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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全431件 241~260 13/22ページ
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復讐する気持ちは分かる。世の中には理不尽な判決が多々ある事も分かる。イカれた日本の法律も分かる。ただ殺人を許容する事は許せない。確かに復讐で殺しても構わないと思う、ただ罪は償うべきでは?家族からすれば自分達に災いをもたらした者に復讐をしたい気持ちは当然だろう。し自分も同様の事を考えてしまうだろう。著者はきっと現在の裁判での罪と罰のあり方に一石を投じたかったのでないだろうか?被害者と加害者のあり方。償うべき罰とは。理不尽からは理不尽しか生まれない。罰とは何かを考えさせる作品でした。 | ||||
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本書に出てくる一文 「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」 まさにそれを描いた作品で、 重いテーマにもかかわらず、 「おもしろく」読むことができた。 復讐をミステリーの謎解きにすりかえた点が 見事という他ない。 文章全体にも奇をてらった感じがなく、 それでいて随所随所に伊坂節ともいうべきユニークさがあり、 明確なテーマに沿ってストレートに描かれているので、 読みやすく、かつ考えさせられる、 実にいい作品だと思います。 | ||||
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淡々とした語り口なのに、内容的には、親子や兄弟の絆を考えさせる重いテーマを扱っています。 謎解きいうミステリーの要素がストーリーの縦糸ですが、本筋は親子や兄弟の微妙な距離感の描写にあると思います。 伊坂氏の作品を読むのは、『グラスホッパー』に続き本作で二作目ですが、 人や場面の描写が、たとえ一人称で語られていても、いつも客観性をまとっているような気がします。 どこか、冷めたようなスタイルに、登場人物に感情移入していくことに、最初必ずとまどいます。 意図しての事なのでしょうが、この辺が伊坂作品の好き嫌いの分かれるところなのかもしれません。 血のつながりという“重力”を超えようともがいている家族の姿がリアルに感じる後半、 父が二人の息子にかける言葉に、私は感動を覚えました。 映画化もされるとのことですが、原作を先に読んで、どのような映像に仕立てるのか見てみるほうがお勧めです。 | ||||
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私が古いのかもしれませんが、主人公とその弟との会話が キザすぎていらいらします。もっと、「普通に話してよ」 という感じです。その会話の内容も、知識のひけらかしの ような感じで、心に残りません。放火の理由も弱いし・・・。 伊坂さんって、なんか犯罪自体を行うこと自体を軽く考え てる気がします。冒頭の女の子をバットで殴るというのも 、そんなことまで書く必要あるのかな?と思ってしまいます。 | ||||
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家族を実感する時、特別な言葉や特別な表現はいらない。 じっと相手を見つめて、心からの想いを伝える。 それで、繋がり、温かさ、生きている意味をお互いが分かち合える。 それを教えてくれる場面で、不覚にも、涙を流してしまった。 父を、母を、兄を、家族を、思い浮かべながら読んでいたら、温かいものがこぼれていた。 小説に感動し、そして自分の家族に感謝していたのではないかと思う。 話の密度、仕掛けの巧妙さ、登場人物の描き方といった全体として、 この小説が突出したものかと問われると、そうは言えないように思う。 しかし、間違いなく、この小説は傑作だ あの場面で 父から子へ 伝えられた 一言 小説を傑作へと導びく言葉が、ここには待っている | ||||
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立派な両親とハンサムな弟。 優しい家族思いの兄。 でも結末がそうなるんだったらあんまり嬉しくない。 両親の判断は結局、不幸を生んだ事って救いがないような気がします。 ある意味親不孝だし、子不孝(不幸)だし。 幸せになって欲しかった・・・。 | ||||
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同業の作家で評判になったというので大分前に読んでみたのだが、まったく内容を覚えていない。何ひとつ。他に「オーデュボンの祈り」「グラスホッパー」も読んだが(そっちの方はなんとなく覚えている)、全体を通して、作家としてのスキルが足りない印象は否めない。稚拙だな、という印象。イマジネーションが想像の範疇を超えない。従って驚きも発見もない。単純に、筆力、想像力の問題だと思う。僕にはどこが評価されているのか分からない。凡庸な、アマチュアレベルの作家。売れりゃいいのか。 | ||||
