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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全431件 281~300 15/22ページ
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最近話題の作家さん、初めて読んでみました。 そして、とっても苦戦してしまいました。 物語の本線があって、結構脱線するので、 そこが私にはちょっと難しかったです。 主人公・泉水と、血のつながらない弟・春。 別に離婚・再婚した家庭でもないのになぜか―。 春は、泉水の母親が強姦に遭って出来た子どもだった。 血の繋がった兄弟以上に仲のいい二人の周りで、 連続放火事件が起こる。 現場近くではグラフィティアート(壁の落書き)が残されていて―。 事件そのものについては、なかなか楽しめました。 綺麗に話が繋がっていて、なるほど!っと納得させられました。 動機もはっきりしているし、伏線もしっかりしていて、 読み終わった後に、一つの糸がきちんと繋がる感じでした。 ラストもあれはあれでよかったんじゃないかと思います。 いろいろ疑問は残るところですが。 | ||||
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訳のわからんタイトルだが、一言で面白い。 春という名前の弟が、母親がレイプされて結果できた子供、という重い設定。 筋書きは放火や落書きを導線にした復讐劇という単純なもので展開も読めるが、それでも面白い、というのがこの本の凄さ。兄弟の絆、関係性、父親と母親等々の挿入話を楽しみながら悲劇に見舞われた家族それぞれの軌跡を楽しむ物語。 兄弟同士の会話や引用が単純なのに面白く深い。この一冊を読み終えたころには引用に使われた文献10冊程度既に読みたくなっていた。春が万引きしてグチャグチャに踏み潰したCDはおそらくガンズの「アペタイト フォー ディストラクション」著者の生年月日から逆算して「なるほどなぁ〜」と頷いてしまう。 レイプという悲惨な現実は毎日起きている。レイプそのものより一歩突っ込んだところを描いているのが凄い。その結果生まれた子供がどんな苦しみを負って生きるか、レイプされた母親が必死に過去の惨劇を振り切ろうと勝負する姿、そしてレイプを正当化してのうのうと生き続ける犯罪者の苛立つ論理。その重いテーマを特殊で魅力的な兄弟愛、家族愛を描くことによって重さだけで終わらせない力量が素晴らしい。 この春という人物には自分でも驚くほどの共感を持てる。そんな人多いのではないだろうか・・・ | ||||
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父違いの兄弟およびその家族が、父違いのゆえに苦悩し、苦労した記憶を振り返りながら、ある事件の推理をする。 本書は、全て兄の視点で時系列に描かれている。いわゆる複数の視点で、時系列をずらして進んでいく伊坂氏独特の書き方ではないので、読みやすいし、テンポ良く進んでいく。 普通(普通の定義が難しいが)の家庭に生まれ育っている方にとっては、本書のような家庭の複雑さは、分からないであろうが、伊坂氏はいろいろな側面から、苦悩や苦労を伝えている。 | ||||
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伊坂さんはおそらく宮部みゆきさんのような良心的エンターテイメント大作家になっていくだろう。 綺麗事だけど綺麗事でない綺麗事を上手に書けるのは物事をまっすぐ見ながらも斜めから見ることを忘れないでそれでもまっすぐ見ようとする姿勢が必要であり、 それには人という生き物に対する信頼と知性と大衆性が必要だと感じるからだ。 旧作の本作も新作の「ゴールデンスランバー」にしても会話と構成が本当に上手だと思う。 TVや映画でドラマ化できないようなもう少し甘さ控えめな作家のほうが個人的には好みな俺だけど、 「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」という台詞には思わずホロッときてしまった。 あと何か説明に困ると安易にすぐDNAのせいにする人が嫌いなので春の台詞には共感するところが多くて嬉しくなった。 | ||||
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派手な衣装と化粧をし、サーカスなどで玉乗りや司会を行う人のことをピエロとよぶのは日本だけであり、正しくは「クラウン」とよばれる。本来のピエロは、コメディア・デラルテに登場する、顔は真っ白で哀愁を漂わせ、好きな人を殺してしまうことでしか愛情表現できないキャラクターが起源とされる。(ウィキペディアより引用)。 高校の時、戦争は怖くないけどもピエロと爪が剥がれるのは怖いと言っていた友人との会話を思い出した。 「ピエロは無言のままパントマイムを続け、泣き顔のメイクをしているのもかかわらず、陽気にタップを踏み、私たちを混乱させた。大きな玉にの上に乗り、警戒に動き回るピエロは、この世にいてはいけない者にも見えた。違和感があったのだ。違和感を背負いつつも、表情を変えずに、次々と観客から笑いを引き出している。」 ピエロは僕らにとって非日常だ。サーカスと言う非日常の世界を引き立てるピエロ。彼らが現実にいたとしたら、底知れない思わず目を覆いたくなる様なバックグラウンドを感じずにはいられない。ピエロは泣きながら笑っている。 この物語ではピエロが宙を舞う。 「ふわりふわりと飛ぶピエロに、重力なんて関係ないんだから」 ピエロは私たちが信じている重力を笑い飛ばしてしまう。僕らは毎日、重力を意識して暮らしていない。信じてはいるけど、大した問題ではないからだ。 「重いものを背負いながら、タップを踏むように」 ピエロが飛ぶには重力なんだ。彼らにとって大切な事だからこそ重力は消える。そして飛ぶ。 「ピエロが空中ブランコから飛ぶ時、みんな重力のことを忘れるんだ」 僕の周りにも愛すべきピエロはいる。 | ||||
