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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全435件 181~200 10/22ページ
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| この小説に限らず伊坂作品を読む際に頭をよぎって離れないのは、「永遠の子供/ピーターパン」という言葉。 「お洒落でスタイリッシュな会話」あるいは「ポップで芸術的な作品世界」というのは、伊坂作品の長所としてよくあげられるが、それは多くの人が大学生活で経験ずみのこと。 多くの大人が、学生時代にはポップな知的世界を経験している。文芸書だの小難しい映画だのに一通り挑戦し、町へ繰り出してはスプレー缶片手に「つまらない大人社会」に喧嘩を売り、学部授業に顔を出してはDNAだのクロマニヨン人だの格好よさげな教科をかじり、自分が何か知的エリートになった気分に酔うものだ。 しかし4年もたつと、そういった学生生活から卒業するものだ。 満員電車にゆられ、あるいは家事育児に取り組むなどして、地に足のついた生活の意味を理解してゆく。 大学で親しんだ知識世界など、実生活では糞の役にも立たないことを痛感するものだ。 しかるに伊坂作品はそうではない。登場人物はいちおう仕事を持っていたり、家庭をもっていたり、癌に冒されて入院していたりするが、その頭の中はおしなべてハタチの学生のままで、ポップで洒脱な会話に浸り、現実離れした文芸映画や推理小説を大声で論じ、自分の住む町でおこった連続放火事件をゲーム気分で捉えている。 それも一般読者に無縁のセレブ世界ならまだ興味も湧くけれども、ピカソだのゴダールだの、この作品中で語られている程度のレベルなら、NHKやテレビ東京をつければ日常的にやっている。それを「どうだこの蘊蓄すごいでしょ」的に自信満々に見せられるから、尻がむず痒い、鼻持ちならない、クサイのだ。 「永遠の子供」は格好いいことでも何でもなく、恥ずかしいことです。 伊坂ワールドは、よくもわるくも、実生活からの乖離。 学生生活のノリで人生かたっちゃ駄目だよ。 あとダメ出しを許していただくと、伊坂氏は仮にも作家なんだけど、社会経験、足りなくない? DNA調査会社って、本当にこんな感じかい? 探偵、というか興信所の所員って、本当にこんな感じ? 大学構内ならともかく、ふつうの街中でゴーギャンだのバタイユだのの話題を振って、話がはずむ? 常識的な大人が、「定義」だの「寓意」だの、「事象」だの「法則」だのという言葉を、使う? 相手に通じる言葉でしゃべるのが大人ってものでしょう。 あれだけの放火事件その他がおこって、警察関係者が一人も出てこないのはどういうこと? 落書(=器物損壊)あるいは放火を1件やらかした向こう側には、必ず被害者がいること、わかってる? 人の痛みとか、分かる? 残念ながらこの作者は、非常に独りよがりな部分でしか、理解していない。 癌に冒されて死期が迫っている人間が、あんなに明るく楽しく過ごせるものかい? 身近な人の死を一回でも体験したこと、ある? 人ひとり殺害し、死体処理した人間が、屋根に登ったり飛び降りたり、明るくはしゃいでられるものかい? 猫の死骸ひとつ埋めるのだって、実際にやってみると血の臭いとか、手に残る感触とか、きつい作業だよ。 死顔の残像に悩まされてげっそりするのが普通だ。 頭の中だけで物語を作るの、やめようよ。 DNA会社を話の都合上、出したいんなら、きちんと取材すべき。「これはフィクションです」的な一文で逃げたら駄目だよ。あなたはプロなんだから。 あと、映画論や化石人類や、英語学や日本神話や、世界平和や少年犯罪や死刑制度について持論を語りたいのなら、どれか1つでも、大学院へ社会人入学するなどして、きちんと勉強してみたらどうだろうか。 どの分野でも専門家が一生かけて研究しており、学問的な議論は非常に厳密におこなわれている。 少なくとも本を2,3冊読んだ程度の素人が、軽々しく口をはさんでよい世界ではないよ。 浅い知識で森羅万象を論じるのは、控えるべき。 | ||||
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| いくら復讐のためだからって放火や殺人は良くない、と思う人はこの作品も「アヒルと鴨のコインロッカー」も 読むべきではないだろう。 | ||||
