長いお別れ

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長いお別れの評価:

4.36/5点 レビュー 290件。 A ランク

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平均点4.36pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全547件 461〜480 24/28ページ
No.87
(5pt)

これが噂のハードボイルドか

目先の利益ではなく、ひねくれた信念を貫く私立探偵。一銭の得にもならないどころか、命の危険をさらしてまで事件の真相に近づいていく。中2病的な行動や台詞も、ここまで一環しているとカッコいい。男が惚れる男、男の中の男。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に出てくるあいつは、マーロウに比べればハードボイルドでも何でもないな。と思う。バーでギムレットを頼まずにはいられない。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1)) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))より
4150704511
No.86
(5pt)

テリー・レノックスの歪で極端な使命感

フィリップ・マーロウの世話ぶりから推測すると、テリー・レノックスという人物は人を引きつける魅力をたっぷり持っているのだろう。彼は大富豪の娘と結婚もした。しかし、良かれと思ってしたことが他人を凄まじい混乱に引きずり込む、という運命を彼は背負っているようだ。以下ネタバレです。戦争で捕虜になり、命は助かったものの顔の負傷や過ぎ去った時間のことを考え、彼は結婚したばかりの妻のもとへは帰らないことにした。するとその元妻が近所へ引っ越してきてしまう。そして彼の妻(シルヴィア)が元妻(アイリーン)の夫(ロジャー)と不倫をする。そのことに気付いたアイリーンがシルヴィアを殺してしまい、テリーは勝手にアイリーンの罪をかぶることにする。テリーの行動は一見理不尽だが、冒頭部分の彼の言動には何かそういうことをしそうな気配が漂っている。「これ以上君(マーロウ)に迷惑をかける理由がなかった。誰かに助けを求めるのは簡単なことじゃない。特に何もかもが自分のせいだという場合には」「僕のプライドはそれ以外に何も持ち合わせていない人間のプライドなんだ」「僕のような人間は生涯に一度だけ晴れがましい瞬間を持つ。空中ブランコで完璧な離れ業をやってのける」「(シルヴィアの)父親に対する目眩ましのような役割をつとめるだけじゃなく、いつかもっと真剣に自分が必要とされる時が来るんじゃないかと思ってね」テリーは歪で極端な使命感を持った人なのだ。往々にして極端な使命感は人を危険にする。そのうえ歪とくれば救いようがない。フィリップ・マーロウもこう言っている。「次にロールズロイスの中に倒れている礼儀正しい酔っぱらいを見たら逃げ出すべきだ。自分で自分に仕掛ける罠がなにより質の悪い罠なのだ。」
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.85
(5pt)

普遍的に素晴らしい!

遂に読みました!村上春樹のデビューからのファン
ですけど村上さんがこんなハードボイルドファンとは。
兎に角展開が面白い最後のどんでん返しも感動モン
です。外国小説の邦訳ではダントツの出来です。
秀逸な、あとがきも含めてね!
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.84
(5pt)

マーロウにやられた。これは効いたw

私が今までの人生の中で読んできた本の中でもっとも大事な本のひとつです。っていっても25年間しか生きてないんですがw
数多くのお気に入りの場面のなかの1つ、
物語りの最後で、マーロウがレノックスに対してウェイドのことを
「もちろんご亭主はほとんどとるに足らない人物だったよ。血液と脳味噌と感情を備えたそのへんの人間でしかなかった」
と言い切る場面にはただただ感服。どんだけ唯我独尊かつ細やかな気配り(ウェイドを蔑むことでレノックスへの敬意を払う)ができるんだよと。物語りの途中まではマーロウに憧れているような自分もいたんですが、ここでとんでもなく遠くにいるマーロウへの憧れがすべてが嫉妬に変わってしまいました。
さらに続けてウェイドのことを
「彼もやはりことの真相を承知しており、その秘密を抱えたまま生きていこうと歯をくいしばっていた」
と言いいますが、「やはり」ってなんだよ、とるにたらない人物と言い切っときながら、どんだけかっこいいフォローをするんだよと。
ま、けどマーロウにはこんな台詞を吐く資格があるんでどうしようもないですね。
あー、レイモンド・チャンドラーすごいですね、メロメロだ。どうしようもない、これは効いた。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.83
(5pt)

