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(短編集)
黒い画集
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒い画集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 21~40 2/4ページ
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まるでドラマを見ているように、一気に読めます。 重すぎず、軽すぎず。 普段、待ち時間や電車の中で読むのに、最適じゃないかと感じました。 | ||||
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きれいな商品で満足しております。 | ||||
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若かりし松本清張の夢がもし叶っていて、朝日で新聞記者を務めていたとしたらどうだったろうか?おそらく、おもしろい文学探訪記ができたかもしれない。シリーズにさえなったかもしれない。読みたかったと思う。惜しかったと思う。 しかし、もしこの歴史の if が叶っていたとしたら、新聞記者松本清張は面白い新聞記事を書いてそれで終わっていたかもしれない。世紀の傑作「1年半待て」や「顔」や「遭難」や「天城越え」は生まれるべくもなかった。 これはもう松本記者の作家探訪記事より惜しい。というか、惜しいどころの話ではない。これなくして、日本文学史の方向すら異なっていただろう。 冒頭の強いヒキ。その後の数ページの面白さ。引き込まれてしまう巧妙な構成。スパッと強烈な印象で終わる最後の数行。純文学ですらサスペンスの力量で読み進めさせると褒めたのは木々高太郎だったろうか。短編の名手を挙げるなら、清張と向田邦子。これから清張の短編群を読もうという人は幸いだ。 | ||||
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直ぐに読みたい本がみつかって、本屋さんと同じ状態の本が届く。とても便利。黒いシリーズ面白かったです。 | ||||
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先ごろNHKで放映された松本清張ドラマ『黒い画集~証言』を見て、そういえばこの原作を買ったまま未読であることを思い出した。読んでみると、『証言』は文庫にして23ページの短編である。ドラマでは不倫関係の男女を男性同士の設定に変えるなど、大幅な改変が加えられていることを知った。 本書にはそのほか計7作の短編・中編が収められている。なかでも有名なのは、映画化もされた『天城越え』だろう。これも41ページの比較的短い作品だが、作品の舞台が放つ叙情性、酌婦と少年という登場人物の造形などに魅力があり、人気が高い。わたしは映画を観ていないので、新鮮に読むことができた。 巻頭の『遭難』は山岳ミステリともいうべき趣、『寒流』は経済小説のような復讐譚。『紐』は保険金がらみの謎を、『坂道の家』は愛憎劇のサスペンスを描きながら、人間の色と欲を浮き彫りにする。短編の『凶器』はロアルド・ダールの『おとなしい凶器』のアイデアを、清張ワールドに見事に変換している。 それにしてもすごいなと思うのは、どの作品も過去に何度もドラマ化や映画化がされていることだ。『証言』『寒流』『紐』『坂道の家』は、どれもそれぞれ6回映像化されている! 日本人は本当に松本清張が好きなんだなあと思う(かく言うわたし自身もそうだが)。ちなみに本書の諸作はすべて昭和30年代の小説である。 | ||||
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「証言」。原作は、やはりテレビドラマより良かった。 | ||||
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先般、出品者の方を間違えてコメントしてしまいました。『黒い画集』良い状態でした。旧装丁版だったのが嬉しかったです。失礼しました。 | ||||
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母(88歳)が推理小説が読みたいと申しましたので選んだのですが、熱中して読んだと言っておりました。 ありがとうございました。 | ||||
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2作品が収録されています。どちらもテンポよく進むので一気に読めます。内容に深さはありませんが、まあ楽しめる作品です。 | ||||
