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Blue
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Blueの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 21~40 2/3ページ
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いつものことながら、この著者の作品は重すぎます。心に刺さって痛すぎます。平成という時代風景をうまく使っていますが、結局は児童虐待もの。そりゃ重いはずです。 でもまあ、よくこんな話を思いつくなあと感心します。舞台は日本だけではなくベトナムも。だから日本人だけでなく、労働搾取される外国人トレーニーの問題も登場します。 最初から最後まで息をもつかせない展開。無駄なシーンがひとつもありません。470頁があっと言う間。久々に骨太の傑作を堪能しました。 | ||||
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※ネタバレの部分もあるため、未読の方はご遠慮ください。 「ロストケア」、「絶叫」と読んできたが、 葉真中さんは、心理や説明の描写もくどくなく、書籍の厚さもちょうど良い、 かといって淡泊な描写でもない、筆力のある作家だ。 似たタイプとしては、久坂部 羊さんが思い浮かぶ。 さて、本作なのだが、児童虐待という社会の暗部に視点を置き、 併せて、平成元年から令和元年への時代の流れ、世相の流れと共に話が展開するわけだが、 読後感として思うことは、女刑事二人を犯人に感情移入させる必要があったのかということ。 捜査サイドの女刑事二人組に家庭不和や虐待の問題を抱えさせずに、 犯人に感情移入させずに、冷徹に捜査する役に徹して、 真実を突き止める役回りにさせたほうがウェットになりすぎずに、良かったのではないか。 葉真中さんの作品は元々が重苦しく、読後感のいいものではない。 それはそれで作者の作風であるのだが、 本作は登場人物のバランスとして女刑事二人がウェットすぎると感じたので、 力作ではあるので☆4でもいいのだが、評価は☆3としておくこととした。 | ||||
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「はまなかあき」名義の「ライバル 俺たちの真剣勝負」が大好きなのですが、実は同じ作者さんと知り読んでみました。というか、以前読んだロストケアも同じ作者さんだったと知り、どれも私の好みに合います。 ブルー、仕事もあるので、やむを得ず二晩にわけて一気読みしました。 内容は.....平成の懐かしさが玉手箱のように散りばめられているのがエンタメとしてよいですネ。ブルーが美しい青年だっていうのも映画的ですてきです。全体としては平成の時代を背景にいろんな人をデッサンして積み重ねているような小説。全体のストーリーとしては星3つくらいですが、一つ一つのデッサンが分かりやすくてよかった。個人的なつっこみとしては、夏希があの家族の中ではみだしちゃった理由はあまり書かれていないけど姉の出来が良すぎた+夏希がけっこうかわいいので悪の道に誘われやすかった、といったところなんでしょうか。あと女刑事二人のラスト、片方はLGBTで片方は虐待された過去がある、というのは、ちょい無理やり感がありました。でもそんなつっこみも含め、楽しく読めました!! | ||||
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と思うほど登場人物全員の背景の描写が多く、伏線として必要かと思い各章をそれぞれ読み進めていったが、その内容が本筋に盛り上がりを持たせているわけでもなかったし途中何度も読み飽きてしまった。 | ||||
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題材や時代を振り返るための事柄の詰め込みすぎで全体が総じてぼやけ、物語を引っ張る主軸が薄かった。 | ||||
