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王とサーカス
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王とサーカスの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全106件 41~60 3/6ページ
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| 期待し過ぎたのか結末にがっかり 途中までは面白かったのに なぜこんな終わりかたなの!? | ||||
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| ドキュメンタリーと旅行紀行文とジャーナリズム論をまとめた現地レポートのような印象。 決して 私が期待していた Who did it ? 的な 推理小説ではありませんでした。『さよなら妖精』のレビューにも書きましたが 作者の思い入れの強い外国で起こった 紛争や事件 事故などを 大刀洗万智という主人公を配役することにより、作者の述べたいことを書き記しただけの内容のような印象を受け。この小説も 実際に起きたネパール王族殺人事件を材に扱っています。 トラベルミステリーぽっく 異国情緒のミステリ舞台となる土地の空気感が感じられますが、娯楽推理小説の要素がなに一つなく 退屈しました。 ネパールに興味がある という人は、この作品のカトマンズの空気感をまとったような感覚を味わえ良いと思いますが、 ハラハラドキドキどんでん返しを期待している私のような推理小説ファンのとっては退屈でした。正直ミステリーノーベルとしても 地味な作品だったなという印象です。 ジャーナリストとしての理念が作者にはあり、 あちこちのそのことを感じさせる言葉があります。 たとえば「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ」この人の作品はやはりミステリ以外の部分で(ドキュメンタリーと紀行文とジャーナリズム論)で楽しむべきか?? ネパールの街、ネパール人々の人物描写など世界観の創造は見事。 ジャーナリストとは何か、どうあるべきかの人生を壊す可能性のある仕事…考えさせられるという点では 真実の10メートル手前 と同じ感想。 | ||||
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| 2015年のミステリーベストテン第一位。ただ、この著者の作品はこれまで私とは合わないことが多かったので、期待してと言うよりは、半ば恐る恐る読み始めた。 結果、一日足らずで一気に読了。いや、面白かったからと言うよりは、中身がスカスカだったから。ダメだ、こりゃ。 ネパールの国王ら8人が皇太子に殺されたという実話がベースになっているというので、私はてっきり主人公がその謎を追うという硬派な展開を予想し、期待していたのだが・・・。 なんだ、この中途半端さは。ミステリーとしても中途半端だし、日本人が海外でテロやクーデターに巻き込まれるというパニックサスペンスものとしてもかなり中途半端な出来だと思う。 何故、これが一位なの? 全く理解不能。日本のミステリー状況はそこまで貧しいのか? 或いはこの著者、とことん私と合わないのかも。 | ||||
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| 多くを語らず但し能弁な万智に菜々緒さんを当てこみ、読了。皆さんのレビューどおり後味は悪かった。最初からここにしか着地点は無かったのだろうとは考える。だって王様ではなく、「王」とサーカスだから。 これはネパール社会を背景に借りたカースト制度の話であり、同和問題・在日外国人を最下層と位置づけた我が国の抱える現実でもある。昨今の風潮は日本の差別ソレを描くことをよしととない。作者はだからネパールの風土を舞台に設定したうえで、女性に問題を探らせた。さらにバッグパッカーではなく記者という肩書きを背負わせた。 読みながら終始「これはバッグパッカーの視点でしかも男性の目線だよね。それに語っているこいつは間違いなくショートカットもしくは五分刈りの頭だ。この気候でこの環境、ロングヘアなのにシャンプーしたい~と苛立つ如実な感覚が欠けている」と感じていた。 断じてロングヘアではない、この語り手は。もっと不便なんだよ、女のアジア旅行は。生理的なものも含めて。 なんてことを諸々感じながらひと晩にて読了。 