす気付けましたし。もう読み手もどこでひっくり返されるかと手ぐすね引いてますからね。作者もそういう意味で大変ですよね。それを差し引いてもシリーズの他の作品に比べると緊迫感もあまりなく…。不法入国者と蛇頭というテーマに興味が持てなかったこともあってテンションは上がらないまま…中国人を表現するのに、予兆や迷信や風水や神様や、アメリカのスーパーにある豊かな品物に驚く様を描写することで、というのはやはり少々古いかと。そんなふうに中国の文献からオリエンタルで面白そうなエピソードを抜き出すのに頁とエネルギーを使ってしまい、いつものページターナーぶりが発揮できなかったように見受けられました。とはいえ一般的にはハイレベルであることに間違いはないです。普通に面白かったです。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.16:
(4pt)

オリエンタル趣味に彩られた、ライムvs‘ゴースト’の手に汗握る対決

<リンカーン・ライム>シリーズ第4弾。
’03年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位、「このミステリーがすごい!」海外編第20位。
今回の敵は、インターポールから指名手配されている、蛇頭の殺し屋‘ゴースト’。
中国からの不法移民を乗せた貨物船がロングアイランド沖で爆破され沈没する。‘ゴースト’の仕業だった。‘ゴースト’の次の狙いは、危機一髪で船から脱出した二組の家族の命だった。
冷酷無比な殺し屋‘ゴースト’は、チャイナタウンのつてをたどり、手下を使って彼らに迫る。一方、ライムも、例によって、このシリーズの特長である得意の証拠物件の科学捜査の結果、一覧表が埋ってゆくにしたがって、着実に彼らの足取りを追う。さらに‘ゴースト’を捕らえるべくそのアジトの特定も同時に進めてゆく。ライムが先か、‘ゴースト’が先か。ふたりの手に汗握る対決は、本書の最大の読みどころであり、まさに圧巻のひとことにつきる。
今回は『エンプティー・チェア』事件から、舞台は再びニューヨークに戻り、おなじみの<ライム>チームが活躍する。彼らの捜査活動に、密航者にまぎれて潜入捜査官としてやって来た異色の中国公安局刑事が加わり、ライムと親交を深めながら“いい味”を出しているのも興味深い。
また鑑識技術の腕をあげたアメリアが、水深30メートルに潜り、沈没船の捜索を行い、数々の証拠と共に生存者を発見するくだりは、本書のハイライトのひとつといっていいだろう。
‘ゴースト’の正体、そしてラストでの大逆転と、ディーヴァーならではの“どんでん返し”も健在であるが、何よりも本書は、物語の随所にオリエンタルな趣向(歴史・思想・風水・習慣・格言・行動規範など・・・)が盛り込まれ、<ライム>シリーズのなかでも異彩を放っている。
石の猿〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:石の猿〈上〉 (文春文庫)より
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No.15:
(5pt)

ヤバイ!!!

この作家、天才です。
やられまくりです。
真犯人が、予想以上に早く捕まった。
残りの30ページは!?
それまで、散々ドキドキして、どんでん返しを食らわされ、
何があるのか、就寝時間を削りに削って、サクサク読む。
そこまでオチがあるなんて、ね!!!
ありえません。
確かにタイトルがいけません。
結果が透けて見えるのだから。
彼の作品は、しっかり布石を拾いながら読んでも面白いし、
適当にさっと流して読んでも面白い。
登場人物は必要最低限で、必ず纏め上げる。
1人くらいもれていることがあるのが普通なのだが、
どんなに登場人物が多くても、必ず出てきた人物たちには〆がある。
命を吹き込むとは、そういうことなのだろう。
リンカーンとソニーの友情は、心温まるものがあった。
また、中国の文化(気とか風水とか)は、日本にも浸透したものだが、
西洋の人にとっては、珍しい、時に理解不能なことなんだろう。
とはいえ、濃い内容で非常に楽しい。
どんどん、文庫化してほしい限りである。
石の猿〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:石の猿〈下〉 (文春文庫)より
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No.14:
(5pt)

私はこの作品は好きでした。

皆さんの評価が、「他のリンカーン・ライムの作品に比べてどうも・・」
というものが多かったので、期待しないで読んだせいか(?)、
私は魔術師よりも、こっちの方が好きでした。
中国の背景は、西洋人よりも知っているとは言え、やっぱり共産主義国家
の背景に驚かされながら、読み進んでいきました。
今回の殺人犯はゴーストですが、コフィン・ダンサーほど有能ではない
(暴力的ですが)にせよ、なかなかコフィン・ダンサーとは違う恐ろしさ
を持った殺人者でした。
また、ソニー・リーという人物、これがいいですね。
詳しくはかけませんが・・・。
「石の猿」ね・・・。なるほどな、と最後に思いました。
コフィン・ダンサーほどのテンポはないにせよ、じっくり味わえる
サスペンスでした。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.13:
(4pt)

