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笑う月



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【この小説が収録されている参考書籍】
笑う月 (新潮文庫)

笑う月の評価: 3.84/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.84pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 1~20 1/2ページ
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No.25:
(2pt)

灘高校の教科書とのこと

「鞄」の紹介があったが、それぞれの感じかたかたがあっていいとのこと。
それに馴染めないのが受験時代かな。
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No.24:
(3pt)

才能は分かる

安部公房は天才だと思う。この作品からもそれは充分伝わってくる。ただ残念ながらこの作品は自分好みではない。仕方ない、そういうこともある。
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No.23:
(4pt)

安部公房のエッセンスが分かる

エッセイと短編創作の中間のような作品集。
安部公房という作家の発想や文体を、試しに読んでみる「入門」として、位置づけることができるかもしれない。
いきなり長編に挑戦するのがためらわれる場合に、助けになると思います。
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No.22:
(2pt)

いまいち。

個人的には安部公房は長編作品のほうが面白いと思う。
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No.21:
(4pt)

創作ノートのようなもの

阿部公房が好きな人は楽しめると思います。
逆にそうでもない人は「なんじゃこりゃ」で終わってしまうかも知れません。
短編小説集というより創作ノートのようなものです。
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No.20:
(5pt)

安部文学の発想のヒントを語ったショートショート集

安部公房の作品に感じられるシュールレアリスティックな発想は、高校生の頃から惹かれていたが、それがどこから来ているものか、この一冊に示されている。先ず彼は夢を意識下で書き続けている創作ノートとして、作品を書く時の源泉のひとつとしていた。見た夢をその場で「生け捕り」にするために枕元には常にテープ・レコーダーを常備していた。しかしまた「睡りと覚醒は対応する両極だが、覚醒も度を過ぎると過集中の状態に陥り、全部の光量を保持できないものらしい。あふれた光は、周辺に浸透していき、一種の睡眠に近い状態に接近する」とも書いている。彼の医学者としての考察だろう。

その例が「藤野君のこと」に表れていると思う。安部氏は戦後間もない頃、北海道旅行の車中である老人の奇怪な話を聞く。いま北海道ではいたるところでアムダ狩りが行われている。アムダは戦時中、軍が音頭を取って飼育を農家に強制した人間そっくりの動物で、繁殖力が旺盛で食用その他に利用された。戦後農家は生き残ったアムダを山に放って逃がした。それが野生化して害を与えるようになった。この話に興奮した安部氏は是非アムダを見たいと思う。ところがアムダは彼の聞き違いでハムスター、人間にそっくりというのはネズミにそっくりという訛りからの誤解だった。しかしその誤解が『どれい狩り』の構想を生み、『ウエー』として完成する。この時も彼の言う覚醒の度が過ぎた過集中の状態で白昼夢を見ていたのではないだろうか。
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No.19:
(1pt)

紛らしい

送られてきたのは写真と違う改訂版のもの。紛らわしい。最悪。
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No.18:
(5pt)

笑ってもいい場所で読みましょう

声を出して笑えました
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No.17:
(4pt)

エッセイ集というより妄想集

夢や妄想をつづった文章が17篇並んでいる。短編というほどの完成度ではなく、随想とでもいうのか。いや妄想集か。
月に追いかけられる表題作や、幼少時の老人いじめ(おいおい)を振り返る「蓄音機」、
執筆当時のカメラ事情を語った「アリスのカメラ」などが印象に残った。
気味悪いところが気持ちよく、一篇づつ楽しんでいると、あっという間に読み終えた。
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No.16:
(5pt)

間違いなく、才能豊かな作家だろうが………

安部公房の作品は、高校時代に教科書で初めて知って以来、興味を感じ、幾冊かの本を読んだことがある。今回の「笑う月」はエッセーのような作品集である。だがエッセーのようでありながら、夢と現が重なり合って、不思議な雰囲気を醸し出している。作家が、歳を迎えたころに出版されている。

安部氏の夢の中に、花王石鹸のトレードマークを正面から見たような直径1メートル半ほどの三日月が登場すると言う。当方としても、一回でもこんなものに出くわす夢を歓迎する気にはとてもなれない。それにもかかわらず安部氏は、このエッセーを書く以前の30年間、この何とも言えない花王石鹸の三日月が登場する夢に苛まれているのである。

「藤野君のこと」に登場する“アダム”も、余り気の進まない登場者である。人間そっくりで、皮は鞣して鞄や靴にしたり、そして肉は軍隊用の缶詰に、骨は歯ブラシやボタン、カルシウムの原料にしようと期待されていたらしい。ノーベル賞を受賞したKazuo Ishiguroの「Never Let Me Go」の主人公たちであるクローン人間とは、だいぶ違った扱いである。

