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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全431件 341~360 18/22ページ
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これほどカタルシスのある作品はひさびさに出会えました。文体もなかなか味わいがあってイイ感じでしたが、とにかく結末の昇華感は秀逸なものがあります。どちらかというと主役の「私」は影が薄いテイストになっているのですが、その分弟の春やストーカーの「夏子」さん、探偵の黒澤などの登場人物がいちいち強烈に光っています。また、本編の陰の主役である「お父さんとお母さん」が、もう本当にひたすら格好良くて、ほとんど憧れてしまいました。これは、市井に生きる普通でまっとうな人々に対する讃歌であり、家族に対する讃歌です。途中、やや冗長間があった感もありますが、全体としては十分に傑作。おすすめです。 | ||||
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放火現場に残された謎のグラフィティアート.完璧で仲は良いが時折奇異な行動をとる弟.末期癌に侵された父.今は亡き魅力的だった母.ミステリアスな女性.売春行を斡旋している傲慢な男.独自の哲学を持つ探偵・・・ 主人公の周りに個性的な登場人物を散りばめミステリー小説の形式をとってはいるが,物語の本質は別の所にある.犯人は誰か,またその目的は何かといったことは付随的なものに過ぎない.この本は家族について書かれたものだ.感情が理屈を超えたとき,日常は穏やかさを取り戻し,物語は閉じられる. 優しい物語だった. | ||||
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物語の展開としてはミステリー風に仕上がっている。火事の現場とグラフィティアートの関連。そこに遺伝子を絡めて物語が展開して、上手に家族というテーマを描いている。 文章もとても丁寧な印象を受ける。難解でわかり難い言い回しは少なく、面白いちょっとしゃれた比喩などがみられ味わいとしてもとても楽しめる一冊だと感じた。 | ||||
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『春が二階から落ちてきた。』 冒頭の一説を読んだだけで、鳥肌が立ってしまった。 伊坂小説にはこのような一言で読者をひきつける一文が多いと思うが、 この一文は個人的にはベストだと思っている。 内容は、 ある兄弟が連続放火事件を追い事件の謎を解き明かすと言う、 若干推理小説やミステリ的な要素が多いように思えるが、 個人的にはどちらかと言うと純文学に近いようなストーリーだと思う。 落書きの清掃業である弟や、遺伝子診断会社の会社員である兄。 設定や会話に機知を感じさせるものが多く、 読んでいて心地よいと共に何故かにやりとさせられるのは、 会話のそこここに人間を深く見つめた洞察が感じられるからかも。 冒頭の一文から最後の473pまで。一気に読み終えてしまった。 そして最後もまたこう括られる 『春が二階から落ちてきた。』 この一文が気になった人だけでも是非読んで貰いたいと思う。 | ||||
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春と泉水。異父兄弟の二人と、父母、春のストーカー夏子。町で起きる連続放火事件の謎解きが主軸といえば主軸だが、テーマは重層的で重い。しかし軽妙なユーモアでくるまれているので印象は明るい。くりかえされるいろんなフレーズがテーマとも絡まり伏線ともなる。実によくできた作品。ラストでの父の言葉がすべてを救う。これもゼッタイお薦めの一編であります。 | ||||
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何だか異常なくらい賛否両論が割れているようですが、何を求めてこの本を読むか、だと思います。 いわゆる推理物、謎解き中心のミステリー? 大どんでん返しが連続するジェットコースター的サスペンス? 正義の味方が活躍する、痛快無比な冒険活劇? あるいは、すべての価値観を破壊する悪漢たちが暴走するピカレスクロマン? この本は、そのいずれにも該当しません。 そういうものを求める方は、間違いなく読まない方が無難です。 ミステリーと純文学の境目ぐらいを、ふわふわと漂っているような小説なので、人によっては、どっちつかずに思えてしまうかも。 ただ、不思議な浮遊感や文章のリズム、「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」なんていう皮肉に溢れた(?)姿勢に共感できそうな方は、ぜひ手にとってみてください。 | ||||