単純におもしろかった。菜々緒さんの力を借りて読み進めた。 そして考えた。テーマはなんだ?報道の在り方か?違うな。 これは「真実から目をそらすな。真実とは阿呆らしいぐらい単純な動機且つ原始的な欲望に基づき起こり、起こるべくして起こるひとつの出来事に過ぎない」と言いたかったのではあるまいか? だって所詮「人」ですから。欲望という名のエネルギーを得て生きる生物ですから。 記者の仕事を名目に登場人物それぞれの欲望を明らかにし、取材する行為を経て他者を踏みつけてまで欲望を満たそうとしている己を知り、己の業の深さに改めて気付く。万智が暴いた真実は、人の欲望そのもの。人は誰でも「王」と成り得、サーカスを催し得る。 つまり、そういうことだよね?作者の言いたかったことは。 でもやっぱり、視点がバッグパッカーのものなんだよね。アジアにはよくいるんだよ。訳知り顔の、旅に居場所を見つけようとして、だけど定められないバッグパッカーが。旅人っていうんじゃない。彼らは根無し草、同郷の人を食い物にする八津田を見て、久しぶりにあのイヤ~な感じの日本人を思い出したよ……。私もよく頼まれかけた。日本に着いたら投函してくれって。でも安請け合いした同郷者が出国際に逮捕されて死刑求刑されたなんて話も無きにしも非ず。預かっただけでアウトなんすよ、グラスは。 あ~、イヤだイヤだ。彼らは日本を捨てたんじゃない。日本に居られなくなった根無し草で、根無し草は働きたくないんだよね。移動しながら周囲から栄養分をかすめとる。それが彼らの商い形で。八津田はまったくのクソ坊主だ! あ。そうか、作者は日本の坊主どもの生臭ぶりも、嫌悪してるんだろな。金、金、金、拝金主義ね。 タイトルからして世相批判を含むと予想していたけど、そのあたりは未だ未消化の様子。しかしながらなかなか読ませる作品であったことは確か。また読んでみよう米澤穂信氏。 それにしても、サガルに未来が欲しかったな……。希望の未来。 | ||||
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| よくできているし、面白いんだけど読後感がよくない。 太刀洗万智シリーズなんか好きなんだけどなぁ 評価が高い人が多いのもわかる、正直面白かった。 単純に、好きではない。 こうなると個人の好みだからなんとも。 でも☆4 | ||||
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| 2001年6月に実際に起こった「ネパール王族殺害事件」を背景に、殺された軍人の真相を追う、大刀洗万智:28歳、新聞社を辞めたばかりのフリージャーナリスト。ミステリーパートと共に、報道の真実と及ぼす影響を問う力作。 「お前はサーカスの座長だ。お前の書くものはサーカスの演し物だ。」 「よそ者が訳知り顔で俺たちは悲惨だと書いたから、俺たちはこの街で這いずりまわってる」 流石、各種の賞を受賞しているだけの事は有る、骨太小説。 | ||||
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| この作家にしては珍しく人が死ぬ話ではあったけれどシリーズの中では最高傑作かと思いました。 | ||||
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| 面白かった。 ものごとにはいろいろな側面があるだろうけど 人それぞれの視点からも物事はそれぞれ違って見えていることを 登場人物をとおして見せてくれた気がする。 小説として一風変わった背景があったほうがいいのだろうし 魅力的な登場人物も必要なんだろうけど、 それぞれ絶妙に配置されていて良かった。 一応「ここまでで手掛かりはすべてお見せしましたよ」ってくだりも 用意されていますし、読んでいて「うむ。犯人はわかっていますよ」ってなります。 トリックや叙述がお好きなかたには物足りなく感じるかもしれませんが、 ミステリーとして充分に楽しめる作品だと思います。 | ||||
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| この作品の背景は2001年に起きたネパール王族殺人事件です。恥ずかしながらこの事件の事は良く覚えていませんでした。同時期にあった池田小の事件や3カ月後の911事件は覚えているのですが… 先進国の主知的な同情に対して痛烈な批判も感じました。 | ||||
