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王とサーカス
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王とサーカスの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全106件 21~40 2/6ページ
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| ミステリーとしても良くできている。最初からあちこちに伏線が張り巡らされ、それが終盤に向かって一気に回収されていく。ヒロイン、大刀洗万智とカトマンズの路地を疾走しながら、また、ほこりっぽい高地の空気を呼吸し香やゴミのにおいをかぎながら、日干しレンガの建物、大通り、川、祠や寺院を眺める。美しい山々の描写は少ししか出てこない。メインは、観光客からできるだけお金を巻き上げて、自分の生活が少しでも豊かになるようにと願う、貧しい人々の描写である。その中心がサガル少年だろう。 サガルは、自分たちの貧しい暮らしは外国のジャーナリストによる報道が原因だと信じて疑わない。尊敬する兄が死んだのもそのせいだと思っている。それでも、お金のために大刀洗の取材には協力すると申し出る。王族の大量虐殺に揺れるカトマンズの町を取材するには、どうしても現地の案内が必要だったので大刀洗はこの10歳くらいの少年を雇うことにする。そして、軍の王宮警護にあたっていたラジェスワル准尉にインタビューを試みるのだが…。 実際にあったネパール王室の事件を舞台に、フリージャーナリストになった大刀洗万智は記事をどう書いたらいいか苦悩する。本書の中にも出てくる「ハゲワシと少女」の問題を持ち出すまでもなく、ジャーナリズムのあり方は常に問われてきた。しかし、数々の悲劇を経験したにもかかわらず、我々は同じようなことを繰り返していないだろうか。要するに我々の「野次馬根性」「怖いもの見たさ」によりジャーナリストが動いているのではないかということだ。 そのいい例が「京都アニメーション事件」だろう。当初、犠牲者の名前の発表は、遺族の承諾を得た方々だけに限られていた。それが、葬儀が終わったという理由で犠牲者全員の名前が公表された。当然、メディアは遺族のものとに殺到する。なぜ、遺族が苦しまなければならないのか。まさに、本書の中でラジェスワル准尉の言った「サーカス」を楽しむ感覚ではないのか。消費される「悲劇」にどんな意味があるのだろう。 同じ作者の『氷菓』は多くのファンを獲得しアニメにもなった。そのファンはこの本を気に入るだろうか。『さよなら妖精』以降、『満願』と本書と『真実の10メートル手前』は性格がずいぶん異なる。できれば両方のファンになってくれるとうれしいのだが。 | ||||
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| 新聞記者をやめフリーライターになった太刀洗万智は、事前取材のためにネパールのカトマンズにやって来る。トーキョーロッジという宿で、アメリカ人のローバート・フォックス、インド人のシュクマルウェル、僧侶姿の日本人の八津田、宿の女主人のチャメリ、観光客相手の物売りの少年サガルと交流をしていくのだが、この辺りの描写がごく自然な感じでとても上手い。このまま事件が起こらなくて旅行記となってしまっても、充分面白いのではないかと思わせる。読む楽しみが堪能できるのだ。 しかし、王族一家殺害事件が起こり、大刀洗は取材をすることになって、大きく物語は動き始める。そして、情報を得ようと紹介された軍人のラジェスワルが殺され、大刀洗に嫌疑がかかる。これらの事件の中で、大刀洗はジャーナリズムの意義への疑問を突き付けられ、自らの生き方を問われることになる。大刀洗は、ラジェスワルの事件の謎を自ら解決することによって、最終的には自分なりの生き方の回答を見出すことができたのだ。 最後のどんでん返しは、あっと驚くほどではないが、上手く主人公のジャーナリストとしての生き方と関わってくる。ミステリーという形が、いい具合に生かされている。この作者は上手い! | ||||
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| 『このミステリーがすごい!2016年版』で1位だし、前評も良さそうだし…と思い、読んでみた。同じ登場人物が出てくるというので、「さよなら妖精」⇒「王とサーカス」と読んでみた…が、えっ、これがランキング1位?? 日本のミステリーってロクな作家がいないのでは…と思ってしまうほどに、面白くなかった…。私は、この作家の作品は今後二度と手にとることは無いと思う。図書館で借りといて正解だった。自分の本棚に並べたくない。 何がイヤって、「さよなら妖精」も「王とサーカス」も、説教臭い。「戦争の犠牲になった遠い国の少女」とか「報道のあるべき姿」といった、「このテーマについて考えるべき」といった押し付けがましさが随所に挟み込まれて、さも、正論ぶって書き散らしている文章がイヤ。 正論は正論でいいのだが、真面目くさって書かれても、読者としては「はい、おっしゃるとおりでございます」との感想しか出てこない。正論だけだったら誰でも書ける。正論を料理しての作家だろう、と思うけど。 いったいこの作家のどこに実力が感じられるのか、さっぱりわからん。 まぁ、正義感丸出しの作風だから、わかりやすくて1位になったのかもね。 | ||||