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みうらじゅんさんの松本清張ファンムック「清張地獄八景」のおかげで、未読だった松本清張を読み始めました。といってもまだ短編集を3冊のみの読了です。 上述のムックでみうらさんはこの作品集からは「証言」と有名な「天城越え」を推していましたが、私はむしろ中編といえる「遭難」「寒流」が印象に残っています。 私が読んだ他の作品ではたいてい--時代性もあるのか--男性は「そこそこ裕福で、さらに功成り名遂げたい中年」女性はもっと単純に「若い美女」といった、その人物の個性よりは立場のアイコンとしての位置付けがなされているようで、いわばどの作品の人物も他作品と入れ替え可能なように見えます。 みうらじゅんさんは、そのアイコンとして一般化できる部分を「清張地獄」「清張スイッチ」のように呼び論じていらっしゃったのですが、私としては、その部分にあまり魅力を感じません。むしろその特徴は弱いけれど、キャラクターに個性が見られ、ストーリー展開もスリリングなこれら2作品が、他の作品でも顕著にわかる文章のうまさと相まって読み応えがあるものと思えたのです。 特に「遭難」に登場する松本高校(旧制なのかな?)山岳部出身の男性の造形は、日本の作品よりもアメリカのミステリなどに出てきそうな雰囲気を持ち、映像が目に浮かぶようで非常に印象に残っています。 それでも私としては未読の短編もまだ山ほどあるし、長編は手付かずなので、まだしばらくは松本清張を楽しめそうです。 | ||||
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松本清張の実力が発揮された作品集です、同じアイディア持ったとしても、余人に書ける小説ではありません。 | ||||
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田中裕子主演版の天城越えを観て、小説が読みたくなって購入しました。始め、タイトル天城越えで検索しても出ませんでした。よくよく調べてみると、黒い画集と言う名の短編集に入ってる事が分かりました。 映画を観てからですので、当然ストーリーは知ってます。しかし、それが故に映像と活字の対比が面白かったです。 | ||||
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短篇集といいながら、下記のように、長いもので文庫本190ページもある。中短篇集と呼ぶべきだと思う。 しかも、全7作中、100ページ以上の中編がじつに4作もある。なおハートマークを付けた作品は不倫がドラマの原動力となっている作品。 ・遭難・・・・・・・・・・130ページ♥ ・証言・・・・・・・・・・・23ページ♥ ・天城越え・・・・・・・・・41ページ ・寒流・・・・・・・・・・146ページ♥ ・凶器・・・・・・・・・・・46ページ ・紐・・・・・・・・・・・138ページ♥ ・坂道の家・・・・・・・・190ページ♥ 「遭難」は、ちょっとした山岳冒険小説の味わいが良かった。後半、山で遭難した岩瀬の実の姉から江田の会社に電話がかかって来るところからは、ミステリーっぽくなってゆき文字どおりハラハラドキドキのし通しだった。江田、浦橋、岩瀬の同僚三人で鹿島槍に登り、けっきょく天候悪化で遭難し、岩瀬が死亡するのだが、その岩瀬の姉からの電話である。 そして、その姉のいとこに当たる登山経験者の槇田と江田が、遭難した時と同じルートをたどって鹿島槍に登り始めて後のスリリングな展開は松本清張一流のもの。遭難時の殺人トリックも巧妙極まりない。他のレビュアーさんも絶賛しておられたが、私もこの作品が大好きである。 「証言」は、石野という男(課長)が、愛人との関係を知られたくないばっかりに、あえて偽証し続けるという内容。これも読みごたえがあった。最後のどんでん返しが非常に面白い。 「天城越え」は映画版をDVDで観たことがあったので、大まかなスジは知っていたが、正直のところ、小説の方が格段に面白かった。ただし、映画の方も原作のスジをかなり忠実になぞっている。 それでも小説が面白く感じられたのは作者松本清張の文章の力によるところが大きいが、もうひとつ、家出少年が天城の山で遭遇した女、大塚ハナと流れ者の土工との性交の描写が、小説では映画ほど露骨ではなく、暗示するにとどめていたところがすごく良かったためである。 映画の方はポルノ映画並みに露骨すぎて気持ち悪かった。だって土工が不潔極まりない男なんだもの。 「寒流」は146ページの中編で読み応えかあった。大手銀行の支店長沖野と前川奈美、そして桑山常務の3人を中心にしてドラマが動いていくのだが、3人が演じる狐とタヌキの化かし合いがとても面白かった。 