別れ

コーヒーをつぎ、タバコに火をつけてくれたら、あとはぼくについてすべてを忘れてくれ―妻を殺したと告白して死んだ友人からの手紙にはそう書かれていた。彼の無実を信じ逃亡を手助けして私立探偵である主人公には、心の残る結末だった。だが、別の依頼で失踪の理由を探るうちに真実に辿り着く…。
「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1)) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))より
4150704511
No.82
(4pt)

ハードボイルド私立探偵の代名詞、フィリップ・マーロウ

ハードボイルド私立探偵の代名詞ともいえるフィリップ・マーロウが一人称で語る本書は、レイモンド・チャンドラーの代表作であると共に、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」’55年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作である。この“準古典小説”『長いお別れ』が村上春樹の訳出により『ロング・グッドバイ』として甦った。この新訳版は’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門で第9位にランクインしている。それが、私が初めてチャンドラー作品を読むきっかけとなった。当然、清水俊二の旧訳も読んでいないので、レビューに多く見られるような新訳・旧訳の比較はできないので、作品自体の感想になる。
本書でマーロウは、テリー・レノックスに友情を抱き、彼が犯したとされる妻殺しを信じようとしない。そして、ベストセラー作家ロジャー・ウエイドとその妻アイリーンと知り合うようになり、ロジャーがレノックスの妻の不倫相手のひとりだと知るのだが、ロジャーもアイリーンも死んでしまう。調査の結果、これらの愛憎の果ての血なまぐさい事件の真相を知るのだが、マーロウは、常にタフで、頑固で、機知に富み、孤独で、やくざで、金には淡白で、ロマンチックである。彼が語る一人称叙述は、余分な心理描写を省いて、その目に映る情景を切り取るように語られる。また、物事に一家言を持っており、そのこだわりも語られる。そのあたりを原文にあくまで忠実に、省くことなく翻訳したということが、村上春樹の長い「訳者あとがき」(これがまた名文であり、本書の価値を一層高めている)にあるが、読んでいてもまだるっこしいところはなく、不思議とストレートに胸に入ってくる。
本書は、さすがにMWA賞受賞作だけあって、そのキャラクターが多くの読者を惹き付ける、紛れなき存在感を身につけたヒーロー、フィリップ・マーロウが主役の、その時代を背景にしたロス・アンジェルスを舞台にした男女の愛憎や二転三転するプロットと、変わらぬ男の友情を描いた、改めて清水俊二の訳による『長いお別れ』も読んでみたくなるような傑作である。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.81
(5pt)

フィリップマーロウという名の『純粋・仮説』

50年代に書かれ、ながらく『長いお別れ』として知られたハードボイルド小説の最高峰と言われてるレイモンド・チャンドラーの作品です。昨年、村上春樹氏による新訳本が出版され実は昨年初めて読みました。これは、はっきりいってすごいです。原作の雰囲気に忠実な村上訳もさることながら、オリジナルのミステリの面白さ、語り部としてのフィリップ・マーロウの圧倒的な存在感にあっという間に引き込まれ、読み始めたら止まらなくなってしまいました。忘れたころに読み返してますがそれでもまた面白いです。LAでのある殺人事件がきっかけで、重層的に織り成す人間関係の描写から、幾重にも仕込まれたミステリの謎解きも見事です。しかし、もっともすごいのがフィリップマーロウの存在。村上氏はあとがきで90ページも費やしているのですが、これだけでほとんど解説本の域に達しており、一冊分の価値があるくらいです。マーロウの行動は、彼の人間としての自我意識の実相をすべて反映していると思えない一方、行動描写は一貫性をもった視点で貫かれている。ゆえに、マーロウは、実在の人間というよりは『純粋仮説』そのもの、または『純粋仮説の受け皿』であると。これほど見事な解説には始めてお目にかかりました。マーロウが仮説だからこそ、人間の機微や感情により生じる、あいまいさや柔らかさを一切なくしたような状態、固ゆで卵=ハードボイルドの世界がこれほどの一貫性をもって成立したのか!!!と納得しました。マーロウ=ハードボイルド=純粋仮説の受け皿、、、なるほど!!!!
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.80
(5pt)