「蓄音機」に登場する安部氏より数年歳上の従兄のやることも、事実だとしたらビックリする。鶏のトサカを鋏で切ってまわったり、捕まえた生きた鼠を蔵の中に放ったりすると言う実害を伴ういたずらをする少年なのである。

「自己犠牲」は、武田泰淳の「ひかりごけ」とは全く違ったCannibalismの話である。乗っていた船が沈没して救命ボートで逃げたコック長、二等航海士、そして主人公が、自己犠牲のもと命を他人に捧げるという話である。筒井康隆の「亭主調理法」の方が、まだ救われるような気がする。

こうした不条理な世界、と言う表現が安部氏の文章の表現で好まれるようだが、この薄っぺらい本の中にはたっぷり詰め込まれている。好きな人にとっては、堪らないだろうけれども……。
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No.15:
(4pt)

現実が夢に取って代わられる安倍公房体験

この本に収録されている「飛ぶ男」は私を安倍公房のファンに引き込んだ思い出深い作品です。この作品は5歳上の高校に通う兄の現代国語の教科書に、短編ということもあるでしょうが、掲載されていました。どの様な意図を持って高校の教科書に採択されたのかは、今更ながら興味深いことですが、初めて読んだ時は、夢が現実に浸入してくるような不思議な感覚に陥り、しばし呆然としました。
大袈裟にいえば短編ながら独自の世界にひきこむ力強さに、小説というものの面白さを初めて感じさせてくれた作品です。実は収録されている作品は当時私が読んで感動した作品と結末が変更されています。別途発刊されている安倍公房全集には当時のままのものが収録されています。安倍さんは作品発表後も出直しを続ける作家として有名だったようで、余談ですが、同氏の死後に残されたフロッピーディスクの中に、この作品をモチーフにした長編?小説が見つかったらしいです。現在これも発刊されていますが、安倍さんにとっても思い入れの深い作品だったようですね。
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4101121184
No.14:
(4pt)

思考の痕跡を辿りながら。

「死に急ぐ鯨たち」が文明批判であったなら、これは安部公房の頭の中に迫る短編集と言える。様々な作品へ繋がる作品群なので安部公房を語る上で欠かせない。
 例えば「たとえば、タブの研究」は夢の中の事象の背景を夢分析とは別の切り口で行う。つまり、その夢の人物や出来事がどんな背景を持って動いているのかを深層心理を抜きにして推理していく。
「発送の種子」では「私」が「燃えつきた地図」のアイデアノートの中から、「箱男」のモチーフとなった二人の浮浪者のメモを発見する、という物語。この浮浪者の話は後の「ごろつき」になると思われる(新潮文庫「カーブの向こう・ユープケッチャ」に収録)安部公房の閃きを紐解く一つの断想である。
 「藤野君のこと」は「どれい狩り」の飼育員のモデルに就いての回想。モデルとは実在人物の模倣とは限らず、その人物から発想された何か別の全く新しい創造物でも不思議ではない、という、安部公房流の発想術のレクチャー。
 「シャボン玉の皮」では被写体に求めるもののルーツに就て語られる。なぜ公房は「ゴミ」の写真をとるのかという疑問の答えでもある。加えて、「箱男」に掲載された写真に就ての解説は必読である。
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No.13:
(5pt)

安部公房らしさ

ある学者が言うには、夢と言うのは連続的な要素によって成り立っているのではなくて、突発的な要素がぽんぽん出てきて、目覚めた後の『醒めた意識』がそれを繋げて物語として語っているらしい。
それを踏まえて読むと、たいへん面白く読めます。夢をそのまま語ったような小説や夢分析、夢に関するエッセイなどややもすると雑多な印象を受ける一冊ですが、安部公房という『醒めた意識』が、夢というものをどう料理しているか、取り組んでいるか……ここにストレートに安部公房が安部公房である秘訣が現れているような気もします(何しろ思考の展開のさせかたや、発想の卓抜さにかけて並並ならないセンスを持った作家なので……)。ひょっとしたら安部公房の本のなかで最も「らしさ」が感じられる本かもしれません。

というわけで、僕にとっては何かあると繰り返し読み返してみたくなる一冊です。
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No.12:
(4pt)

ボルヘスを超える夢文学

ニコニコ笑う月があなたを追いかける。読者が発狂しそうな安部公房の短編集
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No.11:
(3pt)

阿部公房という人の夢

阿部公房がみた夢を集めた短編集。

阿部公房初心者なので、「箱男」など作品の構想の下地になった話はピンとこない部分があったものの、初心者でも十分に楽しめる内容でした。

特に好きな話は「自己犠牲」です。他にも「空飛ぶ男」や「公然の秘密」など、魅力的な話がありました。
このような夢をみる人は一体どんな人なんだろうと、阿部公房への興味が湧きました。