CSIを

アメリア・サックスが海に潜って鑑識で使えそうなものを探してくる場面
ドラマのCSIの、ダイビングが得意なメンバーたちを
捜査に参加させてあげたくなったよ。
中国をあまりに理解不能な国家に作り上げすぎている感じもあったけど、
東アジアのものをあつかった小説にしては、そこまで違和感なく読めたのが良かったかな?
リンカーンのファンとしては、ちょっと違う面が見られて楽しかったです。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.12:
(4pt)

ありのままを受け入れるライム

シリーズ4作目。テンポが他の作品と比較して遅くなっているように感じ、おまけに今回は珍しく犯人の正体が早い時期にわかってしまった。だからといって本書が失敗作というのでは決してない。舞台をNYに戻し、相変わらずのライムの頭脳が冴え渡っていて、アメリアの心の襞もよく表現されている。中国からやってきた新キャラクターのSonny Liがとても魅力的。 Fredの私生活の様子もほんの少しだけ知る事が出来た。最後のライムの決断に少し感動した。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.11:
(5pt)

東洋文化に目覚めるリンカーン・ライム

リンカーン・ライム・シリーズ第4弾です。今回は中国の密航組織・蛇頭の幹部との死闘です。今回のお話は今までのような息詰まる頭脳戦よりもむしろ、中国人密航者家族の心情や新たに仲間になった中国人刑事との友情などの部分が読ませどころとなっています。特にライムがその中国人刑事から東洋的な思考を教わりながら友情を深めていくくだりは、その先の運命を予感させて、なんとも複雑な気持ちで読み進めて行くことになりました。いつものライムシリーズとはまた違う、味わいのある作品になっています。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.10:
(5pt)

やめられません

 ライムシリーズ4作目。あいかわらず面白いですねぇ・・ ところが、この作品のどこが面白いかを語れません。だって、張り巡らされた伏線や、登場人物たちの・・・・ねっ、だから何が面白かったか言えませんよねぇ・・ 舞台は、前作から地元NYに戻って、さすがに緊迫感がありますし、物語の導入部などは、随分アグレッシブで手に汗握りました。 蛇頭が敵役なので、オリエンタルな要素がたくさん盛り込まれていて、欧米の読者は我々東洋人よりも、この作品に神秘的な魅力を感じたでしょうねぇ。 とにかく最後まで読んでみてください。納得していただけると思います。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
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No.9:
(4pt)

「アッ」と驚く展開が、三カ所以上ある

作者の代表的シリーズ、<リンカーン・ライム>シリーズの最新作。2004年版このミス20位。文春2003ベスト10で5 位。今回の作品で、ライム・サックスのコンビは、中国からの不法移民をアメリカに入国させる蛇頭・ゴーストと対決する。ライムは、移民帰化局、FBIからの依頼で、国際指名手配中の蛇頭・ゴーストがアメリカに向かっている事をキャッチし、逮捕を試みるが、ゴーストは拿捕の直前に不法移民を船室に閉じこめたまま船を爆破し、脱出する。難を逃れ密入国を果たした不法移民達の命をねらうゴースト、そしてこのゴーストをライムとサックス追の名コンビが追う。作者の他の作品同様、スピーディーな展開で、かつ状況が二転三転し、読者を飽きさせない。「アッ」と驚く展開が、三カ所以上ある。一方、題名であるが、原題を直訳したものだが、これによって展開が予測できてしまうのが残念だ。本作は、シリーズ4作目にあたるが、前3昨を読んでいなくても十分に楽しめる内容である。しかし、人物の背景、特にライムとサックスの関係を理解したうえで読み進めたのが面白いのは当然である。いまさら3作品を読み直すのがつらいという方は、「訳者のあとがき」から読み始めることをお薦めする。ここには、登場人物の簡単な紹介が書いてあり、かつ、4作品のネタをばらしていない。<リンカーン・ライム>シリーズは、ボーン・コレクター、コフィン・ダンサー、エンプティ・チェアと本作。本作は、名作・ボーン・コレクターほどではないが、シリーズ2番目のできか? 最新作「The Vanished Man」が、2003年刊行されており、翻訳が待たれる。
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No.8:
(5pt)

新たな展開に期待!!

