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(短編集)
女のいない男たち
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女のいない男たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全328件 181~200 10/17ページ
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久々に春樹さんの小説を読んだ。 表題の「女のいない男たち」は 紙面を自在に何かが動き回ってる。 心を揺さぶる、大好きな芸術作品だ。 | ||||
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タイトルを聞いて、女にまるで縁のない 男達の話かと思ったが違った。今までの 村川の小説と同様、出てくるのはリッチ で女にもてる(私から見て)男達ばかりだった。 どの物語も、村川氏の周囲で起こった 出来事を小説にしたような感じで、自分の 生きている世界とまるで違って上流社会 というのだろうか、そんな感じがした。 村川氏の書く世界は、人生の神秘、男女 間の謎といったような深遠なものを描いて いるようだ。よくは理解できないが勉強に なる。 | ||||
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独特の雰囲気をもつ失恋をテーマにした短編集 さすが有名作家。文章はうまいし、現実離れしたとらえどころのない雰囲気もいい。 必ず出てくるのが、とんでもなく現実離れしたキャラ。それが楽しみというファンも多いかも。 女を失った男性の過程や心理を純文学として書くから、最後は絶望とか自殺とかになってしまう。 ひたすら暗い。失恋した直後は手に取ってはいけない類の本。 好みの問題だが、 同じ失恋をテーマにした短編集なら、角田光代「くまちゃん」の方が、希望があってよかった。 | ||||
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女性と死別したり離婚したりしてしまった男が主人公の話が多い。このような設定のせいで、重く暗い話が目立つ。 心理学者のフロイトによれば、人間の心に大きな影響を及ぼす要素が「死」と「性」だそうだ。村上氏の小説には、この二つの要素がとても色濃く反映されている。本書も例外ではない。だからこそ、読者の心の深い部分に「ささる」ものがあると思う。 印象に残った部分を、いくつか挙げます(カッコ内は私のコメントです)。 ・ただの肉体じゃないか、と家福は自分に言い聞かせた。やがては小さな骨と灰になってしまうだけのものじゃないか。もっと大切なものがきっと他にあるはずだ(p62)。 (人間にとって大切なものは、愛や、信頼など、物質的なものとは異なる次元にあるのかもしれない。) ・彼と離れていると、胸の決まった部分がしくしくと疼(うず)くの。虫歯みたいに。本当よ。私の心の中には、彼のためにとってある部分があるの(p106)。 (愛する相手は、自分の一部になってしまう。だから、ときに別れは肉体の剥離のような激痛を伴うのだろう。) ・渡会医師もまた独立した器官を用いて恋をしていたのだ。それは本人の意思ではどうすることもできない他律的な作用だった。・・・僕らの人生を高みに押し上げ、谷底に突き落とし、心を戸惑わせ、美しい幻を見せ、時には死にまで追い込んでいくそのような器官の介入がなければ、僕らの人生はきっとずいぶん素っ気ないものになることだろう。あるいは単なる技巧の羅列に終わってしまうことだろう。 (恋をすると、脳の一部が機能停止する。つまり、私たちはバカになってしまうのだと聞いたことがある。だが、そのような「危険な状態」にならない人生も、つまらないものだと思う。「独立した器官」が起動したとき、私たちは自分を制する術を失ってしまう。それもまた、人間というものなのかもしれない。) | ||||
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物語の中で無駄な(?)説明が長い事、長い事。 長すぎて「しつこいな」と思ってしまう。三島由紀夫も長いけど、その文章力にはむしろ感心した。 この人は、無駄に長いなぁー。そんなにダラダラ説明しなくてもいいのに、メンドクサイ…と思ってしまう。 あの長さは改善されないのだろうか。 説明文が長すぎて、本題がぼやけて見えた事も。これで挫折しそうになった。 | ||||
