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ブレイブ・ストーリー
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【この小説が収録されている参考書籍】
ブレイブ・ストーリーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全261件 41~60 3/14ページ
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皇都に攻め込むゴーレムと、ドラゴン達との戦いの場面に痺れてしまいました。 この場面を映像にするべく、ハリウッドで実写映画化すべきだ(日本のCGじゃ絶対ダメ)。 などという戯言はともかく、もっともグッと来たのが、ファイアドラゴンの腕輪を、ハイランダーの仲間達に返して欲しいと願う部分。 「やられたー」と思いました。 ワタル・・・11歳にしては、人間が出来すぎな感もありますが(笑)。 ”あの声”の主オンバさまが、そういった出自だったというのは良いとしても(もっと女神に近しい者かと思ってたが)、導士と仲がいいという設定だけは解せません。接点あるのはおかしくないだろうか? それから、上巻の現世で美鶴が召喚したバルバローネ、あれこそ魔界のモノだと思うんだけど・・・。 あれが何で、どうして呼び出せたのか?あの場面しか出てこないので結局わからなかったのが、心残りといえば心残り。 幻界でも出るんじゃないかと、ちょっと期待してたのになぁ。 | ||||
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ハードカバーで世に出た時、ちょっと迷ったけどスルーした作品。 ただ、ずーっとひっかかってはいたので、やはり読んでおこうと。 それにしても、起承転結の「起」がなんだってこんなに長いのでしょうか。 ”宮部のラノベ”のつもりで挑んだのに、全然本題に入らない。 かの「理由」などとは違い、行のような読書体験ではないのだが、とにかく幻界に行くまでの話がつまらない。 そうこうしてるウチに、大人たちのガチな痴話喧嘩が始まって・・・。 「なんだこりゃ」と投げ出そうかと、一時は思いました。 それでも、謎の声がなんなのか、いずれ関わってくるであろう大松香織のことも気になってたので、まぁ読むだけは読もうと中下巻も発注(まず上巻だけ読んで決めようと考えてたのです)。 ちなみに、コミックバンチをずっと購読してたので、漫画版には触れていました。こちらはつまらなくなって途中で読むの止めてしまったのですが。ほとんど記憶にも残ってないですが、幻界に行くまで、こんなに長くかかってたっけ?というのが漫画版と比べて思ったことです。 ”R.P.G.”って作品の書きつつも、「ゲームのこと全然知らないでしょ?」という声が多かったのか(邪推)、この作品に挑むにあたり、既存のゲームのこと勉強したなぁと伺える部分はありました。 亘達が日常の中で遊ぶゲームの設定が、実にもっともらしく、そこはよく書けてると思います。 んでも頑張りすぎたのか、二部序盤の導士の場面は、ゲームゲームし過ぎてる(パロディみたいな?)印象も受けました。 あれはあれで、伏線にはなっていたのですが。 | ||||
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本の状態がよく、子供がとても喜んでいました。 ありがとうございました。 | ||||
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宮部みゆきは何読んでも面白い、との書き込みを読んだことがあるのですが、そうですか?? 小学生の心情が度々描かれていますが、あまり小学生っぽくもないし、いちいちゲームと比較し過ぎるのにうんざりで軽く読み飛ばしながら読んでしまいました。 ファンタジーと言うか、ゲームですよね。。 この後ゲーム化されたようですが、子供向けのゲームとしてなら面白いかもしれません。 読み物としてはなしです。 | ||||