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近年の小説によくあるケースだが、この作品も「エンディングとする場所」を間違えている。 「ここで終わらせたら読者に強いインパクトと余韻を残せる素晴らしい作品になるのに。」と思う箇所がある。 でもそこから何ページも延々に「まとめ」「説明」のような話がくどくど続いて行き、やっと終わりになるころにはウンザリして感動も薄れている。 作者はいったいどの程度の知能の読者を相手に小説を書いているのつもりであろうか? 人の気持ちを察っする能力や想像力が極端に低い若者たちを想定して、最後にくどくどと「説明とまとめ」を加えるのだろうか?そこまで説明してもらわないと理解できないような読者を想定して書くのはやめたほうがいい。普通の読者ならもうとっくに気付いていることなのに、最後に長々と説明してあるページが続くのにはイライラさせられた。 小説の理解の仕方は読者が各々ちがっていいと思う。それが小説の良さでもある。 映画にも小説にも「クライマックス」「エンディング」の最適な場所というのがある。その場所を通り過ぎてダラダラと解説じみた続きがあると、やっと終わるころには感動が冷めている。この小説はせっかく良い作品なのに以上の理由で非常に残念だと私は思う。 | ||||
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最初はオリジナルのフィクション小説として読み始めた。どうにも既視感があり、偶然かと思ったものの、青梅事件の詳細が明らかになるにつれ類似点が多く、結論に思い至った。 おそらく、平成26年(2014年)に埼玉県川口市で起きた、17歳の少年が祖父母を刺殺した事件を参考にして書かれた小説。 その詳細については『誰もボクを見ていない』という1冊の本になっており、これが今の日本で起きた現実の出来事なのかと衝撃を受けるほど、あまりに壮絶で過酷な少年の半生が綴られている。 その少年は居所不明児童だったが、ブルーは無戸籍児という設定。また少年の母親の言動などはモンスターマザーそのものだが、ブルーの母親のキャラクターもこれに通じるものがある。このほかにも、『Blue』の前編後編にわたり、事件の状況や背景、その他の登場人物など『誰もボクを―』の要素が散りばめられている。(特に登場人物の扱いは、都合よく切り取り利用したかのような印象を受けた。)しかし、巻末に参考文献の記載の欄はなし。 読み手側の多くが知らない事件ならば、せめてモチーフを公にする、参考文献に記すなどの配慮が欲しかった。すべてが著者の創作によるフィクションの小説と実際の事件を基に書かれた小説とでは受け止められ方が大きく変わってくると思う。 | ||||
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どうもこんにちは。 『ロストケア』『絶叫』で葉真中作品を知った身としては、 その肝心な『葉真中成分』が500ページある分 チト薄れてしまった感がありますね。 まずクライマックスに情緒的というか、 生の感情の咆哮を持ってくるのはこの作家の持ち味ですが、 今回はソレが空回りというかソレを行う者のキャラが弱いからですが、 「世界が滅ぶ~」言い出した時は想わず失笑してしまいました。 一体どこの小学生、或いは幼稚園児の会話なんだと。 40過ぎたBBAが一体何言ってるんだか、という話でしたねw あともう『ロストケア』の頃から解ってるんですが、 この作者はもう変に「良い人」ブッたり 「くだらないキレイゴト」を作品内に持ち込まない方が良いと想います。 折角他の作家が描かない『剥き出しの真実』を作品内で描写してるのに、 ソレに無理に対抗するようにブツけられる「キレイゴト」は 作家自身がソレを「否定」するためにテーマにしてるわけですから、 主旨がブレて小説の「完成度」が下がってしまっています。 「殺されて良い人間なんていない」「どんな屑でも殺してはいけない」 そんな莫迦の戯言は宮部の○○BBA辺りが頼まれなくても勝手にやってくれるので、 アナタはそんな〇○は無視してもっと「高み」を目指しましょう。 『ブラック・ドッグ』なんかでも主人公が喰い殺される位の事ヤってるんですから、 最後「変な人情話」は出さずに『全員皆殺し』にしてしまった方が 作品の凄烈さとクオリティーは数段上がったと想います。 だってアナタ自身がそんな「くだらないキレイゴト」が嫌いだから 作品内でソレをブチ壊そうとしてるんでしょう? だったら想ってもいないのにそんな事を小説内に わざわざ「無駄なモノ」として盛り込む意味がありません。 無能な編集の横やりが入った所為かもしれませんが、 それでは他の凡百な作家と同じ末路を辿ってしまいますよ? 『コクーン』以来、何か今までのような「凄烈さ」が薄くなってきてる カンジがしますので敢えて苦言を呈させて戴きました。 というわけで内省を求める意味も込めて星は3つ。 パワーダウンしたとはいえ流石にライトノベルと 同じ点数は付けられませんねw ソレでは。ノシ | ||||
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面白かったです。途中心が痛かったですが 最後は割とすんなり終わりました。気持ち的に 2000円近くしましたので、図書館で借りましたが 市販のはソフトカバーなんてことないですよね?笑 いくつか挿絵があったのですが、折角だから そこに運命の湖を描いて欲しかった。 | ||||
