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(短編集)
いまさら翼といわれても
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いまさら翼といわれてもの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 141~150 8/8ページ
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アニメにもなった人気作「氷菓」シリーズの散逸していた番外短編を集めたみたいなもの。 「箱の中の欠落」こそ、主人公が折木でお馴染みの展開があり懐かしい感じがするが、 「鏡には映らない」と「私たちの伝説の一冊」は完全に伊原視点での展開となり番外短編の色合。 「鏡には映らない」はどうにも、当時流行っていたストーリー展開に作者が影響を受けている気がする。 もしくはライトノベルではなく推理ものとして展開する作品の境界を具現していると感じる。 「連峰は晴れているか」に関してはアニメで鑑賞していたが、やはり結末で折木の動機解説が回りくどいのが難点と言える。 「長い休日」は氷菓作品の欠落していた設定の一つで、設定の補完として重要と思う。 「いまさら翼といわれても」は作者の思い入れが強い千反田の生い立ち環境の設定部分を前提としているので、読み手の読解力に拠るかと思われる。 最後の二つに関しては氷菓シリーズの根幹でありながら陽の目を見ていなかった欠落していたパーツとして一読の価値が認められる。 氷菓シリーズで感じていた違和感が、この一冊で謎解きされている。 目に見える活字化されたストーリーとは別に、作品展開の行間に設定の展開があるという点では、氷菓はライトノベルに似て非なる推理ものなのだと痛感させられる。 | ||||
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米澤穂信先生の作品はどの話も読み終わった後の余韻というかなんとも言えない気持ちがクセになりますね。ところどころクスリと笑えるし、かと思えば、最後のいまさら翼といわれてもは、苦く切ない。おすすめです。 | ||||
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約六年半ぶりとなるシリーズ六冊目.既発の六篇を収めた短篇集となっていますが, からの続きや,主人公ら四人が揃ってというのではなく,個々に焦点が当てられ, 時間や将来などの言葉が織り込まれたそれらは,進級をして高校二年生となった彼らが, 残された学生生活の中で,自身や周囲のこれからを意識,考える巻だったように感じます. また,現在の主人公をかたち作ったとされる,少年時代の小さな謎と傷に触れる篇は, その内容はもちろんながら,昔の彼と今の彼,本当の思いはいったいどちらにあるのか, 当人は相変わらず本心は見せないものの,それを真正面から受け止めるヒロインの存在は, 彼も気付きつつあるようですが,思う以上に大きなものとしてその中を占めている印象です. そして続く最後の表題作.こちらはそのヒロインの過去,そして未来に関わるもので, 詳しい事情には触れられませんが,周りからは不思議にも思える彼女が迷い込む大穴は, 自らを理解してきた彼女だからこそのもので,その静かで悲痛な叫びは胸を締め付けます. 一方,自分の知らなかった彼女の苦しみを思い,傍に居てやろうとする少年の様子は, これまでとは少し違うまっすぐさが,『長い休日』からの目覚めのようにも映りますが, 実際は彼女が口にしていた通り,本質の部分は昔も今も変わっていないのかも知れません. 季節の流れは高二の夏から秋,冬へ.時間はみなに等しくも使い方はそれぞれであり, 先を見据えた者も手探りの者も,まだまだ悩み,決断を迫られることになるのでしょう. | ||||
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特に「鏡には映らない」が素晴らしかった。ひゃあ、と声を上げそうになる大ドンデン返し。世界の「観方」が変わる時、鏡に映らないものに気が付いてしまったとき、果たして私たちは摩耶花のように、真っ直ぐそれを受け止めることが出来るのだろうか? ……ああ、鬱屈! 折木はじめ古典部の仲間たちと同じ10代で、このシリーズや京都アニメーション版の『氷菓』に触れ、それから4年、すこしだけ歳を重ねた20代が「1年しか歳を重ねていない」彼らに触れれば、さらに読後感が深まるだろう。古典部の皆が抱えるジメジメした葛藤は、きっともう私たちにとっては“傷跡”になっている。普段は気にもかけないことだろう。けれどこれを読んで、「あのころの痛み」がフッと蘇ってきたとき――今の自分は彼らほど真摯に、そして愚直に物事に挑んでいるだろうか、と気づかされてしまう。作中で次々と示されてゆく、かつて“同級生”だった彼ら・彼女らの未来。今わたしは、彼らよりも遥か先の未来を生きているはずなのに、果たしてあの4人に顔向けできるような今を生きているだろうか? 何だかミステリの感想ではないのかもしれないけれど、とにかく、そんなことを感じずにはいられなかった。不思議なことだけれど。 瑞々しくも切ない、正にビターテイスト(で口当たりはライト)な青春文学。さあ、次はそれほど待たせずに(!)読ませて欲しい。 折木クンは何だか、現代の、のび太くんみたいだ。 彼がなぜこの物語の主人公たり得ているのか、それを証明するような短編集だと思う。 | ||||
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青春時代を送る彼らの苦い過去や苦い経験が語られる今作。 「瑞々しくもビターな全6篇」という宣伝文句の通りとは恐れ入る。 誰もが感じたことのあるような苦さのある日常と、それを取り巻く謎解きの作る世界観はさすがとしか言い様がない。 しかし偶には甘いもの、 具体的に言うなら”冬季限定のスイーツ”というのも味わってみたくなってきた。 | ||||