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知り合いにひょっとしたらいそう…で絶対にいない登場人物たちがジャングルジムのように交差して(もちろん、他作品の主人公たちも)、 砂時計の砂のごとくひとつの結末に流れ込んでいく、伊坂ワールド直球ど真ん中の一冊。 レイプ被害や末期癌、連続放火事件とかなり重いテーマが凝縮されているにも関わらず、全編通して明るく、自分の存在を許せない春の葛藤すら青春小説のような爽快感を持って読了できる。 ラッシュライフやグラスホッパーに若干後味の悪さを感じていたが、これですっきりできた。 | ||||
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作者の作品はあまり読んだことがなく、ギャングの話の次なので二作目。 勿体つけた言い回しが続き2/3までは退屈な展開。作者はありえない世界を小説の凄みで読ませる豪腕を持っているのが持ち味だと思うのだけれどその手腕は控えめ。罪と罰をモチーフにしているが主人公の前向きさが暗いテーマを感じさせない世界をつくっている。終盤病室での兄弟と父との対話は好きな世界感であった。 | ||||
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また読んじゃいました。 つい最近文庫化されたんですが、なんでも文庫化に際して改稿されたらしいんで。 小説をこんな風にちゃんと2回読むのはじめてかもしれない。 それくらい伊坂の小説が好きだ。 ハードカバーを読んだときのレビューにも書いたが、この小説はすばらしい。 『東京タワー』なんかより、はるかに感動的だし、優れた家族小説である。 そしてとにかく伊坂の文体はおしゃれで、ユーモアがあり、センスがある。 とにかく小説が嫌いな人も読んでみてほしい。 絶対に損はしない。 「僕とお兄ちゃんは最強なんだ。」 | ||||
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正直、半分読む前に話のオチが判りました。ワクワク感もありません。文学的な深みも今一で、やたら表現がくどいと思いました。加えて、なかなか読み進めないストーリー展開です。あまりお勧めしません。 | ||||
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次々と起こる連続放火事件。主人公と弟と父親が、時に一緒に、時に個人的にこの事件を追っていくと・・・。というお話。 謎めいた郷田順子さんを含め、登場人物がみんな憎めない。とくに、主人公たちの父親が、私は大好きだ!! この事件の結末に対する作者の立ち位置も、とてもいい。偏りすぎてないし、誠実だ。 ただ全体的にやや説明的にすぎるかなぁという気がするので、星は4つにさせていただきました。 | ||||
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本屋に平積みしてあったのとタイトルのユニークさから購入してしまいました。伊坂氏については全く先入観はありませんでした。まず最初に感じたのは、「なんて稚拙な文章だろう」という事でした。まるで小説好きの中学生が最初に書いてみた小説のような感じを受けました。 内容についても、たぶん最終的なテーマは「血のつながりを超えた家族愛」という事だとおもうんですが、前半のDNAのくだりでは、ミステリ小説の様な展開を見せながら謎の深さがなく、後半の家族愛が強調される部分でも薄っぺらさが感じられました。本を読んでいて時間の無駄だと感じたのはこの作品が始めてでした。 | ||||
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伊坂さんは一般的にミステリー作家ということになっているようですが、一口にミステリーと言っていいものかいつも迷います。 なにか必ず人間臭さや救いがあり、あったかいものが読後に残ります。「重力ピエロ」もまた然り。 この作品は自分のルーツについての問いがテーマなのですが、重い内容にも関わらず淡々と、時には格言を用いて冗談交じりに話が進みます。 格言や哲学、映画好きには面白いのではないでしょうか。 自分の中で葛藤がある人にもお薦めします。 好きか嫌いかの真っ二つに意見が分かれるとは思いますが、私は今のところ伊坂氏の作品の中で一番の傑作だと思います。 | ||||
