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騎士団長殺し



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騎士団長殺しの評価: 3.46/5点 レビュー 721件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全721件 241~260 13/37ページ
No.481:
(1pt)

⚫️ 村上春樹による日本への自爆テロ

筆者は、この『騎士団長殺し』を読むまでは村上春樹ファンであったが、
この本を読み、本棚の2段を占めていた村上春樹の本を庭に持ち出し、
全て焼きつくした。

注) < > 内は著書からの要約引用。 ( )内は筆者コメント。

この著書の中で、捏造されたと言われている南京事件(南京大虐殺)を、
あたかも歴史的事実として記述している。

<虐殺は作戦中も作戦後も行われ、捕虜をとるゆとりがないので兵士も民間人も大方は殺した>
<老人を捕まえては手がゴツゴツしているなら農民、綺麗なら正規兵が民に化けてるとして処刑した。>
<被害者の死体は揚子江へと投げ捨ててナマズの餌にしたのでナマズが肥え太った。>
<殺した数は10万から40万人…数に大小はあっても虐殺してことに間違いはない。>

南京事件は中国共産党と日本への原爆投下の免罪符が欲しかったアメリカの捏造。
・中国共産党は30万人が虐殺されたと言うが、当時の南京の人口は20万人。
 (40万人とは、春樹は中国共産党よりも反日)
・東京裁判においても、誰も目撃証言できなかった。
詳しくは『南京事件の総括 田中正明』をお読みいただきたい。

この春樹の著作により、歴史について真摯に学んだことのない
世界中の読者が捏造された南京事件を歴史的事実として認識してしまう。
これは、村上春樹による日本への自爆テロ以外の何物でもない。

以下に、ノーベル賞をとろうと焦る村上春樹の状況を記す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・芥川賞をとれなかった村上春樹
『風の歌を聴け』で芥川賞を逃したが、『1973年のピンボール』では受賞できると信じ、
文藝春秋に請われ受賞後第一作用として、『街と、その不確かな壁』を発表。
しかし、芥川賞はとれず、『街と、その・・・』は失敗作となった。
このことについて村上は、
< ああいうことはやるべきじゃなかったんです。僕は今でも後悔している。
受賞第一作用なんて書くべきじゃなかった。> と告白。

・ノーベル文学賞がとれない村上春樹
大江健三郎は『ヒロシマ・ノート』、『沖縄ノート』があってノーベル賞がとれ、
2013年にはアレクシェービッチが『チェルノブイリの祈り』で受賞。

以上は『村上春樹は、むずかしい』加藤典洋から。
さらに、加藤典洋は述べる。
< ノーベル賞などはどうでもよい。 しかし、村上春樹がそういうものを
もらうとしたら、それは、アレクシェービッチ、石牟礼道子(いしむれみちこ)の仕事(『苦海浄土』)に匹敵するような仕事に、彼が手をかける時だろうと考える。>

注) 『苦海浄土』は水俣病問題についての名著。

芥川賞での失敗に懲りない村上春樹は、残念ながら、ノーベル賞が欲しいばっかりに、
『騎士団長殺し』で自爆テロを起こしてしまった。 もし、間違って村上春樹がノーベル賞を受賞しても心ある日本人は喜ぶどころか怒り心頭である。

村上春樹・不買運動、春樹作品・焼却運動を起こしたいものである。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.480:
(1pt)

⚫️ 村上春樹による日本に対する自爆テロ

筆者は、この『騎士団長殺し』を読むまでは村上春樹ファンでしたが、
この本を読み、本棚の2段を占めていた村上春樹の本を庭に持ち出し、
全て焼きつくしました。

注) < > 内は著書からの要約引用。 ( )内は筆者コメント。

この著書の中で、捏造されたと言われている南京事件(南京大虐殺)を、
あたかも歴史的事実として記述している。

<虐殺は作戦中も作戦後も行われ、捕虜をとるゆとりがないので兵士も民間人も大方は殺した>
<老人を捕まえては手がゴツゴツしているなら農民、綺麗なら正規兵が民に化けてるとして処刑した。>
<被害者の死体は揚子江へと投げ捨ててナマズの餌にしたのでナマズが肥え太った。>
<殺した数は10万から40万人…数に大小はあっても虐殺してことに間違いはない。>

