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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全435件 221~240 12/22ページ
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| バタイユ的な「禁止の侵犯と祝祭的蕩尽で超越する」実存主義、具体的には、セックスと暴力によって生の強度を得るという発想と、生物学主義的な家族関係論が徹底的に批判されている。 エロオヤジの妄想(言い訳?)めいたこの種の言説にうんざりしていた私にとっては胸のすくような痛快な作品だった。(先日も、「草食系男子」に説教を垂れる勘違いエロオヤジと、「レイプは遺伝子の適応だ」とぬかす自称生物学者の文章を読んで気分が悪くなったところだ) 春は、セックスと暴力の結果、呪われた遺伝子を背負って生まれてきた。 性を忌避する彼はしかし、ピエロのように軽快に、社会を超越してみせる。 遺伝子的にはつながりのない親子が、強い絆で結ばれている。 結局のところ、セックスだの暴力だの、生物学に裏打ちされたコミュニケーションだのは、身近な他者としょぼい関係性しか築けないヘタレの逃避にすぎないのだ。 ところで、若者に支持されたこの手のエンタメ小説には「人間が描けてない」との批判が絶えないが、しっかり人間を描いている(らしい)純文学様が晒している醜態を見るに、そんなものは描かないのが正解だと思う。 そもそもそんなもん読みたくないし。 | ||||
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| 話のところどころに歴史上の偉人の名言が出てくるのがこの作者の特徴だと思う。 この作品ではガンジーが多数引用さていた。そこで好みが分かれる気がする。 私は教養があまりないので、やや退屈だった。 ストーリーとしてはややありきたりな推理小説で途中で犯人がわかる人も多いと思う。 物語の一文の「たった9秒間の快楽と引き換えに60年間子供が苦しむ」みたいな文章が印象に残った。 話題になった割にはいまいちだった。 | ||||
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| 「殺してもいいような人間は殺してもいい」「盗んでもいいような人間からは盗んでもいい」そんなテーマが、深い思索も葛藤もなく安易に提示された小説で、実に不愉快でした。人間の心に、存在に、生きるということに、全く踏み込まず、しゃれた(実はたいしてしゃれてもいないのだが)会話でするりするりと身をかわしてゆく登場人物たちの生き方が、若い世代に支持されているのかと思うと、暗澹とします。 エンターテインメントとしても、出来はよくない。謎の解決は、こじつけばかり。展開の先があまり簡単に読めるので、どんでん返しがあるのかと期待したが、それもなし。 ここにあげたような点を、「作者の周到なたくらみである」と書いている評論家がいたが、ホンキかよ? いや、評論家って、干されると飯の食い上げになる悲しき職業なのか……。 | ||||
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| 一度この作品を読めば分かると思いますが、会話が非常にキザです。 映画や小説の世界と、日常世界の「会話」は、実際異なっていると私は考えておりますが、 この作品における「会話」は、 それらの分類とは別個の無機質的な日常世界の会話というか…血が通ってない機械的な会話だな、といった印象を受けます。ある意味、それは作者の挑戦と言えるかもしれませんが、読み手としてはあまり面白くないというのが実の感情です。 | ||||
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| 謎解きをベースにした人間模様がまぁ複雑に書かれてますね。読み方によって退屈とも言えるし奥深いとも言えます。「あなたならこんな場面で何て言う?」みたいな読者への問いかけではないだろうかなんて憶測してしまいますね。善悪の定義が独特で、わかるといった受け入れられる面と、いや違うだろと言える面とが矛盾してるけどありました。本当は何を言いたいのか、まだ掴めません。 | ||||
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| 経緯があって映画を見てしまって、うーん、あんまり面白くないなと思いました。 それを友人に話すと、烈火のごとく「小説読みなさい」と怒られたので、読んでみると、なるほど傑作です。 色々な伏線がぐいぐい心を締め付けながらも、深刻なことは陽気にというどこかあか抜けた雰囲気にすっかり魅了されました。 | ||||
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| 最初と最後の一行が印象的な作品。 クライマックスでの春の言葉もまた鮮烈。 まもなく公開の映画が楽しみです。 | ||||