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油断してると泣かされる。なんて読み終わるのが惜しくなる小説だろう、ほんとに愉しませてくれる。一気読みするくせに終わりが近づくと意識的にペースダウンさせてる自分がいる。おもしろい小説を読んだ人ならこの気持ちわかってくれるはず。最後の一粒がなぜか他とは違った価値を持ったチョコレートみたいな…食べたいんだけどこれ食べたらもうなくなっちゃうんだ〜っていう感覚。 すたいりっしゅで前衛的、にもかかわらず人間的でぶっとい芯のある作品。ちなみに、伊坂幸太郎のほかの作品(ラッシュライフとかオーデュポンの祈り)と微妙〜にリンクしてたり誰か出てたり…あぁこれ以上は俺の口からは言えない。とにかく、読んで!できれば他の作品も読んで!! | ||||
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血の繋がりだけが親子なのか?という「当たり前じゃん」と答えてしまうことを違うよっ!と教えてくれる本。 連続放火事件の謎と家族愛を軸に、主人公兄弟の心の機微をよく表していると思う。 サスペンス的な要素は薄いけど、人が普通に生きてゆくというのは大変なことだという事をわかり易く表現している。 | ||||
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小気味良い文章は、不必要な重さを排しても強い意思は失わない。展開の意外性という点では他の伊坂作品に劣るものの、親子・兄弟をめぐる秀逸な物語である。家族は強い。 | ||||
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正直な感想を書きます。伊坂幸太郎節がこの作品では少ないし、終始淡々と話が進んで行くので、これといった感動はありません。最後の方は持ち直して面白くなっていきます。でも良い作品は最初から最後まで安定して読者を楽しませなければならないと思います。私自身、作者の大ファンであるが、この作品は過大評価されすぎな気が致します。 褒めたレビューだけが評価されるのも、どうかと思います。 | ||||
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もし、自分の中で伊坂幸太郎の最高傑作を挙げるとしたら本作を選びます。 『オーデュボンの祈り』でハマり、"春が二階から落ちてきた。"で始まる文章に期待した本作なのですが、ドスト,トルストイ等の引用があり、とても面白かったです。また、文中に頻出する"ゴダール"と本タイトルの関係も気になりました。 とにかく、伊坂さんの作品は"ネタ元"を知っているかどうかで、面白さがだいぶ違うと思います。 なお本書は、文庫化されたもので、今回も改稿あります。なので、単行本を持っている方でもぜひ"買い"だと思います。 | ||||
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伊坂さんの作品が好きでほとんど読みました。しかしその中でこの作品は僕にとってはそれほど面白いものではありませんでした。 そもそもこの作品がきっかけで彼のことを知りいろんな作品を読むようになったのですが、これを一番初めに読んでいたら彼の作品を読むことはなかったかもしれない。 主人公が物足りないのだ。伊坂作品の魅力は登場人物にあると思う。この作品の登場人物に私は他の作品ほどの魅力は感じなかった。 | ||||
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私は普段あまり推理物やミステリーを読まないため、他の作品がどうなのかはわかりません。ただこの作者の話を読んだあと思うのが、「無駄な物がなんにもない」です。 あちこちで会う人、あちこちで見かけるもの、それら全てに意味があり最後にはそれらに意表をつかれすっきりします。何気ない一言が後の謎を解く重要なヒントだったり、というのは良く聞く話ですがまさにそれで、読み終わるまで夢中になって読み続けました。 「主人公とはあくまで登場人物の一人であり、特別ではない」ということもこの物語の特徴です。この話の主人公は、弟の春とは違い要旨がいいわけではなく、仕事で活躍しているほうでもない。特別何かに秀でていることもない人です。 けれどそんな没個性的な主人公だからこそ、周りの人たちが目立つためミステリーや推理ものの主人公としては理想的だと感じました。 ただ正義感が強い、道徳を重んじるといった方はあまりしっくりこないと思います。この物語は勧善懲悪や、正義感の強い主人公が犯人を裁くといったことからは無縁だからです。 しっかり自分の価値観、正義、考えを持った方で上に書いたことに抵抗が無い人 には ぜひ読んで欲しい本です。 | ||||
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