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夢を与える



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【この小説が収録されている参考書籍】
夢を与える
夢を与える (河出文庫)

夢を与えるの評価: 3.28/5点 レビュー 134件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.28pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全134件 121~134 7/7ページ
No.14:
(2pt)

登場人物に感情移入できない。

前作を読んで期待していた分、肩透かしを食らわせられたようで、

私としては不完全な気持ちにさせられたような気がします。

それなので、星2つの評価としました。

登場人物の個性がイマイチ伝わってこないので、作品に入っていけないのです。

全体的に中途半端なイメージを感じてしまうところもマイナス。

好きな作家さんだけに、ちょっと残念でした。
夢を与えるAmazon書評・レビュー:夢を与えるより
4309018041
No.13:
(5pt)

考えさせられる。

とにかく、面白かったです。話の進み具合も読んでて丁度いい感じでした。
テーマは考えさせられるものですね。特に就職活動中の僕は最後の感じは自分もこうなりかねないな。と思いました。もう一度冷静になって自分の道を考える力が与えられました。作者には感謝してます。
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4309018041
No.12:
(3pt)

久しぶりに読んで

前2作を読んで感じた’読みやすさ’は今回も形を変えながら

残っていたと思います。

んー正直、読み終わって「そんなに面白くはなかったかも?」

という感想も。。

なんか途中、その日、その日、作者の描いた時の気分が

繁栄されて、つなぎ目というのでしょうか

1とか2とかそういう段落ではなくて

すこし、つなぎ目が微妙に上下にずれてる

そんな感覚を得ました。。

でも、次回作も読むでしょう。

てか早く次のが読んでみたい

綿谷りさには惹かれるものがあるので
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4309018041
No.11:
(4pt)

現実の空気をも濁す小説

チャイルドモデル、芸能界を生きる少女の18年間の想いが詰まった小説。

読了後、小説のクオリティーの高さに驚愕するよりも、圧迫感を覚えるよりも、

とにかく先に胸がドンと思いきり重くなった。

小説は読み終わったものの、いまだに終わっていないような感覚になり、テレビもつける気がせず、ただ苦しみながらも考え込んでしまう。

いくつか前の、レビュアーの人が「鬱」という言葉を上げているように、読者の気持ちまで思い切り曇らせ、苦しくさせる小説にまず間違いはない。

純粋すぎる故に体感する少女の辛苦が途切れない。

中盤(主人公のブレイク)から、「それ以上、がんばるなよ」とおもい、溜息を吐きながらも読み進めてしまう。

学校と仕事を両立させ、それでも懸命にこなしていく彼女の疲労感がストレートに伝わってくる。

終盤(主人公の恋愛が、仕事に影響を及ぼし始める)に近づけば近づくほど、胸が締め付けられるおもいがしてくる、かなり痛い。

読んでいて、物凄く疲れた。長いから、とかいう理由ではなく。

そういった意味で、思い切り読者の心を揺さぶることの出来る作品だとおもう。上手くかけている。

インストールや、蹴りたい背中よりも、明らかに現実的でありながら小説的だと感じた。

芥川賞を受賞させるなら、こっちのがいいな。

「夢を与える」、という言葉の哀しさ。

この小説が作り出す、悲哀と辛苦に、苦しくならずにはいられないです。

1300円近く買った甲斐があったとおもいます。
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4309018041
No.10:
(5pt)

ごぼう抜き

本作品にて、目もくらむような天与の才に加え、努力し続ける才能、文学という芸術に献身する覚悟、本を読まない人/訳知り顔の中途半端な本オタク/玄人衆の勝手援軍などの有象無象に耳を貸さない強さ、その全てを持ち合わせていることを天高らかに証明。

わずか三作目にして、賞を取ったとか取らないとか、著者の若さだとか容姿だとか、評価するとかしないとか言うのがバカバカしくなるぐらいにあっさりと、何もかもをごぼう抜きにして一気に頂点に到達。

雑文稼業やお座敷芸(文化人活動)に精を出さずに、常に全身全霊をかけた渾身の作品を世に問うことが許される作家、という村上春樹のポジションの継承者は、綿矢りさこそふさわしい。