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| 延々とジャーナリズムとはなんぞやに付き合わされてうんざりした。さっさと物語を始めてもらわんと困る。王族ほぼ皆殺し事件はなんだったんだろうか。 | ||||
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| 読み終わった後の感想は、一言、「うまいなぁ」。 事件だけ取り上げると地味といえば地味な事件ですが、背景になるのはドラマティックな王族による王族殺し。 物語りも、王宮でおきたクーデターとその後の緊張下の町の様子、主人公の周りで起きた殺人、記者としての主人公のアイデンティイの確立を3つの柱に複合的な構造で描かれています。 主人公にとって、殺人事件の解決は単なる好奇心や正義感のためではなく、記者として自分が生きるために切実に求められるものだという点が他の多くの作品との差になっていると思います。 今更という気もしますが、読んでおいて損は無いと思います。 | ||||
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| ??? Ccccccvvvvvvvvvv Bbbbbbbbb | ||||
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| 米澤さんの小説が好きで色々と読んでいますが、この方の小説にしてはかなり重たい内容だと思いました。 (といっても、読ませる文章力で最後まで一気に読んでしまいました) 物事には、色んな側面があるのだということを、改めて考えさせられました。 カトマンズの描写も素晴らしくて、今まで興味のない国だったけど、初めて行ってみたいと思いました。 ☆ひとつ減らしたのは、サガルはかしこすぎるし、女性記者が探偵並みの推理力で少しだけ違和感を感じたので。 実際には、☆4.5くらいです。 | ||||
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| 主人公がなんか陰気な女性で、悩んでいるのだけど、 あんまり共感できず、正直読んでいるのがしんどかった。。 | ||||
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| スピード感ある展開で引き込まれる作品。優しさと厳しさが交差する世界に引き込まれます。それらを支えるのは著者が使う日本語の素晴らしさ。シンプルかつ繊細な描写は著者の才能だと思いました。 | ||||
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| 日本人には馴染の薄いネパールの首都カトマンズで実際に起きた王族殺害事件。偶然遭遇したフリージャーナリスト太刀洗が取材を始めると、謎の死体に出くわして、というストーリーで、実際の事件がモチーフなだけに、まるで現地ルポのような描写で迫真の内容。死体が出てから、いわゆる「ミステリ」らしくなるが、前半はあまり知らなかったカトマンズについて読まされるのが興味深い。ただ、単純に謎解きミステリを楽しみたい人にとっては辛いかも知れない。 後半は謎解きミステリらしい展開で十分楽しめると思うが、それが主眼の「本格ミステリ」ではない。全体を貫くテーマは、「報道と倫理」で、それを突き付けられて立ちすくみ苦悩する大刀洗の姿が読みどころ。結局明快な答は見出せず、モヤモヤしたものが残る苦い結末だが、作者がこのテーマに誠実に取り組んだ事がうかがえる。自らの存在意義に疑問を抱きながら、それでもジャーナリストとして生きて行こうとする大刀洗の姿に感銘を受けた。 | ||||
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| ネパールにプレ取材に行った万智は、おりしも起こった国王以下多数の 王族殺人事件に遭遇する。 早速、ガイドの少年サガルとともに王宮に向かい、町の様子や人びとの インタビューなど取材を進めるうち、万智のまわりで新たな殺人事件が 勃発した。 新聞記者歴5年の若い万智がベテラン並の行動力と推理で真相に迫る。 彼女は記事の書き方にも一家言持っている。 「わたしの仕事には、他人の悲劇を見せ物にしているという側面がある。 …問題は、それにもかかわらず伝えねばならないという哲学を持ち得るか どうかにある。」というところだ。 しかし、その前にこんなことも言っている。 「わたしは情報を選別する。…何かを書くことは、同時に、何かを 書かないことだ。」 言い換えれば、ニュースになる事件と、ならない事件がある、という ことだ。 うけるネタだけがニュースになって、本当に知らなければいけないことを わたしたちは知らされていないかも知れない。 都合の良いことは伝え、都合の悪いことは伝えないメディアだって時として ある。 万智がいうとおり、メデイアには「無限の時間と紙幅があるわけではない」 からだ、という理由で、それが正当化されてはいないか…。 | ||||
