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(短編集)
黒い画集
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒い画集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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どうにも清張は「悪達者な小説家」。何でもないことをふくらませてゆき、思い がけない結結末を用意している。そんな術に長けた作家なのだが、本書は…。 簡単に一つずつレビューを。 「寒流」はまさに「暖流」から外された人間の物語であろうか。ただ残念ながらい つもの清張の筆。つまり女性の描き方が単調すぎる。定型的な女性ばかり登場し、 興趣が削がれる。どの作品でも女性が自分の意思で何かをなすということがない。 常に「受け身」であり、すぐに感情に流される。そんな女性ばかり。 男性から親密になろうと強く迫られて、そういう交際をしたり、逆に男性がう らぶれていくにつれてその熱が冷めていったり。およそ主体的に動くことがない。 清張の活躍した時代には、それで小説が紡げたのだろうか。 この作品は自分の大切な女性を奪われた男性が、逆に少しずつ追い詰められて いき、反撃するもそれを利用されて逆ねじをくらう。 読んでいるうちに、主人公に共感してしまうのだが、これが清張のマジックか。 最後に放ったはかりごとが成功する瞬間に物語は終わる。どうにもストレスの溜 まる終わり方で、もう少し結末が詳しく語られることがないのが惜しまれる。 主要な登場人物で、最後にキーパーソンのなる興信所の人間がなかなかいい味 があるだけにエンドは残念だ。 唖然としたのが「凶器」。<編集エッセイ>で詳しく触れられているが、これは 推理ものとしては失格だろう。自身がアイデアを剽窃したと認めようが認めまい が、この作品の核となる部分を「他の作家の作品の真似をした」のであれば、作品 として成立するのかどうかさえ疑問となる。 阿刀田が何やら書いているが、この作品は「清張の黒歴史」にしかならない。ご 丁寧にR・ダールという作家の「おとなしい凶器」と同じと、清張自身が認めてい る。 清張は基本的には真面目な人ではあるが、読者を馬鹿にするような作品を残し ていいはずがない。一方は「冷凍の肉」、こちらは「固い餅」。食文化の違いだけで 免罪されるわけではない。そして本作品は、「凶器のアイデア」以外はあまり価値 のある作品ではない。こんなことをしたとは驚き。阿刀田は「ギリギリセーフ」と の判断だが、私は「完全なアウト」。 この作品は封じられて当然。 「濁った湯」は汚職事件での自死者の謎を解くもの。 そういえば1980年代ころでも、関係者や秘書の自死が多かったと思える。どう にも自分が秘密を握っているが、それを自らの死で秘した事件はあった。 「社畜」などという言葉のできる以前のことだが、政治家も企業のトップでも、 それで事件をうやむやにしていたことはあった。 汚職をテーマとしたTVドラマを創作する主人公がモデルとなる事件を調べて いるうちに、事件の秘密に近づいていくという筋立て。だが、主人公の手伝いを する「助手」役の登場人物が、銀行でも官庁でも簡単に私的情報を入手している。 鉄道の定期券を調べる下りもすぐに結果を知ることができたとなっている。 これは手抜きだろう。リアリティがなくなっている。 どうにも興味が続かずに斜め読みした。 入院患者が病院の闇を解決する「草」。院長と婦長(看護師長 当時は「婦長」)が 失踪し、薬室長は自死、なんとも奇妙な設定だが、そのどうにも違和感のある筋 が収斂してゆく。どうにも覇気のないような主人公だが、その故にゴタゴタに巻 き込まれてゆく。隣室の人も付き添い婦も、主人公にも不可解なところがある。 急な大団円になるが、これが感心できない。全てが安っぽいTVドラマのよう になる(TVドラマ全てではありません)。 「牛刀をもって鶏を割く」感が強すぎる。読んでも腑に落ちず、なんと作り事め いていると思うだけだった。 全体を通して。 どの作品も清張にしてはその質が低い。ストーリーにも「オチ」にも無理があり、 (ひどい言い方だが)素人が書いたような推理小説。味もなく、ゴツゴツした粗い 筋の小説群。 清張の作品にはどうにも完成度にばらつきがあると思っている。本書収載の中 短編は出来がよくない。 そして「凶器」はやはり一線を超えている。アイデアが主体となる作品で、アイ デアが物真似ではいけないでしょう。 以上の理由によって、この作品集はお勧めできない。 当然、☆は辛くなる。 | ||||
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残念ながら表紙が汚れており、かなり傷がついていました。読むには問題なかったのですが、期待していただけにちょっとがっかりしました。 | ||||
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あえて 中古本の値段の高めの本を買いましたが、本の発行年度が古すぎる。変色していて、カバーとかの状態も悪い。 | ||||
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こんなものが売りに出されるのかと・・・。まったく話にもならない。 | ||||
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