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ご存知2006年にアニメ映画化された宮部みゆきの代表作とも言える長編小説。 一度は読まねば、と思いながらやっと最近になって読む機会が訪れました。 ストーリーとしてはごく単純。 小学生の主人公ワタルは両親の離別という、突然我が身に降りかかった災難に対して強いストレスを感じ、自己崩壊の危機にまで追い込まれます。 時を同じくして同じ小学校に転校して来た「ミツル」。美しい容貌とクールな立ち振る舞いを持ちながらも、彼もまた堪え難い運命のいたずらに翻弄される、という過去を持っています。 過去を変えたい、そして未来を変えたい、と強く願うミツルは10年に一度のみ開くという異世界「ヴィジョン」への扉をくぐり、そこにいる女神に自分の運命を変えてもらうために旅立つことに。 ひょんなことからミツルを助けたワタルもまた、自分の運命を変えたいと願う一人で、ミツルは「借り」を返す為にワタルにも「ヴィジョン」への旅を手助けします。 そこでワタルは様々な仲間を見つけ、助け合い、世の中の不条理に腹を立てながらも困難を乗り越えて成長してゆく、というものです。 ありがちな「冒険もの」ではあるのですが、宮部みゆき独特の軽妙な文体、そして複雑に交差する伏線の巧妙さもあって、1000ページを超える長編ながらも飽きること無く、テンションを高く保ったまま読み続けることができます。 この手の話は、だいたい正義や勇気、仲間との助け合いなど「陳腐な」内容に終止しがちなのですが、「ブレイブ・ストーリー」では人間の浅ましさ,恐ろしさもしっかりと描いているわけですね。 たとえば「差別」という現実があるとして。 その差別を作り出した司祭を打ち倒してしまえば通常は「めでたしめだたし」なわけです。 ですが、本編では差別は人間の根本にあるもので、宗教とはそれを引き出しただけにすぎず、根幹を断ったとしても差別をなくすことはできない、結局差別や憎しみ、羨望、恐怖というものは人それぞれの心の中にあるものだ、ということを改めて知らされることになります。 そういった、小学生にとってはあまりに「残酷」な現実がワタルに突きつけられ、ワタルは常に選択を迫られ、何かを犠牲にせねばならないのです。 また、色々な「対比」も用いられており、自然発生的に生まれた”自発的な”自警団「ハイランダー」、権力がそれを維持する為に組織した「騎士団」。真実を映す鏡と、人の魂を吸い取ってしまう「闇」の鏡。 仲間を大切にするワタルと、自分の望みさえ叶うのであれば、人の命はおろか、世界すらどうなっても構わないと考えるミツル。 そして、そもそも物語を構成する「現世」ともう一つの世界「ヴィジョン」。 しかしながらそれらは決して「相反」するものではなく、「裏と表」であるということがひとつのキーなわけですね。 単なる冒険と成長の物語ではなく、森羅万象は必ず何かの犠牲の上に成り立っているということを、主人公ワタルだけではなく、ぼくらも改めて気づかされることになります。 そしてぼくらは、常に何かを変えたいと願いながらも、日々の生活に押しつぶされそうになってそこから抜け出すこともできずにいる場合が大半だと思いますが、何かを変えることができないのは、何かを犠牲にする勇気が無いからだということも、痛いほど思い知らされます。 先に述べた通りかなり長い物語ですが、それでも読み終えるのが惜しくなるほどの魅力がある、素晴らしい物語です。 | ||||
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内容は、それぞれ好みがありますが、私は楽しく読めました。でも、中、下の二巻注文して、発行会社が違うので、本のサイズが大小となり、また内容も一部分重複していたので??となりました(^ω^) | ||||
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想像した通りとてもよかった。また次の商品も購入したいと考えている。 | ||||
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深いっすね ただの“子供が冒険する剣と魔法の世界”を想像していると軽く後悔できるレベル まぁ宮部さんだしね。そんな『ただのファンタジー』を書いて納得する人じゃないし('∀`*)ポッ 親だって人間だもの…って言うのを子供に教える問題作 差別って普通にあるんですよ?を伝える問題作 ワタルのお母さんがリアルにいるメンヘラ過ぎてワロタ\(^o^)/ マンガやアニメでは最後に救済措置が入ったりするが、本当に想いを残したいならしないべき いやオレはミツルが帰ってこなくて泣いたんだけどね(; ・`д・') 当たり前に当たり前。ソレですべてがなにもかもうまくいくワケじゃない。 大人のための大人の事が書いてある作品でした。 本作「ブレイブ・ストーリー」と 映画「ブレイブストーリー」は別物です。どちらも好きだけどね('∀`*)ポッ | ||||