4年にいっぺん、この水準の作品が読めるのならば、どんなにあざとい/自意識過剰な/力を節約した小説を日頃読まされ続けても、一向に構わないぐらいだ。

泣けた、考えさせられた、最後まで読めた、人に話せる、という四条件を満たす、毒にも薬にもならない小説では飽き足りたらず、文学が毒か薬か麻薬であることを求める全ての人に。
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4309411789
No.9:
(4pt)

面白かったけど、長かった

読むのに時間がかかりましたが、最後まで一気に読みました。

夕子の行く末が気になって、止まりませんでした。読み終わってみれば、

ああ、こういう結末か。普通といえば、普通かな……で終わりました。

読んだ後、少しだけ小説世界に囚われはしたのですが。

綿矢さんの作品は、前作蹴りたい背中しか読んでいませんが、

そちらに比べると、今回は「作ったなあ」という感じがしました。

感性に任せた作品よりも、個人的には作った話の方が面白くて好きです。

しかし作ったものに、騙されている間はいいのですが、

ちょっとでもリアリティにかける部分が透けて見えてくると萎えてしまいます。

芸能界の描写は、リアリティがあるようで、ふわふわとしていたし、

そこの登場人物が微妙にステレオタイプな気配もしたし。

いくら恋愛にトチ狂っていたとしても、ビデオは撮らさないだろう……とか。

それが原因で破滅というのは、ありきたりだろうとか。

ゆーこがつきあう男の人も、少々古くさいタイプの気がしました。

中学時代の男の子も、もっとこう最後に絡んでくるかなと思ったのですが、

そうでもなかったし。

細かいところは少し気になったのですが、

最後まで飽きることなく読みました。

けど、こういう話は、誰かが前にも書いていそうな気がします。

綿矢さんでなかったら、このネタの話は読まなかったかもしれません。
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No.8:
(3pt)

救いが無い…かな?

初めて、綿矢りささんの作品を読みました。

主人公の夕子の母親が、去っていこうとする父親を

引き止める所からストーリーが始まり、彼女の思惑通り

夕子が生まれ…美しく健やかに育っていく過程。

芸能界でのシンデレラストーリー…

ありがちな要素だとは思うけれど、栞を使わずに

一気に読むことが出来ました。

物語に引き込まれていた感じです。

人間の裏の部分、「好き」という感情だけに溺れて冷静に

状況判断が出来なくなってしまう若さ故の過ち…

きっと誰もが感じた事のある負の側面を巧みに描いていると思う。

けれど、ラストは余りにも救いが無い終わり方で

とても悲しく、気持ちが沈んでしまった感じがします。

もう少し、主人公が立ち直る過程を描いても良かったかな?

と感じてしまいました。

良く出来ている作品だとは思うのですが、正直時間が経って

読み直したくなるかな?と考えると、どうも私はこの本を

手に取ることが無いだろう、と思うので★3つにしました。
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No.7:
(4pt)

優秀な作家であることは認めるが・・・

この作品を通じて私が感じたのは次のことです。

 綿矢りさは「芥川賞を受賞するにふさわしい文章力をもっていて」、「周囲の評

価に浮かれない現実的な感性をもっていて」、「彼女のような特殊な状況に置かれ

た人間しか体感しえない感覚を作品に昇華して他の作家との差別化を図る」ことに

よって、自分の存在や能力を証明したかったのかなとということでした(村上龍あたりに)。

そして、その試みは実にその通りの成功を収めていて、きわめて優秀な作家になり

得る資質をもっていると感じましたし、途中で飽きることもなく、一気に読み進め

ることもできました。

 しかし、私はこの作品に満足したのか?ということになると、それとこれとは

全く別だと言わなければならなくなります。

 まず、作品に人間全体に対する愛情が感じられない。あるのはあやふやな不信だ

けだ。作者が愛情(愛着)を感じていない母親から生まれた主人公の行動に対し

て、外見が美しくて素直な性格を持っているという理由だけで、私は親愛感を感じ

たり悲劇を共有することが出来なかった。

 「蹴りたい背中」では、主人公(自分自身)に共感を放ちつつ批判的でもあると

いう絶妙な距離感を発揮して私たちを驚かすことが出来たが、この作品ではその

バランスが崩れてしまっているように思えました。

 ただ、まだ綿矢りさは大人と呼ぶには若すぎるので仕方のないことかもしれない

し、その過渡期的な感覚を、優秀な文章力で切り取ったという意味では悪くないの

かもしれない。

 今後は、「人間に対する不信感」を克服した、あるいは克服しようとする姿勢を

見せるような作品を期待したいですね。
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No.6:
(2pt)