南京事件は中国共産党と日本への原爆投下の免罪符が欲しかったアメリカの捏造。
・中国共産党は30万人が虐殺されたと言うが、当時の南京の人口は20万人。
 (40万人とは、春樹は中国共産党よりも反日)
・東京裁判においても、誰も目撃証言できなかった。
詳しくは『南京事件の総括 田中正明』をお読みいただきたい。

この春樹の著作により、歴史について真摯に学んだことのない
世界中の読者が捏造された南京事件を歴史的事実として認識してしまう。
これは、村上春樹による日本への自爆テロ以外の何物でもない。

以下に、ノーベル賞をとろうと焦る村上春樹の状況を記す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・芥川賞をとれなかった村上春樹
『風の歌を聴け』で芥川賞を逃したが、『1973年のピンボール』では受賞できると信じ、
文藝春秋に請われ受賞後第一作用として、『街と、その不確かな壁』を発表。
しかし、芥川賞はとれず、『街と、その・・・』は失敗作となった。
このことについて村上は、
< ああいうことはやるべきじゃなかったんです。僕は今でも後悔している。
受賞第一作用なんて書くべきじゃなかった。> と告白。

・ノーベル文学賞がとれない村上春樹
大江健三郎は『ヒロシマ・ノート』、『沖縄ノート』があってノーベル賞がとれ、
2013年にはアレクシェービッチが『チェルノブイリの祈り』で受賞。

以上は『村上春樹は、むずかしい』加藤典洋から。
さらに、加藤典洋は述べる。
< ノーベル賞などはどうでもよい。 しかし、村上春樹がそういうものを
もらうとしたら、それは、アレクシェービッチ、石牟礼道子(いしむれみちこ)の仕事(『苦海浄土』)に匹敵するような仕事に、彼が手をかける時だろうと考える。>

注) 『苦海浄土』は水俣病問題についての名著。

残念ながら、村上春樹はノーベル賞が欲しいばっかりに、
『騎士団長殺し』で自爆テロを起こしてしまった。 もし、間違って村上春樹がノーベル賞を受賞しても心ある日本人は喜ぶどころか怒り心頭である。

村上春樹不買運動、春樹作品焼却運動を起こしたいものである。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.479:
(3pt)

次回作をきたいします。

物語は面白かった。登場人物も魅力的で感情移入が十分出来る。イディアやメタファーという村上ワールドの不思議感、浮揚感も健在で楽しめた。こういう既に確立された村上作品に新たに加えられた何かを楽しみにしていた読者は物足りなさを感じたのではないだろうか。性的な表現も多く、青少年への影響も懸念されるが、何よりそこまでの描写が必要なのか疑問もある。作者が何を表現したかったのか分からないエンディングで評価は星3つとしました。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.478:
(5pt)

かなり読むのに時間かかったけど、春樹作品らしくない読後の爽快感のある作品

下巻の後半以外ほとんどがアトリエのある家とその周辺での話なので、静謐なというか、動きの少ない話で読むのに時間はだいぶんかかりましたが、なんか読み終えてみると、今までになく気持がスッキリしました。
何と言っても騎士団長の造形、話し方が最高だったな。なんか騎士団長が出てくるとホッとするし、楽しい!今までの春樹作品で最高のキャラじゃないかな?
一方で、スバルフォレスターの男とか、免色さんとか、怖いキャラクターの造形もなかなか。スバルフォレスターの男の絵、観てみたいなぁ。。。
いろいろよく分からないこともたくさんあるけど、なんか読後の爽快感が自分でも不思議なくらいある作品でした。
勝手な想像だけど、村上さんも歳を取って、昔ほど肩肘張らないというか、すごく素直に書かれるようになったんじゃないかな?決して手を抜いてるとかそういうことじゃなく。。。
僕の中の最高傑作は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」なのだけど、昔に比べると、明らかに世界や人生に対する肯定感が高まっている気がする。それはなぜなんだろう?個人的にはそこに興味があります。
なお、読後に、川上未映子さんとの対談本を読むと、これもまたかなり楽しめますよ!
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.477:
(3pt)

