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女には向かない職業
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女には向かない職業の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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面白かったです。主人公のコーデリア・グレイは、灰原哀の名前のモデルになったキャラですね | ||||
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「女の顔を覆え」の訳文に比べて現代風で良かった。描写が細かくて文芸作品のようで素晴らしかった。 | ||||
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探偵事務所の共同経営者、不運続きのバーニーが自殺して、コーデリアは1人で事務所を引き継ぎ仕事を続けることにする。しばしばバーニーが言っていたアドバイスの言葉を思い出して、それを頼りに彼女は捜査を続けるのだが、実はそのほとんどが、バーニーが警察官だった頃の上司ダルグリッシュの信念だったりする。捜査の初めからコーデリアの後ろにはダルグリッシュがいる、というわけだ。 ところが最後に事件が解決したと思われた後、コーデリアは当のダルグリッシュその人に尋問されて対決することになる。ダルグリッシュは、彼女が自分の信念に忠実に従って隠そうとした殺人事件の真相を軽々と暴いていくのだ。 正義とは、必ずしも法で裁かれる結果と一致するものではない。コーデリアと、彼女のメンターとも言えるダルグリッシュが、その正義のあり方をめぐって対立することになる。 そこが非常に面白い。 「死の味」に続いて読んだ作品だが、比べてコーデリアの若さとすっぱりした性格のおかげか、とても爽やかで悩みもなく、読みやすかった。 バーニーが神のように尊敬していた前の上司ダルグリッシュが実はバーニーのことをすっかり忘れていたことがわかって、やっぱり最後まで可哀想なバーニーだった。 | ||||
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まず「訳がひどい」と言っている人がいるが、 訳者の日本文は充分に滑らかであり不自然さは全くない。 どこがひどいのか私には全く理解できない、、なぜか理由は知らないが 批判者はこの訳者を貶めたいのだろう。 またカスタマーレビューに「硝煙反応を見れば自殺の偽装は不可能」などとあるが、 この時代の英国警察の「捜査」のいい加減さをみてもらいたい。 主人公の上司の自殺事件現場では現場保存もせず「検察医が来るまでお茶でも入れていただけませんか」と「警察官が」言っているのだ。そういう時代なのだ。 (現代であれば鑑識が来るまでは「警察官でも」部屋の中を歩き回ることはできない)。 そして硝煙反応検査は絶対ではない。出ないことも現実にあるのだ。 (被疑者に対して「お前の手から硝煙反応が出ているぞ」とカマをかけるのは有効であるが)。 本書の知的なジョークやウイットは読み進みながら笑いを堪えることができないが、 それは読んだ人のお楽しみ。 | ||||
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P.D.ジェイムズは、こまやかな部屋の描写、微妙な気持ちのずれを巧みに描写しながら、最後の感動へと誘い込む。間違いなくうまい。 22歳の可憐な女探偵の活躍。キノコのオムレツを上手につくり、エロの写真を恥ずかしそうに現場からとりのけ、つつましくスカートをはいている。男の子みたいなヒロインが多い中、コーデリアの古風なヒロイン像には好感をもてる。共感する。わたしもスカートやドレスが好きなのだ。 巻末の瀬戸川の論はやや男よりながら的を得ているが、小憎らしいからあとで読むように。それから、こう言おう。探偵コーデリアは姫でなく騎士なのだ、たとえスカートをはいていようと。小さなかわいらしい女騎士。 | ||||
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札入りの在庫本でした。日焼けもないし、「製本したて」感がないだけのきれいな、説明を上回る良い本です。 | ||||
