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大いなる眠り
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【この小説が収録されている参考書籍】
大いなる眠りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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大富豪に、娘の博打の借金という名目で、ゆすりをするチンピラをうまく黙らせることを依頼された私立探偵フィリップ·マーロウが、次々とチンピラの抗争に巻き込まれて、その途中やその前に起きた殺人事件をの真相を暴くという話。……例によって、パツキン美女にモテモテで、それを歯牙にも掛けずにひたすら探偵業に徹するマーロウ。……やっぱりその“ダンディズムを気取る“ところは、依然として鼻につく。……しかも話の筋も、支離滅裂で、何を描こうとしたのか、意味が分からない。……“男は黙って酒を飲む“とかいうようなことを“美学“として信奉してるような人が、自己陶酔するために読む三文小説です。……ほんとに鬱陶しい。 レイモンド·チャンドラーには、『かわいい女』でも、苦杯を飲まされているので、あと一回だけ、『長いお別れ』で、チャンスをやるけど、それもダメだったら、それこそ永久にお別れにしようと思う。……仏の顔も3度までって言うし。 | ||||
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紙がひどい。わら半紙かと思った。清水さん翻訳の「さらば愛しき…」は最高の手触りで、恍惚の読書を楽しめたが、流石に村上さんはギャラ高いのか、コストカットで、本当にページめくる手触り最悪 | ||||
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村上春樹はもちろん、カシオ・イシグロ他たくさんの作家がレイモンド・チャンドラーの大ファンだという。いったい魅力は何なんだろう。つまるところ文体の力というしかないのか。情景描写・行動描写・会話の奥深さ、機知にとんだ比喩があり、主人公のマーロウの行動そのままに物語が進み、次々にいわくありげな人物が出てくる。そういう文体の吸引力に魅力が凝縮されているに違いない。事件自体は糞だし、しょうむないやつも盛りだくさんだ。現実世界もこんなふうに乾ききったものと言いたいんだろうし、それでこそハードボイルドと言われるゆえんかもしれない。 | ||||
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ずっとレイモンド・チャンドラーという名前は知っていて、ついにこの方の著作を初めて読みました。 主人公のマーロウは特別体術に優れているとか銃の名手とかいうわけではなく、度胸と機転でその場その場をしのいでいくのがハードボイルド・テイストなのかなと思いました。探偵としての倫理を守る、どこか一本芯の通ったようなスタイルが渋いなと感じました。 戦前アメリカの法制度とその裏のやりとりの雰囲気が伝わってくるようで面白かったです。公権力と裏の権力の比率はある程度大げさに書かれているかもしれませんが、当時読んだ人が納得できる程度にはあっているのかなと思いました。 登場人物の中では、ちびの情報屋のハリー・ジョーンズが最も男気のある人物であるように思いました。 翻訳については村上春樹氏の翻訳は避けたかったのですが、前の翻訳者のバージョンが容易に手に入らなかったので仕方なくこのバージョンを購入しました。翻訳ツールでも使ったかのような直訳で、後書きでは「原文を活かすためにあえてそうした」と書いていてひどい話だなと思いました。 | ||||
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万人向けか?という問いにノーでしょう。ストーリー自体が時代背景も考慮しないといけないし。主人公は魅力的ですし、村上春樹自身が好きそうな作品というか、例えが巧みに施された文体も面白いので、氏の作品が好きで、ハードボイルドが好きで、という人にはオススメの作品ではないかと。ただストーリーはさほど驚くこともないし、普通の小説かな。 | ||||
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村上春樹新訳の「大いなる眠り レイモンド・チャンドラー」を読了。新訳と言っても、チャンドラーの長編処女作と言うこの作品、私自身は読んだことがないはずなので(適当)あまり関係はない。 ファンとしてはチャンドラーと言うより、フィリップ・マーロウがいよいよ表舞台に登場した作品として興味深かった。そもそもかなり歳を食ってから作家に転身したチャンドラーだけに、この作品執筆時は既に50代。凄まじい早さで書き終えてしまったそうだが、この作品自体スピード感溢れる展開で私が読むのも速かった。処女作と言っても、チャンドラー節と言うか彼の独特なスタイルは完全に確立していて、マーロウも自分の信念を貫き、権力におもねる事を拒否するいつものマーロウ。ただし、後年の作品ではどんな苦境でもじっと耐える不屈の男というイメージの彼が、アクション映画ばりのタフな行動をとっているのは少し驚きだった。やむを得ないとは言え、敵役を射殺してしまっているし。それも手錠を掛けられた危機一髪の状況で。 この作品、結局何が事件の中心だったのかよくわからず、人は沢山死ぬのだけど全ての殺人がスッキリと解明されてるわけでもない。そこは処女作ゆえでもあるだろうけど、チャンドラーの作品は大体そうなのだ。本格ミステリとしてはまずかろうが、アクションを楽しむハードボイルドなら十分と言うスタイル。そしてそれ以上に、マーロウはもちろんのこと、個性的な人物造形とその描写が素晴らしい。 本作で印象に残るのは、何と言っても将軍のとんでもない2人娘の妹。マーロウが自宅に帰ると、何と裸でベッドに忍び込んでおり、彼に関係をせがむ。拒否したマーロウが服を着せておっぽり出すのだが、これ以前にも殺人現場に裸で気絶していた彼女をマーロウがかばって将軍宅に送り届ける、と言う前科があったのだ。ところが抱いてもらえなかったのが不満なこの娘、後日マーロウに射撃を教えてくれと寂しい場所に誘い出し、射殺しようと試みる。ある程度魂胆を読みながら、どうせまともに撃てないだろうと見切って付き合ってやるマーロウも大胆だが、小説でなければ確実に殺されてるな(笑)。 どうしてもこのクソビッチ娘の印象ばかり強く残るので、そういう意味ではチャンドラーもこの作品ではまだまだ。マーロウも、チェスプロブレム(注;将棋で言えば詰将棋)に頭をひねり、酒場で静かにギムレットを口にしている方が似合うと思うな。 [・・・] | ||||