村上春樹の作品だから最後まで読もうと頑張れた

※ このレビューは第1部「顕れるイデア編」、第2部「遷ろうメタファー編」の2冊まとめての感想となります。

村上春樹さんの文章は比喩にセンスの良さが感じられて、
ストーリー以前に「こんな表現の仕方もあるんだ!」みたいな部分でも毎度毎度楽しませてもらってます。
今作も相変わらず表現がユーモアに富み、素敵な文章でした。

さて、村上春樹の7年ぶりの新作ということで話題になったこの作品。
私は読み始めてから世界観に入り込めるまでえらい時間がかかりました。
最初の200ページくらいまではかなり苦しかったw
でも、途中で投げ出さなかったのは村上春樹だからです。
200まで読んでノレないなんて他の作家ならとっくに投げ出してます。

騎士団長ことイデアが登場してる間は「これから何が起こるの?」とワクワクなんだけど、ちょっと長すぎ。
すっきりきれいに終わったような気もするけど、よく考えてみると回収しきれていない謎もたくさん残ってる。
スバル・フォレスターの男・ペンギンのストラップなどは物語のもっと重要なキーになるのかと思っていたので拍子抜けでした。

普段、小説を読み慣れてない人が読める作品じゃないです。
もっと不思議なファンタジーの世界へ連れて行ってもらえると期待してたのにな。
正直、これまでの春樹作品に比べたら退屈でした。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.476:
(5pt)

おもしろかった。

図書館で数カ月前に予約。
たしか、30人以上の待ちだった。
自分の番がまわってきて、2日間で読み終えました。
おもしろかったです。

みなさんが指摘されるように、過去の作品で書かれていた設定が
たくさん出てきます。私はそのことをなんだか懐かしくて、
居心地良いものとして感じました。

何より、結局、おもしろかったですし、
この小説を読みながら時間を過ごすことが好きでした。

グレートギャツビーの設定もあったように思います。

今頃になって2部を図書館で予約したんですが、
40人待ちになってました…
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.475:
(5pt)

意外や意外!面白いです。

1Q84よりまとまっています。その分スケールは小さいかもしれないけれど小説としての完成度は高いといえると思います。
推理小説のように楽しみながら読むことができます。そして円相が閉じるように収束、何時もの様に”やや甘”ながら読後の充足感が得られます。
アマゾンの感想に惑わされずに!!一読をお勧めします。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.474:
(1pt)

ハルキスト卒業しました。

このほんの南京大虐殺についての記述を読んで、
ハルキストを卒業しました。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.473:
(3pt)

良くも悪くも過去作品の寄せ集め

私は村上春樹の長編は全作品、短編もほとんど全部読んでいます。
本作品にはかなりの期待をして読みましたが、確かに面白いところは面白い。
しかし、過去の長編作品、例えば「1Q84」とか「ねじまき鳥」とかその他作品の素材を寄せ集めて作ったような感じを受けました。
例えて言えば、AIに過去の村上作品を全て読ませて村上流の作品を作らせたら、こんな作品が出来上がるだろうという感じです。
そういった意味で新鮮味はほとんど感じられませんでした。
私としては、ここらあたりで村上春樹氏に新境地を開いてもらいたかったので、その点では少し残念です。
ファンとしては次回作に期待しています。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.472:
(2pt)

つまらなかった。

ピークは越えたなあ、って思った。それでも人は村上春樹のブランドで彼の本を買うんだろう。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.471:
(4pt)

村上春樹ワールドの集大成

今や世界的文豪となったハルキ・ムラカミの集大成とも言える作品。
これまでのムラカミワールドがあますところなく炸裂しており(読者へのファンサービスとも言える)、また過去の村上作品や、自身が敬愛するギャッツビーやライ麦畑へのオマージュもあり、とにかくムラカミワールドのフルコースとも言える作品である。
上下巻で原稿用紙1000枚とも言われる作品は、かなり長く、重厚な作品となっており、読了まではかなり時間を要する。
肝心のストーリーであるが、作品のコアとなる設定が、ファンタジーに依拠しており、後半のクライマックスシーンも、現実からは大きく逸脱していて、この部分は人によっては好き嫌いというか、ついていけるかいけないかの差が人によってかなり出るところだと思う。個人的には微妙についていけなかった。
いろいろとツッコミどころは多いが、ノーベル賞候補となる作家の作品であり、小説を読む人であれば読まないといけない作品と言える。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.470:
(4pt)

