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切羽へ



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【この小説が収録されている参考書籍】
切羽へ
切羽へ (新潮文庫)

切羽への評価: 3.95/5点 レビュー 42件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全42件 41~42 3/3ページ
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No.2:
(4pt)

うつろう

行間にあふれるものを掬いあげながら読まないと、と思いつつもさらさらと
読めてしまう文体につい先を急いでしまう。
「三月」から月を追って、ぐるりと季節がめぐり「四月」まで。
舞台は九州の小さな島。主人公のセイは島の小学校の養護教諭。夫は画家だ。
このセイの秘めた恋心の移ろいが綴られてゆく。
新任教師・石和に惹かれながら、なにも進展はない。
石和の気配やことばの端々や、行動の意味するところや、さまざまな
触れることのかなわない彼の痕跡に、セイはただ心を這わせる。
その描写が妙に官能的だ。
心に夫以外の人がいて、それを周りに気取られまいとはするが、
醸しだされる凝縮された、ある感じが非常にリアルで
ちりちりと灼かれるセイの胸のうちが滲み出る。

のんきな島暮らし。なんでも筒抜けだが、それと認めあってしまえば気楽なものだ。
まわりの人々も性に関することでさえ鷹揚に口にしてからかったりするほどだ。
セイとは対照的な位置に在るのが、島の住民も公認の奔放な不倫を続ける
女教師・月江だ。月江の派手な恋愛模様が描かれることで、
セイの心のたゆたいが匂やかに引き立つ。
登場人物のなかで忘れてならないのは、老女・しずか。「きっきっき」といやらしい笑い方を
してはセイをやりこめることで、コミュニケーションをとるばあさんだ。
病を得て入院中でも、命の残り火を点すように口にする男の名前。エロティックなのだが
むしろその思いにあるエネルギーに、私は気圧された。

セイの恋は「切羽」ということばに象徴されているが、これは荒野さんの妹の名前
でもあるという。としてみれば、荒野さんには「切羽」のイメージも意味も身に親しんだもの
であったに違いない。

ラストのセイの行動が意味するところは、二通りの解釈ができそうだ。
しばし、思いを致し余韻を楽しんだ。
切羽へ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.1:
(3pt)

えーっ!意味がわからない…

最近井上荒野さんの本をよく読みます。どうやら、文章のスタイルが好きなようで。この本もずんずん引き込まれたのですが、なんと!ラストの意味が全くわからず、あっけなく終わってしまって、結局筆者が言わんとすることがわかりませんでした。それはおそらく読者にゆだねられているのかもしれませんが、もうちょっとこう、ヒントというか手がかりのようなものがほしかったです。
切羽へ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切羽へ (新潮文庫)より
4101302545

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