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古典部シリーズはアニメの方から入った者なので 前作"ふたりの距離の概算"以来に中身を知らないお話を原作から読めて とても嬉しいです。 予想通り予想以上の面白さでした。 シリーズの旧作は奉太郎の謎解きをメインに置きつつ その間に古典部員それぞれの成長や葛藤など様々な顔が 見られてきましたが、本作は古典部員それぞれ個人についてが メインとなるお話が多くて、 顔と声がついたアニメから入り、古典部員みんな好きなので 感情移入をせずにはいられなかったですし、キャラクターの新たな一面や 隠されていた部分が見えて素直に嬉しかったです。 「長い休日」なんてファンなら読まずにはいられないものだと思います。 どの作品も同じくらい大切で愛しいものですけどね。 こんな青春を送りたかったなぁと、毎回シリーズを読んでて 奉太郎たちを羨んでいましたが、本作は青春のほろ苦さを感じさせてくれて、複雑な感情を抱いて、でもやっぱりこの人達の青春を愛せずにはいられなくてうまくいえない気持ちになってしまいました。 この気持ちに名前をつけるなら多分「青春」でしょう。 | ||||
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もしくは心にザラザラしたものが触れる。そんな感じ。何か、悪いことを思い出すような。若かりし頃の嫌な記憶が目前に現れたような。そんな感想を持った。 古典部シリーズはアニメから入ったのだが、アニメよりも原作の方がそういう青春の暗部というか、若者の未熟さによる失敗とか遠回りとかを描くのが上手い。誰にでも経験があるそういう青さを、追体験というか思い出させてくれる作品だ。 もちろん、ちょっとした事件を筋道を明かしながら解いて行くところも面白く、謎解きと日常描写が絡み合って重厚さを作品に与えている。しかもキャラが立っているので、この巻のように一人一人にスポットを移動させても作品としての統一感を維持しながら変化を出すことも出来る。 仕方が無い事だが、作品の雰囲気は薄暗く、明るい学園ものに慣れていると面喰う。キャラクターの性格にも癖があり、どのキャラも素直でないのでたまにいらっとする。あと、経験のある青さを描かれると心理的古傷をえぐられて結構つらい。 刊行スピードが恐ろしく遅いのが残念だが続きも楽しみに待ちたい。ちなみにこの巻で個人的に一番面白かったのは走れメロスの感想。あの発想は無かった。 | ||||
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「連峰」と「鏡」以外は持ってるし、「連峰」は話だけならアニメで見たし、今までのは全て文庫で揃えたので、文庫になるまで待とうか?っと思いましたが、結局発売日の朝、書店にいる自分(笑) 上記2作から読みましたが、買ってよかった!文庫まで待てません! 以前何かで作者が「アニメにも影響を受けた。特に千反田と折木の関係性はアニメになってから変わった」っとおっしゃっていましたが、その変化が決して急ではないところが好きです。 むしろ一人称が本人たちではない話の方が、微かに散りばめられた変化が読み取れていいです。 あと、所々加筆訂正が入っているので、雑誌掲載時に読んだ方も違いを探すと、作者のちょっとしたこだわりが見えて楽しいです。 ただ…「いまさら実写と言われても」っと思うのは私だけでしょうか… | ||||
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箱の中の欠落 鏡には映らない 連峰は晴れているか 私たちの伝説の一冊 長い休日 いまさら翼といわれても ですね。まあ、最後以外全部持ってますが(半分涙目)、まとまってくれたのはうれしい。特に、鏡と連峰と伝説の一冊は考えることが多い作品でかなり好きです。また、長い休日もおもしろい。星5の評価はこの個人的には既読のメンバーに対してです。 で、最後の話ですが、いい話と悪い話、どちらから聞きたいかと問われたらどちらと答える人が多いのだろう。 同様に、読まずに後悔するのと、読んで後悔するのとどちらがいいかって問われたらどちらと答える人が多いのだろうか。 感想やらなんやらはたくさん書けそうですが、未明に読んでたら寝不足で死んでたな。 | ||||
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生徒会選挙の投票結果のイレギュラーの謎を解く「箱の中の欠落」、中学時代の奉太郎が起こしたある問題の真相を摩耶花の視点から推理する「鏡には映らない」、既にアニメや漫画版で見たという人もいるだろう「連峰は晴れているか」、文化祭後の漫研の派閥争いを通して摩耶花とその漫画創作を主題とした「私たちの伝説の一冊」、奉太郎のモットーの源泉に迫る「長い休日」、それから表題作「いまさら翼といわれても」の6編からなる古典部シリーズの6冊目。 帯にもあるように古典部メンバーの過去があきらかになり、そして未来が示唆される。特に表題作は「遠回りする雛」を経た後では、いや、詳述は避けよう。ここまで読み進めてきた人なら読後、胸の中に何かを残す筈。続きが読めるのは何時になるんだろうか。今は本書の余韻に浸りつつ、座して待つことにしよう。 しかし、感想を書き辛い。何を書いても何処かにネタばれを含んでしまいそうで。奉太郎が飯を作るシーンが3回もある、くらいは書いてもいいかもしれない。 | ||||
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