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星降り山荘の殺人
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星降り山荘の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 41~60 3/4ページ
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本書の一人称はワトソン役となる『和夫の視点』から書かれているが、其れともう一つ、太字で書かれている俗に言う『神の視点』の部分があり、この部分には一切の嘘が含まれていないという、作者からの配慮による徹底したフェア・プレイ精神の元に作られている。私自身も之は最初に読んだミステリ小説であるが、本書は現代のミステリの教科書的作品だと思う。ミステリ小説に於いて作家と、その読者が其々「何を」求めてミステリを書き、読んでいるのか?という事を理解してもらうにはちょうど良いっ教材であり、今までミステリ小説を読んだ事がない様な読者にこそ呼んで欲しい作品である。 | ||||
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各章冒頭に作者からのヒント・メッセージなどがあり、これが面白さのポイントです。また、星園のキザなキャラクターが最高です。彼はこの一作にしか出ていませんが、スターウオッチャーという職に就いた理由でもある、彼が冤罪と信じている故郷の事件のことなど、ぜひ前日譚として執筆していただきたいです。また、この推理小説は連続ドラマとして放送すればかなり面白いものになると思います。どんでん返しもありますしね。ぜひ、星園役は唐沢寿明さんでお願いします(笑)。 | ||||
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都筑道夫『七十五羽の烏』の趣向にならい、各章 の冒頭に作者からの注意書きが掲げられた本作。 《吹雪の山荘》という舞台設定やステロタイプな登場人物たち、そして事件を 不可思議に装飾するオカルト要素など、あくまで本格ミステリの「型」に徹し、 その上でフェアな犯人当てを志向した作品……ではあるのですが、正直作中 に配された手がかりだけで、読者が犯人を特定するのは厳しいと思いますし、 探偵役を務める人物が展開する推理にも、ちらほら穴があるのもたしか。 むしろ、作者には、本作を“端正なパズラー”という体裁に擬態することによって、 真の狙いであるメイントリックをカムフラージュする意図があったのだと思います。 さて、以下は本作で起きる連続殺人事件について、少し雑感を。 第一の事件では、現場にミステリーサークルが作られていたのです が、捜査の攪乱という動機はあまりに必然性に乏しく、不自然です。 また、事件の根幹をなす、ワトソン役の“思い違い”が何であるかを 推理するために必要な手がかりが不足しているのもいただけません。 とまあ、この他にもいくつか突っ込み所はあるものの、手がかりをもとに犯人の条件を導き 出し、容疑者を絞り込んでいく本作の消去法推理は、折り目正しい正統派ではあります。 推理に多少の不備があったとしても、本作のメイントリックによって うやむやにされてしまうというのがズルいといえばズルいのですがw | ||||
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本書を読むきっかけは、ネットで何かと評判が高かったこと。 日本ミステリで傑作と言われる作品は、 かなり読んできましたが、1996年発表の本書は未読でした。 本書の特徴は、本格ミステリの王道とも言うべき手法に則り、 フェアな手がかりを提示して、 犯人当てを楽しんでもらおうという 意図のもとに書かれていることです。 会社で上司を殴ってしまうという失敗を演じた杉下和夫は、 配置換えで、スターウォッチャー、星園詩郎のマネージャー見習いに。 二人は、不動産開発会社社長岩下豪造の手引きで、 開発中の秩父の山奥にある山荘に泊まることになります。 この山荘には、作家やUFO研究家など、 計9名が一夜を明かすことになるのですが、 果たして翌朝、宿泊をしたうちの一人が死体となって発見される・・・。 そして、雪に閉ざされてしまったこの山荘で、 犯人捜しが始まるわけですが、 この作品の最大のポイントは、 各章の冒頭に、作者からのものと思われるメモが提示されている点です。 そこには、「ワトソン役」は「事件の犯人では有り得ない」とか 「(この章には)ひとつ重要な伏線が張られている」といったように、 読者に挑戦するような内容が記されているのです。 作者からの挑戦に対し、あなたは犯人を当てることができますか−− そんなメッセージが聞こえてきそうな本書には、 これまでの本格ミステリでは体験したことのない、 斬新な仕掛けが待っています。 なかなかの快作、という印象を受けました。 ただ、惜しむらくは、これまでにない仕掛けなのに、 不思議と驚きが余りなかったということでしょうか。 こうした趣向(その内容は書けませんが)の作品って、 出尽くしてしまっているのかも、 などという感想を抱いてしまったのでした・・・。 | ||||