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| 主人公の父親が、主人公の弟に最後に言った一言。 「*****************」 これにガツン、とやられました。 しばらくして、ジワーっと感動が、、、。 参りました、って感じです。 放火事件と、街の落書きと、遺伝子との奇妙なリンク。 謎解きの楽しさがありながら、さらに、家族についてもっと重要なことを考えさせてくれる作品です。 社会的な家族と、遺伝的な家族。 どちらも家族を定義付けるには十分な要素だけど、本当に大事なことは、家族のそれぞれが家族のそれぞれを愛情を持って家族と認めること、だと感じた。 人を殺すシーンが出てきて、それを正当化する場面もある。 これに関しては、賛否分かれるだろうな、と思った。 殺人を償うことよりも、家族の愛が大事なんだ、といわんばかりの構成だったが、現実に考えるとやっぱり殺人を償わせることが本当の家族の愛だろう、って思った。 それと、ひとつ気がかりなのが、主人公があの橋で夜中に出会った青年、、、。 彼の役割は一体、、、? | ||||
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| 物語を半分も読まないうちから、おおかたのプロットが分かってしまう。ミステリー性にも欠けているし。それでも、レビューに書かれているような「衝撃の結末」を期待して読み進めて行ったけれど、全然衝撃じゃなかった。まあ、作者は、家族愛を軸として物語を進めているのであって、ミステリー性を重要視しているのではないのだろうけど、それでも、もう少しひねりのきいた結末がほしかった。映画化されるぐらいなのだから、きっと素晴らしい作品であるのには違いないのだろうけど、私個人の意見としては、読んだ分だけ時間のムダだったという感じ。でも多くの文献を参考に、たくさん下調べをなさっているようなので、その努力を汲んで、★2つ。 | ||||
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| とある街で連続放火事件が発生する。遺伝子をあつかう会社に勤務する「私」は、 自分の会社が次の標的になることを弟の「春」から事前に知らされる。「春」が犯 行を事前にそれを知り得たのは、彼が生業として消している街中の「グラフィティー アート」(らくがき)からだった。らくがきと犯行との関係はなにか。「最強の兄姉」 の調査がはじまる。 500ページ弱の枚数をかけて書かれるのは、連続放火魔は追う本格ミステリーと いうよりも、もっと倫理的な問いだ。暗号解読など謎解きの要素もあるがそれは傍 流で、「犯人」にしても現実の放火事件ではもっとも初めてに疑われるだろうという 存在だ。 ではその倫理的な問いというのは何か。端的に言えばそれは、「“家族”は“科学 的絆”をのり越えることができるのか」だ。「私」と「春」、とくに「春」にはその出生に おいて永遠に消すことのできない重大な科学的刻印が刻まれているのだが、それ をもっと別の「絆」で超克することができるのか、それが本題だ。 だが、結論をいうとこの小説、端的に言ってつまらないのだ。そう思わせられるのは、 やたら長いということに関係している。ストーリーから脱線して展開される登場人物 たちの文学的知識は大いにためになるのだが、いかんせん読者の大半はとりあえ ず現時点で彼らの文学講座を受講したいわけではなく、どうしてもその箇所はしん どくなってくる。また、「謎の美女」というミステリーには欠かせない存在もでてくるが、 彼女の「素性」が知れると、なんで登場人物たちはこんな女と平然と交流してるん だというのが、変でしかたがない。恐いだろこんな女。 評者は伊坂幸太郎の小説を初めて手に取ったのだが、この本を読んだ後は、この 人気作家への失望しか残らなかった。だが聞くところによると、彼の傑作は本作よ り前に集中しているらしく、今度はそちらのほうを手に取ってみようと思う。 | ||||
