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蜜蜂と遠雷
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蜜蜂と遠雷の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全536件 361~380 19/27ページ
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| 本を閉じたいまも、頭のなかにピアノの音が響いている。 ゆっくりと自宅で本を読む時間がないため、短い通勤途中や旅先の電車の中でこの分厚い本を読んだ。 最初の数ページから、没頭した。 通勤電車がいつもの駅に着くと、仕方なく本を閉じる。そして耳につけているiPhoneのヘッドホンにつながっている再生ボタンを押す。 途端に、ショパンのポロネーズが鳴り出す。怜悧なドビュッシーが流れる。 その音楽はそのまま、いままで読んでいた本の世界を頭のなかに描き出してくれる。リアルな映像として。 強く、弱く。ピアニストの両手が鍵盤を交互に走るさまが瞼の裏側に浮かぶ。 地下鉄のコンコースを歩きながら。あるいは冬の透き通った日差しに照らされた大通りを歩きながら。思考はスッと、流れている音楽のなかに小径を見つける。そこに光が差し、音楽の核心への道を、照らし出してくれる。 小説は何度も、音楽をヴィジュアライズして表現する。 野原にたたずむ少年や、滔々(とうとう)とした大河の流れや、広い屋敷に見立てて、音楽を言語化してゆく。 いままで耳から入ってそのまま流れて消えていった音楽を、そんな風に解釈し、理解することができるのだ、と知る。 すると、いま聞こえてくる「幻想即興曲」が「月の光」が、とたんに分け入る道を示してくれる。 ―――音楽の中に入ってゆく。 そうとしか言えない瞬間が訪れる。 強く、弱く。音楽が心の琴線を揺する。 明るく、暗く。メロディーが気持ちを揺り動かす。 緊張させ、高め、一気に解き放ち、弛緩させる。 音楽の中に作曲家が込めた意図を、演奏者が解釈し、ピアノを通して再現する。そこに、聴き手がシンクロナイズしてでゆく。 音楽が、不意に、わかる。 まわりの世界が消えて、自分自身が音楽になる。 知らずに、その瞬間を何度も経験した。 音楽は、身体性を強く持つのだ、と本書を読んで感じた。 ただ耳を傾けるのではなく。身体で受け止め。身体が反応するもの。そのダイナミズムこそが、音楽の力なのだと理解した。 太古の昔から、人は音楽を聞いては身体を揺すり、踊りを踊った。あるいは母の胸に抱かれて子守唄を聞きながら、静かに揺らされた。 音楽は多分に感情的なものでありつつも、同時に物理的な振動であり拍であるのだ。ひとの体内でこの世を去るその日まで休むことなく拍動し続ける心臓とハーモナイズして、ひとの身体に直接的にコミットする。それもまた、音楽の効能なのだと気づく。 そして音楽は、世界の写し鏡なのだと知った。 ひとは、生まれながらに神の摂理を身につけているという。至上の美しさというものを、予め知って、我々はこの世に生まれ出てくる。 だから美しいものを美しいと感じられる。 良い音楽が「良い」と思える。それは自分のなかにそのイデア(理想)があるからだ、と。そのイデアとは、何も至高の美といった大袈裟なものでなく、目を見開いて見渡せば、そこかしこに偏在するものだ。 作中の主人公のひとりは、軒から落ちる雨だれに、そのイデアを見出していた。 世界にあらかじめあふれている美しさを、作曲家は五線紙のなかに描き写す。神の啓示にあふれた森羅万象に気づいた作曲家たちは、音符という記号にそのエッセンスを記す。 そしてその符号をデコード(解読)できたピアニストが、自らのイデアと照らし合わせながら、誰の胸にもある美の記憶に語り掛ける。呼び覚ます。 そして我々は思い出す。世界にあふれる神の息吹が、自分の胸のなかにもあったことを。 小説はそれを、とても巧みに、とてもなめらかに、生き生きと描き出す。 四人の若者が主人公となり、世界的なピアノ・コンクールで持てる全てを賭けて競う様が描かれる。 何度も同じような演奏場面が繰り返されるものの、すこしも退屈したり再読感を覚えたりすることがない。 それは、四人が四人とも、すばらしい個性を持って、圧倒的な演奏を繰り広げるからだ。 悪人がひとりもでてないまま、物語りは猛烈にスリリングに進む。 手に汗握り、目もくらむようなまばゆさの中で緊張と熱狂が繰り返される。 四人がそれぞれに極めて純粋な善人であり、同時に音楽への真摯な求道者であることが、これほどまでに緊迫した物語を生むのかと思う。 本作はこの四人のほんの数日間を通しての人間的成長をモチーフとして描きながら、その芯には、音楽という表現の深さや素晴らしさを余すところなく語る。 しかし同時にそれは、小説という表現の機能がどこまで拡張できるのか、というトライアルでもあったのだと思う。 例えば何人かの映画プロデューサーは、本作を映像化することをすぐに考えるであろう。実際の音楽が聞こえる「蜂蜜と遠雷」を見たい、という思いは理解できる。 しかし本作はあくまで小説として、深く突き詰めて作られている。 その瞬間、人が何を想い、どんな行動をとったか。それを微に入り細に渡って描き出し、ミルフィーユのように積み重ねてゆく。時に一瞬で過ぎ去る思惟の断片も、イマジネーションの翼を与えて遥か彼方まで一気に飛び去り、時間も空間も越えて想いが巡る。 