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夢を与える
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夢を与えるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全134件 101~120 6/7ページ
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新作ということで、購入。 主人公に一切、共感出来ず、終了。 ただただ、主人公が周りに流された。っていう感じ。 終わり方も納得のいくようなものでは無かった。 題名が題名だったから、もっと柔らかいものだと思ったけど。 りささんが頑張ったんだな、という事は分かる。 | ||||
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一夜にして日本中から注目される人物になった 綿谷りさ自身のシンデレラストーリーを投影させたかのような作品でした。 驚くべきことに、これまでの2作とは文体がまったく違います。 自らの経験を交え、身を削るように書いたであろうことを想像すると痛々しく、 そして新しいジャンルに挑戦した彼女の逞しさも感じられる意欲作です。 しかし主人公の苦しみや孤独がうまく描き切れておらず、 かわいいアイドルであるはずの主人公に、読者はまったく心ひかれない。 ファンになり、応援する気になれないから 彼女にタレント生命を脅かす致命的なスキャンダルが発覚しても、 読者は彼女に同情することができない。 そのへんの甘さが残念。 後半は18歳の女の子に味わわせるにはあまりに厳しい展開に・・・。 いくつか気になる点はあっても、 ここまで作家としての幅を広げてきたのには拍手。 次は何を見せてくれるのか楽しみ。 期待の意味も込めて星は3つにとどめておきます。 | ||||
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河出書房が最年少芥川賞受賞の狂乱の日々から守りに守りぬいた綿矢りさの受賞後第一作である。 多くの方が感じてると思うのであるが主人公の「阿部夕子」は「綿矢りさ」に置き換えられるといえる。きっと綿矢りさ自身も小説を書くことで「夢を与える」ことを目指すことを河出書房から期待されているのだろう。 作中に出てくるパーティーで小さなバックが名刺であふれるとかインターネットで誹謗中傷されて傷つくとかいった類の表現はまさに自身の体験からくるものであろう。 綿矢りさと同世代の方には終盤部分は共感しにくいだろうと思うが、「蹴りたい背中」のように必ずしも主人公に感情移入を求めているのではない小説であるのだろう。 加えて言うならば綿矢りさが恋愛に対しての成長をすれば、引っかかるようなこの部分はきっと変化をとげるのではないか。 しかしながら、私小説によらない物語づくりという点は評価したい。時代性を反映した世俗的なものをちゃんと書けている点も評価する。綿矢りさはもっとエンターテーメント小説を書いてもらいたい。 | ||||
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題材が芸能界やステージママなのに妙にさわやか、というか 登場人物に生々しさが無く、入り込みにくかったです。 淡々としてる分サクサク読めますが、長いわりにはラストはぱっとしなかった。 次回作に期待したいですね。 | ||||
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今までの作品とは異なり、長い時間に亘る物語が描かれる。 いくつもの挿話が登場し、ひとつひとつが丁寧な筆致で述べられ、積み重ねられてゆく。 しかしはっきり言ってその挿話は無駄に多すぎるだけで、人物像を的確に描き出すことには 少しも貢献していない。その結果、この小説で語られる世界は、血が通う生きた人間が 活動する場所ではなくて、全体としてどこか存在感の希薄な幻のようなものになってしまった。 物語の後半、主人公にはある「事件」が起きるのだが、読む者には主人公のそれまでの 十数年にわたる人生の重みがうまく伝わっていないため、事件はその場かぎりの衝撃を もたらすだけで終ってしまい、タイトルの意味が生きてこない。残念である。 読後、とりとめの無さだけが心に残った。全体の出来としては「蹴りたい背中」から かなり後退していると言えそうだ。 作者には、技法的な課題として「全体の構成」と「三人称の文体」という二つが 残されたと思う。それらを解決して十分な成果が生み出されてくるまでには、 もう少し時間が必要であるようだ。次回作に期待したい。 | ||||