そういった意味でもこの「笑う月」は初心者にとっては阿部公房の入門書、既に何作品か読んだことのある人にとってはウラ話編というような楽しみ方ができる本だと思います。

実際は入門書という雰囲気が強く、私は何も知識がないままに一つの作品だと期待して読んでしまったので、ちょっと物足りなく…。★3つとさせていただきました。

「阿波環状線の夢」については、「夢」を書くというこの本そのものについての考察がされていて、ほかの作品とトーンが異なりますが阿部公房自身による解説形式になっており、途中で飽きてしまった人もこの部分は読んで欲しいと思います。
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No.10:
(4pt)

非日常的な世界の中での日常

現実と夢幻の交錯する17の作品を収録したものです。非日常的な世界の中での日常を描き出しています。
幻想的で脆く儚いものに魅了されるのは、人の性なのではないのでしょうか。

「落伍者というのは、他人の孤独を、アンテナみたいに敏感に感じてしまうやつなんです。残酷なふりをするんです。それがせめての罪ほろぼしなんですよ…」
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No.9:
(5pt)

「後期」安部の面白さが分かる方に。

カフカ的な「不条理」を求める方にはこのエセ・エッセイ集は苦痛でしかないだろう。
ナンセンスからなんらかの意味を読み取りたくてうずうずしてる方は読まなくていいです。
さようなら。また会う日まで。

これは夢をテーマにした安部公房の大ボラ吹きっぷりを楽しむための本だ。
下世話で、下品で、ウソつきで、エロい安部の姿がこれでもかと刻まれている。
安部が偏愛したゴミ(ガジェット)のエッセンスもたっぷりある。
ここには「夢」というテーマ以外に一貫性はない。むしろ一貫性など必要ない。
これは小説家が書いたエッセイ集という名のフィクションなのだ。

もっともらしいウソを、意味ありげな警句を、突拍子もない比喩を、口先三寸で納得させる匠の技に酔えばいい。
ゴミがゴミそのものの姿で横たわる荒れ果てた一室を、照明ひとつでアート空間に見紛わせるウソつきっぷりに大いに騙されればいい。
これはそういう本なのだ。
ぼくは『笑う月』が大好きだ。もう何度読み返しただろう。読み返すたび、そこにはあらぬ妄想が見えてくる。

ところで、「難解」といわれる安部ですが、文章自体はすごく平易なんですよね。小学生でも読めるといっても過言ではない。一回模写するとよく分かります。ぼくは「アムダ」のパロディを書いて、安部の文章というものがようやく分かってきました。
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No.8:
(4pt)

餓えた仔象の夢

夢をモチーフとしたエッセイ集であると同時に、幾つかは物語としての魅力も有した作品が収録されている。
なかでも「公然の秘密」に於ける、餓えた仔象の物語は印象的だった。不気味だし、グロテスクでもあるのだが、なにか安部公房というひとの発想の根幹のようなものに触れた気がして、ぞくぞくさせられた。当然、この作品集は他の代表作に比べれば地味な存在ではあるが、安部公房という天才が視ていた世界の断片をより多く感じ取ることができるという点で、他の作品より価値があるかも知れない。
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No.7:
(3pt)

もっと安部公房を知りたくなった人へ

公房の作品のネタになった夢のエッセイ。
先に『箱男』などの代表作を読むことをおすすめします。
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No.6:
(4pt)

途中経過の「安部公房」

「ぼくは、ニヒリストをきどるほど楽天家ではないが、希望を語るにはゴミと気心を通わせすぎた」(本文より)

「他人の夢の話ほどつまらない話はない」という。

私もその意見に大まかに賛成だが、その不可解さが、逆にシュールな笑いをもたらしてくれるのならば、耳を傾ける価値はあるとも思う。

作品としての「安部公房」ではなく、その途中経過の「安部公房」を垣間見ることができるが、作品とはまた違った面白みがある。

「人間そっくりの珍獣アムダ」のエピソードは、話の内容よりもむしろ、安部氏の反応が興味深い。

徹底的に勘違いをした挙句に、それを小説として完成させてしまうのは、流石というべきか。

ワラジムシの薬「ワラゲン」や、ゴミへの愛情、「タブ」の研究など、奇奇怪怪なエピソードがずらり揃っている。

とんでもないことが、あくまで大真面目に語られているので、シュールで不気味なのに、なぜか笑いを誘う。

夜寝る前に読めば、自分の夢にまで侵食してきそうである。
笑う月 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:笑う月 (新潮文庫)より
4101121184

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