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| 2年前気まぐれに買った小説を やっと読み終えた 断念してしまった 中盤以降の盛り上がりが素晴らしく 全てが裏表、二律背反で成り立っているというテーマにしっかり収められていて感動してしまった 王とサーカスの凄いところは トリックが解けなくて悔しい というミステリー作品特有の感覚ではなく トリックで盛り上がってた自分が恥ずかしい という普通のミステリーと違った 特殊な体験をさせられることにあるでしょう メディアリテラシーの話なので 報道関係を目指している人は勿論 視聴者側も見るべき一冊だ | ||||
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| 「このミステリーがすごい」とのことで,今度こそはと期待して読みました。 この作家の本は過去に数冊読ませていただきましたが,どれも何か違う。いつも期待値を大きく下回ってしまっていたので。 「王とサーカスはこれだけ評価が高いのだから大丈夫」と自分に言聞かせながら読みました。 前半の王室事件が起こるところまでは緊張して読むことができました。後半に期待をふくらませながら。 しかし私服警官2人が登場したところから雲行きが怪しくなる。どうしてこんなにトントン拍子で話が進んで行くのか? ジャーナリズムの本質をテーマに掲げた作品だったのでどのような結末になるのかと思いましたが,主人公が都合良く納得して終わってしまったのでがっかり。 ツボにはまった人にはたまらない作家なのかもしれませんが,私にはいつもモヤモヤ感が残ります。 | ||||
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| 本当に胸糞だし心理描写も共感できるし素晴らしい この人の作風が好きなら満足 | ||||
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| このミスでの人気があったので読み始めました。満足しています。さいしょはどうなるかと思いましたがよかったです。 | ||||
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| 雑誌の記者の主人公の女性が、ネパールの王族の殺害事件に巻き込まれるミステリー。はじめはネパールの旅の案内本と思わせるようでしたが、王族が殺されてからの事件の真相を追う所から主人公の知的さが冴え渡ってます。知り合った軍人の殺害が王族の殺害に関係するのかしないのかワクワクドキドキ。 | ||||
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| 地味ながらミステリーを扱う手つきの確かさは一級品 その上で+αがあるのがこの作家の真骨頂 重箱の隅を続くことはできるが、まともな人間なら評価せざるを得ない作品 120点とは行かないけどまともな人なら80点はつけざるを得ない 二年連続三冠は伊達ではない | ||||
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| フリーランスの記者となった太刀洗万智。ネパールのカトマンズで王の一家が殺される事件に巻き込まれる。万智はネパールの軍人の一人に接触することに成功。だがその軍人は殺害され、遺体を晒される。犯人はもちろん意外な人なのだが、その謎解きなんかどうでもいいと思わせるほどのミステリがネパールという国に潜んでいる。また、最後に意外な人物が、思いもよらない秘めた感情に胸を締め付けられる。いや、本当は気づかなければならないのかもしれない。正論が人々を不幸にすることに。ジャーナリストとなった万智には正論を語るしかない。真実と正義を報じるしかない。ジャーナリストの仕事の苦悩も本書では味わえる。 | ||||
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| 二転、三転するので後半一気に読み切りました 王族殺害事件はメインじゃないんだと途中で気づき驚きました ジャーナリストなど物書きの人が読むと共感できるところがあり より楽しく読めるのかもしれません | ||||
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| ミステリーというより、1つの小説として楽しみました。 主人公の葛藤や気付き、そこに至る出会いや事件、まるで映画です。 ミステリーとして振り返ると、事件勃発までの描写が長く、また、じけんそのものが解決後に語られるなど、少々まどろっこしさを感じました。 | ||||