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作者は本名をフィリス・ジェイムズといい、内務省に公務員として勤めるかたわら、早朝と週末に趣味としてミステリを執筆するという1970年代に活躍したイギリスの作家でした。詩人としても名が知れているという設定をもつスコットランド・ヤード(警視庁)のアダム・ダルグリッシュ警視を探偵役とするシリーズを創始しました。P・D・ジェイムズはこのダルグリッシュに超人的な洞察力を備えさせず、素人の素直な努力の延長であるプロの警察官として鍛えられた推理力だけをもたせています。 本書はダルグリッシュ・シリーズとしては番外編ともいえる"An unsuitable job for a woman"(1972年)の翻訳です。評論家の植草甚一氏が1974年の『ミステリ・マガジン』誌のコラムでさっそく紹介し、「こんなにも謙虚な推理作家はいなかった」とたたえています。主人公は探偵として経験も資格もない22歳の女性コーデリア・グレイ。病を苦にして自殺したパートナーのバーニイ・プライドから探偵事務所を引き継いで、最初の依頼を引き受けます。息子の自殺の原因を調べて欲しいという穏やかな調査内容のはずが、コーデリアの捜査が進むにつれて何ものかが身辺につきまとい、あからさまに警告まで発するようになります。作者は大学町のケンブリッジの美しさとともに醜悪な現実を描くこともできます。真相はスキャンダラスでショッキングでもあります。しかしこの作品の魅力はもっと別なところ、コーデリアが真実にたどりつくのに役立った間接的な師弟関係、パートナーだったバーニイが尊敬していたダルグリッシュ警視の捜査法を伝え聞いたままに用いた、その真率さによるのではないかと思いました。 | ||||
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作者は本名をフィリス・ジェイムズといい、内務省に公務員として勤めるかたわら、早朝と週末に趣味としてミステリを執筆するという1970年代に活躍したイギリスの作家でした。詩人としても名が知れているという設定をもつスコットランド・ヤード(警視庁)のアダム・ダルグリッシュ警視を探偵役とするシリーズを創始しました。P・D・ジェイムズはこのダルグリッシュに超人的な洞察力を備えさせず、素人の素直な努力の延長であるプロの警察官として鍛えられた推理力だけをもたせています。 本書はダルグリッシュ・シリーズとしては番外編ともいえる"An unsuitable job for a woman"(1972年)の翻訳です。評論家の植草甚一氏が1974年の『ミステリ・マガジン』誌のコラムでさっそく紹介し、「こんなにも謙虚な推理作家はいなかった」とたたえています。主人公は探偵として経験も資格もない22歳の女性コーデリア・グレイ。病を苦にして自殺したパートナーのバーニイ・プライドから探偵事務所を引き継いで、最初の依頼を引き受けます。息子の自殺の原因を調べて欲しいという穏やかな調査内容のはずが、コーデリアの捜査が進むにつれて何ものかが身辺につきまとい、あからさまに警告まで発するようになります。作者は大学町のケンブリッジの美しさとともに醜悪な現実を描くこともできます。真相はスキャンダラスでショッキングでもあります。しかしこの作品の魅力はもっと別なところ、コーデリアが真実にたどりつくのに役立った間接的な師弟関係、パートナーだったバーニイが尊敬していたダルグリッシュ警視の捜査法を伝え聞いたままに用いた、その真率さによるのではないかと思いました。 | ||||
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・探偵事務所の共同経営者が自裁するところから始まるミステリー。 ・文章は場面の描写が丹念に行われ、やや長たらしく感じる部分も多いが(特に前半)、著者の他の作品と比べるとそうでもない感じがします。 ・トリックの解明より、心理描写に重点が置かれており、読んでいて混乱することがない点はよい。 ・中盤以降は「じわじわと」証拠を積み重ねていく主人公に対する期待感が高まるが、そもそも「真犯人」が探偵に真実の解明を依頼する、ということがありうるのかという疑問もあり、星4つとします | ||||
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出だしから面食らい、作品に入っていくのに少しためらいもありました。 しかし、読み進めていくと、完全にはまってしまいます。 ラストは主人公と一体になり、感情を共有することで、本作品のタイトルの真の意味が浮かび上がってきます。 説得力のある論理、ミステリーを超えた人間観察、最後まで読んで心が満たされます。 途中でやめるのはもったいないですよ。 | ||||
