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夢を与える
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夢を与えるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 1~20 1/3ページ
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読みやすい | ||||
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綿矢りささんが、お書きになりました。 テレビは、自惚れているですか? 確かに、みんなの目線がいきますね。 先生も、これからも頑張ってください。 ご健闘をお祈り申し上げます。 | ||||
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ブームだと人は寄ってきて、一度なんかあると好き勝手言う。 お昼のワイドショーを隠喩してるみたいな印象をラストは感じた。 アイドルが卒業後にYouTuberになったりしたのを好き勝手言うのと似てる。 | ||||
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有島武郎の「或る女」に通ずるものがあると思いました あれもラストは転落で終わるのですが、何か深みのある小説というよりはフィクションの人物の人生ドラマを観賞しているような気分になりました。 あまりにも悲しく最後の方は読むのがつらくなります。なぜ機能不全家族ではあるものの温かく育てられたゆうちゃんが悲惨なラストを迎えなければならないのか理不尽に思うほどです。 しかし、こんなに悲しい小説なのにしばらく経つとまた読みたくなるような、引き込まれる魅力・繊細な表現力があります。 多摩の家が空き家になっていたときの虚無感、当たり前に人は変わるというさびしさには深く共感しました。 まぁ、3回目を読み終えた今、もう読みたくない満腹感でいっぱいです。 | ||||
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幼い頃からモデルで、長ずるに従って人気ものとなった主人公。そして、が描かれた作品。 華やかさの裏側の~、みたいな予想しましたがもとちょっと違う。 父と母が結婚するに至った過程、そして二人が冷えていく様が裏側にあって、主人公の生き方に微妙に影響を与えている。その微妙さ加減が、他のアイドルものとは違うのだろう。 クライマックスは、ショッキングな展開になり、やるせない気分に浸ってしまった。よくある話ではあるものの、読み終えるとタイトルが意味が違ってみえる。 それにしても、登場人物の男性たちはよく泣なぁ。 | ||||
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長い。でも飽きずに読ませます。 お母さんのことを描いた話かと思ったら主役はその娘。 キラキラした話が徐々に暗転 最後は衝撃です。ホラーです。 読者は赤ちゃんの頃からを見ているので、 もはや母の気持ち。 最後に思うのは、芸能界になんて足を踏み込まなければよかったのに。 母の結婚へのエピソード~母の失望まで、を描いたやっぱり母親が主役の小説なのかな。 その構成が新鮮でとても面白かったです。 | ||||
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綿矢りささんの本は初期の五作まで読んでます。 十代の時に書かれた処女作『インストール』と『蹴りたい背中』は思春期特有の内面を瑞々しい感性で、 四作目以降の『勝手にふるえてろ』と『かわいそうだね?』では現代女性のこじらせた業を描くようになった印象でした。 その間の三作目にあたる本書はどちらにも属さない、創作で苦労していた時期に書かれたもののようです。 実際、レビューの評判もあまり良くないようです。 綿矢さん独特の文章表現や、芥川賞作家の力量、芸能界の描写を期待すると肩透かしを受けるらしく、話自体も後味が悪い。 けれど、個人的にはこれが一番好きです。 タイトルの意味やアイドル云々は置いておいて、自分は本書を 『不特定多数の目に晒され続けて忙殺された少女が、すり減って壊れて破綻してゆく話』だと勝手に思っています。 食うものが無いとか撃たれるといった命の危険がなくても、 容赦ない環境に精神を長い間晒されると、人間ああいう壊れ方をします。 忍耐力とか、喜怒哀楽の振り幅とか、大事な局面での判断がおかしくなってゆく。 