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| 価値観や読後の感想は人それぞれだが、私は読み終えた後、時間とお金を返して欲しいと思い。さらに口直しに他の本を読む必要があった。 以上が私の読後の正直な感想。 内容に関しての矛盾点の指摘は他のレビューで既に書かれているので省く。 ・他国の人間(つまり私たち日本人)が他国の繊細な事実・事件・事情を元に、商業素材として取り扱うのは失礼ではないだろうか? 少なくとも、ソコに触れるのであれば文責をもって書く(著者の仮説等)のが筋であろう それが出来ないのであるならば、人として触れるべきではない。海外作品ではチャイルド44などが同じような間違いをしている。 ・小説という文芸であるならば、台詞によって情景描写を台詞で説明をするような安易な描写を避けるのが書く者の芸。やってはいけないことをやっている。 よくこれで編集者サイドも許したものだとあきれる。 ・結局、主人公も生きていくために記事=金銭授与であるのであれば、王とサーカスという主題において、主人公も手を汚している事を。 まぁ今時では無いが、「全員が悪人」というノアール的にした方が良かっただろう。売れれば主人公を使い回したという思惑がとれて腰が引けている。 ・賞に関しては、まぁ商業・商売、マーケッティングというのはこういうモノだろうと、ほぼ諦めている。口コミの方が信頼出来る時代を加速させてしまっているのだろう ・魂を削って書いているのか?私たちは人生の有限の時間を削って読んでいる | ||||
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| 【内容(ネタバレ禁止!)】 なんと舞台はネパール! 【ささった言葉】 ・「どうぞ心なさい。尊さは脆く、地獄は近い」 ・「記事は派手にしようと思うところから腐っていくもんだ」 ・サガルが勧めるセルロティの店は、まだ先らしい。 ・「嘘ね」わたしはそう言った。サガルは答えた。「ああ、嘘さ」 ・「わたしは…」仏陀の目が見下ろしている。「ここがどういう場所なのか、わたしがいるのはどういう場所なのか、明らかにしたい」 ・「クソ野郎」赤い頬のサガルは、そう吐き捨てた。冷めた目がわたしを睨む。たぶん彼は憎むよりも、あきれかえってしまったのだ。 ・たちまちカトマンズの街へと消えていく背中に、わたしはありがとうと言いたかった。素敵なククリをありがとう。他のことにも。けれど彼は、そんな言葉は聞きたくないだろう。わたしはそういう世界に生きている。 ・彼方まで続く山塊はあまりにも雄大で、神秘的なまでに美しい。 ・もしわたしに記者として誇れることがあるとすれば、それは何かを報じたことではなく、この写真を報じなかったこと。 ・だったひとつの知識がものの見方を根底から覆し、別の知識が更なる修正を加えていく。やがて蓄積された知識は、お互いに矛盾しない。妥当だけれど思いがけないものの見方へと収束していく。このダイナミズムが好きだった。無邪気に知を楽しみうちに大人になった。 ・知は尊く、それを広く知らせることにも気高さは宿る。 ・結局わたしの背を押したのは、腕時計だった。約束の時間まであと一分に迫り、わたしは「待ち合わせの相手を待たせるのは失礼だ」という常識だけを頼りにして、クラブ・ジャスミンへと一歩一歩コンクリートの階段を下りていく。 ・「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ。意表を衝くようなものであれば、なお申し分ない。恐ろしい映像を見たり、記事を読んだりした者は言うだろう。考えさせられた、と。そういう娯楽なのだ。」 ・「タチアライ。お前はサーカスの座長だ。お前の書くものはサーカスの演し物だ。我々の王の死は、とっておきのメインイベントというわけだ」 ・「答えられなかった」わたしの呟きは水音にかき消され、どこにも届かない。 ・そしていま、枷は外れた。抗議の時は終わり、恐怖がそれに取って代わった。 ・そして、負けるものかと性根を据えた時、どうやらわたしはこんな顔になるらしい。新しい発見だった。 【感想と教訓】 ミステリーとしては凡庸なトリック。だが、珠玉の名フレーズの数々が心を打つ。純文学というほどではないが、第一級の通俗小説。例えて言えば、漁港の回転寿司。やはり、旬の作家の作品はうまい! | ||||
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