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| ミステリーとしては無理がある。そんなに何回も落書きと放火を繰り返していたら、当然、目撃者が現れるだろう、大の男の死体を一人で運ぶのは結構、大変だ、殺害場所をごまかされるほど、仙台の警察は無能じゃないだろう・・。 普通の小説として読むと、物語にすっと入っていける。そして、その物語は、文句無く面白い。 テーマは暗い。だが、豊富な引用に富む、気のきいた会話を読むのは楽しい。読み終えた後の後味もいい。 結末について。 「人を殺してはいけない」「罪を犯したら、罰せられなければならない」 この手の紋切り型の正論(もちろん、これが正論ではある)に逆らうのは、たとえフィクションでも、勇気がいるだろう。正直、この作品も、いずれこの手の無難な正論へ流されていくだろうと思っていた。 違った。 主人公兄弟の父親同様、この作家自身も、ういきょうの花言葉が似合いそうだ。 「賞賛に値する」 | ||||
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| 30ページまで読んだが、DNAが出る辺りまで、東野圭吾さんの分身を思い出しました、あとテレビは頭の腐った人しか観ないというのは言い過ぎじゃないか?自分の小説がドラマになったらじゃあ観るなといいたい、伊坂幸太郎は俺には合わない・・・。アヒルと鴨も全く面白くなかった・・・スポーツも音楽番組も観るんじゃねーぞ、伊坂幸太郎!!!俺は観るけど、あとドラマもニュースも、俺は観ないけど、あとチルドレンはWOWOWでドラマかされたらしいが | ||||
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| 重力ピエロは伊坂幸太郎の初期の作品ですが 私の中ではまだこれを超えるものは出てない。 ミステリー的な謎解きや伏線に、それほど驚きはないし 一気に読ませるようなストーリー構成のうまさでは最近の作品のが完成されていると思うし どんどん面白く進化しているとは思うのだけれど…でもこれが伊坂幸太郎の原点だ!と勝手に思っています。 兄である主人公と、弟の春。 春は、母親がレイプされた結果身ごもった、半分だけ血のつながった弟だ。 ある日主人公の会社が、最近起きていた連続放火の被害をうけ、 放火現場の近くに必ず残されている落書きに気づいた春は、兄とともに調査を始める。 たまたま身近で起きただけのはずの連続放火とグラフィックアートの関係の謎と 許せない犯罪がなければ自分の存在がなかったという、矛盾を抱えた春の存在が 次第に深く絡み合って…。 犯罪を憎む気持ちと、それがなければ存在しなかったという矛盾を抱えた家族。 物語はすごく重いテーマをはらんでいるのだけれど その文章は、軽く、明るく、うつむくところがない。 それはまさに物語の中で春がいう台詞通り。 「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」 これが伊坂幸太郎の文章の根っこの成分なんだろうな、と思います。 彼らの母親の選択も、父親の揺るがない信念も 主人公がやろうとしたことも、 物語の結末の、春の行為も 正しくなかったことも、あるかもしれない。 いや、はっきりと、してはいけないこともある。 けれど、読み終わったあと、嫌な気持ちにはならない。 それは多分、彼らの決断が、自分の正しさを信じる一種の狂気のようなものではなく 勧善懲悪のような、わかりやすい気持ちよさでもなく ただ空中ブランコのピエロが、一瞬だけ重力を忘れさせてくれるように すべてを越えてふわりと飛んでいくような、軽やかなすがすがしさを感じさせてくれるから。 まさにこれが伊坂作品の真骨頂、と思うのです。 | ||||
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| 友人の勧めで購入。 はまると一気に伊坂ワールドに引き込まれて、読み終わるのは早かったです。 一気に読み切った感想は「スゴイ!!」の一言。 後からジワジワ考えさせられる「興味深い」本です。 この作者の別の本も読んでみたい気にさせる一冊。 | ||||
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| この本はいまの世の中にある決まり事に対する挑戦である。確かに弟は罪を犯し続ける。放火、そして殺人。しかし法の網がかからないところで悪さをしている人間がごまんと存在する。法を犯す人間は、法を犯さずとも人を不幸にする人間よりも「絶対的に悪」なのだろうか。そして家族。血のつながった者=家族。それが全てなのか?レイプと言う悍ましい現実の結果生まれた子供は、一生社会からの蔑視に甘んじなければいけないのか。如何様にも解釈出来る「血縁」こそが、生まれた子供への愛を持つことよりも大事なことなのだろうか。法を犯せ、と言っているわけではない。私刑を許すことは有り得ない。「オーデュポン〜」に登場する「桜」が示すように、社会が信じるルールや善悪の判断では計れない「価値観」が存在するのではないだろうか。人は目に見えるものや生まれながらにあるものに安心し、守られている。また時に、それらに対し無力感を以て仕方がないと涙する。しかしルールとは「自分」にとって「答え」なのかは神ならぬ我のみぞ知る。作者は「自分の感情を信じろ」と我々に問い掛けているのではないか。自分を信じること。この道はひたすら難しいものなのか、否、安らかなるものなのか、それこそ神のみぞ知る。 | ||||