恐ろしく凡庸であるが故に・・・

処女作インストール、芥川賞受賞作蹴りたい背中ともに読ませていただいたが、

恐ろしく凡庸であった。今作は今までとは違い、ページ数も増え、若干勉強したのかな?的な

印象を持ちつつ読ませていただいたが、これは・・・とてもじゃないが綿矢りさという

ネームがなければおそらく誰も買わないであろう作品である。

あまりにもありきたりな設定、ありきたりなストーリー、ありきたりな流れで読んでいる人には

歯痒く感じられたであろう(もちろん悪い意味で)

中身で言えばそこら辺の同人誌サークルのような作品である。

全くもって発想が陳腐、この一言に尽きる。特段目を引く描写もなければ、特にはらはら

させられるストーリー展開もない。

この作家にこれ以上期待するのは過酷だろうか?

しかし、この作家の作品に期待しているティーンエイジャーも多いであろう。

これからに期待して☆2つである。いろいろな体験をして感性を磨いて欲しい。
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No.5:
(5pt)

やっぱりスゴイよ!!

芥川賞受賞第1作。前作「蹴りたい背中」を読んでから、

次回作(文庫版『インストール』に書下ろし短編はあったけど)

を楽しみにしていたので早速読んだ。

 一人称での小説しか書かないのかな、と勝手に思い込んでいたので、

まずその抑制の効いた三人称の文体に驚かされた。

そして、作品の中で流れていく長い長い時間。

主人公であるところの夕子が生まれる前から物語は始まり、

二十年ばかりの彼女の成長が夕子の目線で描かれる。

 

 「選ばれた容姿」を持ち合わせた夕子に対する世間の狂乱ぶりは、

広末涼子や宮澤りえをマスコミが叩きのめしたさまを思い出させて、

ぞっとした。

そして著者自身が芥川賞を受賞したときの、

報道の異常な加熱ぶりを描いたものなのか、とも感じた。

 何というか、特筆すべきシーンは個人的にはなかったのだが、

とにかく「しおり要らず!!」という感じで一気に読まされた。

それだけ文章が上手いってことだろう。

 根底に流れるテーマは多分たった一つ。

デビュー作「インストール」そして芥川賞受賞作「蹴りたい背中」と同じ。

「人は生きている上で、自分が思っている以上に誰かに守られている」ということ。

今回の作品には、「守られている」に加え「信頼されている」という

キーワードがプラスされている。

自分を守ってくれている手、信頼で繋がれている手。

それを気づかず離してしまい、愚かにも自分をぞんざいに扱うことの怖さ。

それが今のところの綿谷りさの小説のテーマなのだと思う。
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No.4:
(4pt)

何だかんだで、結局ハマる。

読後の感想としては、「何だろうな〜この小説。こんなのが書きたかったのかなぁ〜。」と素直に思った。綿矢さんの小説を期待して(自分の勝手なイメージで)いただけに「何でこれ何だ」という思いが強く残った。独特の「何か。」を残す読後感はあるものの、経過を詰み込みすぎたのか、一気に世界を広げすぎたのか。皆が言う様に自分のイメージを打ち破る反骨的な実験小説なのか・・・。
主人公(作品)の疾走感(本人の意志以外で巻き込まれる大きな流れ)が作者の焦燥感(作品、イメージ等の重圧)と重なり読者の心に訴える。それが狙いか?だったらハマってしまいました。今までの作品を期待している人には??
次回は切れ味鋭い短編を気持ちよく読みたい。
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No.3:
(5pt)

次の段階へ

作者名を見なければ、即座に綿矢りさだと気づく人は少ないのではないか。と思えるくらい、前2作とは何もかもが様相を画している。

まず、全編を通して前作まではほぼ使われなかった三人称を採用している。軽快なリズム感、深遠な心理描写はなりを潜めたが、物語に引き込む、緻密な描写にシフトしていて、全体の完成度は完璧だと感じた。