しかも傍目には事情がわからないから、馬鹿で愚かに映るところまで再現されています。 ついでにこの子は子供の頃から特異な世界にいたので、偏った思考にならざるを得ない。 同時に本書は人間同士の縁や恋愛を、現実的に冷静に描いています。 学生時代に仲の良かった男子と終盤再会できたら救いになったでしょうが、実際はあんなものですよね。 主人公はいくら尽くしているつもりでも、彼氏の心は離れていく。 けれど根本的に噛みあってないのはベッドシーンの映像でなんとなくわかってしまう。 ラストは本当に辛いけれど、安易にハッピーエンドにしなかったのは却ってよかった気がします。 奇跡とか無理矢理な形で救わせたら、陳腐に感じて自分は興味を失っていたと思います。 痛手を受けた主人公が回復して社会に復帰するのはかなり先でしょう。 できればその後日譚もいずれ書いてほしいですが、現在の創作活動やインタビューを見るとちょっと無理そうですね。 『勝手にふるえてろ』以降からご自身の方向性を見出した感があるので。 むしろ普段綿矢さんを読まない人や、仕事に忙殺されてささくれた気分の時の方が本書は共感できるかもしれません。 | ||||
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こういう人、きっといっぱいいたんだろうな。 文字で読むと切ない。 | ||||
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子役で芸能界に入った主人公が、18歳でスキャンダルにより芸能生活を終えるまでの、人生の起伏、出会い、別れ、恋愛がたっぷり詰め込まれており、自分の知らない世界を垣間見ることができました。 冒頭の、主人公の父親と母親のエピソードが、その後の展開で重要な役割を果たすことになるのが、面白い試みだと思います。 作者の作品を読むのは本作が初めてですが、オーソドックスな文体で、安心して読み進めることができました。 最後のトラブルがありきたりとの意見もありますが、突飛な展開よりも共感することができるので、これはこれでよいと思いました。 | ||||
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殆ど新品に近い状態で満足です。これからはこれに限ると思いました。又、ぜひ利用します。 | ||||
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小説を読む際に何を気にするか? 僕は『なんで?』と違和感を持った文を大事にする。 普通ではないコト、そういう部分にこそ作者の書きたい事が現れると思うので。 この小説で一番違和感を持ったのは、『契約期間の項には、半永久とあった』という部分だ。 変わり続ける子供に対して、『半永久』なんて契約はあり得ないわけで、僕はコレを『人間をモノ(将来的な価値を持っている商品)として扱う契約』だと読んだ。 モノ(タレント)として売り出す過程で、夕子は『人として学ぶコト』を普通の人より早かったり機会を失ったりしながら成長していく。確かにその過程はありがちなエピソードだ。でもとても丁寧に描きながら、緊迫のエンディングに向かう。 エンディングを解説で『ウエスタン』に例えていたが、同感! 僕は『居合切り』を思い出していた。 『売る側の代表:母』を一刀両断のもとに黙らせ、『買う側の代表:雑誌記者』に『あなた達が欲しがっている ”欲望にのみ動かされる” スキャンダルを売ることは出来るけど、やらないよ』と凄んでみせ、『人はテレビで見たいとは思わないだろう』という捨て台詞を吐かすシーンは圧巻だ。 しかし皮肉な事だ、『信頼』とか『夢を与える』という一見高尚な言葉は市場に出た瞬間、『一方的な不特定多数からの要求』に変わり果てるなんて。綿谷さんは、非常に冷徹に描いてみせたと思う。 | ||||
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タイトル通り「夢を与える」とはどういうことなのか?が、大きなテーマになっています。 主人公阿部夕子は、子どもの頃からモデルとしての生活をしています。 成長するにつれて、タレント「夕子」と個人「夕子」のギャップに悩みます。 と同時に、彼女は「隔離された」生活を強いられているがために、一般的な社会的知識と言う面で常識からかけ離れた存在になってしまいます。 限られた人間との接触と、仕事としての大勢の関係者という異常な世界で生きて行きます。 そして、子どもの頃に言われた「夢を与える」仕事について、その言葉の意味が理解できないまま忙しいタレント生活を送っています。 そうした息つく間もない生活から「大学受験」と言うドキュメント企画で、自由な時間が出来た時、ある事件が起きます。 