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個人的にとても好きな小説です。 曖昧ですが、いろんな意味でいろんなことを考えさせられる内容だと思いました。一番わかりやすいのは家族の関係について。DNAがどうとかこうとか、確かに読んでてアルファベットがいっぱいでわかりにくい場面もありましたが、結局言いたいことは最後にどーんと書かれている気がします。 印象的なセリフ、文章、人物、偉人の話。 自分は伊坂さんの小説のこういう雰囲気が好きなので、この重力ピエロもお気に入りの一つです。とくに話の中で何度となく交わされる「会話」は、私にとって名言に値するものもあります。 | ||||
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素直に良い作品だった。こういう本の初心者のワタシでもオチは分かったし、あっと驚く展開もなかったと言えばなかった。 でもこの作品の本質はもっと深いところにあって、親が子を殺したり子が親を殺したりするのが当たり前なこの世の中と時代の中で、ワタシたちがどう家族と向き合っていくべきなのか、ということを考えさせられた。文章も軽快で読みやすいし、読んで損はない作品だと思います。ちなみに文庫本の456ページの父親の台詞には鳥肌が立ちました。 | ||||
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ここで自分の経験から言わしてもらうと1回目に読んだ時(中学3年生)はなんだ 平凡な作家だなと思ったきりそんなにいい作品であるとは思いませんでした。 2回目に読んだ時(大学生の時)は会話のふしぶしまで意味が分かり「文学的」におもしろいと思いました。 この違いは何なのかというと読み方の違いだと思います。 1回目に読んだ時は「ミステリー」として読んでしまい、こんなトリックなんか 最後まで読まなくても分かるよといった感想しか持ちませんでした。 2回目に読んだ時は文学的立場すなわち 「レイプされた親から生まれてきた春の苦悩」 ・・・自分の存在を認めればレイプを認め、レイプを否定すれば自分の存在を否定するということ という観点からみると遺伝子にまつわる話の意味、なぜ春がガンジーがすきなのか ジョーダンバットにこめられた思いなど様々な事柄が一気に分かります。 この作品を読んでつまらないと思った人もこれから読む人もぜひこのような点も 考えて読んでみたらいかがでしょうか? | ||||
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長い小説だが、終わり近くになって、作者がタイトルにこめた意味を知らされる。 ピエロがメイクをし、玉に乗り、空中ブランコで空を飛び、ときに不恰好に転ぶのは何のためか? 重力は放っておいても働いてくる。それなら私は――― ほかの方のレビューで「村上春樹調」というコメントを目にしたが、その陰々鬱々とした登場人物と、奇をてらった文章の書き方など、私も村上春樹さんと同じだー・・・と思いました。村上春樹さんは『ノルウェイの森』で大作家の地位を確立されたし、この『重力ピエロ』も話題作ですが、どうしてみんなこういうテイストの小説がそんなに好きなんでしょう? 謎です。 逃れられない苦しみを胸にもつ主人公。非常に重いテーマを扱う以上、「軽快にリズムよく」とはいかないのは分かるけれど、にしても、異常に長いような・・・。不必要な叙述が繰り返され、「しつこい」とうんざりすることも。伊坂さんの処女作『オーデュボンの祈り』も同様で、こちらは最後までたどり着けずじまい。英単語借用の頻度、どこかしこから拾ってきたうんちくのようなものが多すぎて、「知的でしょ?」というアピールに力が入りすぎているなぁ〜、と。 ちなみにその後出版された『ラッシュライフ』では、一転して、ユーモアたっぷりの、テンポのよい作品に仕上がっています。 伊坂さんの作品なら、じつはこちらが絶対にお薦め。 | ||||
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重めのテーマではじめは夢中になって読んでたんですが、兄弟の会話がちょっと大袈裟というかくどいように感じられて嫌になってしまいました。 私には合わなかったみたいです… | ||||
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ストーリー云々というより、やけに引用が多く…。ゴダールやらバタイユやら…。 すごく気取った印象を受けてしまい、正直その辺は”寒いなぁ”と思ってしまいました。 伏線もしっかり張ってありますが、”きっとこうなるだろうな”と思った通りに物語は進んでしまい、物足りなさを感じました。 | ||||
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伊坂さんの小説は、非常に作者の味がでているので人によっては「もうちょっと読み手に合わせろよ!」と思うやもしれません。魅力とも欠点ともとれる登場人物の一直線さ。この物語では罪悪感も何もかも飛び越えてしまっています。それこそ重力なんて無いかのように。従来の分類の仕方ではこの本の「位置」は決められないと私は思います。(作中の人物も「定義」が嫌いだって言っていましたし。)物語の中心は確かに謎解きなのですが、あくまでそれは形式であって、魅力を感じるとすれば春や泉水や父親の「繋がり」、クサく言えば「信頼」だと思います。心が温かくなって涙する様な作風ではありませんが、何か目を背ける事が出来なくなる一冊です。間違いなく得るものがあります。同一著者の作品の「グラスホッパー」もおすすめさせて頂きます。こちらは当作とは違い「罪悪感」が前面に押し出されている感じです。「罪と許し」「殺人と家族愛」「火と遺伝子」。春が自分のことを狂人だと言ったのが悲しかったです。 | ||||