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自分はまだ高校生で、綿矢さんともこの本の主人公とも年代が近いこともあり読みました。主人公の成功から失敗までの人生を急スピードで書いているのですが、「さすがにこれはないだろ〜」ってことばっか起きていて、終盤イライラします。 でも、この主人公を反面教師として扱うならアリかなぁという気はしました。 | ||||
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追いかければ追いかけるほど欲しいものが離れていく感じ、そこに固執するあまり、簡単にそこにあったものをなくしてしまう感じが、ひどく醜いのに、とてもわかるような気がしました。 | ||||
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過去2作もマスコミが大々的にとりあげていて賞もとって売れたけど、全く稚拙な中身のない作品だと思っていました。それでも本を読まない若い世代には訴えるものあったようです。ただ今作は、そういった若い人が読んでも爽やかな読後感は残らないし内容のある作品とは思えませんでした。やはり稚拙な印象を持ちました。不満な点、20数年という長い期間を描いていながら全く積み上げてきたものを感じられない。中学時代は少し描かれているが学校生活自体についてほとんど描かれていない。高校は皆無。やっぱり不自然。主人公、父、母、その他の登場人物の誰一人感情移入できる人がいない。会えて挙げれば事務所の社長(笑)そもそも芸能人というのは「そういう物」でしょ。今更著者が描くまでもなく皆がわかっています。この辺がいかに作者の実生活の世界が狭いかを象徴しているものと思います。最近の月刊誌に対談が載ってたけど綿矢さんは、「本を書いて世の中に何かを訴えたり、変化を求めてはいない」「世間のことには関心がない」「作家同士のつながりはない」「外の現実世界ではなく自分の内に向かって書いている」こういう趣旨のことを言ってます。私はこのすべてに対して「ぜにをもらう作家」としては失格だと思いました。いかに考え方が幼稚で世界が狭いかを示すものと思います。だから本を読む世代には受け入れられないでしょうね。あと大学4年間結局何も作品を残していませんね。これだけインターバルを開けてオリンピックじゃあるまいし、大学4年間何してた?どうも作品中の夕子と綿矢が重なります。 | ||||
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テーマは(これを書くにあたって考えるに)、ずばり、不条理、なのかな・たぶん、と思うんですが、タイトルがどうも引っかかります。 世間のしがらみや近しい人たちとの葛藤のなか、子供なりに誠実に人生を積み重ねてきたつもりなのに、なぜかだんだん違う方向に流されていってしまい最後は空っぽの自分になるというあらすじだと思うんです。 仕事上では、大人顔負けに冷静な判断を習得してブラウン管を通して誠実に(夢を与えていく)も、私生活ではある日、恋に落ちて奔流に流されるままに行き着くところまで行き着き、その後も相手の奔流を(その相手に夢を与え続けるかごとく)受け入れていく、その個人的には一貫した姿勢が、世間とのずれを生じ・・・ 恋をする後半は、とても力強く感じました。前半は、息もつかせぬ仕事の合間のほっとしたときの情景、情感の表現がとても好きです。この作者ならではと思います。 インパクトは、芥川賞作が上かなと思いましたが、力強さと表現の幅の点ではこっちが上だと思います。 | ||||
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“「サボ、勃たせてんじゃねえぞ」正晃が画面に向かって声を飛ばす。 「あ、イく」男の身体から降りると、股間から伸びる粘液の糸を太ももで切って 立ち上がり、バスルームへとよろめきながら、歩いていった。”(以上本文より抜粋) カメラが回るのもお構いなしに、男をつなぎとめるためセックスに身を委ねる夕子。 その映像がネットで流出したからといって、撮影を許した夕子の稚拙な考えに誰が共鳴するだろう。 受験勉強のために与えられた時間を、こんな事に費やしてしまうほど世の中は甘くないし、 主人公に共感する(これ以上のことはない)読者は、あまりいないのではなかろうか? 文体が酷い。文章のすべてが手抜きではないかと取られかねないほど幼稚で軟弱で平板である。 過去の二作品のエンディングで散々指摘された不十分な終わり方を克服しようとして、 平和に育った主人公・夕子のこれまでの生活と、この先の将来の姿との絶望的落差をもって、 作品の終わりを悲惨なものに仕立て上げ、雷に打たれたような印象を際立たせたかったようですが、 夕子にそれほど感情移入できない読者にとっては、この試みは見事失敗に終わっている。 前作(「蹴りたい背中」)で手厳しい評価を与えていた方にとっては、予想通りの 坂を転げ落ちるような作品のレベル低下です(私は前二作とも評価していたのですが…)。 | ||||
