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王とサーカス
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王とサーカスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全102件 101~102 6/6ページ
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「さよなら妖精」刊行から11年。 ベルーフシリーズとして短編はいくつか発表されてきましたが、妖精ファン満を辞しての長編の刊行です。 「~妖精」の本質は守屋路行の物語であると思っているので、今作を正当な続編と称していいのかは分かりませんが 献辞のあの1文が『彼女』へ向けた太刀洗万智の感情だと思うと胸が締め付けられます。 作品への評価、でなくこの書籍へのレビューを素人の自分が書いていいものか、読み終えた後も随分迷いました。 「日記帳」などと揶揄されることのあるAmazonレビューにおいても、この作品を読んだ後では、他人に向けて言葉を 発することの意味や重さについて深く考えさせられたからです。 「報道・ジャーナリズムの在り方」がテーマと言ってもいい今作、作家とジャーナリズムではその性質は全く違うものの、 人に伝えることに自らの人生を賭している米澤さんの文書は痛いほど心に響き、また恐ろしくも感じました。 私自身は決してミステリに明るくありません。米澤作品以外ではいくつかの有名作を嗜む程度です。 そういった人間から見てもこの作品は(悪い意味でなく)ミステリらしいミステリには思えません。 ただ氏がデビュー作である「氷菓」からずっと書いてきたように、謎が見える裏には必ず人や物の介入があり、 そこで垣間見える人の感情や信念や業と呼べるものが、どんなに小さくとも謎を、ひいては事件を生んでいく。 その感情をフィクションとしてではあっても人の心に訴えかけるのが作家という仕事であり、 その感情のもつれを遡って紐解いて解釈し、他人に伝えるのが報道という仕事なのかと思うようになりました。 この作品では前作のユーゴスラビア紛争と同じく、2001年に実際に起こった「ネパール王族殺害事件」をモチーフとして扱っています。 恥ずかしい話ですが、私はこの作品を読んで初めてこの事件があったことを知りました。 私が無知なのは別として、時間と共に人の記憶や関心は風化していく。けれど何かのきっかけに、昔こういうことがあったのだと、 過去に目を向ける意味はあるのだと、日本の戦後70年を迎える今になって改めて気付きを与えてくれるきっかけになりました。 「さよなら妖精」を読み終えた後に、いくつかユーゴ関連の書籍に目を通したのを思い出します。 本質を理解できたとは冗談でも言えませんが、それでもそこに何があり、何故それが起こったのかを誰かが残してくれたからこそ、 数十年、もしくは数百年前の当時の記憶を、読み取る機会になり得るのでしょう。 決して報道そのものを全肯定しないし、出来ません。 それでも巻末での万智の言葉は、自分がその当事者にも、或いはそれを与えてしまう側にも成り得るのだという事実を示してくれた、深い1冊でした。 | ||||
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米澤先生のファンなので、星五つです。 内容は歴史上の事件関わる架空の事件を扱っています。 ミステリとしてはびっくりするようなトリックはありませんが、それも含めて先生らしい物語で楽しめました。 | ||||
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