徹夜覚悟で読んでください。

 ご存知のように、ロング・グッドバイは永いお別れという邦題でも出版されている。
訳者村上春樹氏があとがきで書かれている“To say good by is to die a little.”
について、英語が苦手な(だけが原因ではないですが)私は長い間誤解をしていた。
別れるということは、少しの間死ぬようなものだ。(それほどに別れは痛みを伴う)
と思っていた。しかし、別れるということは、これまでの自分の一部が失うことだ。
と知り、言葉の深さにしばし呆然とした。
 死別の限らず、これまでの人生でいったいそれほどの別れを何度してきただろう。
もしくは、その時その時の別れにそれほどの思いを抱いて来ただろうか。
 そう思うからこそ、ロング・グッドバイで描かれる世界観に惹かれ、圧倒的な
苦しさを覚えながらも頁をめくる手が止まらない。
 徹夜覚悟で読んでください。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.79
(5pt)

かなり甘めな翻訳

あの『長いお別れ』の新訳。この小説には思い入れがある。高校1年のときに初めて読んでから、何回読んだろう。高校、大学とハードボイルド小説に凝ったきっかけになった本だ。
それに、初めてペーパーバックを買って、英語の本を読んだのもこれ。高校のときの夏休み1カ月かけて読んだ。
さすがに村上春樹で、以前の清水俊二の訳よりも文章もうまく、なめらかだ。ただ、全体の印象はかなり、甘めになったなぁって感じ。マーロウはセンチメンタリストで、特にこの小説は、テリー・レノックスとの関係は、もともとハードボイルド小説のなかでも甘い感じがしてたんだけど、より一層強く感じる。
チャンドラーはそこが魅力ではあるんだけど、違和感があるなぁ。
でも、チャンドラーは面白いな。もう一度、全部読み返そうかな。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.78
(3pt)

台詞の切れ味の悪さ

十年ほど前に清水俊二訳で読み、感動し、それから原書を手に入れ、それを繰り返し読んできた。そして今回、村上春樹が訳したということで読んでみた。あとがきはとても楽しめた。とても気持ちが伝わる。しかし肝心の翻訳は、少々がっかりしてしまった。地の文はともかく、台詞に原文の切れ味が感じられない。そして台詞はこの作品の中で、極めて重要な役割を担っている。この村上訳に対する何人かのレビュワーの言う通り、台詞は清水俊二訳の方が優っていると思う。
村上春樹の作品に対する思い入れはとてもよくわかるが、残念ながら彼の文体は(Raymond Carverの文体とは対照的に)Raymond Chandlerの文体とは合わないような気がする。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.77
(5pt)

最高のエンターテイメント!

レイモンド・チャンドラーの有名な「長いお別れ」を(今や世界的な名声を誇る)村上春樹が翻訳するという最高の作品で、ストーリーやセリフから寄り道の部分を含めて最高のエンターテイメント作品と言える。
探偵フィリップ・マーロウが厄介なクライアントであるテリー・レノックスを助けたことからその事件に引き込まれていくのだが、ほのめかしはあるものの最後の最後まで真相はわからず、最後にその全てを把握できた時には感動すらありました。
それから、この作品の素晴らしいところはどの部分を読んでも全ての部分が面白いということが言えます。
ちなみに、有名な「ギムレット」についてのセリフはフィリップ・マーロウが言ったのではない。それは作品を読めば最高の場面で登場することがわかる。
村上春樹はフィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」も素晴らしい翻訳をしていて、しかもチャンドラーもフィッツジェラルドをリスペクトし作中でも「最高の酒飲み作家」だと評している。あとがきでも村上春樹は二人の接点や類似点を挙げている。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.76
(4pt)

主人公の好みが左右する

洋書であるロング・グッドバイをここまで違和感を感じずに読むことができたことを感謝するとともに秀逸な翻訳本として評価したいです。
内容はハードボイルドな私立探偵を営む主人公フィリップ・マーロウが不可解な自殺の謎に迫ります。彼が行動で示唆する男気溢れる信念は齢30にして心の奥底に眠る男心を否応無しに擽ってきます。
春樹氏による「あとがき」でチャンドラー自身、「彼(フィリップ・マーロウ)は実在し得ない」と語られていますが、これがフィリップ・マーロウを言わずもがな語っているかと。本書の好みは主人公への思い入れが特に大きく左右しそうです。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.75
(4pt)

