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眼の壁
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【この小説が収録されている参考書籍】
眼の壁の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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| 手形詐欺に遭って自殺した上司の無念を晴らすために、詐欺事件を調べていく主人公・萩崎竜雄(はぎざき たつお)。事件に関わりがありそうな右翼のボスの動向を探り始めた辺りから、組織的な犯行の黒い闇が立ち現れてくるサスペンス小説。 事件の舞台に信州が選ばれていること、ひとりの民間人が組織的な謀略に負けずに事件を調査していくこと、事件に関わる美しい謎の女を主人公がかばうこと、こうしたところに、本作品のおよそ二年後に執筆される『影の地帯』との共通点を感じました。話に引きずり込まれるスリリングな迫力、犯罪の奥にひそむ闇の深さという点では、後年の『影の地帯』のほうが優っていた気がします。 リアルな描写に引き込まれた場面は、冒頭、会社の会計課長が三千万円の手形詐欺に遭い、責任を一身に背負って自殺するまでの件り。実際に現場に立ち会っているかのような臨場感がありましたね。読み手を話の中に引き込む作品のつかみの部分が、松本清張は実に巧い。本書でも、ぐいっと気持ちをつかまれました。 もう一点、印象に残ったのは、作品の重要人物が●●風呂に浸かって×××場面。かなり凄惨なこの件りを読みながら、江戸川乱歩あるいは山田風太郎の怪談色の濃い作品を思い浮かべました。清張先生、一体どんな顔してこのシーン(417頁・右側)を書いたんだろう。 1957年(昭和32年)、『点と線』と並行して執筆、連載された作品。 | ||||
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| 現在、テレビドラマから火がついて「清張ブーム」が起こっているようだが、昭和30年代に初めて湧出した「清張ブーム」は今の比ではなかった。いわゆる本格的な「社会派推理もの」の登場! そのブームを起こしたふたつの長編が「点と線」であり、続く「眼の壁」であった。パクリ屋と呼ばれる犯罪者にだまされ、責めを負って自殺した上司から遺書として送られてきた書簡。それを手がかりに、義憤をおさえきれない主人公が、素人ながらも事件の本質をさぐり始める。おもに舞台は、岐阜県東部と長野県の木曾、ちょうど名古屋から走る中央線(鉄道)沿いの地方。パクリ屋、右翼、精神病院、政治家、いろんな絡みがあり、終末に至る描写は、まさに巻おくあたわざる面白さ。清張の最高傑作とはいえないけれども、清張作品を体験するに不可避の名作。 | ||||
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| 現在、テレビドラマから火がついて「清張ブーム」が起こっているようだが、昭和30年代に初めて湧出した「清張ブーム」は今の比ではなかった。いわゆる本格的な「社会派推理もの」の登場! そのブームを起こしたふたつの長編が「点と線」であり、続く「眼の壁」であった。パクリ屋と呼ばれる犯罪者にだまされ、責めを負って自殺した上司から遺書として送られてきた書簡。それを手がかりに、義憤をおさえきれない主人公が、素人ながらも事件の本質をさぐり始める。おもに舞台は、岐阜県東部と長野県の木曾、ちょうど名古屋から走る中央線(鉄道)沿いの地方。パクリ屋、右翼、精神病院、政治家、いろんな絡みがあり、終末に至る描写は、まさに巻おくあたわざる面白さ。清張の最高傑作とはいえないけれども、清張作品を体験するに不可避の名作。 | ||||
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