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例え依頼分の仕事が終わっても、マーロウは自身が納得するまで調査の手を緩めない。 それが例え一部の人間にとって不利益なものであり、その所為で自身が窮地に陥っても関係ない。 その一部の人間が例え依頼人側の者であっても容赦しない。 だがそれは彼が真実を公にしたいという、勝手な正義感から始まることではなく、あくまでも依頼人の名誉は守った形で終結するので納得出来る。 しかし依頼人はマーロウがそういう探偵であることをよく承知した上で依頼をした方が良い。そうでないと、自分も痛い目に遭う。 村上春樹氏の翻訳にもだいぶ慣れてきた。個人的には清水氏のクールな訳が好きだったが、こちらの丁寧な翻訳も良い。 | ||||
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チャンドラーのフィリップ・マーロウ物の記念すべき第1作。20年前、大学時代に清水俊二氏のハヤカワ文庫版の作品を何度も繰り返し読み、フィル・マーロウは、当時最も好きなヒーローの1人でした。その時点では、この「大いなる眠り」はハヤカワ版では訳されておらず、別の出版社の翻訳でトライしたものの、今一つ楽しめず、途中で止めてしまいました。その時は、清水氏のマーロウ物と雰囲気が違うからだと思っていました。今回、村上春樹氏の翻訳で読めるということで、再チャレンジしました(村上氏も大学時代に大好きだった作家の1人です。)。 読んでみて、20年前に途中で止めてしまった理由が必ずしも翻訳の問題ではないと思いました。面白いには面白いのですが、なんとなくストーリーのテンポが悪いのか、なかなか読み進められませんでした。私は、この手のミステリー物は、のめり込んでくると、何時間も読み続けてしまうのですが、この作品はそうしたスピード感で読むことができませんでした。 ミステリーとしてもなかなかだと思いますし、登場するキャラクターもなかなか良いので、それなりに楽しめますが、なんとなくのめり込めないのが残念、という評価になります。大学時代にトライした双●氏の翻訳が合わなかったわけではないことが、今回、分かりました。 | ||||
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旧約版ではあえて省略していた文章まで翻訳した完約版としては評価できますが、それにこだわり過ぎたのかセリフが人の話す言葉として不自然な所が多々あり、生々しさがありません。所謂ハードボイルドのイメージではないのです。 村上春樹が絡んだ物なら何でも読む、という方以外にはお勧めできません。ハードボイルド小説が読みたい方には、多少翻訳が古いですが創元文庫の旧約版をお勧めします。 | ||||
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スタートだからだろうか文章の木目が粗い感じで、雰囲気描写がいま一つ | ||||
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久しぶりに読み直してみて、このマーロウシリーズの第一作には、中編でありながら、チャンドラーの長所も短所もすべてが詰まっていると感じた。長所は、読中の何とも気持ちのよい雰囲気であり、読後のやるせないような思いである。これをリリシズムとかカタルシスとかいう言い方で表すのがハードボイルドの世界では一般になっているが、そのどちらも十分に堪能することができる。勿論、名作「長いお別れ」とは比べるべくもないが。短所はやはりプロットが単調なことと事件性の弱さか。チャンドラーの作品はマーロウの格好よさが際立っており、彼が遭遇する人物達も造詣豊かで心に残るのだが、骨格になる事件が漠然としているために、何が事件だったか、印象に残らないのだ。そのため、読んで暫くすると、筋がさっぱり思い出せない。だから、何度読み返しても、その度に新鮮な感動を味わえるのだが。 | ||||
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久しぶりに読み直してみて、このマーロウシリーズの第一作には、中編でありながら、チャンドラーの長所も短所もすべてが詰まっていると感じた。 長所は、読中の何とも気持ちのよい雰囲気であり、読後のやるせないような思いである。これをリリシズムとかカタルシスとかいう言い方で表すのがハードボイルドの世界では一般になっているが、そのどちらも十分に堪能することができる。勿論、名作「長いお別れ」とは比べるべくもないが。 短所はやはりプロットが単調なことと事件性の弱さか。チャンドラーの作品はマーロウの格好よさが際立っており、彼が遭遇する人物達も造詣豊かで心に残るのだが、骨格になる事件が漠然としているために、何が事件だったか、印象に残らないのだ。そのため、読んで暫くすると、筋がさっぱり思い出せない。だから、何度読み返しても、その度に新鮮な感動を味わえるのだが。 | ||||
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