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独立器官が一番好きです。渡会医師の行動に共感できました。何度も読み返したいです。 | ||||
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いつものことですが、村上主義者の私としては、タイトルとは内容が違うんだろうねぇ~と思って読み始めました。 やはり! とても素敵な大人の恋を中心とした物語です。 「彼女のいない男性」をイメージしてはいけませんよー。 感動的な短編小説の集合体です。 | ||||
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人間の半分はギラギラした性欲を持って生まれついているが、残りの半分はそうではなく、僕もそのひとりである ある巨匠の言葉です 僕もこっち側 | ||||
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にわか村上春樹ファン並感の感想です。 ドライブ・マイ・カー 演技と本気を不倫を題材にしてみつめる。 折り合いをつけるためにできることは自分自身を深くまっすぐ見つめることだけと言う高槻。 そのなんでもなさに惹かれた妻に納得できない家福。 なんでもないからこそ抱くんだと言うみさき。 そんなやりとりが印象的だった。 イエスタデイ 自然で円滑で心地よいこと問題。 好奇心と探究心と可能性。 自分自身がそうだったからよく分かる。高3の頃、ようやく好きだった子と付き合えて幸せだったはずなのに、好きすぎてセックスには至らなかったり、でも他の恋愛の形が知りたくて別れたり、その後付き合った子とは割とすぐにセックスに持ち込もうとしたり。 大人になってからも昨日のことのように思い出す不思議な時期が今なのかぁと思って残りの学生生活大切にしなきゃと思った。 独立器官 女性の嘘は時として確かに完璧かもしれない。 シェエラザード 毎日決まった時間に性行をしてはシェエラザードの昔の話を聞く。それだけの話。 最後に情熱的な性行為になるが、性よりも結局は女の人と過ごす特殊な時間こそありがたいってのは分かるなぁ。 やつめうなぎが印象的。 木野 おれは傷つくべきときに十分に傷つかなかったんだーその結果こうして中身のない虚ろな心を抱き続けることになった この部分がすげえ迫ってくる。人との別れや人への怒りってその場で消化しきれないことが自分自身多いけれど、それってもしかして心にとって良くないことなのかな。 女のいない男たち エムの死になぞらえて女の子との別れとはどういうことかをつらつらと。 今更やけど本当に文章が上手い、共感の嵐でした。 とても静かなテイストで描写されててその世界観に浸っていられる時間が楽しいです。 女性に対して我々男性が抱くもどかしさのような何かをここまで言語化してくれて感謝です(*^^*) 自己理解につながります。 | ||||
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ノーベル文学賞候補と言われているが、本当にそれでいいのだろうか。この作家の作品をすばらしいと感じる人は、明治から昭和の作家の作品を読み込んでいるのだろうか。異常なほど海外で人気が高いのは、言い換えれば高度な日本語が使われていないから。翻訳不可能な日本語のリズムや奥深さがないから。翻訳可能な簡単な日本語でしか書かれていないから…ではないだろうか。独特の文体を生み出したこと、読書体力のない現代人にも本を読ませるようにした 功績は評価できるが、ノーベル文学賞候補と騒ぐのはあまりに世界のレベルを知らなさすぎるのではないだろうか。 | ||||
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村上春樹さんは「村上さんのところ」で論理とともに物語が大切だと。また、物語にはホワイトマジックとブラックマジックがある。ブラックマジックに陥らないようにと書いてあったと思います。一昨日、昨日この短編を2つ読むと不思議なことに少し元気になりました。優れたホワイトマジックだと思います。是非読んでください。 | ||||