穴にたいする解釈のひとつ

夏目漱石と並び評される著者が、70歳近くなってどのような則天去私的思想に帰結しようとしているのか、などと考えるフリして穿った読み方をしたら、わりと面白かった。

 今回、物語を考察するうえで、著者の取り扱ったテーマを、アミニズムを根底とする母性社会と構成員のあり方、その思想として抽出し、モチーフについては記紀および方丈記と捉えたが、自然描写がアレだから万葉までは見出すことができなかった。

 まず主人公。とにかく受身的な、言い訳がましい女性関係描写。これは著者の小説において一貫して描かれてきた主人公像である。今回はもう、そいつらを全員ひっくるめた権化みたいな主人公。だからコードも〔諸君〕なんだと思う。〔諸君〕はこれまでの著者が描いてきた主人公たちの〔イデア〕としても読める。
 それに倣い、免色君は諸君同様これまでの〔永沢君とか五反田君とか綿谷ノボル君〕とかのイデアとして読むと、全能性やら暴力性やらの特徴を整合させることができる。そしてそれはイザナギとスサノヲといった、神話における父と息子の特性とも重なる。
 そして女たち。今回の作品において、〔穴〕は女の象徴あるいはメタファーとなっている。騎士団長が生れた丸い〔穴〕は母性、イザナミ的な女像であり、騎士団長殺しの四角い〔穴〕は処女性、アマテラス的な女像。本書でも、これまで通り〔諸君〕の身の回りには魅力的な〔穴〕たちが登場する。
 この作品は、上記要素らが、いつものように現実と、現実とシームレスな別世界を往来する。

 まず、〔諸君〕は〔穴〕の存在を知る。そしていつものように、免色(永沢五反田綿谷)君はその〔穴〕を計画的に蹂躙し、暴く。
 たぶん〔諸君〕はこれまでどの作品でも〔穴〕を最初に暴いたことはないが、その行為に対し、常に多少の関係を持つため罪悪感を感じてきたのではないか。そのため〔諸君〕は、その後の展開において、誰かが暴いた〔穴〕に入ることになるとき(そうなることが多いが)、そこでの立場を受動的に振舞うことにより〔穴〕を暴くという罪から無意識的に逃れようとしてきたのだろう。おおよそこれまでの作品に出てきた〔穴〕たちは節操なく積極的に〔諸君〕を導き入れ、〔諸君〕はそれに従うだけでいいという構図になっている。
 だからこそ、その一方で〔諸君〕は〔穴〕を気持ちが悪いくらいに純潔化、高潔化しようとする傾向もある。直子だのキキだのユキだの笠原メイだの。今回のまりえ(コミ)も気持ちの悪いぐらいの純潔化が施されており、著者の年齢も併せて考えると感慨深いものがある。
 そして〔諸君〕自身に対しては、ご存知の通り、ゆるぎない勃起そしてその記念碑的硬さにこだわり続ける。
 これらは、自分や自分が好ましいものに対しては理想化し、好ましくないものや罪悪感は脱価値化したうえで無意識に放り込むというスプリットのプロセスだが、いつものようにその無意識は現実とシームレスな異世界として顕在化される。
 そんなだから、〔穴〕たちはいつもどっかフワフワといなくなってしまう。