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結構分量もあるし私は普段小説はあまり読まないのでどうかなぁと思ったんですが、 いざ読み始めたら一気に最後まで読めました。 私はあまり難しいことを考えずに、とにかくその作品がおもしろいかつまらないか、 そこそこかと結局はそれしかないと思うので、そういう意味ではなかなかおもしろかった。 ただ、途中で出てきた多摩という名の男の子や、 その他伏線になっているのかなという部分が、 結局最後まで特に生かされずに終わってしまったのは残念。 それも含めてなんかぶつ切りにされてしまった気がするラストに関しては、 不満と言うか後味の悪さが残ります。 これに関しては各々の好みの問題かもしれないんでなんとも言えませんが。 結構厳しい意見も多いですが個人的にはおもしろかったです。 ただ小説を数多く読んでいる方には物足りなさがあるのかも…ということを付け加えておきます。 少々甘めで星4つです。 | ||||
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何を訴えたいのかよく分からない作品。最年少で芥川賞を受賞し、その重圧に押しつぶされそうになっている自身をヒロインになぞらえたのか? 以前から「芥川賞」「直木賞」の受賞作には疑問を抱いていたが、「蹴りたい背中」の芥川賞受賞のニュースには力が抜けた事を思い出す。しかし、これは勿論綿矢りさのせいではなく、今の文学界の体質のレベルの低さが原因。 綿矢りさには「インストール」の様な伸びやかな作品を期待したいが、このまま消えてしまうのか??? 周りのプレッシャーに流されずにマイペースで執筆し続けて欲しい。 | ||||
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著者の久し振りの作品、かなり身構えて読みました。主人公の夕子さんではありませんが、著者も急激に成長しているんだな、などと想ったりしました。読み終えた時、とても重苦しい恐ろしい悪夢を見たような読後感が残り、半ば呆然としてしまいました。打ちのめされてしまったかのようです。 冒頭の、別れ話から始まって避妊具に細工し続けて妊娠し結婚を迫る、というあたりから、何かが始まる予感に、あっという間に小説の描かれる世界の中に惹き込まれてしまいました。「夕子さん」が理想の子供を演じ始める時から、いつかその理想が崩れ、打ち砕かれるだろう事は想像がついたのですが、然し、その最期があまりにも無残で、またリアルに描かれていて、私はショックを受けてしまいました。 私が大江健三郎氏の著作が好きなのでこう感じたのかもしれませんが、「夕子さん」がモデルとして活躍し始めた時のインタビュー「将来の夢、未来は?」に対してマネージャーから「夢を与える」と応じればいいと受けた時の彼女の違和感、「ほんとうの夢じゃなくない?嘘ばっかりじゃん?」、・・・この下りを読んでいる時など、私は大江健三郎氏の短篇「鳥」の、「嘘だ!」と叫ぶ主人公とダブッて感じたりしました。 著者・綿矢さん、この作家は何か私には得体の知れない恐ろしいものをその裡に秘めているように感じました。読んでいて時々、読者に「本当の私を見つけて!」と密かに叫んでいるかのような、著者の孤独感、寂寥感(作品を創造する孤独な作業に繋がるかのような)を見た気がしました。中盤、”夕子さん”が”本物では無い自分を演じる姿”に悩む場面、私には少し冗長に感じられたのですが、その隙間に、著者・綿矢さんの”書きたい”情熱が滲み出ているように感じられました。 | ||||
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20代の前半で、よくまあここまで書いたと拍手はしてあげたいが、最後の方が、今一つ。芸能人でブレイクして、実際はそんなにあまくはないのではというのが、本音。母親の揺れる気持ちの描写はうまいが、チヤホヤされて、芸タレで容姿に恵まれた女の子の心のゆれ方が今一つだなあと思いました。やはり、そこは芥川賞をとっても、隠しきれない作者の若さゆえか?と思うと年をとるということも悪くはないなと思いました。きっと、これから熟していけば、きっとものすごい作家さんになってくれると思うので、ゆっくり作家生活を送ってほしいなと思いました。 | ||||