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普段あまりミステリを読まない自分でも楽しめた。 探偵小説とミステリの区分がよくわからないけど、楽しかったからまあいいか。 女性私立探偵、しかも若いというは珍しいのだろうか。 途中途中、別に女でなくてもいいじゃないか、と思っていたけど、ラストでしっかりと満足させてもらってしまった。 よく考えると、女性が主人公であることで、探偵稼業の怖さとか、捜査の時の不安さなどを強調できているのかもしれない。 こういうこというのは、ジェンダー的に良くないのかもしれないけど… 事件の真相よりも、キャラクター達の動向が気になるあたり、ミステリに疎くても楽しめる作品なのだろう。 しかし、コーデリア22歳って…若いなあ。 向こう見ずな性格とか、意地を張ってしまう頑固さとかの性格に現実味持たせるにはちょうどいい年齢かもしれない。 読もうと思ってから数年経っていたけど、読んで良かったかな? | ||||
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今となっては古典の部類に近づいてきたのでしょうか。 小説としての面白さと、謎解きが見事に両立しています。 ジェイムズの端正な文章で描き出されるヒロイン、コーデリアが本当に魅力的。 読むべし! | ||||
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いきなりぼやくが......やっぱ英国産は好い。。ジェイムズは好いヨ。。実に英国らしいトラディショナルでほのぼのとした雰囲気に,雨が 似合う沈鬱な雰囲気の両方がうまく表現されている。 そして,この二面性こそ本作品で初登場することになるコーデリア・グレイの魅力でもある。いや,もっと正確に言うならジェイムズの魅力でも あるんだなぁ。この女探偵の肖像は自画像そのものでしょう。なにか女流本格の意地を奮い立たせてさ,女のヒーローがいて何故悪いと挑戦した 一作に思えてならないんだわ。そしてそれは見事に,皮肉なくらい成功した...... さて,いちよストーリーもざっと説明すると,まずいきなりハイライトともいえる探偵事務所の共同経営者の自殺があったので,コーデリアは 勇敢にも一人この稼業を続ける決意をする。そんな彼女の初仕事は,突然なぞの自殺を遂げた科学者の一人息子の事件に隠された真相を暴く ことでした...... 感傷的すぎるほど感傷的な導入部なのに,お涙頂戴ものには堕さない強烈な意図を感じる幕開け。そして周りの人間からは散々やいのやいの 言われるのを横目に,自分の信念を曲げないコーデリアの姿は凛々しい。実際,陰鬱な描写で覆いつくされているのに不思議と前向きな気持ちが 湧いてくる。 P・D・ジェイムズといえばダルグリッシュものをメインに手がけていますが,本作にも彼は重要人物として登場するので,この一作はジェイムズ 入門に適してますね。それにしてもやっぱ英国は好いなぁ。。土壌にしろ精神風土にしろ推理作家が育つべくして育つと感じる。 | ||||
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若い女性の探偵、 コーデリア・グレイが活躍する1冊として、 人気の高い作品です。 探偵事務所の所長にして、 パートナー、バーニイ・プライドの 自殺死体を発見するところから、物語は幕を上げます。 残された22歳の女性探偵、 コーデリア・グレイは、1人で探偵事務所を運営し、 「女には向かない職業」を 続けていくことを決意したのでした。 そこへ、ケンブリッジの学生であった 息子の自殺の動機を探ってほしいという依頼があり、 彼女は事件を引き受けますが・・・。 この作品の魅力は、 主人公、コーデリア・グレイの 人物造形の魅力でもあります。 駆け出しの女性探偵が 事件に立ち向かっていく姿は、 けなげで声援を送りたくなります。 物語も事件の真相がなかなか明らかにならず、 アクションを伴うシーンもあり、 変化に富んでいます。 また、シリーズ探偵のダルグリッシュ警視が 登場する後半の展開は、 なかなか読み応えがあるものとなっています。 著者のP.D.ジェイムスは 英国を代表する女流推理作家ですが、 訳者の小泉喜美子も、 有名な日本の女流推理作家です。 日本語版の本書は、 女流の二人がタッグを組んで 生み出した秀作といえるでしょう。 | ||||
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この作品はミステリーであるが、人間関係の描き方が素晴らしい。 とはいっても「複雑に絡み合う人間関係」とか「恋人が白血病で死にそうでそれでもなんか恋愛しちゃって人間関係」とかじゃなく。 主人公コーデリア・グレイとバーニィの関係は、恋愛関係ではないし、師弟関係というには深すぎて、「パートナーくん」と呼んではいるけどそれだけでは表しきれない。 その人間関係を、読者は1冊かけて理解するのだ。だからこそ、あのラストシーンで感動するのだ。 人間関係なんて大体言葉じゃ言い表せないものである。 しかし、その言葉で言い表せない人間関係を言葉で伝えることの出来る作家が、今日本に何人いるだろうか? | ||||