読んでいるとムラカミさんオリジナルの文章みたいな気が

読んでいるとなんかこう、ムラカミさんオリジナルの文章みたいな気がしてくる。とくに持って回ったような比喩なんかは・・・。
ムラカミさん自身も書いてるけど、彼の文章はチャンドラーの文体の影響を受けているワケで、そのチャンドラーをムラカミさんが訳すんだから、そりゃムラカミさんの文章っぽくなるわな。
また、「グレート・ギャツビー」みたいな雰囲気も感じるんだよね。
で、「あとがき」には、「『ロング・グッドバイ』という作品は、ひょっとしてスコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を下敷きにしているのではあるまいか」という説が披露されている。
ナルホドそれじゃ、雰囲気が重なるはずだ。ムラカミの文章なのか、フィッツジェラルドを翻訳した文章なのか、チャンドラーのそれなのか?エライ重層的ですな。
元祖「長いお別れ」が同じ早川書房(ハヤカワ文庫)から1976年に清水俊二訳で出ているが、こちらの方は、ムラカミ「あとがき」によると「細部を端折って」訳されている由。
僕は10年ほど前に読んでいるのだが、中身については忘れてしまっている。改めて本書と読み比べてみようと思っている。
ハードボイルドの「古典」。ヘミングウェイやムラカミの文体(似てるかな?)が好きな人にはオススメして良い1冊。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.74
(5pt)

村上春樹の文才を認める。

村上作品は3冊ほど完読し自分の性に合わない事が分かっているから、たとえ女性ファンが多く何かにつけアドバンテージを得ると知りつつも無視を続けてきた。私はミステリファンではなく、ハードボイルドの支持者である。ハードボイルドとは自己規範を貫徹することの美学を描いた作品のこと。簡単に言って西洋人であれ日本人であれ、武士道に則っているかどうかが、ハードボイルド作品であるかどうかの私の基準である。
村上氏は相対主義的価値観を超えていない思想にある。その思想はモダニズムと言っても良い。ゆえに超現実的描写を良しとする。三島由紀夫がモダニズムを仏教的相対主義にアレンジして作品にした手法と同じである。
しかしながら、ハードボイルドの世界にはシュールな世界は存在しない。なぜなら、自己規範を貫くという事は、絶対性を表現することだからである。このことを村上氏はどうお考えなのか。絶対性に憧憬、あるいは希求、飢餓感でも持ちながらオリジナル作品において絶対性を表現せず、あるいは出来ずと言うのは。
旧訳の「ぼく」を「私」に変えるだけでもずいぶんとマーロウらしくなる。翻訳の仕事はお見事でした、村上さん。
余談ですが、チャンドラーもパーカーも武士道を知っているはず。民族文化に関係なくハードボイルドとは武士道哲学で極められた事は、論理的な帰結として証明できる。西洋の作家は武士道に勇気を得てハードボイルド作品を創作したに違いない(笑)。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.73
(4pt)

村上春樹の小説の「タフさ」と「寂しさ」、ライフスタイルの源泉

 村上春樹の小説やライフスタイルが好きで、愛読しております。今回、レイモンド
チャンドラーの作品を翻訳したと知って、早速購入しました。途中から、「これは村
上春樹の小説では?」と思ったほど、村上氏が影響を受けた本だと感じました。
 村上小説に出てくる「僕」のタフな発言やコーヒーやカクテルのこだわりなどのラ
イフスタイルも、チャンドラーから受け継いだような気がしました。また、村上小説
の「鼠」のような影と寂しさを持ったキャラクターは、ロンググッドバイのテリー・
レノックスを思い出されます。
 訳者あとがきが最後についています。
一部、引用します。
チャンドラーは、
「作家を職業とするものにとって重要なのは、少なくとも一日四時間くらいは、書く
ことのほかには何もしないという時間を設定することです。別に書かなくてもいいの
です。もし書く気が起きなかったら、むりに書こうとする必要はありません。ただ何
かを読むとか、手紙を書くとか、雑誌を開くとか、小切手にサインするといたような
意図的なことをしてはなりません。(中略)ルールはふたつだけ、とても単純です。
(a)むりに書く必要はない。
(b)ほかのことをしてはいけない。」
 上記のチャンドラーの言葉に対して、村上氏も「彼のいわんとすることは僕にもよ
く理解できる。(中略)たとえ実際には一字も書かなかったとしても、書くという行
為にしっかりとみぞおちで結びついている必要があるのだ。それは職業人としての徳
義に深くかかわる問題なのだ。おそらく。」と答えています。
 確か村上氏の他の著作でも同じようなことが書かれていました。それは、作家とい
う職業に対する心構えのようなものであり、仕事の根幹、好きを仕事にする代償のよ
うな気がしました。
 私も自分の進む道がこれだと決めたのであれば、とりあえずその道を極めるための
「時間」を確保して、それに集中する努力を「継続」することが大切だと感じました。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.72
(5pt)