言ってみれば、「純粋培養」の人間が、枠からはみ出た人間を見た時、その魅力に取りつかれてしまいます。 そこで起こった事件のために、彼女はタレントから脱落する危機に陥り、この時初めて「夢を与える」仕事の意味を理解します。 子どもの頃から、一般的な社会から切り離されて、精神的な成長・常識が備わらず、大きくなってしまった悲劇が起きてしまいます。 私たちは、テレビなどを通してタレントを見ています。 その「表と裏」をこうして見てみると、なかなか大変だなあと感じます。 その人生は、本当に「人間」として幸せなのだろうかとも思います。 小説は、大きな流れと共に、それぞれのエピソードで登場する、中学時代の男友達だったり、初めてキスをする女性タレントだったり、「死」を体感させてくれた女性だったりと、脇の人物設定が見事に活きています。 彼らの描写を通して、主人公の成長や性格が規定されて行くのが良く解ります。 素晴らしい小説でした。 | ||||
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この作家の小説は初めて読みましたが、私が小説に求める全てがあったと感じました。 現代的でポップな文体と時折散見される含蓄あるフレーズ…。 ただ若干不自然だと感じる設定もありました。 もっとも、この点は小説の価値を致命的に損なうものではないです。 本格的な恋愛小説を読みたい、という方にお薦めします。 | ||||
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蹴りたい背中という著者の圧倒的代表作があるが故に、どうしても比較してしまうのは致し方ない。それだけあの作品は綿矢りさの「アイデンティティ」であったからだ。 そのアイデンティティたる独特の表現力がこの作品にはあまりない。しっかりし過ぎている。確かに構成は理路整然。しかし、瑞々しさが失われてしまったような気がして悲しい。 一言で言えば、主人公夕子が芸能界で成長していく中で、恋愛に溺れて、築き上げた信頼や人気を一気に失っていくわけだが、ありがちでどこか雰囲気はどんよりと常に曇り空。 「夢をあたえるとは~」と、夕子は失ってから大切な事に気付く。しかしその過程は拙さを感じる。 母や父の設定やヒストリーもいまいちで、夕子の物語には深みすら与えていない。その変わった家族のバックグラウンドをもっと活かして欲しかった。 夕子はたくさんのものを失っただけだった。 | ||||
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申し分ないです。綿矢りさのファンとしては、不満はございません。 | ||||
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私はこの本を読んで衝撃を受けました。共感できました。そして吐き気をもよおしました。作品の感想は2つほど。 第一に,作品のテーマは,「自尊心」の罪であると感じました(個人的にはこの作品は「山月記」に似ていると思います)。主人公は周りの反対を押し切り,ある男性と交際を続けます。それは,初めて彼女が自分の手で探し当てた,自分なりの答えでした。しかし彼女は若く,自分が手にしているものに価値を見いだせず,それらを振り切りました。その結果,彼女は深い後悔に至るのです。それは,自尊心の恥を知った瞬間でした(もちろん,現実の世界ではこれは成長の一過程なのですが。)。「自分らしさ」というか,プリミティブな部分が原因で,自らの評価を落としてしまうという経験は誰しもがあることではないでしょうか。作中,それがほぼ最悪といってよい状況で再現されます。これに私はしびれてしまったのでした。 第二に,綿矢りさに糾弾されている感じを受けました。筆者は,クライマックスに向けて主人公の功績を積み重ね,終盤,容赦なく,一気に,それを奪います。忠告してくれた大人たちの信頼が途切れたとき,私はとてつもない喪失感と,「大人たち」の冷酷さを味わいました。この後味の悪さについて,筆者は確信犯です。おそらく綿矢りさは,自らの作品を通して,自分の(また人間一般の)闇に対する自責の念,それへの回答を披露すると同時に,そのような感情に無関係(と筆者自身は想定している)な第三者に対する糾弾でもしたいのではないか。そんな悪魔的感想すら抱きました。 あまり万人受けする作品ではないと思います。いずれにせよ,本当に興味深く,いい意味でも悪い意味でも思い出に残る作品でした。 | ||||