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コミック「名探偵コナン」にでてくる「灰原哀」の名前の元ネタだから、ミステリーファンからは怒られそうな理由で本書を購入しました(汗ですが、読んでいくうちに結構はまりました。コーデリア・グレイのけなげさというか、一生懸命さが行間から伝ってくる感じで…続編の「皮膚の下の頭蓋骨」も良かったです。できればもっと続編が読みたかったですね。 | ||||
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コーデリア・グレイ。彼女が思いもかけず突然ひきつぐことになった探偵事務所に、最初に持ち込まれた事件は、彼女とそう年が離れていないひとりの男の自殺にまつわる事件だった。事件を探りながら、大学の構内で学生たちの幸せそうでいて、それをむやみにやり過ごしているかのような、自由な姿を目の当たりにして、彼女はいまの自分の状況を複雑な思いで見つめる。どうして自分はこんな思いをしなくちゃならないのか、どうして大好きな父も身近な存在だったおじも私をおいて死んでしまったのか・・・。コーデリア・グレイの年齢に気づくといっそう、彼女が愛おしく思えてしまう。ミステリーの謎解きもありながら、か細いコーデリア・グレイが一本芯の通った女性になっていくところが描かれた作品、と書くとまるでどこかの朝ドラのように思われてしまうかもしれないが、事件解決後に慕っていた警視にもらす一言を読めば、きっとぐっときゅん、と来てしまうに違いない! | ||||
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この主人公の女探偵コーデリア・グレイは頭脳明晰、容姿端麗でありながらも、生まれてこのかた母親の顔を知らないなどの暗い過去をも持つ。 しかし、それだけに彼女はクールで、基本的にいつも独りだ。 それは、本の前説にも書いてあるように、いきなりパートナーの死から始まっていることからもうかがえる。 真摯に事件を調査する彼女の姿にも感動するが、何より、静かに心を打つのは「夜」に対しての記述だ。 どんなに強がっていても、その日に起こった事や、今後のことを思案できずに終わる。 そんな、彼女が見せる人間らしさがまた私たちの心を魅了するのではないだろうか。 「女探偵もの」という安易なものとしては読んでいただきたくない。 読むなら、ひとつの「傑作」として。 | ||||
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彼女コーデリアの職業は探偵で、彼女は「女」である。当然、ホームズほど超人的に明晰でもなければ、マーロウのようにタフでもなければ優しくもないし、キャノンのように酔いどれでもない。さらに、V.Iのように誰よりも男らしいわけでも、ニキータのように男勝りでもない。かといって灰原哀ほどは悲劇的な過去を持つわけでもない。ついでにいうと藤原ひとみほどずぼらでもない。彼女が「女」であることは間違いない。捜査に出かけるときにファッションに気を遣い、依頼先でもメークに余念がなく、捜査に向かってはガイドブックを買っちゃ昼食や散策に興じる。忘れずにトルコ風のドレスを買っておく。さらに、同ベクトルの美人に出くわすと私が勝ってるわ光線を交わすような、いわば「女のプロ」のような女だ。確かに同性から「向かない」といわれ続けながら、まだ見ぬ、師匠(彼女はパートナーと言い張るだろう)の師匠をお手本にして(思ったほどうまくいかないのはプライドのせいかもしれないけど)何とかなってしまっている彼女のお仕事...どうしてどうして最後には何だかきっちり着こなしているような気がするのは僕だけだろうか。 | ||||
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探偵事務所のパートナーが自殺し、ひとりで探偵稼業を続けていくことに決めた若い女性、コーデリア・グレイ。そして、依頼を受けた自殺事件を調査するうちに、彼女が死と向き合い、葛藤しながらそれを乗り越えて行きます。一人前の人間として成長し、深みを増して行きます。重圧を担ったコーデリアが、ともすれば押しつぶされそうになりがら必死にこらえ、苦闘していく姿。それがとても健気で初々しく、敢闘精神にあふれていて、彼女の人間的な魅力を感じました。コーデリアが自立し、人間として成長していく姿に、とても魅力を覚えました。本書のラストがまた素晴らしかった。コーデリアがある人物と出会い、対話するシーン。それまで彼女が背負ってきた罪悪感と重圧感が、この場面でふっと解き放たれたように思えて、ほうっとため息を吐いていました。ひたひたと胸に迫ってくるもの、心に静かに満ちてくるものがあり、感動しました。 | ||||
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