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穢れた風



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【この小説が収録されている参考書籍】
穢れた風 (創元推理文庫)

穢れた風の評価: 4.17/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(3pt)

少し練りすぎたか?

ストーリー展開は面白いと思うのですが、最終的に少し小粒の内容になってしまったかも、と思います。
また、その中で色んな人物が絡まり過ぎて少し煩雑な内容になってしまった様に思います。

シリーズ全体的に面白いとは思うのですが、一番のお薦めという訳ではないかな?と思います。
穢れた風 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:穢れた風 (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

風力発電がらみの土地取引がからんだコンテンポラリーミステリー

映画化されてもいいような気がする。ちょっと語弊があるかもしれないが、メインの登場人物が挨拶がわりのようにsexする。これが現代ドイツ(欧米の一部)らしい。また、名前でよばれたり姓でよんだりよばれたりで、これだれだっけ、とおりかえしの人物一覧へ戻ることがあった。しかたないのだろうな。仕事上では姓をよびすて、私事となると名前で呼ぶ。よくあることだとおもう。
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No.4:
(4pt)

オリヴァーの脱線ぶりがすごい

このシリーズは全巻読みましたが、頼りにしていたオリヴァーがだんだん弱くなっていく様子がとても顕著に現れており、その情けなさが結構面白い。その分、ピアがリーダーシップを発揮するところもたくましく感じて読めました。事件に加えて、ピアの付き合っている人との関係の様子も少しずつ変化があり、共感持ちながら読める作品でした。ただ、登場人物の名前を覚えるのに一苦労、、、。
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No.3:
(5pt)

基となった実事件の解釈が少し違うのではないかと気になったが、ネレ・ノイハウスらしい、怪しげな容疑者が陸続と登場するミステリ小説

風力発電施設を建設するウィンドプロ社である夜、警備員の遺体が発見される。ビルに侵入者がいたと思われるが、事件の捜査を進めると、風力発電施設の土地買収をめぐって巨額の金が動いていたことがわかってくる…。
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 ドイツのホーフハイム刑事警察署のオリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン主席警部とピア・キルヒホフ警部たちの活躍を描くミステリ・シリーズ第5弾です。このシリーズは日本では2012年『』を皮切りに、2013年『』、2015年『』と翻訳紹介されてきました。(ドイツ本国の出版は、『』、『死体は笑みを招く』、『』、『』の順)

 今回の物語は、メルケル政権下で原発廃止に舵を切ったドイツらしい、再生可能エネルギーが大きなテーマとなったストーリーですが、大変興味深いのは、風力発電が手放しで称揚されうるものではないという考え方が背景にあることです。このミステリ小説の中では、風力発電施設は豊かな自然景観を汚す可能性があり、また施設建設用地の取得には大きな金額が醜い形でやり取りされることが描かれます。利権に目がくらむ人、利権を手に入れる人に強い嫉妬を覚える人、さらには、地球温暖化はその利権を生むための虚偽だとする人などが入り乱れ、事件は複雑化していくばかり。

 作者がこの小説の想を得たのは、作者自身の注記によれば、2009年に起こったイースト・アングリア大学機構研究ユニットのクラッキング事件からだとのことです。ただ、作者自身はこの事件をちょっと意地悪に解釈して、反地球温暖化の考えに肩入れしすぎているように私には思えました。
「森の枯死とオゾンホール問題では人間を脅かして、誘導することがうまくできなかったけど、人間が作り出した気候変動は都合がよかった。環境保護といえば、なんでも通るようになった。どんなことでも禁止することができるし、増税だってできる。世界の権力者たちは、全人類をおびやかすすばらしい敵を見つけたんだ。それはロシアでも、核兵器でもない。二酸化炭素だ」(316頁)
 こんな語り口の言葉が出てくると、やはり地球温暖化に警鐘を鳴らすこと自体が、裏事情がある、なにやら怪しげな事柄にちがいないと疑ってみたくもなるというものです。
 イースト・アングリア大学の事件について巻末でもう少し誰かが公平かつ公正に解説してくれてもよかったかもしれません。

 さて、600頁近い長編を飽きずに読めたのは、またしても名翻訳者・酒寄進一氏の見事な訳業があったればこそです。
 次はいよいよシリーズ第6作『』(原題の意味は『邪悪な狼』)の邦訳が登場するものだと期待しています。シリーズの中でもこの第6作の評判はドイツ本国ですこぶる良く、『』以上の面白さだと聞いています。手にするのが今からとても楽しみです。

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*235頁:チキンナゲット12個とビッグマック2個、フライドチキンの大にコーラの大をたいらげたオリヴァーを指して、ピアが「1万カロリーも摂取した」と言う場面があります。しかし「1万カロリー」では「10キロカロリー」にしかならないので、オリヴァーが口にしたファストフードの内容を見ると辻褄が合いません。
 原文を探ってみたところ、「zehntausend Kalorien」となっています。これは「1万カロリー」と訳したくなるところですが、日本語でいうところの「1万キロカロリー」のことです。英語でも同様で、アメリカ人が言う「ten thousand Calories」は「1万キロカロリー」と和訳しないと、和文の中では意味が変わってしまうのです。
 日本でもかつては「大カロリー」=「キロカロリー」と言っていた時代がありますが、最近はあまり耳にしませんし、厚生労働省の文章でも「キロカロリー」が用いられています。

*277頁:「『やめてよ。もうやめて!』マルクは絶望してささやいた」とあります。ささやいているのにどうして感嘆符がついているのか、まるで叫んでいるみたいにみえる、と訝しく思って原文をあたったところ、「Hört auf, hört auf. Bitte」となっていて、感嘆符はありませんでした。
穢れた風 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:穢れた風 (創元推理文庫)より
4488276091
No.2:
(5pt)

騙される快感

登場人物たちの主観視点を切り替えながら進む物語が特徴のオリヴァー&ピアシリーズ。
ある登場人物のモノローグでは見えないものが他の登場人物からは見えていたり、あるいはその登場人物にとって「語るまでもないこと」はモノローグに現れなかったり…。
読みながら真相を考えては騙され、読み進んではまた騙されを繰り返しながら読むことになります 笑

ボードゲームの「人狼」が好きな方にもおすすめです。
穢れた風 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:穢れた風 (創元推理文庫)より
4488276091
No.1:
(4pt)

風力発電をめぐる事件にピアとオリヴァーが挑む

ピアとオリヴァーシリーズ、邦訳第5弾。風力発電をめぐる事件に二人が挑む。
環境保護論者、学者、いわくありげな女性、トラウマを抱えた少年などさまざまな登場人物が絡み合い、
オリヴァーの両親まで巻き込まれる設定。

だが殺人を含む事件の行方より気になるのは、妻に去られたオリヴァーの脱線ぶりで
貴族の称号を持ち、頼りになる上司のはずの彼も本作ではまったくだらしがなく、
登場人物の一人に翻弄され、ピアの孤軍奮闘によりやっと事件は解決する。

殺人、暴動、放火など盛りだくさんでスリリングな本書。
ミステリとしての完成度は今一つの感があったものの、迫力ある内容で楽しめた。
ピアとオリヴァーのコンビがとても魅力的なので、このシリーズの今後に期待します。
穢れた風 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:穢れた風 (創元推理文庫)より
4488276091

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