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熊と踊れ
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熊と踊れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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文庫本下巻だけで600ページ近い大作だけどほぼ2日で読み終えた。ミステリと銘打たれてるけど謎解きの要素はなく、実在の事件を題材に書かれた犯罪小説。上巻は3兄弟と親友から成る犯行団の、緻密で大胆な犯行手口に圧倒される思いだったが、下巻は連続犯行を嫌って離れていく弟たちを捨てた主犯格の長男が、その愚かさ故に見限ったはずの親友と、実行犯に加わらせなかった年上シングルマザーの恋人、そして逃げていった妻を取り戻すため実家に放火して前科者となった粗暴で愚かな父親を仲間に入れて、最後になる筈の銀行強盗を実行する。過去のエピソード、そして自分を追う警察側のエピソードを交えながら、まるで自ら破滅に向かい突き進んでいくような彼の描写が圧倒的な迫力でグイグイ引き込まれた。一歩引いて見れば、暴力的な父親を超えようとする息子と言う、「暴力の連鎖」と言った社会的な問題提起がうかがえるが、読んでいる間は何とも悲しくやり切れない彼の心情が胸がいっぱいになった。信頼に足る弟たちから見放された代わりに明らかに役不足な3人と最後の犯行に向かい、しかも彼を追う警察側の代表にあえて見せつけるような工作もしている彼は、やはり自ら破滅する事を望んだのだろう。雪の中を逃亡中運転手の恋人が事故して車と一緒に警察に下ると離脱してしまい、歩いて逃亡中湖にはまって凍傷の危機にさらされ、そして・・・読み終えた後しばらく呆然としてしまうくらい、凄い小説だった。 ミステリーと言うカテゴリーでは本質を見失う。私が一番感じたこの本のテーマは「家族の絆」だな。 | ||||
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今読み終えたところですがあとがきを読んで心が震えました 作者は二人ですが、その一人が3兄弟と兄弟で実は4兄弟だったこと、さらにミステリー作家だったという驚きと この本を読んだ3兄弟の感想も書かれていて感慨深いです 物語も実在の1990年代初頭のスウェーデンを騒がせた重武装強盗グループの話で裏社会とつながりを持たない人が 如何に銀行強盗を連続でやりとげるかと、どうして終わるのかについて書かれており一気に最後まで読ませる力を持った作品です 長兄レオの冷静さと賢さに舌を巻き、幼少期に兄弟の心に爪痕を残した父イヴァンのように暴力にコントロールされまいとしている初期 から終盤のレオへの変化など、実の兄弟だから書けただろう部分など最初から終わりまで先が気になってしかたがない作品です 文句なしの☆5です | ||||
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これが面白くなくて何が面白いのだろうかって位、活字に弄ばれました。 | ||||
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内容どうこうより、文章が短すぎるか長すぎるかのどちらかで、とにかくテンポよく読めない。 | ||||
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以下は上下巻を通じての感想です。 1990年代にスウェーデンで起こった特異な連続銀行強盗事件を題材にした小説です。 犯人の兄弟側と追う捜査官のそれぞれの家族関係を背景に過去と現在を交錯させながら展開する作者の手法は見事に成功していると思います。 この小説の読みどころは、事件自体ではなく犯人の兄弟の家族の歴史です。凶悪な犯罪に手を染める人がどのような家庭環境を背景に出現するのか、その点がこれほど見事に表現された例は稀です。それもそのはず、原作者の一人はモデルとなった兄弟と実の兄弟(本人自身は犯行に加わっていない)で、心理描写に非常なリアリテイーが感じられました。 というわけで、本書はミステリ・サスペンス的な事件の進行の面白さではなく、犯罪者の心理をリアルに表現していることに魅力がありその意味ではとてもおもしろい小説です。 | ||||