 そこまでは、これまでの物語群に対しパラレルになっているが、今回は失った〔穴〕が「ちゃんと」戻ってきたという点において、相違がある。

 なぜ今回、〔穴〕は戻ってきたか。
 〔諸君〕が初めて能動的に〔穴〕を暴いたからである。
 それは騎士団長殺しから始まる。

 騎士団長は、日本人のある特性のイデアとして表現される。それは「他者を覗く」という特性である。古来日本では「しょうけら」という妖怪がその特性のイデアとして存在していたが、これは黄泉国でイザナギが禁を破り、イザナミの真の姿を覗いたところから始まるものであり、そういう観点から、日本の原始的父親の特性であるともいえる。
 そして、この作品では騎士団長を含め、登場人物が他者に対し様々な「覗く」行為を行う。それは免色君にとっては日常であり、〔諸君〕は自分が肖像画を描くプロセスにおいて、他者の内面を覗いているということをうまく受容できず、結果その罪悪感を白いスバルフォレスターの男に投影する。

 その父親の特性を持つイデアを〔諸君〕は殺す。
 これは以前のテーマでも何度か行われてきた「父親殺し」に相当するが、今回は限りなく現実世界に近いところで、〔諸君〕自ら手を下したところに意義がある。小っさい剣ではダメですよ、ちゃんと記念碑的にしっかりした凶器でないと。出刃包丁とか金属バットとか。
 そして、「父親殺し」に成功したことにより、〔諸君〕は初めて新鮮な〔穴〕を手に入れることができた。
 しかし、手に入れるだけでは輪は閉じない。その〔穴〕を暴く必要がある。それは〔諸君〕側からすれば興奮状態にありながらも冷徹に、〔穴〕側からからすれば暴力的に行われる行為である。もちろん、そこでは血は流されなくてはならない。
 そして自ら暴いた四角い〔穴〕に〔諸君〕は入る。

 この穴の中のくだりは、多少の立場的変換はあるものの、記紀においてイザナギがイザナミを追って黄泉国へ行く話と重なる。
 イザナミが黄泉国の食べ物を口にしたように、〔諸君〕は穴の河の水を飲む。そこでイザナギはイザナミと別れ、〔諸君〕はコミと別れる。イザナギがやったような「見るなの禁止」を破る行為を諸君はしていないが、すでに現実世界ではイデアを含め登場人物のほぼ全員による、何らかの「覗く」という行為で禁は破られている。

 そして何やかんやで四角い〔穴〕に入れた入れたと思ったら、ようやく出てきてみれば、それはお馴染みの丸い〔穴〕だった。
 これはどういうことかというと、処女を暴いて〔穴〕に入り込んだ男のイデアは、その中で紆余曲折があり、再び出てきたときは〔穴〕の処女性はすでに失われ、そこは母なる〔穴〕となっている、ということ。そしてこれは〔諸君〕がいままで手を出してこなかった様々なアマテラス的〔穴〕と、今回やっと姦通したことを意味する。〔諸君〕を次の段階へ至らせるには、父を殺し、処女を母にし、その母から自身が再び生まれる必要があったということだ。

 諸行無常。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
 蹂躙された少女も、しばらく経ったら藪が生い茂ってもと通りに見えるけど、よく見たら母になってる。つまりもとの〔穴〕にあらず。
 免色君の肖像画の隣には〔穴(母)〕の絵が飾られることにより、調和は訪れる。下記は本作品における春樹的方丈記

林の静寂の中では、時間が流れ、人生が移ろいゆく音までもが聞き取れそうだった。
一人の人が去って、別の一人がやってくる。
一つの表象が去り、、別の表象がやってくる。
この私でさえ、日々の重なりの中で少しづつ崩れては再生されていく。
何一つ同じ場所には留まらない。そして時間は失われていく。
時間は私の背後で次から次へと死んだ砂となって崩れ、消えていく。
私はその〔穴〕の前に座って、時間の死んでいく音にただ耳を澄ませていた。

最後の〔穴〕を女に読み替えすると現実味が増し、村上長明が見えてくる。

則天去私的な観点、個に関しては疲れたから考察しない。
ただ一つ、具彦の個人的行為であり、人生のテーマであった「鎮魂」を少女に「チンコン」と読ませたことは、個に対するささやかな否定として感じられ、それまでのカナ読みはすべてこれのための伏線かと思ったら笑えた。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.469:
(3pt)

翻訳は間に合うのか?