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わたしは傑作だと思います。 ただ、何かがリアルすぎて怖い。 最後の場面で、夕子が記者の手首をつかむ部分なんかオカルト級に怖い。 あまりに怖すぎて、この本を読んでのちシャワーで髪を洗う瞬間が恐ろしくなってしまいました。 なぜかわらべ歌「通りゃんせ」の歌詞が思い起こされたりして… 「行きはよいよい帰りは恐い」という部分です。おお、こわ。 ネット社会の恐ろしさを描いているとも思う。 『インストール』といい、デジタルネイティブ世代の作家ならではの展開だと思う。 それに父親不在の家庭。濃密すぎる母娘の絆。 「いい子」が母親の人生を、夢を肩代わりしてしまう。 与えるべき「夢」とは母の夢でもあったのでは。 母が頑なに守ろうとし歪めてしまった「夢」を追いかけるのが、娘にとって生きる糧にされてしまった悲劇。 子役とか、アイドルを見る目が変わりそうです。 文体も素晴らしいと思います。 独特かつテンポよく、わたしは一気に読んでしまいました。 つまんないって?う〜ん。同年代の時期に読んだら、つまらなかったかも。 おばはんになって、むしろ「社会派小説」として読んだ感想なのかも。 表紙から受ける印象からはまんまと裏切られましたね。 | ||||
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母親のエゴイズムと、そのエゴイズムの犠牲となった娘。 しかしその娘も愚かで、とくに読者の憐れみを誘うようには描かれていない。 私はこの小説を、母性神話(無償の愛を子供にそそぐ、とか)へのアンチテーゼ小説として読みました。 筋で言うと「芸能界残酷物語」なので、たしかに平凡ですが、作者はありふれた悲劇を、淡々と書こうとしたのだと思います。 筋も別に面白くはないし、主人公に感情移入したり、主人公がこの先どうなるんだろうと心配させれるように書かれてない(作者はあえてそうしていると思います)ので、確かに面白くはないけど、母性神話への堂々たる挑戦として、読後はおもしろいもの読んだ―という満足できました。 星4つにしたのは、「蹴りたい背中」とかに比べると、読むのにエネルギーが要ったから。 綿矢りささんは、最年少芥川賞受賞作家で、端麗な容姿もあいまって、話題になったけど、彼女の書く小説は相当ダークだと思います。 ちなみにタイトルの「夢を与える」は、完全なアイロニーです。この本を読む前に「インストール」と「蹴りたい背中」を読んでいた自分は、読み始める前から、きっとダークな、世の中の常識や思いこみに対して一太刀浴びせる内容だろうなーと思ってたら、当たってました。 | ||||
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一人の人間の内面をひたすら掘り下げていく小説としてとにかく圧巻、重量級。面白い。 「蹴りたい背中」ではクラスメイトという狭く深い人間関係を描いたのとは逆。本作では幼くして芸能界という広く浅い人間関係に晒され続けた少女の内面の変遷をこれでもかと綴っている。大人社会に早くから馴染んでしまったためか、主人公の夕子の芸能界に群がる人たちや同年代のクラスメイトに当てられるまなざしは冷め切っている。中学生にして、未熟な新人の必死さを鬱陶しがるベテランの域に達しているのだ。それが後半、恋を経験してしまうことで、逆にそれまでの自分を見失って芸ができなくなり、脱落していくのがハイライト。前半と打って変わって性描写一色となる。どん底に落ちる中、クラスメイトの家を何年ぶりに訪れるも引越しで果たせないという寂しいエピソードがいい。 前作まであった過剰に文学的な表現は抑えて、綿密かつ執拗な心理描写に集中している。それは正解だと思う。一文一文が面白いのでつい先を読まされる。取材と掘り下げに長い時間がかかったんだろうなと感じさせるし、綿矢りさ、が書くこと自体にも意味がある。読み終わった後にタイトルがすべてをみごとに要約していて、思わず涙した。 近著の「かわいそうだね」では浮気を友情と正当化する男と女の対決、自分に対して興味を抱かない男にベタぼれしてしまう女、という本書でも披露されているプロットがよりエンターテイメントの形で掘り下げられていて、それも面白かった。 | ||||
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高橋源一郎の『さよならニッポン』で取り上げられていたので読みました。それが先入観になっていたと思いますが、やはり「良い作品」だと思いました。『夢を与える』という題は「私は、この作品で私自身に夢を与えるのだ」という作者本人の宣言に思えました。 | ||||
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