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| 彼の作品や文章はキライではありませんが、この作品は独自の世界観で好き嫌いが分かれそうです。 未成年の犯罪という主軸があり、最大の不幸が(母親がレイプされ、産まれた弟を持つ)訪れた家族にも関わらず素晴らしい両親を持ち惜しみない愛を糧に兄弟2人は血の繋がる兄弟よりも仲良く真っ当に生きて来れた、が、必ずしも善人に育ったわけでなく、幼い頃に芽吹いた憎しみ、弟に流れる血、憎むべき性犯罪者のDNAに、兄弟は格闘していたという事でしょう。 リアルな事件が背景の割りにこの家族は浮世離れしすぎ現実味に欠けているのかもです。 そこに共感できない、感情移入できない、というのはしょうがないかも知れません。 実際のところはこんな親は滅多に居なく、人も羨む兄弟仲に、優秀な探偵、美人なストーカー、何より、犯されて出来た子をよく産みましたね?などという環境下に住み続けていたという事もあまりに常識からかけ離れ、ファイションよりもフィクションらしい印象を持ちます。 芸術的、文学的に育った兄弟の為、ところどころに絵画や作家、あらゆる文豪の格言や比喩が多々出てくるのですが、その多くが何故か物語とは融合されておらず取ってつけたかのような印象があります。何故かと言うとそれらは学問も時代も国もバラバラで統一性が無く、度々ある回想も断片的で、ぶった切ったフィルムを見るようなイメージを受けたからだと思います。 全てDNAに纏わる事で一貫性があれば良かったのですが。 でも、「春は悲しんだ」「イズミは悲しんだ」この微笑ましい兄弟のやり取りは愛らしく「山椒魚」という作品が大いに気になりました。 そこが狙い?自分の知らない分野を知りえる良い機会にっなったと言えなくもないです。 読み終えてからの感想としては私は母親と同じく結果オーライ?な気もします。 そもそもがフィクションであり、小説に対し正義や常識を求めるのはナンセンスというものです。 どのミステリー小説にも殺人や狂人は付き物で、むしろ出て来なければ出てこないで腹立たしいはずなのです。 これはファンタジーである、そんな柔軟な姿勢を持って読むべき物語です。 また自分に置換えたり客観的に見ても 「こんな可愛い弟と素晴らしい家族が居れば私も犯罪者になり得るか? 純粋に育ったからこそ、犯罪を許せないか?」と、改めて幸せと不幸・純粋と狂気の紙一重を知ったようにも思えます。 それはそれとして、現実味がなく面白み(スリルやサスペンス)に欠けた印象はあるものの、この作品を読むに値しないかと言えばそうでもなく春の、狂人と紙一重の儚さ、美しさ。 この兄弟の心奥底にある苦悩と純粋さ。 最も美しい言葉がところどころ散りばめられ、その表現、その情景が美しいものに触れた発見を喜びと出来る柔軟な方であれば読んで損は無いはずです。 | ||||
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| 映画でも話題になっていて、ずっと気になっていたので買いました。 もっと重い話だと思っていました。 この物語の家族は、とても深い傷を負っています。 しかし、全体的にその深さを感じさせない軽いタッチで描かれているなぁと感じました。 「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」という台詞が登場しますが、 この作品全体がそれを意識しているように思いました。 傷をえぐるようなできごとも、影をもちながらも思い出として明るく描かれていて、 まさに泣き顔でパフォーマンスをするピエロ、という印象です。 犯人もすぐ予想がつくし、展開も読め、どんでん返しがあるわけではないので、 ミステリーとして読むものではないと思います。 遺伝子や血の繋がりを超えた家族の絆を感じさせてくれる作品です。 ただ、章も細かさと文章の軽さのため、とても読みやすかったのですが、 最後までさらさらと読んでしまい、印象に特別強く残ったものではありませんでした。 文庫化にあたり加えられた話があるそうですが、 この話があることで作品自体に深みがプラスされていると思うので、その点は良かったと思います。 | ||||
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| ・ドラマティックな展開を希望している人。 ・オーデュボンの祈りのような作品を期待する人。 にはお勧めできません。読み始めてまず何に興味を持って読めばいいのかわからなくなりました。淡々しすぎていてつまらなかったです。作者はあまり読者を楽しませるつもりはないようです。事件が起こることは起こるのですが到底次の展開が気になる感じではなかったです。途中で読むのをやめた人が多いことにも納得です。著者の他の作品で好きなものもあるのですが・・・。なかなか難しい作家さんですね。 | ||||