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読者に真っ向勝負を挑む本格推理小説です。わざわざキャプションがあって、読者に注意を促す親切さ?! とにかく読み進んで、最後にこれはないよ〜とか、ふざけてる、と批判する人もいると思いますが、たかが推理小説・されど推理小説。僕は素直に読んで、素直に騙されました。 文章はとても読みやすいですし、次々にいろんな事がおきるので飽きません。 ちょっと反則っぽい感じもしますが、これはこれで十分楽めました。 今の世の中に山荘に閉じこめられる設定自体無理がある訳ですから、そこを理解して素直にドキドキしながら読みましょう。 | ||||
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本作は各章の冒頭に、その章の要約を 兼ねた注意書きが掲げられているのが特徴。 たとえば、一番最初の文章では、語り手(ワトソン役)が 事件の犯人でないことが、はっきり明言されます。 登場人物はわずか九人。 しかも、先のワトソン役に加え、何人かは 被害者となるため、容疑者の枠から外れていきます。 よって「意外性」という観点から残った人たちをふるいに かけ、犯人を推定することは、比較的容易だといえます。 しかし、犯行の方法や経緯を含めた事件の全容を、あくまで論理的に 解明しようとするなら、細部までしっかり読み込む必要があります。 その点で作者は実にフェア。 作中のあるシークエンスまでに解明に必要な材料をすべて提示する だけでなく、注意書きにおいて、伏線の場所まで明示しています。 まさにパズラーとしての条件を、余す所なく そなえた正統派ミステリといえるでしょう。 読者を幻惑する変化球や魔球、あるいはバットを振ることも許さない剛速球といった作品は 数あれど、本作のように、打ちごろのストレートで読者を空振りさせるような王道作品は、 現在では希少なのではないでしょうか。 | ||||
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こういった娯楽小説になにを期待して読むか?によって評価は変わってくると思う。 倉知淳のこの作品は、本格探偵小説、青春ドラマ、サスペンス… などの、いずれの要素も中途半端で、期待が大き過ぎると その反動による批判も出てくると思う。 しかし、正月の特番や、トレンディ連ドラ(古っ!)気分で楽しむ娯楽小説としては、最高の部類に属するのではないか? こういう小説を書いてみたいものだ。 | ||||
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雪に閉ざされた山荘で起きる殺人事件。 内容的にはよくある話だが、この小説の変わっているのは各章の始めに「主人公が登場する」だの「探偵役が登場する」だのとその章がどういった章なのかを簡単にまとめた但し書きの様なものがある点だ。 読者にフェアに挑戦した作品ということで、かなり細かく読んだのですが、最後の最後でどんでん返しが待っています。 ラストまでくると「あれ?」と思った後に「ああなるほど、そういうことね」と妙に納得してしまいました。 叙述トリックではありませんが、そっち系が好きな人にはお勧めの一冊です。 | ||||
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倉知氏の作品を読むのはこれが初めてだったんですが、面白かったですね。 見事に騙されてしまいました。 探偵役が犯人を指摘したときは、やられたと思いましたね。僕は思い違いをしていたようです。「探偵役が犯人であってはならない」まさに筆者のおっしゃるとおりです。 意味のわからない方は是非とも一読を。 | ||||
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まず、この作家について他のレビューでは、やれ文章が下手だとかキャラが魅力ないとか 行っている向きもあるが、そいつらには一言「じゃあ読むな」である。僕に言わせれば、 文章は面白いし、キャラも魅力あるしで、全く正反対になるトコが面白いといえる。 特に今回のような、おとなしタイプの主人公には特に感情移入しやすく、飽きることなく 読み進められる。確かに最後では「こんなのあり?」と思わずにいられないが、それにしても星園詩郎である。キャラとしての完成度はパーフェクトに近い。できればシリーズで読みたかったが、そうはいかないのが残念だ。 | ||||
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1996年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。 パロディ作家としての著者の技量が存分に発揮された一冊。 良く出来た作品だとは思うが、やっぱりちょっと結末には納得がいかないような気もする。とはいえ大仕掛けなトリックで、まあ先例はあるものの、ここまでの大作に仕上げるとは。すっかりだまされてしまった。 どんでん返し好きな人におすすめ。 シリーズ化されるものと思って読んでいたが、どうもそういう感じではないようだ。そのあたりもちょっと残念。 | ||||