既婚者なのに若い美女、前川奈美と浮気をし、彼女との結婚まで考えている沖野も悪いし、奈美も打算的な女だし、さらに女グセの悪い桑山常務も悪いのだが、やはり最大の悪人は桑山である。 秘密探偵と総会屋を使って、沖野が、「桑山の奈美に対する不正融資」をあばこうとするのに対抗して、次から次へと繰り出す桑山の反撃のすさまじさには舌を巻いた。 まさかの暴力団まで出てきた所では、そのすさまじい筆力に圧倒され、「松本清張は天才ではないか」とさえ思った。 「凶器」は一転して46ページの短篇だが、これはこれで非常に面白かった。犯行の決め手となる凶器をどうしても見つけることができなかった多島田刑事をはじめとする警察だが、3年の歳月が流れたあとに偶然の事から多島田は事件の凶器が何であったかに気づく。ちょっとした「ひらめき」である。 「紐」138ページは、殺人事件の真相が最後まで分からないハラハラドキドキ感がハンパなくてすごくよかった。 東京で一旗あげようと出てきた夫が多摩川の河原において何者かの手で殺される。他殺に間違いないのに、もっとも怪しいと思われた妻のアリバイが完璧 (完璧すぎ?) なのである。警察が降参して迷宮入りになった事件を、夫に多額の保険金が掛けられていたことから保険会社の一社員である戸田正太が調査することとなる。そして戸田の卓抜な推理と地道な聞き込みで真相解明に一気に肉薄してゆくというもの。ただし真相は戸田の推理さえも超えていた・・・。 「坂道の家」190ページ。これは読みながら谷崎潤一郎の『痴人の愛』を連想せずにはいられなかった。この中短篇集の中では最長の作品だが、読み応えの方も中短篇集中一番だった。 ページをめくるのがもどかしいくらいののめり込みようで、もちろん最後まで一気読み。 仕事一筋で40代半ばまで来た小間物店の堅物主人・寺島吉太郎が、ふとしたきっかけから杉田りえ子という若い女にのめり込み身を持ち崩して行くという、いわばよくあるパターンのドラマである。 それにもかかわらず、引き込まれるようにして読みふけったのは、ひとえに松本清張のストーリーテリングの絶妙さ以外の何ものでもない。最後、寺島は殺されてしまうのだが、その殺人トリックが巧妙としか言いようのないもので、しょうじき非常に驚いた。 | ||||
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最近古代史に関心を抱いて読んだのだが、期待したほどの内容ではなかった。 清張だけに、もっと期待していたが。まずまずといったところだった。 | ||||
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「陸行水行」邪馬台国の存在に魅せられた男たちのロマンと末路・・・他3篇。 | ||||
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身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。平凡な日常生活にひそむ深淵の恐ろしさを描く7編。 | ||||
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松本清張作品だが、社会派と言うよりは「奇妙な味」系の短編集。いずれも読み応えのある作品だが、「凶器」のブラック感が特に印象に残った。 「遭難」 前半は、山岳雑誌に掲載された道迷い遭難事故の手記。後半は、その時のリーダー江田が被害者の姉の依頼で従兄の槙田と弔い山行に出掛ける様子が江田の視点で描かれる。後半は倒叙系に変わって、二人の心理戦を描いたサスペンス小説。山岳小説としても楽しめる作品。 「証言」 会社や家族に内緒で元部下の女性をかこって逢い引きを重ねる石野。その帰りに近所の住人と会ったばかりに厄介事に巻き込まれる。「人間の嘘には、人間の嘘が復讐する」という結末。 「天城越え」 主人公が家出をして、天城越えをしようとするも断念し、引き返す際に魅力的な女と出逢い、その女と別れるまでの印象深い体験談が綴られる。年月が経ち、印刷工になった主人公のもとに、警察からその当時に起こった事件資料の印刷を依頼される。その資料が紹介されるとともに、意外な真相が明らかに。 「寒流」 主人公沖野は、大学の同期であり、銀行での上役にあたる桑山に恋人奈美を奪われ、仕事でも地方支店という”寒流”に左遷され、復讐を果たそうと画策するが、何度も苦い思いを味わう話。沖野は無用な執着に捉われて、エネルギーを使うところを間違えていると感じる。ラストはちょっとあっけなく、物足りない。 「凶器」 九州の田舎の村で見つかった撲殺死体。容疑者の女が浮かび上がり、凶器の「丸太ン棒のようなもの」を探すが、見当たらない。刑事は三年後にふとした出来事から、その凶器に思い当たる。最後の一行のブラック感がすばらしい。 「紐」 多摩川の川原で見つかった男の変死体。その妻の鉄壁のアリバイ崩しの話。最初は刑事視点で、途中から保険会社の調査員の視点で、調査の過程が描かれる。真相自体は想定の範囲内であったが、死体の両面の死斑の謎、最後に明らかになるある人物の真意が面白い。 「坂道の家」 キャバレーで働く若い女とひょんなことで知り合った中年男がその恋にのめり込んで、身を滅ぼしていく話。騙される男の哀れさが痛切に描写されている。真相発覚に至る手掛かりが工夫されている。 | ||||