また、前作までに指摘されていた句読点の少なさも改善されていて、今では、逆にあれは高校生の一人称表現だからそういう書き方にしたのかな、などと思ってしまう。綿矢りさたる独特の表現は減りはしたが、でも、こういう↓表現は、ああ綿矢りさだなあと思える。

「怒りを内へ押し込めたままでいると、憎しみのガソリンがはらわたに染み込み、怒りの火種を近づけてしまえば内臓は勢いよく焼けただれてしまい、下痢になった」 13ページ

極端に長い、上下巻で分かれているものは別として、

一気に、一息に読めない小説は、もうその時点で読者を裏切っていると思う。

辛い描写や重い描写があって本を伏せたり、そもそもしんどくなって閉じてしまったら、物語に入り込むという役割を果たせていないと考える。

本作は重かった。辛い描写もたびたびあった。

でも本をめくる手は止まらず、300を越えるページ(前2作を足しても全然足りない)を読み終わるのは、非常に心地よかった。

本を読むという行為は紛れもなく、一人の世界。そこで感じる事は決して共有出来ないし、傑作と感じたものを他者に理解してもらえない事も多い。

ただ、本作は傑作だった。感じるものは違えど、数あれど、多くの読者の琴線に触れうる作品だと感じた。

「なんでも話すのは心を開くことに似ているが、心を開くことが勇気の要ることだとしたら、なんでも話してしまうのは惰性で、言ってしまったあとに鈍い後悔がつきまとう」 本文212ページより
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No.2:
(4pt)

陳腐だと思っていると…

史上最年少の芥川賞を受賞した綿矢りさが受賞第一作として

発表した長篇『夢を与える』。前作の『蹴りたい背中』に比べ

ればタイトルも内容も陳腐です。せめてタイトルだけでもどう

にかならなかったのかと思いますが、読み終えた今、タイトル

はこの『夢を与える』しかなかったんだろうなぁ、と思い直し

ました。ストレートに見えて、実はかなりひねってあるタイトル。

それは当の中身にも言えることです。

が!読み終えてから数日して、気が付かされてしまいました。この

小説のどこが陳腐なのだろう? ぜんぜん陳腐じゃない。これはどっ

からどう見ても「実験文学」ですね。

芥川賞の史上最年少受賞とその容姿から爆発的人気を得た綿矢りさ。

ストーカーにも悩まされるほどの人気。

つまり、この小説はそんな「アイドル的」人気を集めた作者自身を

反映したものなのです(と、かってに解釈)。

芥川賞受賞第一作という状況下でこの作品を発表したこと自体も一つの

実験なのではないでしょうか。

いやはや、怖い。やはり、この人は天才のようです。

しかしながら、次回作は破天荒なもの、破綻しているようなものを読みたい。

もしかすると、「何か」をやるための「準備段階」なのかもしれません、この小説は。
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No.1:
(3pt)

ミーハーな読者には楽しく読めると思う。

芥川賞を受賞した女子大生作家として注目された綿矢さんと、この物語のヒロインの
美少女タレント夕子の姿を重ねて読む人も少なく無いだろう。また、大学進学を
タレントとしての売りにした、とか、ステージママが怖いほどのめりこんでいる、という
設定を見て、実際に週刊誌をにぎわせた女性タレントのあの人やこの人を微妙に
イメージして読むのも、もちろん「あり」。
夕子が落ちていく悲劇は、10代後半の女の子の危うさゆえにあるのかも、という
リアリティがある。
少しひねくれて意地の悪い目線の「蹴りたい背中」や「インストール」と比べて
全体的にセンチメンタルで、少女小説的な甘さもあるけど、悪くは無い。
自分が文壇のアイドルとして扱われた経験に対する答えがこれだとすると、
たくましいなーとも思う。今までになかったふてぶてしさみたいなものが
文の端々から感じられて、透明感の代わりに地に足のついた力強さを
身に着けた綿矢さんの次回作も楽しみだ。
夢を与える (河出文庫)Amazon書評・レビュー:夢を与える (河出文庫)より
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