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「イエスタデイ」良かったです。こういう感覚のモノが定期的に欲しくなるんですね。人間が抱える情念というか、危うい気分、そういったものをドライに汲み上げて体験させる。村上春樹、流石やわ。昨日は明日の一昨日で…。 | ||||
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GOODGOODGOODGOODGOODGOODGOODGOOD | ||||
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心に傷。それほど痛いものってないと思う。 傷は見えぬから、状況は他人にダイレクトに伝わらず、仮面(笑顔)を身にまとったりする。 そしてびっくりするのだけれど、意外と自分でも傷の根源がわからなかったりもする。 この小説を手にとった時の私はほぼ失恋をしていた。 そんな気分が晴れない時に読んだこの小説は、男性がことごとく失恋をしていく。 あらゆる環境で愛しき女性を想う。 私は、初めて知った。あー男性も心を傷めるのだ、と。 呼吸がしづらいほど、強く心臓を握りつぶされる感覚。 どうにも解決できない窮屈さ。 そんな気持ちって男女間変わりなく共通なのねっていう感想。 とても薄っぺらいような表現だけれど、これは私にとって鳥肌がたつような発見で。 どこか安心して気が楽になったのだ、随分。 男性が可愛い子供になったかのような感覚に襲われ、ぎゅっと抱きしめたくなるような温かい気持ちになる一冊でした。 読み終わったあとの心の安定が半端ないのです。 きゃんと大事な人を傷つけることなく、支えたいと心から感じました。 | ||||
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まるで、「都会的で孤独な登場人物たちが、やたらとセックス絡みの話ばかりをする」という、 あくまで通俗的な村上春樹のイメージに沿って、誰かがなりすまして書いたかのような短篇集。 今までと比べても、個々の作品にいちいち深みが感じられないことに、やや驚かされてしまった。 ある時期以降(『ダンス~』あたりから)の村上作品について、個人的に感心できない点として、 ・問題の解決が、主人公が見る夢や幻想といった、「象徴的」な形でのみ語られることが多い。 ・展開にやや無理がある分を、どこまでも滑らかに続く文章の力で、強引に押し切ろうとする。 というのが挙げられるが、今回の短篇はどれも、謎めいたイメージや伏線が撒き散らされるだけで、 「象徴的」な問題解決は行われる気配すらないし、文章や登場人物もどこか薄っぺらいというか、 あまりに定型的な表現が恥ずかしげもなく頻出することに、何度かうっかり鼻で笑ってしまいそうに なった。ひょっとするとこれは、既に60代半ばという年齢からくる衰えなのだろうか。 やはりある時期以降(おそらく『スプートニク』あたりから)の村上作品は、明らかに英訳を前提と した形で書かれているが、今年は候補の噂すら聞こえてこなかったのは、この作品の英訳が出た せいではないのかと、余計な心配をしてしまいたくなるほどに、いささか残念な出来だったと思う。 | ||||
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中高年世代の男性の女性に対する感情を描いた様々な物語をしみじみと味わえます。 若い頃なら、主人公に反発を覚えて素直に作品を味わえなかったかもしれないけれども、若い時はそれもまた有りですね。 でも、もう自分も若くはない。この本の主人公の男性たちと同じくらいの年齢です。 今は、同様の趣向で女性が主人公だとかえって自分はこの主人公とはこういうところが違っているから、と、物語を楽しむのに気配りをしたりするのが、男性が主人公だと、男の人のことだからストレートには自己投影できないのが前提になっているせいで、かえって物語を追いながら登場人物の気持ちを想像することがストレスを感じずにできたりしてしまう。何枚かフィルターを通した上で作中の登場人物に共感を覚えるという営為が、読者として想像力を働かせる流れの中で自然にできる、こういう話は男性が主人公のものの方が読みやすいみたいだ、という、読者としての自分の変化も感じました。 いろいろな意味で有意義な読書体験となりました。装丁もよいですね。 | ||||