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最年少芥川賞受賞で大いに注目された綿矢りさ。ルックスの良さも話題になりました。 いまだに綿矢さんをアイドル視するファンもいるようで、本書刊行時に出版社が用意した 顔写真入りの宣伝物が、書店店頭から盗まれるという小さな事件もありました。 アイドルではなく作家。著者はそのジレンマを少なからず感じているのではないでしょうか。 そしてそのジレンマがこの作品を描かせたのではないかと感じました。 というのは、作品からわき起こるメッセージ性は強く、細部に渡り丁寧に描かれ、 約3年かけてこの作品のためだけに力を注いできたのが物語から感じられるからです。 並々ならぬパワーを宿したこの作品は、綿矢りさの進化形であると断言。ぜひご一読を。 | ||||
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読後まず感じたのは「一生懸命書いたんだね」と、綿矢リサに対しての感情だった。 その感情は本に対する感動ではなく、綿矢リサ執筆力への淋しさなのである。 アイドルに祭り上げられていった女の子が恋愛で躓き転落する。それだけでは深みがないと感じたのか、主人公の両親が結婚に漕ぎつけたいきさつも加わる。 これまでの綿矢作品と異なり、作品の分量は多い。が、中身は薄い。 それは、彼女が描いたものは、小説として前菜程度であり、メインではない。 決定的なのは、ラスト記者に委ねたことだ。 この締めが、この本のレベルを決定付けた。 同じような美しい女を描きった『グロテスク』桐野夏生著のように、 職業作家になるのであれば作品として描ききれなければ綿矢りさは必ず消える。 | ||||
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親子も、恋人も、堕ちていくことも、皮肉も、ふつうの素直さと同じくらい、ふつうにひねている。 | ||||
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「私は普通の女の子より早く老けるだろう」みたいなことが帯に書いてあって、『愛人 ラ・マン』の「18歳で私は年老いた」のコピーを思い出した。あと気になったのが、日仏ハーフのトーマという人が出てくるがトーマはドイツ人の名前である。 | ||||
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夕子は幼児期から芸能界に関わり続け,高校入学を機にブレイクします。 いわゆる「子役」ものと言うと,山岸涼子「潮の声」(←まじこわい)や杉田かおる「すれっからし」,岡崎京子「リバーズエッジ」などが出版物で思い浮かびますが,この夕子はそれらのおんどろおんどろしいとは一線画す,健康ぶりです。彼女を守るために母親と芸能プロダクションの張り巡らす防護ネットは,上手に機能していました。 まじめに物事を捉える愛らしい少女は,人気者になることで何を得て何を失うのでしょうか? 少女はどれだけ物事が分かっていて,どれほどに分かっていない存在なのでしょうか? 「健康的で,愛らしく,大衆の視線を浴びて成長し,老若男女から愛されている」人物が主人公とあり,どうしても作者の影が強く感じられます。 中にこんな一文がありました。 「向いてはいないけれど、選ばれた。そうつぶやいては虚栄心を自分でくすぐり、自信の糧にした。」 これは厳しいです。こんな認識の下で人生送っていたら,それは苦しいです。 叫べない悲鳴が全編に響いていました。 | ||||
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前作2つと、作風が大きく変わっていて、「へえ」と単純に思いました。 人間が、人生の中で味わう喜び、悲しみ、辛さなどが詰め込まれ、主人公がただひたすらチヤホヤされつづけたり、ただの自分探しだったりという内容ではなくて、安心しました。 しかし、文体というか、作風が、最近流行の、携帯電話小説のようなイメージも抱いてしまいました。恐らく前2作、とくにインストールでの文体のイメージが強すぎたからでしょう。前2作、とくにインストールは、「よくこんなこと思いついたな」と、作品の内容に関心しましたが、今回は、「よくこれだけの量を書けたな」という思いが強かったです。 インストールは何度か読み直ししましたが、多分この作品に関しては読み直しはしないだろうと思います。それは駄作、という意味ではなく、1度で理解できるというか、そういう作品だと思ったからです。 作中でも、主人公がネットで中傷される、というような内容がありました。もしかしたらこういうレビューもそういったものになるかもしれません。 ただ、私は、単純に綿矢氏の作品が好きで、好きだからこそ、こういう感想も持ちました。 文句を言うくらいならレビューなんて書くな、そもそもお前にこの文章が書けるのか、と思う方もいるでしょうが、誉めるばかりが読者とは限らない、と思っています。 次の作品を期待する気持ちと、今回の作品への気持ちを込めて、星、3つ。 | ||||
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