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平成15年に起きた一家4人の殺人事件とその15年後の殺人事件。その2つに絡むブルーという子を中心に、色々な人の目線で物語が語られていきます。 児童虐待、貧困、無戸籍児、外国人の低賃金労働などの問題や平成という時代のこと、さらに大勢の登場人物の事情や想いが錯綜し、とにかくいろんな事がてんこ盛りという感じで、読み応えはありました。 ただ子供の不幸なお話というのは、やっぱり読んでいて辛いものです。 | ||||
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重層的な構成を支える素晴らしいストーリーテリング。 まず、「この物語の語り手はいったいだれなのか」。それがラスト数ページでわかったとき、深い感慨に襲われる。「ブルー」という「殺人鬼」がいなければ、生き長らえることはできなかったであろう「サバイバー」であった「あの子」。 そして、「まりあ」と「あずみ」。同じJC売春組織で、いちどは運命が交差したふたりの少女。「あずみ」の武器は「叡智」。先の見えないような世の中でも、彼女ほどの賢さがあれば、チェスのチャンピオンが何百手も先読みができるように、おのずと未来の道を読み解くことができるのだ。 そして「まりあ」。「事件」のあと、合法ドラッグを過剰摂取したうえで入浴、ある種の解放感のなかで、彼女が最後にみたのは天国だったのか、地獄だったのか。 それにしても、葉真中さんは稀有なストーリーテラーだと痛感。「絶叫」が刊行されたとき、これを超える傑作はもう書けないのでは、と案じていたのに、その懸念をあっさり払拭してくれた。多作でなくて良いので、このクオリティの作品を書き続けてほしい。 | ||||
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無戸籍児として生まれた少年・青(ブルー)の平成元年から終わりまでの半生を、複数の視点人物から語り起こすクライムノベル。 援助交際や貧困ビジネス、不法就労者など、平成のトピックになった社会問題を交えて綴られるが、特にSNSを介した児童ポルノの描写がキツかった。ネット隠語やオプションなど、実際そうやって出回ってるんだろうなと思わせるリアルさがある。 青は殺人者だが、彼がいたこと救われた人間も少なからず存在する。そして彼の人生は悲惨だが、ただ悲惨なだけの物語で終わらせたくない。英語のブルーは憂鬱も表すが、青の人生には確かに美しい瞬間も存在したのだから。 たとえばどこまでも青く透き通る運命の湖の写真、たとえばベランダから見上げた花火。 後にそれが本人を苦しめる罰となっても、彼が愛し、彼を愛する人間との安らぎの時間があったなら、私はそれを否定したくない。彼の物語を「ひどい」の一言で片付けてしまうのは哀しすぎるから。 ブルーは確かに人殺しだが、終盤ある人物へあてた魂の謝罪には涙がこみ上げてきた。 母親でも誰でもなく、あの人物へ真っ先に詫びたことこそ、彼が本来は純粋な人物であり、真から贖罪の気持ちを持っていた事実を示してやるせない。 親と子。斥力と引力。ちゃんと手放すということ。 成人した子供の無心を拒みきれず金を渡し続ける老親もいれば、故郷の子供を想い虐待を見過ごすのを是としなかったベトナム人女性もいる。 親子のかたちは様々だが、子どもを束縛し利用する親の醜悪さや矮小さが描かれる中、ちゃんと手放す勇気を持てたことはもっと評価されていいはずだ。 作中たびたび流行歌の歌詞が挿入されるのだが、白けるか否かは好みによるところ。 | ||||
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ブルー水の色ひとの名前心の色外にだせば明るい。物語は出さないブルー、血の繋がっている人。1人もブルーを可哀そうと思無いのか、孫とかせねたら涙が。小説のストーリーいいですね。此れは絶体お勧め | ||||
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平成の始まりに生まれ、平成の終焉とともに死亡した一人の人物の物語。 物語は”平成”に起こった数々の社会現象とともに語られていく。 時代の移ろいを感じさせながら、普遍とも言える問題を描いていく。 エンターテイメント小説としても面白く、様々な立場の人間を描き出しており、ページを繰る手が止まらない。 | ||||