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村上春樹氏による短編集。2014年の出版。 短編小説を書くのは9年ぶりなのだという。 レビュワーのmugi氏の指摘するように 本作は「恋人や妻から捨てられ裏切られた男たち」を描いた短編集であり、 彼らのこころの傷をいろんな角度から照らした「失恋ソングブック」である。 けっして彼女いない歴=年齢の男たちを描いた作品ではない ドライブ・マイ・カー 『文藝春秋』2013年12月号 胃癌末期で妻を失った役者の家福は飲酒で免停のため24歳の女ドライバーのみさきを雇う。 家福とみさきの交流を描きながら、生前に妻には四人の浮気相手がおり、その一人と飲み仲間になったことをみさきに語る ドライブ・マイ・カーの一部が、単行本化にあたって、表現が改められている。 同作品が文藝春秋に掲載された際、その表現をめぐって、 北海道・中頓別町の町会議員、宮崎泰宗氏から抗議を受けた 文藝春秋掲載時の表現は、以下のとおり。 小さく短く息をつき、火のついた煙草をそのまま窓の外に弾いて捨てた。 たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう。 イエスタデイ 『文藝春秋』2014年1月号 関西弁をしゃべる東京出身で二浪の木樽と僕はアルバイトで知り合い仲良くなる。 木樽にはえりかという彼女がいてセックスがうまくいかない木樽は僕にえりかと付き合わないかと彼女を紹介される。 三人で会った後日に二人はデートをする。映画を観てその後に僕はえりかに相談を持ちかけられる。 後日、アルバイトを辞め音信不通になる木樽、それから十六年後に僕とえりかはあるパーティで再会する、 独立器官 『文藝春秋』2014年3月号 美容整形外科医の渡会医師(52歳)は独身主義者で二、三人の恋人とのセックスを楽しんでいた。 そして十六歳年下の子持ちの人妻に恋に落ちる。彼女とは不倫をしながら本気で 好きにならないように努力する渡会医師。渡会医師と僕はジムで知り合い彼女の事を聞く。 会えない時のつらさと謎の怒りの衝動。その後、渡会医師はジムに来なくなり音信不通に、 秘書からの電話で渡会医師が死んだことを聞く、秘書は渡会医師に頼まれて僕に渡したいものがあるという、 シェエラザード 『MONKEY』2014年2月15日発行・Vol.2 ハウスにいる羽原には世話のために訪れる35歳の人妻(二人の子持ち)の看護師がいた。 看護師は美女とはいえなかったが職務のためか羽原とセックスをする。 その後に彼女はいろいろ奇妙な話をした。自分の前世はやつめうなぎだったことや 十代の頃に空き巣に入りそれが病みつきになったことなど、 そして彼女は好きだった男子の家に忍び込み、 彼の部屋から持ち物である使いかけの鉛筆を一本だけ盗む、 彼女は自分の証として「しるし」を残して行く、 木野 『文藝春秋』2014年2月号 出張から予定より早く帰宅した木野は間男を連れ込んだ妻の浮気現場を目撃する。 妻との離婚、バーの経営、灰色の雌猫、火傷の女、謎の客カミタ、三匹の蛇。 カミタから店を閉めて遠くに行くように言われる木野、 女のいない男たち 書き下ろし 昔の彼女の夫からの電話で彼女の自殺を知る僕。 僕の昔の彼女エムの追憶と思い出が書かれる 5編中4編は雑誌連載した。 そのどれもがそれなりに具体的な作品だ。 村上春樹作品にしては抽象的な会話も少なめであったように思う。 逆に書きおろしの女のいない男たちはいつもの村上ワールドという感じ。 「エムは僕の性器のかたちが美しいことを夫に教えたのかもしれない。 エムは昼下がりのベッドの上でよく僕のペニスを鑑賞し大事そうに手のひらに乗せ「かたちが素敵」」P277 エロいのか変態なのかよく分からない。 | ||||
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村上春樹はノーベル賞も期待されて、ファンが多いんですが、本を読むとどうして人気なのかいまひとつ分りませんね。 確かに読みやすいです。 でもこの短編も全てのストーリーにわたって性描写のある話で、男性からすると面白く読めても、女性のファンはどう感じてるんでしょう。 。 。 | ||||
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「まえがき」に書いてある内容は嘘ではないだろうか? そう思えて仕方ない。 自分から書いたと書いてあるのだけれど、誰か(柴田氏?)に依頼されて書いた、あるいは書かざるを得なくて書いた(もっと言えば、書かされて書いた)ように感じた。 自分で書いたにしては理屈っぽすぎる。 ワザとそんな風に書いてみたのだとすれば、それはそれなりに評価されるべきなのかもしれないけれど...。 『東京奇譚集』のほうがはるかに自然。 | ||||