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あいかわらず、 おもしろいんだよなぁ。 でも、 あいかわらず、 違和感も伴うんだよなぁ。 なんか、 僕にとっては、 謎の作家。 なぜ、 弟の春の出生について、 ああいう状況と言うか、 事件が必要だったんだろうか。 もちろん、 それが全ての始まりであり、 終わりとなるのだが・・・。 これだけの才能をもった作家なら、 同じ内容のものを、 違う状況でも書けるんじゃないかと思う。 たぶん、思うに、 わざと書いたんだろう。 だとすると、 そこに作家の“悪意”を感じてしまう。 結局、惹きつけられてるのかなぁ。 この作家に。 まだまだ謎が多いなぁ。 | ||||
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伊坂先生の本は色々と読んでいますが、個人的にはこの話が一番好きで、お勧めです。 話の内容は明るいものではありませんが、それでも救いがあり、赦しがあります。 家族のあり方、血の繋がりの何たるかを考えさせられました。 読後感も爽やかで、今でも何度も読み返しています。 | ||||
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兄弟愛・家族愛の話・・のように感じた。 だけど少し特殊な家庭事情を抱えた家族の話。 母親がレイプされるという大変な事件の末に 生まれた子供、春という名の弟のお兄さんが主人公。 謎の放火事件を巡り、推理を巡らせ、奮闘する間、 個性的な登場人物や、遺伝子の話、人類のルーツ、 ネアンデルタール人やクロマニョン人の話など、 いっぱい話が広がっていって面白い。 実の父親はレイプ犯。 その現実と戦う弟。 それは、とても想像できないことだけど。 親の立場から、もし、そんな事件から子を授かった場合、 産むことを決断するのは、とても困難な道。 それも、とても想像できないことだけど。 生まれてくることの意味、 遺伝子・・実の父親と、育ての父親・・。 色々なことを考えさせられる、 とても重みのある内容の話だった。 | ||||
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ひとつのテーマを、全体の小説通して書いているって気がしました。 ものすごく重く書いてるわけでもなく、でもエピソードひとつひとつ 読んでいくとこの結末(読んでくうちに結末がわかってしまうんだけれども) にも、私は納得できたというか、違和感を感じなかった。 キャラクターが魅力的。 私にとって2冊目の伊坂作品で、今 ラッシュライフを読んでますが、 もしかして順番に読んでいったほうがいいみたい?です。 他作品と同じ登場人物がでてくるので。 | ||||
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人生というのは川の流れみたいなものだから何をやっていようと流されていくんだ 安定とか不安定なんていうのは、大きな川の流れの中ではさ、些細なことなんだよ。 向かっていく方向に大差はない。好きにすればいい。 サドの哲学は利益とそれから完璧なエゴイズムのそれである。 人生は考えるものじゃなくて、知るものなんだ。 善はカタツムリの速度で動くんだ。 なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。 | ||||
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帯に書かれている編集者の絶賛ほどではないと思いました。 同時代的文学って、若者世代の軽さってこと? 会話は明らかに村上春樹の影響受けているって感じですね。 私は好きですよ。 まあ、ミステリーとして読むより、複雑な現代社会における家族のストーリーって感じでしょうか。でも、やはり食い足りない、軽いと思います。 五木寛之さんが直木賞の選評でこう書かれています。 「私自身は、こういう作品は苦手である。しかし異色の才能という点では、一目おかざるをえない。むしろ直木賞など受けないほうが、伊坂さんの栄光というものだろう。」 | ||||
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遺伝子の話/グラフィックアートの謎。はたまた、後藤郷子の立ち回り。ストーリーそのものよりも、ディテールの趣の輝く作品でした。 冒頭に二階から突拍子も無く兄の足元に落ちてくる弟の姿を象徴としたヒューマンドラマが本編のテーマである。とんでもない出生の秘密、愛情あふれる家族愛。育ての父と義理の兄との美しい愛情に、心から感動しました。 たとえるならば、伊坂版「カラマーゾフの兄弟」と位置づけます。 | ||||
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小説だから許されるラストなのだろうとは思います。 これを是とするか、否とするかは人によって異なると思いますが、私は大変すがすがしいラストだと感じました。 現実社会の理不尽な犯罪について憤りを感じている人も多いのではないでしょうか? それが法治国家だといわれても、「罪を憎んで人を憎まず…なんてキレイごといってられるかぁ!!」と思ってしまうことはありませんか? そんなときに、この小説は救いになると思います。 私は大好きな1冊になりました。 ちょっと芝居がかった登場人物の台詞や行動も魅力的です。 | ||||
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