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初出は2003年4月。伊坂幸太郎が1970年代生まれとして初めて直木賞候補となった作品である。ぼくの読後感ではむしろ芥川賞受賞であるべき作品だと強く思う。これを選考から漏らす選考委員は失格だと断言してしまいたい。この作品のテーマは『家族』だ。『家族』はなぜ『家族』なのだろう。ローランド・カークの音楽を無意識に聴き、兄弟・父子・母子の間で交わされる会話が、その答えを示すかのように輝き続ける。言葉をキャッチ・ボールする春と泉水、そしてその二人を見守る末期癌の父。登場する人物の誰もがラストに向かって光を強める。 この慈愛に満ちた小説を生み出す暖かみある力に、これから生み出される作品に期待するな、という方が無理だ。伊坂幸太郎の才能は村上春樹以上かもしれない。 | ||||
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レイプ、殺人、ストーカー 作品中で扱っている題材は少々大人向けだが、家族や兄弟の繋がりに透明感を 感じる。 弟の春には特異な出生がある。彼を思いやる兄と両親を中心にその家族の思い が綺麗に語られる。類似した作品を見たことない。 本屋さんが読んで欲しい本に選ばれているようだ。 | ||||
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もし本気で「君は薔薇より美しい」とか「あなたの瞳は夜空の星のようだ」みたいな言葉で女性を口説ける男がいたら、そいつはかなりの凄腕だと思う。そんな寒いセリフが効くかよ!――仰る通り。でも逆に、それを決め手にもっていけるとしたら、天才的なプレイボーイ(この言葉もちょっと寒いけど)ではないだろうか。 文庫の解説には「洒脱なユーモアと緻密な構成で読む物を唸らせ、近年まれにみる資質の持ち主として注目を浴びている」と書かれている。それはその通りだが、あまりに一般論的でもある(解説だからいいんだけど)。そのことを俺なりに述べると、最初に書いた決めゼリフみたいな感じになるのだ。たとえば、その「洒脱なユーモア」も滑り落ちるぎりぎりのところにあったりする。 「仕事は一人でやるものだ」 「ビートルズは四人でやってましたよ」 「だから解散しただろ。ボブ・ディランは永遠に解散しないぞ」 この辺は外角低めすれすれのストライク(村上春樹っぽいけど)。でも、 「俺の息子たちには、この病院に花を置く発想がなかったからな」 「そういう繊細さを、親から教えてもらえなかったんだ」 「親の顔が見たいな」と父が言うので、私はすぐに父を指差した。 こっちはボール1個分外れてるかな、惜しいけど、みたいな感じだろうか。でもそれはそれでアクセントにもなっていて、伊坂ワールド全体を歩き終えると心地よい充足感につつまれる。感覚的に書いているようで、物語の先まで見通す力の高さ。たいした書き手ですわ、この人。 | ||||
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「アヒルと鴨のコインロッカー」で伊坂さんの面白さを知りこの作品を読みました。 他の作品と比較して、ごりごりのミステリーではなく、ヒューマン要素のある作品であると感じます。 読み終わった後に、悲しさの反面家族の絆の強さを感じました。 また、事件のトリック、所々で引用されている知識や先人の言葉が専門的であるにも関わらず、突出せずに上手く文章の中に取り入れられていました。 ストーリー、文章構成ともに唸らされた作品です。 | ||||
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人はDNAによって、親の遺伝子によって支配されるものなのか? そんなテーマを基にストーリーはすすんでいきます。 親子、兄弟の愛はDNAを超越していると思います。 相変わらず仙台市内の描写がたくみです。 | ||||
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著者の最近の作品である『ゴールデンスランバー』を読んだ時点では、 構成の上手い作家ではあるけど世でもてはやされるほどの作家ではない、という印象でした。 しかし、この作品を読んで、その考えが誤りであると知らされました。 この作家は恐ろしく小説が巧い。 文章が上手いのではありません。物語を書くのが上手いというわけでもありません。 もっと言えば、上手い、と書くより巧い、と書いた方がしっくりします。 適切な場所でそれとわからぬうちに伏線を張り、読者が忘れたような頃に再登場させる。 そのテクニックは、お見事、としか言いようがありません。 ただ、トリックや謎解きがメインのミステリとしては、少々わかりやす過ぎるきらいがあります。 が、一読の価値は多分と言ってあまりある程にあると思います。 | ||||
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ストーリー的にはまずまず楽しめます。ただ、母親が一風変わった人物として描かれていますが、過去の悲惨な出来事と今ひとつマッチしていない印象を受けます。会社員である兄がこれほど事件にのめり込んでいく理由も現実感が乏しい気がしますし、殺人を犯した人間が最後は精神的に救済されるという明るい結末については、どう評価してよいのかやや戸惑いを感じました。 | ||||
