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ザ・バット 神話の殺人
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ザ・バット 神話の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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500ページ強の大作だが、面白いので一気に読めてしまいます。 ストーリーは、ノルウェーの刑事ハリーが、ノルウェー人の美女がオーストラリアでレイプ後絞殺された事件を追ってオーストラリアへやってくるところから始まります。オーストラリアの警察では、最初ハリーのことを歓迎しませんが、彼のがんばりと能力を認めざるをえなくなり、チームの一員として捜査をすすめます。 ハリーとコンビを組むのがオーストラリアの先住民であるアンドリュー刑事。彼は年はとっているものの、元ボクサーで事件に並々ならぬ情熱を示します。アンドリューや彼の仲間たちから、ハリーは先住民の神話を聞かされるわけですが、それがこの作品の副題となっていて、この作品を単なるミステリーでないオーストラリアの影である先住民と白人たちの歴史問題というテーマを感じさせます。 ハリーが知り合う赤毛のスウェーデン人はバーではたらく美女で、ハリーとのラブシーンは映画を見ているような気分にさせてくれます。訳が素晴らしいのもあるのでしょうが、セリフ回しがウィットに富んでいて大人の会話です。一方、激しいアクションや、ハリーが失意でボロボロになるシーンなど、非常にエンターテイメント性にも優れています。 難を言えば、登場人物が多すぎて誰がなんだか混乱してしまうことが多かったことですが、全体のストーリーを把握するうえで問題にはなりません。 | ||||
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ノルウェー人作家ジョー・ネスボのデビュー作であり、オスロ警察刑事ハリー・ホーレ・シリーズの第一作目にして「ガラスの鍵」賞受賞作である。 前訳「スノーマン」(北欧ミステリの中でも一級品の面白さ)はシリーズ第七作目であり、ハリーは警部になっている。 物語はハリー・ホーレ刑事がノルウェーから遠く離れたオーストラリアの国境を越えるところから始まる。ノルウェー人女性インゲルが異国オーストラリアで他殺体となって発見され、その捜査のために赴いてきたのだ。 先住民族であるシドニー警察のアンドリュー刑事とコンビを組み捜査が始まるが、過去の未解決事件を調べると四人の女性が性的暴行を受けた後、絞殺され首に指の痕がついていたことが分かる。 そして四人ともブロンドだった。インゲルもブロンドで手口は全く同じだったのだ。 最初に容疑者として浮上したのは麻薬の売人であり、インゲルの恋人だったエヴァンズ・ホワイトだ。 事件は連続殺人の様相をみせるが捜査は二転三転していく。 しかし本書に通底するのはオーストラリアの重く長い歴史であり、苛酷な先住民たちの生活である。 ゲイやボクサー、アルコール依存、失業、結婚生活の破綻、売春、犯罪、暴力、薬物の中でマイノリティーたちが集う街。そして彼らであふれる街のバー。 そこでハリーは先住民たちから彼らの長大な歴史をさかのぼることで、それが土地の伝承と神話をたどり、迫害された人々の苛酷な現実とむきあうことになる。 本書では小声で語られる彼らの物語は、世界の歴史通史の中で真実はもっと悲惨で残酷な事実である。 ハリー・ホーレがたどる歴史に翻弄された人々の神話。北欧の女性ビルギッタとの出会い。 全編、死に満ちたジョー・ネスボのデビュー作は、死者たちとの出会いと別れ、異質な人々、文化、土地の様々な物語がからみあい、最後にすべてが混然一体となって終わる重量級の傑作である。 | ||||
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