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私は上巻を読んだ時点で、本作が「実際の事件をモデルにしている割にはリアリティを欠き、小説化している割にはサスペンス性・緊迫感に乏しい凡作」で、 (1) 暴力によって家族を支配した父親とその息子達との間の相克。 (2) (1)の結果としての長兄レオを中心とした兄弟間の絆の強さ。 が中心となっているとのレビューを書いたが、作者の意匠を掴めていなかっただけで、"当たらずと言えども遠からず"であった。 作者にとって、実際に起こった銀行強盗事件は単なる"ダシ"で、血族の絆・信頼関係をテーマとした作品だったのだ。スウェーデンを含む北欧ミステリは社会問題・家族問題を扱ったものが多いが、その意味において、本作は北欧ミステリの典型例そのものだった訳だ。「ブロンクスを中心とした警察(熊)側vsレオを中心とした犯人側」の息詰まる攻防戦を期待していた私は愚かだった。このため、フェイクの様な原題「Bjorndansen=熊のダンス」には恨みが残る。また、作中、犯人側の中で一番粗野に描かれる兄弟達の幼馴染み(=血縁関係がない)ヤスペルの言動が"銀行強盗犯的には"一番マトモな言動を取っているのは皮肉という他はない。 更に、下巻の展開の拙さがやはり気に掛かる。犯人側の中で一番冷静沈着な筈のレオの精神が突然乱れ、無謀な行動へと走ってしまう"説得力のある"理由が(これだけ大部を費やしている割には)全く説明されず、如何にも短兵急であるし、あまつさえ、「***」に応援を頼むとあっては構想の破綻という他はない。また、ラスト近くでブロンクスが服役中の兄に面会するシ-ンは本作のテーマと密接に絡んでいて重要なのに、こうもアッサリと(分かる人だけ分かる様式で)書いているという事は、こうした記述作法を文学的だと作者が勘違いしている証左である。 結局、長い(上下巻で1100頁超)だけで退屈な物語である。"ダシ"とは言え、スウェーデン中を震撼させた由の事件をモデルとしている関係上、作品も重厚長大にしなければならないという風な錯覚に作者は陥ってしまったのではないか。読後の徒労感だけしか残らない駄作である。 | ||||
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上巻を読んだ時点での感想。実際にスウェーデンで起こった銀行強盗事件をモデルとした犯罪小説。こう書くと、カポーティ「冷血」を想起させるが、(当然ながら)そこまでの文学性はない。 実を言うと、上巻を読んだだけでは、作者が何を目指しているのか不明で退屈だった。題材が以下の様に散らばっているのである(そのため徒に大部となっている)。 (1) 暴力によって家族を支配した父親とその息子達との間の相克。 (2) (1)の結果としての長兄レオを中心とした兄弟間の絆の強さ。 (3) (オマケだが)警察側の主役である刑事ブロンクス(兄は服役囚)とその元愛人の鑑識官との恋愛模様。 (4) 勿論、銀行強盗の計画及び実行。 そして、これまた当然ながら、 (5) レオとブロンクスとの頭脳合戦(下巻への期待)。 上巻を読んだ限りでは、(1)と(2)が中心となっており、肝心の(4)は極めてお粗末という他はない。レオは父親から暴力を受け、ケンカの仕方は学んだが、所詮は素人であり、綿密な計画を立てられる能力があるとは到底思えない(現実の事件では綿密な計画を立てた人物が居たのだろうが、作者の人物造形が追い付いていない)。実際の事件をモデルにしている割にはリアリティを欠き、小説化している割にはサスペンス性・緊迫感に乏しい。これならいっそ、ノンフィクションに近い体裁で綴った方がインパクトが強かったのではないか。全体として、登場人物の心理を書込み過ぎているのである。このため、リーダビリティは良いが、凡庸な印象を免れないきらいがある。 なお、邦題は原題(Bjorndansen=熊のダンス)のほぼ直訳で、熊(警察)と闘う時は、ガチンコ勝負ではなく、熊の周りを踊る様にして小刻みにダメージを与えるべし、程の意味である。下巻では(5)が巧みに描かれる事を期待したいが、何だか、父親がボロを出してレオ達の足を引っ張るといった拙い展開になる様な悪い予感がする。 | ||||
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とてもよいテーマだと思うが、どうも入りこめなかった。訳のせいかは分からないが、文体が思わせぶり。そのせいで自分の中ではどこか白白してしまった。熱のこもるべきところでアッサリと流すというか、作為を感じる文体。余り文章の上手い人ではないように思う。残念。 | ||||
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なんと北欧にも「毛利元就の3本の矢」と同じ話があることに驚く。氏族というか家族の結束と確執というテーマが根底に流れる犯罪小説は、やはり北欧特有の重さをはらんだ仕上がり。 エルモア・レナード(「ゲットショティ」「ラム・パンチ」など)の南国系痛快クライムノベルとはまったく違い、いまどき流行らない銀行強盗でカネを得るために、まずは武器を調達することからはじめる、という奇想天外な序盤。長男の強いリーダーシップ、3兄弟の強い結束、絶縁したロクデナナシの父親を軸に武器を手にいれて、ほぼ証拠も残さず複数の強盗で大金を手にした彼らを待つ運命やいかに? | ||||