毎年秋にストックホルムに呼ばれるのか?が取りざたされる著者の最新作ですが・・・
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.468:
(3pt)

ストックホルムへの一里塚

毎年秋になると繰り返される光景、ストックホルムの記念館や授賞式のホール・・・。そんなものを思い浮かべながら読みました。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.467:
(2pt)

この人は短編に力を発揮するような・・

ある病気で入院していたとき、退屈なので長編を読んでみた。
長い・・・・長い・・・・

村上さんはジャズと同時にクラシックにも興味がおありのようですが、
わたしはこの小説は、長くて退屈なクラシックを聴きに来て
眠りかけてしまうような感じを受けました。

わたしは、ではどんな「村上春樹」が好きなのかというと、
「神の子供たちはみな踊る」の短編たち。

とくに「タイランド」には惹かれてしまい、それをきっかけに
タイへ行ってしまいました。(もちろんお金を貯めてからですが)

また、「東京奇譚集」がよかつた。
ハナレイ・ベイにも惹かれて、まだハワイには行ってないんですが
行きたいなぁと思っています。

短いけれど感動するのはショパンの小品です。
これらの短編はショパンです。

ただ長いだけでたらたらした、読者を引き込まないこうした書き方は
どうなんだろうかと思いました。

「海辺のカフカ」などは長編ですが、スピード感あり、ぐいぐい引きこまれましたけれど。

残念です。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.466:
(4pt)

ストーリーは秀逸、でも結末は今一つかも

今回の作品も、これまでの作品と同様に、孤独、死、別れ、静謐などを思い起こさせます。ストーリーは秀逸で、登場人物たちはこの先どうなるんだろうと思わせます。ページをめくらせます。そして、読者自身の内面の世界に引き込んでいきます。また、クルマ、音楽、料理などの固有名詞が豊富に登場し、それらがストーリーを引き立たせます。村上さんの深い知識と、それらをストーリーに結び付けるところは流石です。
 只、結末のストーリーに物足りなさを感じました。ページの都合もあるのかもしれません。時間的に、空間的に、地理的に更に深く踏み込んでほしかった。また他者との関わりを諦めず、孤独から如何に脱却するか、結末のこの部分についてもっと紙幅を割いて欲しかったと思います。個人的には、上中下3巻の作品に仕上げられても良かったのかなと思います。
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No.465:
(1pt)

斬新なアイデアはもう残っていないのか・・・

本のタイトルは違うが、中身は似たり寄ったりの作品ばかり。そろそろ早めに作家活動を終わらせるべきだろう。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.464:
(4pt)

すごい

登場するアイテムの固有名詞が非常に細かくて具体的です。
まさに固有名詞の博覧会です。
凡百の作家なら、ここまで出ません(笑)
さすが村上ですね。
音楽の知識も幅広い。ジャズ、クラシック、オペラ。
食器でいえば古伊万里にバカラなどぬかりがないですね。
車種でいえば、インフィニティーから、フォレスターまで。
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No.463:
(3pt)

村上春樹による村上春樹へのオマージュあるいはパロディ、もしかするとファンサービス

ダンス・ダンス・ダンス、ノルウェーの森のように
僕、彼女、完璧に近い男友達、エキセントリック美少女、育ちのよい美女
が登場します。
冷蔵庫を整理し、ブロッコリーを茹でてスパゲティを食べます。
いつもより性描写が念入りで丁寧にシャワーを浴び、そしてもちろん射精もします。
イデアを語り、メタファーについて言及します。
おお!出血大サービスな村上ワールド!
白熊も氷河の上で踊り始める!と感じたいところですが
全編を通して、どんよりした空気をまとった作品だと感じました。
作者の意地悪と言うか怒りというか倦み疲れと言うか。
老いなのかもしれません。
ストーリーはおもしろかったです。
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No.462:
(2pt)

数十年ぶりに村上春樹を読みました

10台から20台前半までの青少年であったころの私には、新しくてうらやましくてかっこよかった村上春樹。いっつも彼女がいて。
だから、世間ずれしたおじさんは、その後は読まないことこそ、作者を尊重する正しい姿勢だろうと思っていました。
が、魔が差しました。
主人公の男性、いっそのこと、桃でも投げて胎内から出てくれば良かったのに。
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