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「女のいない男たち」をテーマにした短編集6作を収録している。連作ではあるが登場人物が違うのでどれから読んでも問題はない。以下、概要と感想。 「ドライブ・マイ・カー」 胃癌末期で妻を失った役者の家福は飲酒で免停のため24歳の女ドライバーのみさきを雇う。家福とみさきの交流を描きながら、生前に妻には四人の浮気相手がおり、その一人と飲み仲間になったことをみさきに語る、 【感想】 P60には雑誌掲載時に波紋を呼び書き換えられた文章「小さく短く息をつき、火のついた煙草をそのまま窓の外に弾いて捨てた。たぶん上十二滝町ではみんなが普通にやっていることなのだろう。」があるが、架空都市の上十二滝町住民は煙草を投げ捨てるという偏見的な文章が残っている。「煙草をそのまま窓の外に弾いて捨てた。」だけでいいと思うのだが。 「イエスタディ」 関西弁をしゃべる東京出身で二浪の木樽と僕はアルバイトで知り合い仲良くなる。木樽にはえりかという彼女がいてセックスがうまくいかない木樽は僕にえりかと付き合わないかと彼女を紹介される。三人で会った後日に二人はデートをする。映画を観てその後に僕はえりかに相談を持ちかけられる。後日、アルバイトを辞め音信不通になる木樽、それから十六年後に僕とえりかはあるパーティで再会する、 【感想】 ビートルズの詩をパロディにし関係者からクレームのあった作品のようでストーリーに関連する詩を削除したためか駄作という感じである。 「独立器官」 美容整形外科医の渡会医師(52歳)は独身主義者で二、三人の恋人とのセックスを楽しんでいた。そして十六歳年下の子持ちの人妻に恋に落ちる。彼女とは不倫をしながら本気で好きにならないように努力する渡会医師。渡会医師と僕はジムで知り合い彼女の事を聞く。会えない時のつらさと謎の怒りの衝動。その後、渡会医師はジムに来なくなり音信不通に、秘書からの電話で渡会医師が死んだことを聞く、秘書は渡会医師に頼まれて僕に渡したいものがあるという、 【感想】 これはもう単に出来事を書いただけの駄作の一言しかない。(笑) 「シェエラザード」 ハウスにいる羽原には世話のために訪れる35歳の人妻(二人の子持ち)の看護師がいた。看護師は美女とはいえなかったが職務のためか羽原とセックスをする。その後に彼女はいろいろ奇妙な話をした。自分の前世はやつめうなぎだったことや十代の頃に空き巣に入りそれが病みつきになったことなど、そして彼女は好きだった男子の家に忍び込み、彼の部屋から持ち物である使いかけの鉛筆を一本だけ盗む、彼女は自分の証として「しるし」を残して行く、 【感想】 短編の中では個人的にはこれが変態的で一番よかった。が、村上春樹さーん、シェエラザードが空き巣で持ち帰った彼のTシャツがP204では下着になってますけど、あと四年後の男子との再会(怪談みたいなもの)が語られず未完、読者への放置プレイかよと言いたくなります。(笑) 「木野」 出張から予定より早く帰宅した木野は間男を連れ込んだ妻の浮気現場を目撃する。妻との離婚、バーの経営、灰色の雌猫、火傷の女、謎の客カミタ、三匹の蛇。カミタから店を閉めて遠くに行くように言われる木野、 【感想】 「彼女のかたちの良い乳房が上下に大きく揺れているのが見えた」P217、「妻はかたちの良い乳房を激しく宙に揺らせ」P260とあり、巨乳の妻への未練タップリの男の話か、まあ、消化不良の駄作という感じである。 「女のいない男たち」 昔の彼女の夫からの電話で彼女の自殺を知る僕。僕の昔の彼女エムの追憶と思い出が書かれる、 【感想】 「温かい西風が吹くたびに勃起していた。なにしろそういう年齢[14歳]なのだ。」P269、や「エムは僕の性器のかたちが美しいことを夫に教えたのかもしれない。エムは昼下がりのベッドの上でよく僕のペニスを鑑賞し大事そうに手のひらに乗せ「かたちが素敵」」P277と言ったなど中二病小説かという感じである。 読後感は一作80枚前後の短編ではあるが大したあらすじもなく凡長という感じ。30枚くらいでいいような内容である。「駄作短編集」に改題しては、(笑) 誤記 P204 下着→シャツ P209 彼女たちと→彼女と ※複数の意味が不明 P209 女たちの→彼女の ※複数の意味が不明 | ||||
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