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「坂道の家」などの長編や、「天城越え」の様な短編まで、多彩に収録。 私の場合、映画やドラマの「天城越え」が好き過ぎて、現地(=天城峠)に行くにあたって原作を読んだのが購入のきっかけ。 この中の作品で他に映画、テレビドラマ化されたものがいくつかあるので、DVDを借りてチェックして原作と比較してみても面白い。 殺人には、手口と動機が重要である。そこをどう形成し展開していくかが、松本清張の腕の見せどころである。 こうしていくつか作品を読み進めると、一定のパターンが見えてくる。強烈なまでの男の嫉妬が全て発端になり、 それが怒りに変じ暴発した時に、コトが起きている。 所詮、男は女に利用されるだけの駒、消耗品に過ぎないのか。男とは悲しい生き物である。 | ||||
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だから黒い画集とはよくぞ付けたと思う、 日本人の心性の最も深い部分に巣食う嫌らしさ・汚さ・見苦しさのような価値観や感情が蒸留されたような作品ばかり、 発表からゆうに半世紀を越え、すでに古典の風格だと思う、 「遭難」「凶器」などどうしてそんなことが殺人に結びつくのか?と動機に疑問を感じもするが、だからこそ最悪の結末が用意されてしまうのが人の世の苦味なのだと思う、 そんな見苦しさはいまもまったく変っていない、 福島からの避難民に同情するどころか、彼らが義捐金を受け取ったことに対する僻み妬みから小学校でこどもが金銭が恐喝されてしまうのが今日現在の日本なのである(場所が横浜というのになにか肯ける部分があるのだが)、 既に古典の域なので風俗描写に一瞬考えてしまう箇所がいくつもある、 「寒流」P.184 外苑の森の隙間から、屋根にあげたさまざまな屋号のネオンが並んで見える。 →当時、市谷方面に待合・連れ込み宿(現在のラブホテルと同じ目的で利用された)が集中して存在したからである、 もろもろの事情で現在その面影は薄い、 「凶器」P.311 一帯にこの辺は籾扱きに暇がかかる。 →この一文はいったい何のことか? ほとんど古文の同類だと思う、 つまり舞台となる地域一帯では、稲を刈り取った後に米となる籾の部分だけを稲穂から取り外す作業に時間がかかり、事件は真冬に起きているが、事件現場には新しい藁が積んであったということらしい、 農作業の機械化以前、作業が人と牛馬だけでなされた事と、気候区分による作業手順には地域差があった可能性が前後の記述から想像できる、 その先は歴史地理として郷土史家が語る領域になると思う、 「紐」 映画二本「男を捨てろ」「川霧の決闘」を見た設定は映画版「砂の器」が引用している、 同じく映画の半券のトリックは「容疑者Xの献身」に引用されている、 P.440に”冷やしコーヒー”とある、さて、アイス・コーヒーという用語はいつ頃から普及したものか? | ||||
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「黒い画集」を読もうと思ったが、色々出ているようで、 何が「黒い画集」なのか、読むまで分からなかった。 が、当著の解説に 昭和33年9月から昭和35年6月まで「週刊朝日」に連載された作品の中から 著者が自ら選んだ7編 と記載されていた。 Wikiによると、「天城越え」だけ上記と違っているようである。 全て短編だが、以下の通り、読み応えのあるものも有る。 ・遭難 :132頁 ・証言 : 24頁 ・天城越え: 42頁 ・寒流 :148頁 ・凶器 : 48頁 ・紐 :140頁 ・坂道の家:191頁 「遭難」が1番面白かった。 3人で登山し、Aの心理/行動を巧みに読み、 なおかつ、Bには気付かれないよう、仕掛けていく様が見事だ。 それも、最後の方でネタが明かされるため、 それまで読者も全く気付かない。 Aの従弟が登場し、 最後はハラハラさせられる。 「紐」は 分からない部分があった。 | ||||
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