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夜は千の目を持つ
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夜は千の目を持つの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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あることがきっかけで、予知能力を持つ男を知り、株の取引にその男の予知能力を利用していた金持ちの男が、自分が利用していた男から、自分が3週間後に死ぬと予告される。……その金持ちの男の娘が、父親の死期が近づくのが耐えられないと言って自殺を図ろうとしたところを、通りかかった刑事に助けられる。……事情を知った刑事が、上司に報告し、その上司と同僚とともに、男を救うため=”事件”を未然に防ぐため、八方手を尽くすが……という話。 ※以下ネタバレ 同じウィリアム·アイリッシュの『幻の女』が、極限状況に陥った人間が、苦悶の末に救われるという筋書きだったので、この話もそうかなと思っていたら、かなり違いました。……でも、この筋書きで、最後がハッピーエンドだと、白々しくなるから、無理にバッドエンドにしたんじゃないかという気がする。 それと、死期が近づきつつある男が、一人になるのが怖くて、誰かそばにいて欲しがるのは、アメリカ人の国民性だと思う。……少なくとも私は、自分が死ぬときに他人にそばにいてほしいとは思わない。……信頼できる人なら、自分が死ぬときに、そばにいてもらって、気を使ったりさせたくないし、イヤなやつならなおさらそばにいてほしくない。……死ぬときに誰かにそばにいて欲しいというのは、アメリカ人特有の考え方なんじゃないかと思う。 更に、死期が近づいて、男がすごく落ち込むんだけど、それなら、末期ガンの患者は、ずっと落ち込まなきゃいけないことになる。……それに、死ぬのがそんなに怖いなら、よほど生きてることが楽しかったのかというと、生きてるときは、株の売買くらいしかしていない。……そんなに生きてることが大事なら、金儲け以外になにかしているはずなのに、そういうことをしていた形跡もない。……そのため、死ぬのが怖いというのにも、説得力がない。 また、人間の予知能力についても、認めるのか認めないのか、はっきりしないし、自分の死期を予告された男が、全くの被害者なのかどうかもはっきりしない。……『笑うせえるすまん』のような、予知能力やなんかに頼って金儲けなんかしてると、足元を掬われるという”教訓”めいた話でもない。(まあそんな教訓は、こっちも願い下げだけど。) いろんな意味で、中途半端な内容だと思う。 本当は、別の結末を考えていたのが、作者が自分でその終わり方が気にいらなくなって、違う結末にしたんじゃないかという気がする。 | ||||
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青年刑事ショーンは帰宅途中、若い女性の投身自殺を阻止する。その理由は、大富豪である彼女の父が、予言者に死を宣告されたことにあるらしいが・・・。次々と的中していく予言の謎は、結局解明されません。そういう意味ではこれはミステリではありません。超常現象を扱ったサスペンスというべきでしょうか。今となっては展開もオチもさすがにありきたりなものとなっています。アイリッシュの、とにかくテンポに乗せて、次々ページをめくらせていく職人芸が一番の見所でしょうね。例えば、父親の乗った飛行機が落ちたかどうか、電話を待っている場面で、時計を見る→煙草に火をつける→吸う→消す→雑誌を開く→ぱらぱらめくる→広告を見る→閉じる→時計を見る→数分しかたっていないという、非常に映像的な演出があります。この手の小刻みな描写でサスペンスを盛り上げていくのが作者の真骨頂なので、本作もなかなか読ませはします。内容が古くなってしまったのは残念ですね。 | ||||
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青年刑事ショーンは帰宅途中、若い女性の投身自殺を阻止する。 その理由は、大富豪である彼女の父が、予言者に死を宣告されたことにあるらしいが・・・。 次々と的中していく予言の謎は、結局解明されません。 そういう意味ではこれはミステリではありません。 超常現象を扱ったサスペンスというべきでしょうか。 今となっては展開もオチもさすがにありきたりなものとなっています。 アイリッシュの、とにかくテンポに乗せて、次々ページをめくらせていく職人芸が一番の見所でしょうね。 例えば、父親の乗った飛行機が落ちたかどうか、電話を待っている場面で、 時計を見る→煙草に火をつける→吸う→消す→雑誌を開く→ぱらぱらめくる→広告を見る→閉じる→時計を見る→数分しかたっていない という、非常に映像的な演出があります。 この手の小刻みな描写でサスペンスを盛り上げていくのが作者の真骨頂なので、本作もなかなか読ませはします。 内容が古くなってしまったのは残念ですね。 | ||||
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