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物語は2部編成で、両方とも主に殺人事件を追う刑事の目線で展開します。特に冒頭の青梅市教員一家惨殺事件で、犯人と思われる次女の経歴が判明したあたりから、謎への興味が一気に盛り上がります。 一方、平成の社会問題や経済情勢・芸能等の出来事が、事件関係者への捜査状況と同時に振り返られ懐かしさを感じます。 但し、小説としては読後に遣り切れなさも残り、葉真中氏の他作品比べそのラストの衝撃度は低めですが、構成はとても凝っており、特に児童虐待問題について考え込まれたミステリーです。 | ||||
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どんなに駄目な母親でもブルーは、好きで愛されたいんだと感じ切なくなった。 | ||||
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新聞や雑誌では分からないような最近の事件、裏社会の細部まで掘り下げるフィクションです。無国籍の子供達が多数存在すると言う事実に、その背景に向き合って読みました。 | ||||
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平成という時代を振り返っている。 駆け抜けてきた時代がフラッシュバックする。 激動の昭和とは違う。 駆け抜けた平成は概ねは安定した平和であったように感じる。 そんな中でも、国内経済はバブル崩壊、ITバブル崩壊。 それに、東日本大震災、阪神大震災をはじめ災害の数々。 陰湿ないじめ、虐待。 表向きが平和な半面、闇は深く闇の中に渦巻いていったように感じる。 声を大にして言いたいことは言えなくなったように思う。 心の叫びがここにある。 本文には引力と斥力がよく出てくる。 互いに引き合う力と、反発し合う力。 親と子の関係。 ブルーは美しき湖のごとく。 遠くを見るまなざし。 本書は令和の時代に幸せへの期待と願いを込めているような。 | ||||
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私はロストケアのお陰で新聞やニュースよりも、より生々しく正確に介護現場の問題点を知る事が出来ました。絶叫を読んだ時、初めて寝食忘れて本を読むという事を体験しました。ブルーは▪▪▪。ブルーは本当に心を抉られるような思いで読んでいました。私も小さい子供がいるので、正直自分の勝手な感情に任せてヒステリックに声を荒げる時があります。私も含め誰しも、虐待する親になる可能性はあると思います。でもこれから先、自分勝手な感情で子供にきつく叱りそうになった時、きっと私はブルーを思い出します。ブルーが私の抑止力になってくれると思います。親はバレなければ我が子に家という狭い空間の中で、どんな残虐な事も出来ます。その恐ろしさを一生忘れずに抑止力にしたいです。 | ||||
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平成15年のクリスマスイブに起こった一家4人殺害事件。 警察が捜査を続ける中で「ブルー」と呼ばれるひとりの男の存在が浮上する。 平成が始まった日に生まれ、平成が終わった日に死んだという彼は一体どんな人生を歩んだのか――。 小説の構成的には著者の傑作である『絶叫』に近い形が取られている(あの刑事も登場!)。 合間の「For Blue」という章の存在によって、読者はある程度、捜査がどう進むのかなど、先を予測しながら読み進めることができる。 この「ある程度」という見せ方の案配が、葉真中顕という作家はいつも本当に、絶妙にうまいんだよなあと再認識。 また、『世界に一つだけの花』、ゲームボーイ、オザケン、チーマー、アムラーといった音楽や文化、アイテムがたくさん出てくるが、これらが「平成」とその時代を生きた人たちといった背景を表すのにとても効果的で、個人的には読書スピードがどんどん上がっていくような疾走感があった(世代じゃないという人にはむしろうるさく感じるかもしれないので、あくまで個人的には)。 「家族」や「愛」といった当たり前だと思われている存在が、実はちっとも当たり前ではないということ。 元号が変わっても平成同様に貧富の差もあれば、格差はますます広がる可能性が高いということ。 つまり「ブルー」のような存在は実在するし、これからも生まれ得るということ。 小説世界と実社会が地続きに感じられる圧倒的リアリティはさすがの一言。めちゃくちゃ面白かった! 最後に「ブルー」=「青」にとことんこだわったブックデザインがとても秀逸! こういった「見た目」の楽しみも本の魅力なので、そういう点でも素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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