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| 伊坂幸太郎の作品の中で この重力ピエロだけは、先の展開が読めてしまった。 文章の中に堂々と答えが転がっているミステリなので、 これは何か裏があるのだろうかと思い読みましたが、 特に何もなく、普通の答えあわせが行われがっかりしました。 放火の動機もそんなことのためにやったの?って思ってしまい、 とても嫌な気分になりました。関係ない人巻き込まれているし…。 そもそもこんな回りくどい事をする必要性が理解できない。 終わり方も何だか釈然としたものではありませんでした。 オーデュボンの祈りの伊藤とラッシュライフの黒澤が出てきたのは 伊坂ファンとして面白かった。 | ||||
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| 重い。発想的には良いのですが、ちょっと内容がクドイ感じがしました。 | ||||
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| ミステリとして楽しめるわけでも、深みを味わわせてくれるわけでもない。 軽快なタッチを意識した文章は読みやすいことは読みやすいけど、『若さ』を強調するにはちょっと臭いというか『違う』感じがした。 (『文章の独創性』という点においては、町田康など芥川賞作家のほうがレベルが高い) あと、春の人物像がどうも魅力的には思えなかった。 『結構人間らしい面を持ち合わせている天才』、という印象を与えたいようだが私には逆に『天才っぽいふりをしている普通の人間』に思えてならなかった。 それでも不安なく読めることは確かだし、可もなく不可もない感じ。 | ||||
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| 伊坂さんは、思索の人だなぁ というのが読後の第一印象。物事に対する、色々な見方を登場人物を借りて、提示しているように思える。それぞれの考え方が、彼ら(彼女ら)の個性に投影されているので、現実的かどうかは別として、役回りなんかが、とてもわかりやすい(作品を書き上げる苦労も大変だろうけど)。 仁リッチが、自社の社員に訓示を垂れる、”遺伝子と会社の社員”のくだりは、大いに納得させられた。 ウェストレイクのドードマンダーもののような会話の妙(うざったい箇所もあるけれど)と、多岐にわたる情報量に比べると、ものがたりそのものが、つまらなく思えるのが難点。ミステリじゃなくて、ブンガクなのかなぁ。 | ||||
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| この作品で伊坂ワールドに触れ 以来全作品を購入しました。 話の内容はとても重いのに 読み終えた後はなんとも清々しい気持ちになります。 全ての会話に意味があり 何度でも読める作品です。 是非映画を観る前に小説で。 | ||||
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| 展開や、推理を楽しむ為にこの小説を読むのは間違いです。 この小説は雰囲気を楽しむ為に読むのが正しい取り組み方です。 性を書けば文学になる? 現代では登場人物に薀蓄を延々語らせればベストセラーです。 | ||||
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| テーマは重いのに、どこか飄々としていて、軽いタッチで読まされてしまう、これが伊坂作品の最大の特徴でしょう。妻が、母が強姦の被害者になったら。自分がその被害にあった結果の子どもだったら。自分が直面したら、その事実の重さに押しつぶされてしまうだろうと思えるような設定。どの立場にいても、これから先の人生がつらいものでしかないように思えるのに、泉水と春、その両親の4人家族は、どの家族よりも強い絆で結ばれている。何より素晴らしいのは、この両親だろう。 周りの冷たい視線をものともせず、2人の子どもを分け隔てなく育てた母。犯罪の被害にあい、妊娠したことを告げられた時に「産もう」と決心したのは父。この二人にとっては『子どもが産まれてくる』というその事実のみが大切であり、原因はどうでもよかったのかもしれない。なかなかできない選択だと思うけれど、みじんも後悔していないその潔さが爽快だ。 連続して起きる放火事件の謎と遺伝子の謎がどう絡み合ってくるのか、楽しみながら読めた。これだけの重い内容を中心に据えながらそれをミステリーに仕立てる手腕の素晴らしさ。それに加えて、家族のつながりという別のテーマでもきっちり読ませてくれる。血がつながっているってどういうことなのか。まじまじと考えたことがなかったが、親子というのは、心がつながるために血のつながりは必要ないんだろうと思えた。病に倒れた父の最後の言葉、「お前は俺に似て嘘が下手だ」に、ほろりときた。 近日映画が公開されるようだが、サーカスのシーンがどう描かれている見てみたい。ここがキーポイント、タイトルの所以でもある大事なシーンだ。映像化されるとどういった作品になるのか、そちらも楽しみだ。 | ||||
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| 映画化されるのを知り、 『フィッシュ・ストーリー』に続いて読みました。 “人と人とのつながり” 赤の他人、家族の違いこそあれ、 根底にあるものに共通性を感じました。 今作は、そこにミステリー要素も盛り込まれ、 先が見えない面白さに一気に読みきってしまいました。 〜 春が2階から落ちてきた 〜 桜が咲き始める今の季節にピッタリの作品。 ぜひ、同作を読んで、家族への思いに浸ってみてください(笑顔) | ||||
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