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いや、別にこの話自体はまったくどうでもいい、本当にからっぽな話なのでいいんだけど…。(なんたらサーガがどうだったら、こうだったらの連続で、うんざりとか、宮部の描写で例えば「観察があった」みたいな意味の解らない文体とか) 頼むからこんなのとゲド戦記が似てるとか言わないでくれ。 あちらは立派な文学で、こちらは…まあいいんです。 ファンタジーを余り読まない人が多いのかね?これ読むくらいならマキャフリィの竜騎士シリーズ、ルヴィンのヴォイスから始まる三部作やゲド戦記、またはナルニアや指輪物語を繰り返し読んだ方がいい。日本人なら宮沢賢治の銀河鉄道、恒川氏の夜市、夏目漱石の我輩は…や芥川の蜘蛛の糸のが余程ファンタジーだよね。 あとライラエルとか暗黒の塔とかまだまだ沢山あるよ。 本当に日本の読者層のレベル低下が酷い。 怖いくらい酷い。もうちょっと東野と宮部以外に作品を読んだらどうだ。 | ||||
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3冊に渡る壮大な冒険を読み終え、心にしっかりと重いモノを残してくれました。 そもそもアニメ映画で知り、今更ながらにこの原作を読んでみたのですが、まったく違うと言っても過言ではない深さです。 ワタルの願いというのは大人にとっては大したことではないのかもしれなく、ましてやその運命を変える為に異世界を冒険する気にはならないでしょう。 11歳の少年だからこそ大きな出来事に思え、そして幻界に行き、運命を変えようとする。 でも幻界でさまざまな出来事を経験していくうちに、もっと過酷な運命の人たちがいることにも気付いたことでしょう。 それがワタルを強くしていった。 最後のミーナとキ・キーマが心の中で呟いた別れのセリフも凄く感動しました。 | ||||
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これを読んだのは、丁度高校受験の前でした。勉強しなければいけないのに、一日に一冊ペースで三日間で読み切りました。それくらい夢中になったのです。頭のどこかでは、現実世界で闘うしかないんだと理解しながらも、それから逃げていました。自分も空想の、ファンタジーの世界へ行ってみたい。などと年甲斐もなく思っていました。 しかし、読み終わった後はすぐに勉強机に向かいました。現実世界で闘う勇気をこの本からもらい、見事?合格することができました(笑) 一歩踏み出す勇気をくれるいい本だと僕は思います。今内容を思い出してもこの本がいとおしく思えます。 僕はゲームのゼルダの伝説シリーズが好きなのですが、同作品が好きな方は楽しんで読めるのではないか?と思います。 | ||||
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宮部みゆきの才能はとどまることを知らない。ミステリーはもちろん、時代物、そしてファンタジーまでこなせるとは。しかも、王道中の王道を行くストーリーながら、面白い。飽きさせない。そして、エンディングも教訓的メッセージがうかがえるものの、陳腐ではない。さすが、というべきか。 父が母と自分を捨てて、愛人と暮らすことを宣言してから、小学5年生の亘の生活は一変する。そんなとき、ひょんなことから 別世界、幻界の存在を知る。幻界で困難を乗り越え、運命の女神に会うことができればたった1つ、願いが叶えられるという――。設定はゲームそのものだ。それもそのはず、幻界は現世の人間の想像によって生まれたものである、というそのための布石がある。見習い勇者となり、旅の仲間を連れて宝探しをするのも、運命の塔を目指すのも、全てオーソドックス。さらに言えば、最後の戦いが自分自身だというのも、「ゲド戦記」と同じだし、最後に幻界を救うというのも、ありがちといえば、ありがちだ。それでいて、王道には王道ならではの醍醐味がある。数々の困難を乗り越え、自分自身に打ち勝ち、たった1つの望みを叶える権利を手にしたワタルが願ったのは、運命を変えることではなかった。それは、理不尽な運命に会うたびに、それをなかったことにすることはできないから。大切なのはそれと向き合うこと、それを克服することだとわかったのだ。 人間、長い人生の中では誰だって理不尽な運命に直面することがあるだろう。私にだってあった。「何で私だけがこんな目に」そんなことを思って他人を羨んでも仕方ないのだ。しかし、それに気づく人が一体どれぐらいいるだろう。自分の運命を呪い、他人を憎み、自分を助けてくれた人の存在に気づかないではいないだろうか。自分自身の憎しみに負けたミツル、旅に挫折し、想像の世界の中で王となり朽ちていったかつての旅人、教王。この物語の中で登場するそうした存在を考えると、この物語の深さに気づく。 | ||||