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代打逆転サヨナラ満塁ホームラン。 世の中のミステリーがすべて本書のようになったら困るが、たまにはこういうのも面白い。 また、犯人指摘のための論理過程もなかなかよくできていると思う。 キャラクターに魅力が乏しいのはご愛敬。 | ||||
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ミステリを読んで楽しむには二通りあると思います 真相及び犯人を予想しながら読む方法 ストーリー展開を楽しみ情景や会話を想像して楽しみむ方法 で、この作品は前者向きで尚且つ 騙されて 「ああっ!そうなのか」と感心できるタイプには受け入れるものである あと各節のコメントはミスリードのためなので、あれを卑怯というのは間違いです(内容的にも嘘は無いし) | ||||
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とにかく騙されてみて下さい。 騙されれば悔しさ以上に心地よい快感があるはずです。 とことんフェアプレイに拘り、伏線も提示された中での 犯人当て。そこで騙されたら、作者に快哉を送らずには いられません♪ | ||||
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素直に読んでみてください。ネタバレになるから内容は秘密。登場人物も個性的で、倉知さんは、人間の書き方が本当に上手いなぁ、と思います。 | ||||
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騙しの結果だけ見れば今となっては良くある手ですが、そこに至るプロセス、ミスリードの方法は、斬新なのではないでしょうか。汚い手を使われたように錯覚しますが、実は見事なフェアプレイです。本格慣れしている人ほど「なるほど」と納得すること請け合いです。能天気な主人公と濃いキャラクターたちが織り成す、リズムのいいストーリーもいい感じです。読み易さも特筆すべきものがあります。 | ||||
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各章の頭につけられたコメントの意味がわからない、とかずるい、というのは本作をきちんと読んでいない証拠である。コメントは本作が成立する上で必要不可欠なものである。またずるい、というのはどこをとってのずるいなのか、全くもって理解不能である。作者はきちんとフェアプレイ精神を貫いているし、どこにも地の文に嘘は見当たらない。ミスリードしている、とは推理作家にとって誉め言葉である。誤った方向に導く、という意味なのだから、読者を誤った方向に導けばそれは作者の勝ちなのである。それも、地の文等に嘘はない。だが本作はそれだけが主眼ではない。これぞ本格推理といった論理的な解決も後半にある。見せ掛けの派手さだけにとらわれず、是非論理のアクロバットに酔いしれてもらいたいものである。見せ掛けにとらわれているならまだ初心者、本作の論理を理解し、素晴らしいものだと認識して玄人の域に達しているのではないかと思う。 | ||||
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各章の始めに起こること、言うなればミステリの舞台裏が説明されて、それから本編を読み進めるという形式で、この章では伏線張ってあるだの、出し惜しみせず全てを曝け出す。これはもう“ミステリ入門書”とでも呼ぶべき代物ですね。ミステリの楽しみといえば、フェアに騙され、自分の思考力を疑い(笑)、酩酊に入ることだと思う。そういった意味では酩酊レベルMAXでした。注意すべきは、表向きのミステリ(ストーリー)だけを読まないこと。大事なのは作者が施した仕掛け!“ヤラれた”と思った時に気付いて下さい。“フェアだ”と思えたら、立派なミステリ読者!? | ||||
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楽しみかたを間違えなければ、充分におもしろいと思う。人間の関係を描いたドラマとか、心理描写とか、登場人物に対する感情移入とかを求めているかたには読むことをすすめない。かなりの確率で、「怒り」を感じるはずだからだ。いろんな意味で作者を全面的に信頼して、素直な気持ちで読むこと。こころを充実させることや、物語の意味などに意識を向けてはいけない。なめるように文字をおい、状況を頭のなかで映像化し、あたたかい気持ちで作者と作品と探偵をみまもること。 | ||||
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長編でも読ませる作者ですね。超古典的な背景を持ってきていながら、最後まで読ませる筆力はたいしたものです。先ず、事件がなかなか起こらないのも良い。中盤から後半にかけて、一気と言う按配ですね。また、伏線もあちこちにたっぷり用意してありました。 難が二点あります。一つは、被害者側と犯人側を繋ぐリングを登場人物の二人だけが知っていて、最後まで読者に知らされていない事。二つ目は、犯人の二重性格なところを、前半に匂わせてもいないと言う点ですね。これは、アンフェアですよ。でも、作者の将来性に免じて、片目を瞑ります。 | ||||
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