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| 裏のあらすじは誇張だ。少なくとも私には圧倒的な真実も、溢れくる未知の感動も、感じられなかった。ここ伏線です!ここ泣き所です!と言わんばかりに書かれているので、謎も感動も全てが予想通りに進んで終わってしまう。 筆者の考えだろうと思われる事を主人公の考えとして書かれているので、主人公の人物像が時折ブレる。が、他の登場人物については魅力的に書かれていて、微笑ましい箇所も多々ある。その際も上記の様に、ここ笑い所です!と言わんばかりであったが、笑いで重い部分が上手く調和されていた。★が1つでないのはこの理由から。 | ||||
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| 原作を読んだ後にDVDを観る方が、よろしいと思います。 映像化に際しては、若干の変更が有りますので、映画好きな人には、そこも楽しみとなるでしょう。 両方を楽しんで感じたことは、文章の楽しさを再認識したことです。 しばらくは、個人的な伊坂さんのブームが続きそうです。 | ||||
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| 序盤から展開がわかってしまいますが、何しろ文章が読みやすいので最後まで読んでしまいます。 ピエロのくだりは面白いと思いましたが、それが上手く生かせているかは???でした。 あちこちで取り寄せた珍しい材料を上手く料理出来なかった、という感じの作品でした。 | ||||
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| いつかはおもしろくなるんだろうと思って読み進めたが、結局最後まで全然おもしろくなかった 何故こんな小説が売れているのか理解できなかった | ||||
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| 連続放火に潜む過去のいまわしい出来事。放火はその出来事の復讐か。 本当の親子とは。兄弟とは。家族とは。人を裁くのは誰か。などと言うと非常に重くなりがちな題材を スプレーによる壁への落書きという、いかにも現代の若者の「のり」の感覚の中に潜めて展開させていく。 これが、いわゆる著者の魅力なのかと思う。 それだけではいかにも陳腐なので、遺伝子構造や歴史上の偉人たちの言葉を随所に織り交ぜて作品自体を わざわざ高尚なものにしようとしている。 読んでいて中だるみ的になってしまうのは覚悟の上か。 あまりにも余計なものをくっつけ過ぎかなという気がする。 人の生き死に係わる重大犯罪が、2時間ドラマのようなエンディングに違和感を感じる。 現実からかい離した結末になると、作品全体がうそっぽくなってしまう。 兄弟を見守る父親の言葉が男親らしく好感をもてた。 | ||||
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| あっさり犯人の予想がついてしまうので、 次の展開はどうなるかとハラハラドキドキする要素は少ないです。 ただ、重い過去を持つ家族が前向きに生きている様子を描いているのは好感が持てます。 よって星4つなのですが、 「ガンジーの言葉」とか「ネアンデルタール人」とか「フェルマーの最終定理」だとか そういうウンチクが過剰で、それが少々鼻につきます。 ウンチクを語らせると長くてうるさいおじさんっていますよね。 そういうタイプが苦手な人には向かない小説かもしれません。 | ||||
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| 現実と虚構がみごとに溶け合う仙台の街と、固い絆で結ばれた男三人の家族。 誰が放火犯なのか、早くにわかってしまうのが玉にきずだが、やはり「私」の弟「春」はとても魅力的だ。小さなエピソードの積み重ねで、彼の魅力を描いていくのもさすがにうまい。整形して、まったく別人のチョー美人として再び現れる「順子」のストーカーぶりも笑えるし、自殺の名所、八木山橋の描写なども面白く読めた。なにより、絶対に自首するなという「私」の、じつに健全な家族愛には感動させられる。 最近はいろいろ批判があるようだが、「本屋大賞」が、読書の喜びを与えてくれるこうした本を選ぶなら、それなりに意味があると思わされた。 | ||||
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| 家族の絆云々と言うことがよく出てきましたが、その絆ってものを勘違いしてると思います。結局人を殺してバレてないから問題なしみたいな展開になっちゃってるし‥‥少なくとも自分はこんな家族にはなりたくないと思いました | ||||