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主人公の3兄弟は、周到な準備と迅速な行動、意外な盲点からの逃走経路などで、テレビカメラの発達や科学捜査により現在では不可能と思われていた銀行強盗という犯罪ジャンルで次々と「成功」をおさめてしまう。しかし、鉄壁と思われていた3兄弟の結束が揺るぎ始め、助っ人たちも次々とヘマをやらかしたうえに、後手後手に回っていた警察もひとりの刑事と鑑識の執念(このふたりにも因縁を盛り込むという小説的手法も)で捜査の手がだんだん迫ってくる。 ロクデナシの父親にすら援軍を頼んでしまうという「足手纏い」をかかえてしまった彼らの末路は、お読みになってからのお楽しみということで。 | ||||
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父親の暴力から逃れ、自立を果たし、さらなる安定を手に入れるために前代未聞の強盗を企てた兄弟。 彼らは団結し、暴力をコントロールし、どんなことにも冷静で対処できていくように見えたけど、結局は暴力に支配されてしまったし、チームは壊れてしまうのだった。 暴力とは連鎖するもの。幸せを手に入れるためには、自ら断ち切る勇気が必要だし、しかしそれがどれほどたいへんなことなのか。 ということを、一気に読んでひといきついて考えた。 | ||||
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展開が意表を衝いている。舞台は北欧だが場所を限定せず楽しめる。 | ||||
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かってのスウェーデン社会をえぐりながらのシューヴァル夫妻のミステリー作品ほど深みはなかったですが若者達による連続銀行強盗 の展開がスピーディに描写されていて一気に読み終わりました。 | ||||
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こんないい素材をもったいない。読者に場面の映像を強要するような、細切れな文章。まるでTVドラマかなんかの脚本を読まされているような。そういえば作者の一人は脚本家だったか!もう一人はジャーナリストか。文章力のある人が書けば、抜群の小説だったろうに。たぶん映画がTVドラマにすれば、確実に原作を上回るだろう。 | ||||
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題材はいいのに、やたらと映像を意識した表現が多くて、読みづらい。ぷつぷつ切れた短いセンテンスも気になる。 もう少しどっしりした物にしたらいいのに。訳のせい? | ||||
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下巻。読み終えてみると、実は2つの家族の物語を背景とした深い深いミステリーであった。 銀行強盗を繰り返すレオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟と幼なじみのヤスペルだったが、その関係に亀裂が入り、レオの元を離れるフェリックス、ヴィンセント。長男のレオだけが、銀行強盗に固執するが…レオに迫るストックホルム市警警部のヨン・ブロンクス…やがて、父親の暴力という忌まわしい過去と自らの運命の呪縛から解放され、レオの長い旅が終わる。 訳者あとがきによれば、1991年秋から1993年末にかけてスウェーデンで実際に起きた事件をモデルにした作品とのこと。そして、作者のアンデシュ・ルースルンドは1991年の大晦日の前日に起きたストックホルム中央駅の爆弾事件の現場で当時公営テレビ記者として事件を報道していたようだ。一方の共著者であるステファン・トゥンベリも事件現場近くにおり、実はトゥンベリの兄弟がこの事件の犯人だったという衝撃の事実が記載されている。つまり、トゥンベリの兄弟が起こした一連の事件をルースルンドが小説に仕立てたというのがこの作品の背景であるようだ。 また、帯によるとハリウッドで映画化進行中とのこと。 | ||||
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次々と傑作・問題作を上梓し続けているアンデシュ・ルースルンドの長編ミステリー上巻。ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品。 主人公の3兄弟の過去を描いたプロローグに続き、第一部の前に記載された『これは事実に基づいた物語である。』という一文に驚く。圧倒的な描写に560ページがあっという間だった。過去の暴力の呪縛を背景とした3兄弟の止まるところを知らない暴走の行き着く先は…下巻を早く読まねば! 父親による暴力の嵐の中で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟は軍の倉庫から大量の銃器を奪い、現金輸送車襲撃を皮切りに、次々と銀行強盗を働く。謎の強盗犯を追うストックホルム市警警部のヨン・ブロンクスは少しずつ犯人像に迫っていく。 | ||||
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