評価は難しいです

村上チャンドラーの本書。これまで、清水訳「長いお別れ」を3回程読み直している自分としては、村上訳でどのように生まれ変わるのか、期待十分で本書に望んだ。でも読了後の感想は、比較は難しい、というものである。清水訳は誤訳や省略が多い、との噂が多々あったが、村上訳との明確な違いを感じることが出来なかった。それより村上訳のほうが、淡白な読み心地であった。これが正直な感想です。しかしながら本書はまさに「男の教科書」である為、読んだ年齢や重ねた年月で読了の感じ方が違うのは当たり前である。それは清水訳/村上訳の違いではなく、読み手である自分の居る立ち位置の違いなのである。
まさに、男は男に生まれたからで無く、男になるのです。永遠の私の道しるべである本書。
ただ読み方の選択肢が増えたということを素直に喜びたい。清水訳/村上訳とも、読み続けていくのであろう。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.71
(5pt)

血の通ったマーロウに会える

私の知っているマーロウはこんなくだけた男ではなかった気がする。初読は十代で読んだ記憶は曖昧だが、なんだか小説に温度があるというか、人間臭さがあるというか、読んでいくうちにタイトルの「ロング・グッドバイ」もしくは「長いお別れ」が胸に沁みてくるようだった。なによりマーロウとそれぞれの会話が新鮮だった。私は、テリーよりもリンダとの会話が好みだった。
マーロウが深入りしなければ真相はわからなかったし、なぜ踏み込んではいけないのかの謎も読者側に提示しつつ、クエスチョンマークがついた部分を最終的に答えてくれる。読み深めていくうちにマーロウの悲しみが伝わってくるそんな村上版の訳だったと思う。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.70
(3pt)

1950年代の北米西海岸ロス・アンジェルスが舞台

巻末に村上春樹さんの訳者あとがき「準古典小説としての『ロング・グッドバイ』」が延々45ページにわたって掲載されています。フィッジェラルドのグレート・ギャツビーとレイモンド・チャンドラーのロング・グッドバイの作家間、作品間の対照などです。訳者のこれらの作品に対する愛着と思い入れがよく分かります。
ストーリーは殺人事件に思いがけなく関わりを持った私立探偵フィリップ・マロウを語り手として、実質的な主人公テリー・レノックスの物語です。
金持ちたちの、非生産的でものうげ、そしてアルコールに毒され退廃的な男女の関係、戦争を引きずりまたトラウマを抱えた日々が描かれています。訳者が述べてるようにグレート・ギャツビーとの共通点を感じますが、この手の小説は好きになれません。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.69
(2pt)

清水訳をお勧めします

 旧・清水訳は省略も多く、語学的な問題も少なくない。では、新・村上訳を買うかと言えば、答えは否である。「グレート・ギャツビー」の翻訳はこれまでのものに比べて村上訳が圧倒的に優れていたが(なにせ、初めて最後まで読み通すことが出来たというだけでも価値がある)、チャンドラーのこの傑作に関して言えば、清水訳を読むことをお勧めしたい。
 村上氏は、翻訳には賞味期限があると主張しているが、現代風の表現を用いればそれで作品そのものが新しく生まれ変わるかと言えば、そう単純な話ではない。歳月を経て味に深みが出たり、透明度が増したりする酒のように、優れた翻訳もまた同じ言葉によって成り立っている以上、時によって成長しうるのである。村上氏の訳は正確で省略はないかも知れないが、味わうにはコクも薫りも足りなさすぎる。要は、成熟度が不足しているのである。
 清水訳を読んだら、かつての友人(あるいは恋人)を思ってコーヒーを入れ、そのかたわらに火をつけた煙草を置きたくなるだろう。
 もちろん、作品それ自体は文句なしの傑作である。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.68
(5pt)

読後100%ギムレットが飲みたくなります

大学生の時にハヤカワ文庫の「長いお別れ」を読んだ後にもギムレットを飲みたくなりましたが、
この「ロング・グッバイ」を読んでもやっぱりギムレットが飲みたくなりました。当たり前ですが。
で、実際にギムレットを飲むと、すこしだけ大人になったような気がするのです。
そういう本です。
ついでに書くと、文章もプロットも完璧。村上訳も悪くない。
時間がある人は読んで損はないです。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001