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宮部さんの作品、最高です。私は、スナーク狩りが好きです。 今、自分が落ち込んで、落ち込んで、不安で、何とかしようと頑張らなくてはいけないと感じて勇気をいただこうとして、この本を選んで読むならやめたほうが良い。小5の亘のがんばりに、自分はなんて情けないんだと、余計に落ち込みます。 逆に言えばそれだけすごいということでしょうけれども。 | ||||
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宮部みゆきさんの長編ファンタジーです。名作ですよ〜 劇場版アニメとして映像化もされているので、そちらで見知った方も多いのでは? 何気に主題化がアクアタイムズだったりします(笑) さて、本書の感想です。 内容はごく普通・・・と言うとアレですが、いわゆる王道なファンタジーものです。 今時の若い人の言い方を借りれば「異世界トリップ」とでもいうのでしょうかね? 両親の離婚によってバラバラになってしまった家族。それを取り戻すために、少年は幻界へと旅立つ・・・というお話です。 まず注目したいのが事の発端が離婚であること。 昨今離婚する家庭も珍しくない中で、このテーマは非常に大きな意味を持ってくるのではないかと。 骨太な王道ファンタジーの中に、家族の在り方についての疑問の提示や、社会に対しての問いかけが見え隠れしてきます。 しかもこの離婚を見ているのが親の視点ではなく主人公である少年(ワタル)の視点であるということ。 親同士の小難しい理屈やしがらみなどを抜きにして、「家族で一緒にいたい」という子供の素直な心情がストレートに伝わってきます。 そして冒険の道中。 ゲーム好きのみゆきさんならでは(なのかな?)のRPG風な世界観でした。ネコミミ少女にトカゲ男。一癖ありながらも根はまっすぐな幻界の住人達。奇をてらうこともせず、王道だからこその味がありました。その中での触れ合いを通して紡がれていく物語は、まるで精巧なガラス細工のようですね。 多感な年ごろの少年が、人に流され、環境に流され、それでも確かなものを見つけ出そうと必死に足掻き、友を得ていく様は理屈抜きで素晴らしい。上下巻に分かれている長編作品ですが、一気に読み通せてしまうでしょう。 下巻のラスト、彼の得た答えとその結末は、涙腺が崩壊しますよ。 劇場版と書籍版では若干ラストが異なっているのですが、それはそれでありでしょう。 こんな世の中だからこそ、手に取ってほしい一冊です。 | ||||
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この話は絶対に映画よりも本で読んだほうが楽しいと思う。 この主人公はつらく悲しいことばかり起こってるけど そこから立ち上がろうとしている。人生はいいことばかりあるわけじゃないし、 悪いことばかりでもない。いやなことを乗り越えたっていいことがあるとは限らない。 いやなことから逃げてもいいことがあるとは限らない。 僕はこの本を読んでそのことを教えてもらった気がする。頑張ろうといわれた気がする。 この本は自信を持ってお勧めできる!!! | ||||
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この話は映画が有名だが本のほうがすばらしいと思う もちろん映画も面白いのだが本のほうが夢があり 映画についていけなかったという人も この本だったらついていけると思う。 ただし結構な文量があるのでよみにくいかもしれない でも退屈しないし面白いのでお勧め。 落ち込んでいるときに読んだので、励まされた。 つらいことから逃げても楽しいことばかりとは限らないし つらいことを乗り越えても楽しいことばかりが待っているとはかぎらない それでも頑張る主人公に勇気を感じる。 | ||||
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映像化されている為、その宣伝のおかげかファンタジー要素が強いように思えますが 現実とファンタジーがほどよくミックスされている読み応えのある作品だと思います。 主人公の境遇に関しては胸がいたくなるような思いで読みました。 それだけで終わっていては単なるお涙ちょうだい話ですが、 無力な少年から主人公が成長していく過程がいい。 ファンタジーという形式をとることで読みやすくなっていますが、 実際には現実と関連性が強いです。 自分を大切にしてくれる友達の存在、主体性を求められる選択など。 宮部みゆきさんらしいテンポの良い作品だと思います。 | ||||