早いものでリンカーン・ライムシリーズの第四作目。ディーバーといえば、ストーリーテリングの名手として洗練された作品を書くことで評価が高い作家と思う。本シリーズは、現場検証・プロファイリングという細やかな作業を造形描写させた文体がより一層の充実度を増してくれる。まさに芸術品。( 池田真理子さんの翻訳が素晴らしい。)今回のライムの相手は中国の密入国者を襲う殺人者ゴースト。本シリーズの読み所は、その奇怪な殺人者とリンカーン・ライムの名推理の対決が一つの定番であるが、前作エンプティーチェア同様、ライムの恋人、愛弟子であるエメリア・サックスがまたまた大活躍してくれる。そして、サックスがライムの助手という立場から一人の独立した女性としての成長の跡が感じられ今後のライムとの恋仲と、事件に関わるサックスの活躍に大きな期待を感じさせてくれる。もちろん本作もディーバー本筋のジェットコースターミステリーとしての完成度は十分で、迷わずその評価は○五つである。
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No.7:
(4pt)

いつもより少ないどんでん返し

中国難民を乗せた船がアメリカ沿岸に近づき、沿岸警備隊に発見されるところから緊迫の展開が始まります。嵐の中を接岸するどころか、アメリカへの違法入国を引き受けて難民を連れてきたはずのsnakeheadの"Ghost"がいきなり、難民を船に閉じこめ、船を爆破にかかり、乗組員を殺害し始めますが、爆破の威力が強すぎて自らもお金を持ち出せずに逃げ出すはめに。船を逃れた難民の2家族をGhostが執拗に追いかけ回し、抹殺を図ろうとします。意外な展開にあっけにとられている間に、Ghostから逃れてアメリカの新天地で新生活を始めようとする難民と、その難民を捜すGhostと、難民を保護しようとするRhimeの三つ巴で話が展開していきます。中国語がたくさん出てきて、中国語講座という雰囲気になりそうな点は、The Blue NowhereのIT講座と似た感じです。しかし、今回は今までとは少し異なり、物語が五転六転しないのです。あっと驚く展開がほとんどなく、拍子抜けしました。全作の Empty Chairのすばらしいストーリーテリングはどこへ行ってしまったのか?という感じです。中国語の陰陽道やら風水の解説にパワーを奪われているように思えました。しかし、何と言ってもLincoln RhimeとAmelia Sachsは健在です。この二人のコンビの活躍を堪能できることには変わりありません。
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No.6:
(4pt)

やっと出た!

『エンプティーチェアー』のあと、今か今かと待ち続けた作品です。アメリアとライムの関係が今後どうなっていくのかも気になるし、ライムのいつもの鮮やかな推理力とアメリアの観察眼や犯人の気持ちにシンクロする場面はいつもどきどきものです。今回の作品も読者の期待を裏切らない作品です。特に中国人の警官の一人とライムが友情(!!!)を感じるなんて意外な楽しさもあるし・・・もう次のが読みたくなってとうとう原書にまで手を出してしまった私です。読めるかなぁ?
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No.5:
(4pt)

一気読みのエンタテイメント

待ちに待ったライムシリーズの新作は、直球勝負のアクション・スリラーだった。導入部の海洋シーンからエキサイティングで、情景が目に浮かぶような描写で一気に引き込まれた。追うものと追われるものを鮮やかなカットバックで切り替え、無駄に気を持たせて読者の注意を途切れさせることもない。このあたりは著者のサービス精神が遺憾なく発揮されている。中国移民がプロットの大きな柱となっているが、国産ノワールのあれやこれのように、魑魅魍魎とした組織犯罪の裏社会まで踏み込むこともなく、エスニックギャップにさらっと触れる程度に留めたのもよいと思った。ボッシュにしてもスカーペッタにしても、シリーズ物は回を重ねるに従い、主人公が(読者と共に)成長していく姿がひとつの見どころ!だが、今作では、登場人物の個人的なメンタリティを掘り下げることはせず、純粋に事件を見せる趣向となっている。誰が犯人で誰が密告者か?というフーダニットミステリの要素も健在で、本作ではサスペンス要素を盛り上げるための「ある演出」もなされており、これがなかなか効いている。自分の中ではシリーズ最高作はいまだに『ボーンコレクター』だが、この作品も、まぎれもないライムシリーズであり、マンネリに陥らず、なお新鮮さを感じさせてくれるエンタテイメントの秀作である。
石の猿Amazon書評・レビュー:石の猿より
416321870X

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