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東京自叙伝
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東京自叙伝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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奥泉光さんの本です。 基本ルールとして、この本にでてくる人物たちは、それぞれリンクしています。 といっても、そのリンクの仕方が独特で、 「自意識」というものが、輪廻していくという意味で、リンクしているのです。 このリンクについては、作者は「地霊」だとか、いろいろと合理的な理屈をつけようとしつつ、でも、決定的な結論を述べることはありません。 とはいえ、我々の「自意識」や「アイデンティティ」というのは、実は共同幻想にも支えられている面もあるわけで、 その共同幻想がリンクしていく、という感じですね。 東京に巣くった「地霊」っぽい「自意識」というか、共同幻想が主人公の物語であります。 また、基本は人間ですが、ネズミやら猫やらにも自意識が輪廻していくことがあります。 登場人物たちは、東京になぜか強く惹かれているけど、でも憎んでもいたりして、 そういう人物が、明治、大正、昭和、平成と、それぞれの時代で、おのおのが歩んだ歴史を語る感じになっています。 ただ、やたらと歴史的事実に「実は、それは私がいっちょ噛みしてまして」「実は、これは私の発案で」的な自慢話っぽいのが、かなり挟まってくるので、「うぜえ」と感じるところであります。 また、東京に、原発を誘致しようとか、そういう話になったりして、さりげなく3・11の福島原発のことを語っています。 さらに、最後の方になると、地方都市も東京化しているため、登場人物たちが地方に発現したりして、 だんだんと意識が拡散していく感じも、なかなか面白く思いました。 最初は、かなりかちっと世界観を作り込んでいるのですが、最後の方には、その世界観が崩れていくというか、 お約束が平気で破られていく感じというか、 物語の疾速感というか、ドライブ感が、なかなか面白く思いました。 | ||||
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良くできた話と思いますが、すごく面白いかというと、どうでしょう? 特に、各時代のエピソードを交錯させた箇所で「因縁だ」「奇遇だ」とやられても、所詮小説という著者の作り話なんだからなぁ・・・と、どんどん興醒めに…。 ただ、巻末の参考文献は色々面白そうな本が載っていて、読んでみたくさせました笑 | ||||
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語り手は東京の地霊そのものであり、一時的にその宿主となった六人が、 幕末維新から311に至るまでの東京の歴史を語るという、今までにおそらく 誰も思いつかなかった構想の大きさは見事だし、敗戦やバブル崩壊、震災 などの有為転変を経ても、「なるようになるさ」と嘯くだけで無反省に続いて 行くかに見える、近現代日本へのそれなりに鋭い批評にもなっている。 この作者の本来の持ちネタである、講談調にツルツル流れて行く文体も、 今回は題材にうまくはまっているように感じられるが、贅沢を言うならば、 全編をこの文体で押し通すのはやや一本調子で、とくに五人目の戸部に なると、バブル期の女性がこの文体で語るのには、若干の不自然さを感じた。 もちろん、語り手は煎じ詰めれば地霊一人なわけだが、講談調の文体は 特定の時代に由来するものである以上、本来なら、時代の変化につれて 文体も少しずつ変えるべきだったろう。 また、普通なら六人を順番に輪廻転生させようと考えそうなところ、複数の 「私」が同時に生きていて互いに殺意を抱いたり、その合間に鼠その他の 生物であった記憶を思い出したりするという設定はなかなかユニークだが、 ラストに至って、Kをはじめとする通り魔殺人事件の犯人は全員自分であり、 果ては東京人のすべてが我なり、と断言するところまで来ると、さすがに 強引に決着をつけようとし過ぎているような気もしないではなかった。 | ||||
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とても評判になっている作品ですから、手に取ってみたの出すが、いまいちよく理解 できません。再読してみようと思っています。 | ||||
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