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タイトルからして正にそうなのですが、微妙にズレているのにそれがいちいち快感で、細部のフレーズも感覚的に妙にしっくりくるものが多く、全体の枠組みも実はしっかり作り込まれており正にオリジナルな世界を確立しています。 こうした特長を全て受け継ぎつつ、寓意のない寓話、騙し絵、エンタメに続く本作は私にとっては驚きの大感動作でもありました。 ワンコインで文庫を買えなくなって以降余りに馬鹿馬鹿しくて日本の小説を読まなくなって仕舞いましたが、久し振りに金を出して買う価値のある小説家に巡り会ったと断言出来ます。 | ||||
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仙台市内で連続発生する放火現場近くには、必ず奇妙なグラフティアート(落書き)が 発見された。謎解きに乗り出す「泉水(いずみ)」と「春」の兄弟の前に、徐々に明らかになる 放火と遺伝子とのリンク。それは、弟、「春」の出生の秘密とも重なって… 「オーデュポンの祈り」の方が、圧倒的な想像と創造の力を感じたが、小説としてのまとまり はこちらの方が上。本作でファン層が拡大したというのも頷ける。 ミステリーっぽい展開だが、決してミステリーではない。 自由で軽妙な語り口で運ばれるこの話は、とてつもなく重いものを背負った家族が、 重力に逆らおうとするピエロのように、苦悩を仮面の下に押し隠しながらも、 軽やかに跳ぼうとする様を描いた家族の愛の物語である。 終章、兄弟の父が春にかけた言葉には泣かされる。 それにしても、ポンペイの遺跡から、ネアンデルタール人、DNA、ガンジー、 ジョルジュ・バタイユ、フェルマーの最終定理と、とんでもない分野から話題が引用され、 それが自然に小説に収まっているところに、単に博覧強記に止まらない伊坂の小説家として の天賦の才を感じずにはいられない。 | ||||
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最近作をいくつか読んで、面白かったので昔の作品を読んでいます。 本書の半ばまでは訳の分からない話が至る所で進行していきます。それが少しずつ繋がっていき。最後にどどどっと一つになるという著者ならではの手法で描かれた作品です。 テロメアの意味の謎解きなどは「やられた」と思った伏線でした。「ラッシュ・ライフ」と同じくらい面白い構成の本でした。 | ||||
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淡々と物語が進められているせいか、かえって重い出来事がスムーズに流れて行く感じを受けました。 登場人物がやたら文学や哲学の話を続けていますね、その会話が余計に情景を自然に受け入れていく仕組みになっています。 個人的に興味深い文体でした。 | ||||
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絵画、文学、名言など様々なものが引用されていますが、その使い方が見事としか言いようがありません。 中でも、芥川の「地獄変」やドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に関する記述はまさにこの本にピッタリと言ったところでしょう。 また、「オーデュボンの祈り」や「ラッシュライフ」を読んでいるとニヤリと出来るような小ネタも秀逸です。 この本を読んでからそれらの作品を読むのも一向かと思います。 欠点としては、兄弟の会話に引用が多すぎる為にわざとらしく感じるところでしょうか。 逆に言えば、その多用される引用がこの作品の持ち味とも言えますけど。 私はリアリティよりも小説としての面白さを追求した結果と解釈しています。 | ||||
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伊坂作品を読むのは2冊目。「アヒルと鴨のコインロッカー」が面白かったので、ミステリーランキングなどで評判の高い当作品を読んでみました。ちょっとがっかりしたというのが正直な感想です。深刻な内容を軽々としたアレンジでというのは両作品に共通していて、「重力ピエロ」という題名もそういった意味のようです。もしかしたら、他の伊坂さんの小説もそういう感じなのでしょうか?確かに人生に十字架のようなものを負っていて、どうにもならない運命に翻弄されてしまうということはありうることだと思うのですが、この作品の主人公が意志を持ってする行動が、私には了解不能でした。ただ、映画化が決定しているとのことですので、それは楽しみにしています。「アヒルと鴨のコインロッカー」を映像を見てから原作を読むという形で楽しんだので、この本を読んだあと映画を見たらどうなのかなっていう・・・だって美男美女がいっぱい出てくるはずですものね。 | ||||
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