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| 話の展開はおっと思わせるようにしてるがちょっと肩透かし感ありでした。ただ、主人公の心理描写は興味深く読めました。 | ||||
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| 多分好みじゃないと分かっていたので 手をつけていなかったが、思わず古本屋で 買ってしまいました。 すっげーくそ真面目な小説でした。 なんか冗長過ぎて読み疲れました。 てか460ページもいらないだろ! | ||||
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| 読んだ。 満願が面白かっので、とても期待したが、イマイチだった。 | ||||
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| 米澤さんのファンではないので、本書を含めて数作品しか読んでいません。たまたま主人公を追いかける形でこの本にたどり着きました。古い言葉ですが、推理小説的な仕掛けもあり、なるほどとうならされました。ただ今時のミステリーは、事件を解決して大団円とはならない作品が数多く、本書もその類だと感じました。私の好みとは少し異なります。500ページ近くありますが、物語が始まるのが中盤以降という点もマイナスポイントでした。 | ||||
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| 風景がうかぶ描写、主人公の目を通すから日本人目線で見える海外の町並み 作者特有のミステリー感も楽しめ、意外性自体より、主人公が意外性のある結論に至る思考を読ませる小説だと思います。 | ||||
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| 米澤穂信の相変わらずの見事な切れ味を堪能できる。 伏線が周到に張り巡らされており、後段になって何度も元の箇所を読み直した。 主人公の太刀洗の活躍はファンには堪らない、更なる成長(シリーズ化)を期待。 | ||||
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| 読んでて楽しい。 登場キャラクターは総じていやな気分にならず、主人公が悩むシーンの書き方なども絶妙で、安心して読んでいられる。 ミステリとして凄い仕掛けがあるわけではないが、サスペンスとしては緊迫感もあるし、現実を元にしながらも生々しくなく、他人にお勧めできる作品だと思う。 | ||||
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| まず、題材が良かった。本事件は一応聞いたことはあったが、よく知らなかったので、題材だけで惹かれて読んだ。 僅かなネタバレを言うと、ネパールの王宮事件とこの物語の内容は大きくは関係がないということ。ただ王宮事件のあった時に起きた出来事(創作)を扱っている。つまり、王宮事件はこの物語の設定や雰囲気を作るための環境設定のような感じで、これを読んだからといって王宮事件について詳しく分かる訳でもないし、主人公が王宮事件に巻き込まれていく様な創作でもない。即ち、王宮事件を知りたい、若しくは王宮事件を基に創出した物語をこの本に期待することは好ましくない。 しかし、著者が伝えたいこの物語の主題は充分に伝わり、それがタイトルにも現れている。ストーリとしては充分に楽しめた。 あくまで、主題は報道や情報といったメディアの立ち位置と、貧困国におけるその影響などである。それを著者の考えを基に書いている。 以上。 追伸: ネパールのあの、わちゃわちゃとしてゴミゴミとした、じっとり、ねっとりとした雰囲気やヒンドゥーとチベット仏教の匂いがそこまで感じられないのは、文体からなのか、若しくは主人公が女性のせいだからなのかな?とは思ったがこれは個人的に感じたことなので、評価の星には加えていない。 | ||||
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| 王の殺人事件あたりから、俄然面白くなってくる、まさかの国がからんだ陰謀が結末かどうかというろこるで、終わる。考えさせられる、エンディング。 | ||||
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