なによりも、実際に鼓膜を震わせない音楽を、読み手の頭のなかに朗々と響かせる。いまそこに存在しないものを、ひとの頭のなかに再現させる。それは本作が持つ強烈なイマジネーションの力だ。 それによって我々は、活字の向こうに広がっている世界の途方もない奥行きを感じることができる。 活字を読みながら我々は、その広い世界で自由に羽ばたくことができる。 まさしくショパンが、ベートーベンが、ドビュッシーが神の息吹を譜面に起こしたように。 本書の活字の向こうには、気も遠くなるような広大な世界が広がっている。広大で、美しく、熱量の高い世界が。 我々は本書を通じてその世界を旅する。四人の気持ちの透きとおった若者たちと一緒に。 その時我々は限りない自由を感じることができる。全能感と、世界の秘密に触れられた歓びに、ページを手繰る指が止められなくなる。 これは、そういうたぐいの、稀にみる小説であった。 これを書きながらまだ、英雄ポロネーズが鳴りやまない。 あの多幸感が。あの輝きが。 身体を捉えて離すことがない。 素晴らしい読書であり、たぐい稀な体験であった。 | ||||
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| 読んでいる間、ずっと頭の中で音楽が鳴っていました。BGMというのではなく、文章から入ってくる言葉の情報が脳内で音楽する!っていうような感覚…。読んでいる途中も読み終わった今も、深い癒しを感じています。 | ||||
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| 友人の勧めで購入、読破した。ピアノ演奏の善し悪しの表現を適切にされていて、読みごたえのある作品でした。 | ||||
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| たしかに世界は音楽で満ちあふれてますね^_^ すごく面白かった。 こういう演奏を聴いて見たいなあ。 | ||||
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| 感動の一言です。とても良い小説だと思います。また、このような小説に出会えることが楽しみです。 | ||||
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| 本のなかに引き込まれてまるで、その場にいるような心地でピアノの音が聞こえてきました! | ||||
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| 本屋大賞や第156回直木賞受賞という話題に富んだ本作。「アメト--ク」の読書大好き芸人でも取り上げられ、より一層注目を浴びただけあり、たまらず購入。音楽に関する本や漫画は数あれど、こんなにもピアノの躍動感が感じられる作品は他にはないと思います。(漫画版では、個人的に「四月は君の嘘」が大好きです) あまりネタバレするような内容は書きませんが、僕と同じくピアノ好きには是非とも読んでいただきたい作品です。 | ||||
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| ピアノという音楽を言葉で的確に表現出来ていることに感動です。 ピアノが弾けない私も、弾きたくなりました。 | ||||
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| 家入レオさんのファンとして、1月28日のコトダマコンサートの原作品ということで久しぶりに文学作品を購入いたしました。ピアノコンクールを描いた作品ですが、クラシックコンサートを聴いている時に頭に浮かんでくるイメージを言葉に現わしているシーンでは、こういうことって確かにあるなぁとか、こういうイメージが浮かんできたことはないなぁと思ったりして、クラシックを聴きに行きたくなりました。本日のコトダマコンサートが楽しみです。 | ||||
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| 他でざっと読んでいて、また読み直したくなり購入。新作だったので、割引きは少なかったが、ポイントを使えて満足。中古だったが、大変きれいでした。 | ||||
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| ピアノ大好き人間が集まったこのコンクールでは数多くの個性的で才能豊かなピアニストたちが登場する。 しかしながらここは小説の世界なので、実際のピアノ演奏を聴くのではなく、言葉で表現される演奏を想像力を 膨らませつつ聴いているつもりで、ピアノ演奏の違いというものを聴き分けることが要求されます。 テクニックはもちろんのこと、自分の感情をそこに織り交ぜ、かつ、作曲者のその時の感情の起伏や背景などを 頭に描きながら、そこで最も演奏し切った人間に最高の栄誉が与えられるのではないかと思います。ピアノに よる人間ドラマがここでは最高の形で演じられています。 | ||||
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| 表現力がすごい。 本当に音が聞こえてくる、面白く読ませていただきました。 | ||||