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個人的な動機だったからこそ主人公達の必死さが伝わり、彼らが道を間違えてしまったときでさえ、同情できました。 未回収の伏線や一見すると矛盾に見える設定のおかげで、複数の結末が想定できました。 読了後は、しばらくブレイブストーリーのことで頭がいっぱいになり、他の本を読む気になれませんでした本当に素晴らしい作品だったと思います。 | ||||
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宮部さんの作品にははずれが少なくて、たくさん読みましたが、これもかなり面白い内容でした。 日常から非日常への移り変わりなど、やはり描写がうまく、児童書としてのファンタジーではなく、 大人も楽しめる物語だと思います。 少年の心の動きなども、よく描かれていると思いました。 宮部さんの作品は文章も読みやすく、どれもスラスラ読めますね。 でも、この作品は去年読んだのですが、内容は覚えているのに、心にはあまり残っていません。 | ||||
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本で読むRPGという感じで、読みながらゲームしてるみたいな、きっとこれがゲームだったら面白かったかもしれないというような、でも今ひとつ納得出来ない感じです。 文章の表現力、美しさ、心象表現は流石宮部さんです。 小学生のとき読んだときはなんにも感じなかったけど、上巻の家庭の描写が本当にひどくて辛い。 こんな大人には絶対なりたくないと思った。いい反面教師です。 ただ少しお父さんに同情します。みんなかわいそうなんですけど… 反して幻界にいったらすんなり色んな人に手伝ってもらってサクサク進んでいってアレレ、という感じ。 ワタルの心を反映したものだからって「言い訳」されれば納得出来ますが、普通旅人だからなんて理由で大人が自分の仕事を投げ出してまでこんなにちやほや一から十まで世話を焼いたりしないでしょ。 まさにご都合主義のRPGゲーム。現実があんなに過酷ならもうちょっと「難易度」が高い世界でもよかったんじゃ? すんなり働けてるし、ひょんなことでハイランダー(笑)まさにゲーム。 悪人と言っても人を殺してるのにさっさと「悪人は死んで当然」と次に進んじゃうワタル君。 暗殺計画に全く反論せず、世界の平和のためだから…と正しいと信じて北へ向かうワタル君…あれ、ミツルとなにが違うの?殺さなきゃなの?どっかに閉じ込めたりすれば? 大虐殺と無差別殺人は駄目と言いながら、自らの殺人は理由があるからいいとこじつけるの? 私の心が邪悪なんでしょうか笑 二つの世界のギャップが激しすぎて、そこが残念です。 最後は作者さんの「正義」を押し付けられてるような…ミツルもなんとかして帰って心を改めて欲しいものでした。 確かにミツルは悪いことをしたし、ワタルはミツルより正義の道を進んだ。 でも彼の行動だって一理あるし、それだけ必死だったのだと私は思います。 もし幻界という一時の居場所を壊さず女神のもとに行けば彼は願いを叶えられたでしょう。 でもそこはミツルだって子供だったのでは?幻界をゲームの世界としか捉えてなかったとしたら? 導く人がいなかったという不運だけであの仕打ちは可哀想。 オンバ様だって、ひょっこり出てきて倒されて終わりなんて、味気ないです。 あと女性至上主義というか、女の子は強いんだからネ☆な描写も好きじゃないです。 悪いとこばかり書きましたが、いいところも勿論あります。 宗教問題や人種差別、政治に世界の抱えた裏事情、全てが勉強になりますし、筋道がたったリアルな政治情勢は素敵で矛盾が見当たりません。 政治情勢とその動きは現実の歴史とシンクロしていて面白かったです。 あとカッツさんは本当に素敵で、最後はつい涙してしまいました。 神様についてのそれぞれの捉え方も、色んな人の視点と考え方で世界は変わりどれが正しいと一概に言えないということも勉強になります。 語彙も広く、中学生が読むにはちょうどいいくらいの幅だと思います。 多分、宮部さんはファンタジーではなくて現実を書く方がむいてる気がします。 長文失礼しました。 | ||||
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