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| 所謂ミステリーとは違うかもしれないが やはりこれはミステリーであると思う。 一言で表すなら、彼ら家族の生き方に感銘を受けた。 けして明るい話ではない。 なのに、力強く光が差しているように感じられる物語。 『春が二階から落ちてきた。』 という一行目から、私はすっかり虜になってしまった。 泉水の夢に出てくる過去の母とバットを持った春は とても衝撃的で考えさせられるシーン。 重いものを抱えていても、春は泉水を兄として頼っていて 泉水も春を大切に思っている。 ふたりは兄弟で、父を尊敬し、母を愛している。 それが苦しいほどに伝わってくる。 父が誤魔化すことなく息子たちに向きあい お蔭で一歩間違えばぐれてしまうかもしれなかった泉水に 深い感銘を残してくれた回想シーンも素晴らしい。 父が泉水と春を食卓に呼び、話があるというシーン。 私は父の握手を、ありがとうと言いたいのだと解釈した。そして、涙が止まらなくなった。 彼の行為自体は本当は許されることではなく、 またありがとうの一言で語りつくせる訳も無い。 男と男同士の会話として、様々な感情があの握手にこめられていたのだと思う。 ビジネスホテルのフロントの男と仙台銘菓の"オチ"はまた素晴らしく 春が「行け!」と言うところから下に降りるまでの流れも美しい。 とてつもなく深く、優しく どうしようもない人間もいる半面 やはり人間というのは素晴らしい生き物なのだと 思わせてくれる物語。 | ||||
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| 絆は血より濃いもの。 泉と春の父と母が素晴らしい。 最強の家族には重力さえ関係ないのだ。 会話がいちいちしゃれている。 そして父と息子の会話には深い愛情がある。 すべてを超越しているような父親、彼の存在がこの物語のすべてかもしれない。 | ||||
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| 飛び降りるという行為は、それが死のダイビングでないかぎり、潔いと思うな。この小説の主人公が、冒頭で二階から飛び降りた時、その性格や体型まで描写されたように感じた。彼は”坊ちゃん”の主人公のように思い切りがよく、またワンピースのルフィーのように、しなやかに着地できる身体能力を身に付けている。解説にあるように、この作家はこのような表現が確かにうまい。感情描写を最小限にとどめながらも、動きや状況の中にそれとなく潜ませている。 自分の出生に決定的な不幸を持つ子供は、その後どのように生きていくのか?とりまく家族はどうか?成人した彼は、絶望的な出自を、どう受けとめてどう対処するのか?これは非常に残酷な設定だ。しかし誰もが知りたい。結末は7割がた思惑通りであるが、3割の意外性も確かにある。正義の鉄槌は罰せられることはないというのは、溜飲は下がるが、後味があまり良くない。レイプとか肉親の死といった身近な不幸を、この作者はなんら躊躇も無く、さらりと取り入れるが、このあたりは、かのJ.アービングばりの飄々としたストーリー展開で、僕らも難なく受け容れられる。もしかしたら村上テイストの由来は、ここにあるのかもしれない。また、他の作品同様、登場人物には、皆機知がある。それこそ、飲み屋でナンパされるミニスカートの姉ちゃんから、精力ギンギンの強姦魔まで、自分のポリシーを持っている。人生にこのようなキャラクターが溢れていたら、さぞや楽しく毎日を過ごせるだろうが、反面うざったくて仕方ないだろう。同様に挿入される偉人たちの箴言、格言の類いも、なんとも作者の自恣や、高踏さが見え隠れするようでイヤミだ、なんて感じるのは僕らみたいな挑戦的な読者だけで、伊坂ファンには堪らないんだろうな。 緻密なストーリー同様に、文章の隅々にも伏線を忍ばせていて、それに気付くのは再読した後だ。 僕らの負けだね。 二度読みを勧める。 | ||||
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| やたら長いです。あと引用が非常に鬱陶しいです。その所為でテンポが良くないです。 ストーリーはご都合主義だけど個人的には許容範囲。しかし、キザな登場人物が沢山出てきて許容できなくなってしまいました。もうちょっとキャラクターがどうにかならないかな。 扱っている重いテーマに対する最後の台詞は好感が持てました。 | ||||
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