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| 音楽に関する美しい描写と、コンクールが進んでいくドキドキ感で、退屈になることなく最後まで一気に読破しました。音楽に触れたくなります! | ||||
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| 年齢もキャリアも全く異なる、登場人物達の個性豊かな人物像や、ピアノに向き合うそれぞれの想い、それを支える家族や友人、周りの人達の揺れ動く感情が丁寧に描かれています。 私自身がピアノを弾くので、まるで目の前で直接演奏を聞いているかのような臨場感溢れる描写に、コンテスト会場にいる観客のような高揚した気持ちで、楽しめました。 | ||||
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| 4人の主人公のピアノコンクール出場を、複数人の視点から描いています。 4人が勝ち上がる様子、というより、演奏そのもの、また勝ち上がるごとの演奏の変容を描写しながら、音楽の原点に立ち返るような流れになっております。なぜか風間塵の位置がサウンドオブミュージックのマリアと重なり、読み終わったときの第一印象はサウンドオブミュージックっぽいでした。 ちょっと描写がくどいようにも感じましたが、ピアノ経験者にとっては、「こういう弾き方の人いるな~」とかイメージ出来るし、読んでいて面白いと思います。他人、または自分の音楽への批評などにも使える表現がいくつもあったため、メモをとりながら読みました。また、具体的な表現はほとんどなく、抽象的に表現しているため、誰でも楽しめるように仕上がっていると思います。 | ||||
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| 読んでる途中からどうしてもピアノ曲が聴きたくなって、初めてクラッシックをダウンロードしました。こんなに惹きつけられた本は久しぶりでした。すごく新鮮で、あれ?という所で泣きそうになったり。とてもとても心揺さぶられました。必読‼︎ | ||||
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| こんなにも、情景がはっきりと思い描け、スピード感を感じる本に出会ったのは本当に久しぶりだった。 読み進めるほどに、のめり込むようになり、1日で読み終えてしまったのが惜しいくらい。 ほっこりした穏やかな気持ちになったかと思えば、激しい場面もあり、また涙する場面もあり…人間臭さがある場面では、くすりと笑ってしまう場面もあり、とにかく素晴らしかった。 友人にも勧めたい。 | ||||
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| いわゆるお涙頂戴の本じゃないのに、なんでだろうグッとこみ上げるものが、すでに前半で何度かきた。 不思議な本です。 直木賞をとった日に本屋で最後に残っていた一冊を手に入れほぼ2日で読み、2度目の本屋大賞行くんじゃないかとずっと思ってその通りになり。 今回kindle版で2度目の読了。 凄まじい本だ。 本当にすごい。 自分は中学校の音楽教師だが、授業でいっぱい紹介してる。音楽を文字で表すなんて! 栄伝あやが塵を触媒として一次、二次、三次と変わって行く様をみて、グッとくる。不思議で偉大な作品だ。 とは言っても、人生最高の本は同じ恩田陸さんの 夜のピクニックなんだけど。 | ||||
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| 直木賞を取ってしまったが故に新規読者の「なんでこんな作品が直木賞を?」という声が多いようなので、長年作者の作品を読んできた立場からレビューを書きます。 少女漫画っぽい、リアリティがない、登場人物が天才ばっか、全部その通りです。これが恩田陸の作風なんです。 SF、ファンタジー、ミステリー、いろんな作品を書いている作家ですが、全部にこの作風に統一されています。 思春期の女の子がふわふわした気持ちで世の中を見ているような文章の中にリアリティや毒が隠されているから面白いです。対比として浮かび上がるというか。 しかし今作は、毒は少なめだと思います。あえて言うなら審査員たちの塵に対する葛藤がそうでしょうか、、、 上記の作風さえクリアできれば、演奏の描写が映像が見えるように表現されていて素晴らしく、おすすめです。 今回の作品はピアノコンクールと若者の美しい瞬間を切り取った印象派の絵みたいな感じです。 読んでいるとその曲をききたくなります。CDも出ているみたいですね。 直木賞の受賞理由コメントも読んでみましたが、やはりこの演奏の描写が評価されたみたいです。 後半が冗長なので、それだけが惜しいです。実際のコンクールに合わせたのかもしれませんが、一戦減らしたくらいでちょうど良かったと思います。明らかに息切れしてましたし。 | ||||
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| 面白くて一気読みしました。音楽に特別詳しいわけではないですが、それでもすごく楽しめたし、聴覚で感じるはずの音楽を文章で表情豊かに表現するのはすごいと思いました。読み終わった後、しばらくピアノ曲ばかり聴いていました笑 | ||||
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